【2020年5月の主な出来事と乗車記と乗り歩き。/東海道線静岡地区と大井川鐡道の様子/列車内では「マスク着用は絶対」なのか?】COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道利用者大幅減少の実態とは?
2020年5月乗車記と乗り歩き。COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道利用者大幅減少の実態とは?全国の出来事を冒頭で簡単にまとめた。大井川鐡道では利用者の減少で電車運転は1日1本だけに!東海道線静岡地区では通勤通学客が戻って車内混雑によりソーシャルディスタンスを徹底出来なくなっている!そして列車内では「マスク着用は絶対」なのか?
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もくじ
★2020年5月のCOVID-19の影響による鉄道業界の主な出来事
上記リンクのブログで2020年3月~4月にかけて、私が実際に各地で乗車した際に、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響による鉄道等の公共交通機関の利用者減少の実態を見た。日本国政府は2020年4月14日~5月14日にかけて「緊急事態宣言」を発令した。これは全国統一の期間であり、東京都や大阪府や北海道ではこれよりもさらに期間が長かった。
鉄道関連で言うと、「ステイホーム」と称する合言葉で「仕事や日常品の買い物以外は外出自粛せよ」と言う雰囲気が世の中的に作られたおかげで、利用者が大激減!前年比9割減少は当たり前!JR東日本の新幹線では「自由席の乗車率0%」と言う前代未聞の事になった。JR九州、JR四国、JR北海道の3社では3月から既に臨時列車の運転取り止め、定期特急列車の運休・減車も行ってきたが、本州3社では定期列車の運転は原則として継続した。5月11日からやっと重い腰を上げて東海道・山陽新幹線でも定期列車(主にのぞみ)の一部運休に踏み切った。JR東日本も首都圏の在来線特急を中心に一部定期列車を運休した。
これは利用者の大幅減少に伴う「需要と供給が合致しない」こと、列車本数を意図的に減らす事により物理的移動出来なくなるので移動自粛をさらに促進する(JR九州)、乗務員や駅員がCOVID-19感染リスク低減等の目的である。だが列車本数を減らすと、逆に混雑が増すと言う指摘が根強い。国交省が緊急事態宣言中にJR・私鉄各社に定期列車の運休を要請しなかったのはその事が理由である。
COVID-19は空気感染(空気を吸っただけで感染する事はない)こそはしないが、人と人が接する事でコロナウイルスが服・荷物・肌に付着し、それが口や鼻から入り込み、体内でコロナウイルスが悪さをして、最終的にCOVID-19になると言うもの。
ソーシャルディスタンス(社会的距離)と称する言葉も出てきたが、社会経済活動をする際に、人と人が接する機会は絶対的に発生する。相手が無症状でCOVID-19に感染していたり、相手の服や肌等にコロナウイルスが付着していれば、最悪自分が感染する事がある。そのため、自分にコロナウイルスが付着しないようにするためには、ソーシャルディスタンスを徹底的に行い、物理的にそれが付着しないようにせよ!と言う事が正攻法とも言える予防策である。とは言っても、列車内では人と人が接する機会は増える。これがいわゆる「通勤電車」の中ではそれが爆発的に増える。どう考えても狭い通勤電車でしかも乗車率が150~200%にもなろう状況下では、ソーシャルディスタンスを徹底せよ!と言うのは到底無理である。

↑例えばJR西日本の福塩線(写真)では通学輸送時に1両の列車が大混雑して、ソーシャルディスタンスを徹底する事が出来ず、通学で乗車している高校生やその保護者から不安の声が相次いでいる事から、急遽臨時列車を増発する事を決めた。だが、ソーシャルディスタンスを徹底させるために臨時列車を増発させると言う事は極めて稀なケースだ。現状ではそのような事は出来ない。なぜならば、「車両数が足りない」からである。
JR各社も本音は増発・増結をさせたいが、日本の場合は朝の時間帯(概ね6~9時台にかけて)に鉄道利用が集中する傾向で、この時間帯は「在庫」となる車両が車庫にはほとんどないのだ。
下手すれば予備車両さえもない事も珍しくない。現状では「車両数不足」のため、これ以上の増発・増結はやろうと思えば出来る線区もあるのかもしれないが、多くの線区ではそれが出来ないのが現状である。この点はよく覚えておいていただきたい。

↑さらにJR西日本は、JR京都線とJR神戸線において朝や夜の通勤時間帯に、定期券利用者限定で特急列車の指定席に期間限定で乗る事が出来るきっぷを発売した。これには3つの狙いがあって、1つ目はソーシャルディスタンスをしたいお客のために混雑が激しい新快速等の列車に乗せる事を避けて空席が多い特急に乗りたいと言う需要に応える事、2つ目は特急車内でもソーシャルディスタンスを徹底させるために指定席の窓側座席のみ販売し通路側座席は販売しない、3つ目は格安でも特急に乗ってもらう事で少しでも収入を確保したい思惑があるのだ。これは特急が走っている線区、特急の利用状況が良くない事、朝の通勤時間帯でも特急を挿入できるダイヤ上の余裕がある事などの一定の条件が揃わないと実現できない事だ。ある意味特殊な事である。
緊急事態宣言解除により、徐々に人の動きは活発になっている。JR東日本は5月28日に以降に新幹線を大幅運休させる方針だったが、それを撤回し定期列車は全て運行させることになった。これはJR東海やJR西日本も同じ姿勢で6月1日以降はやはり全ての定期列車は運転している。一方でJR九州やJR北海道は利用の回復が見込めないとして、6月に入っても一部列車が運休中である。
またJR各社は夏の臨時列車(7月1日~9月30日)については、「大幅減便」する事で既に合意している。臨時列車の運休規模を決めて定期列車は原則維持する方針と言うのは水面下で決定しているだろうから、あとは公表を待つだけである(この内容は執筆した5月30日時点の情報であり、当記事公開時には状況が変化している事がある点はご容赦願いたい)。JR九州については「夏の臨時列車は1本も設定しない」と言うのが基本方針のようだ。そうなるとD&S列車(観光列車)のほとんどは列車番号からして「臨時列車扱い」なので、これも例外なく全て運休する事を示すだろう。(あくまでも私の推測、事実と異なる可能性もあるので今後の正式情報に注意されたい)
★大井川鐡道本線は普通列車が1日1本だけに!

↑大井川鐡道は4月10日以降SL(蒸気機関車)を全便運休している。6月13日に運転再開予定としているが、これも状況次第によっては日が前後するかもしれない。大井川鐡道の稼ぎ頭は何と言ってもSLだ。同社の収入の9割がSLに依存しており、普段でさえも1両に10人も乗らない普通列車だけで商売するとなれば、”赤字を垂れ流す”だけになってしまう。
そこで5月13日から電車運転は朝の新金谷~金谷~千頭~金谷の便しか運転しなくなった😫
つまり、ほとんどの駅(新金谷~千頭)では1日1本しか電車が来ないのだ😫
夕方から夜間にかけては上記写真の列車代行バスで電車の代わりに輸送をした。その方が輸送に関わる費用が安いのだ。4月10日にSLが運転しなくなってから、大井川鐡道本線の1日の利用者数はたったの60人!😱「バスで十分」なレベルなのだ。しかし、鉄道事業を営む以上1日1本は最低でも運転しないといけない。お客は乗らないかもしれない😫でも形式的にでも良いので運行するのが鉄道会社の責務なのだ。いわゆる「錆落とし」も兼ねている事は言うまでもなく、線路状態を悪くさせないように維持する事も同時に必要と言う狙いもある。
その列車代行バス。5月15日の夕方に見てみると乗っているお客は誰もいなかった😱
道路を通るためどうしても定時制に劣る。決して渋滞がある道ではない。スムーズに流れるのに、各駅での乗降に時間がかかる事や道路の方が遠回りになる事もあるため、どうしても電車と同等の時刻で運転する事が難しいのだ。これは大井川鐡道に限った事ではなく、鉄道以上に時間がかかると言うのは、列車代行バスの宿命と言えよう😫
大井川鐡道の1日1本は、6月12日(金)で終了。6月13日(土)からは通常ダイヤで運行を再開している。SL列車については6月20日(土)から運行を再開し、6月26日(土)からはいよいよ「2020年のきかんしゃトーマス」が運行開始が決定した🤩
★2020年5月乗車記と乗り歩き。東海道線静岡地区は通勤客の利用状況は大きく変わらなくても、通学客が激減しているため結果的に車内は混雑せず

ここからは2020年5月乗車記である。私は4月12日以降、静岡県内から出ていない。そのため鉄道に乗る場合必然的に東海道線静岡地区となってしまう。元から東海道線静岡地区では臨時列車が設定されていない。設定したとしてもそのほとんどはJR東海主催の行事である「さわやかウォーキング」絡みで、COVID-19の影響で2月29日以降全コースが中止になっているため、それ絡みの臨時列車も原則全て運休に追い込まれた😩定期列車については全て通常通りのダイヤ・両数で運行している。

↑静岡駅のホームライナー券売機。これによれば
ホームライナーについて
当面の間、お買い求めいただきました乗車整理券に記載されている列車の
車内の空いている席をご利用ください
【期間】
令和2年4月30日ご乗車分より当面の間
JR東海 静岡駅長
※令和2年=2020年
つまり元々指定席だったホームライナーを一時的に自由席にして、ソーシャルディスタンスを徹底させようとする狙いがある。
駅の液晶画面(改札外)にはJR東海のCOVID-19の取り組み説明の動画で、新幹線等の指定席を購入する際には出来る限り他人との距離を離すようにしていると言う。とは言っても矛盾するかのように、駅では前のお客と間隔を開けて並べとか車内では1席毎間隔開けて座れ・立てと言う案内はしていない。そんな事は物理的に出来ないから案内していないのであろう。
実際の車内の様子を見てみると、明らかに普段よりも空いている
だが客層を見ると通勤客がほとんどだ。大半はスーツ姿であるが、中には私服姿のお客もいる。東海道線に乗車している理由は「仕事に行くため」なのは言うまでもなく、極一部に「遊びではない所用があるため」と言う理由もあるように見えたが、少なくても「遊びに行く」「旅行に行く」「乗り鉄をする」と言うような人はビックリするくらい皆無であった😯
巷や政府は「テレワークをして移動そのものを自粛せよ」と言っているが、実際にそれが実現出来ている企業は2~3割(調査機関により割合は多少異なる)に留まる。ほとんどは出勤しないと仕事が成立しない現状が浮き彫りになった。これは東海道線静岡地区に乗っていてもよくわかる事。どう見てもテレワークで成立しそうな職業の人が多いよう見られるが、現状はそんなに甘くないようだ。朝7時台(例えば734М、736М、424М等、具体的な時刻は時刻表を参照せよ)の最混雑時間帯の様子からしても、「空席が発生し、立ち席が皆無」と言う事はあり得ない。座席は全て埋まり、立ち席も少なくて2割程度多いと8~9割程度埋まる。これでは「混雑しているも同然」なのだ。ここまでは「通勤客だけの東海道線静岡地区」の話。
状況が少し変わってきたのが、5月後半以降学校が始まった事。制服姿の高校生が少しずつ戻ってきた。すると車内は今までの混雑が戻った。そうなると前述の福塩線ではないが、東海道線静岡地区においても朝や夜のラッシュ時間帯を中心にソーシャルディスタンスを徹底する事が出来なくなった😖
とは言っても現状の輸送量(客数)からすれば、JR東海が提供する輸送力(両数や本数)は「適正」と言うのが正しい答えであるが、ソーシャルディスタンスを徹底するためには物理的に1両当たりの混雑を緩和させる必要がある。究極的には座席1席毎に間隔を開けて、つり革も1つ毎に間隔を開けて立ってもらう。乗車率に直せば50%前後としないとソーシャルディスタンスを徹底させることは出来ない。だがこれも繰り返しになるが「車両数が不足」するためそんな事は現実的に出来ない。車両数を増やす事はすぐに出来ず、やろうとなれば年単位の時間と数百億円単位の設備投資が必要になる。いくらお金がある”天下のJR東海”でもそんな事は出来ないのだ。
従って輸送力を変更する事は出来ない。朝や夜の時間帯の混雑は我慢するしかない。
列車内でCOVID-19感染を警戒するならば、列車を使わずにマイカーで移動するか、混雑しない時間帯の利用(東海道線静岡地区の場合主に9~16時台にかけて)移動するしかない。
すなわち、JR東海に対して「輸送力を増強せよ」と言う要望は本末転倒の意味のない事なのだ。
★列車内では「マスク着用は絶対」なのか?
これはあくまでも個人的な意見である。2020年5月の東海道線静岡地区の乗車記の延長線上になる話だが、列車内の様子を見ると
98%のお客はマスク着用している
そもそも私はマスクをする事が嫌いだ。実際に車内でマスク着用をすると、暑くて暑くて仕方ない🥵
それに耐えられずマスクを外す次第である。COVID-19の感染予防では「マスク着用は効果がない」とWHO(世界保健機関)は認めている。その辺のエビデンス(根拠)について細かな事は知らないが、恐らくコロナウイルスが服や肌等に付着している際に、それを口や鼻に入れさせない役目を持つのだろう。逆に自分が持っているそれを他人に巻き散らさない事もあるだろう。COVID-19の感染の強さとしてはきわめて強力で、海外の調査では1人の感染者から一気に533人が新たにCOVID-19に感染したとする結果も出ている。そうなれば少なくても乗車していた車両の全てのお客がCOVID-19に感染する事を意味する。
だがWHOは2020年6月に入って、エビデンスを大幅に転換。一転して「マスク着用がCOVID-19に効果がある」と今までは矛盾する見解を示した😩
だが夏場は熱中症のリスクが高くなる。例えば日本郵便では郵便配達の社員に対して、お客との対応をしない限りマスクは外して良いとした。この事は他の配送会社にも広がるだろう。高速道路のサービスエリア等で止まっているトラック運転手を見ると、直接人と接しない事も関係しているとは思うが、マスク着していない人が多い。街を歩いている人を見ても、マスク着用していない人が5月に比べれば増えている。列車に乗る等多くの人が集まる時だけマスク着用する人が多いような気がする🙄
JR東海は「車内は空調装置で適時換気している」とアピールするが、JR東日本のように窓を強制的に開けて換気する事はしていない。それについてはあくまでもお客の良心だ。ならば、COVID-19の原因菌(コロナウイルス)が車内にあったとしても、数分すれば車外に放出されるため、車内での感染リスクは低いような気がする。「マスクさせられている」が私の意見であるが、そもそもマスクする必要性があるのか?甚だ疑問である。列車内では自分が感染しないではなくて、自分が感染していた場合に他人に撒き散らさないための意味合いが強いのではなかろうか。
「マスク着用は絶対」と言う雰囲気(同調圧力)が車内ではあるため、逆に着用していないとかなり目立つ😫

↑一方でJR東海バスは、運転士はマスク着用で乗務した上で、お客にもマスク着用を事実上義務付けている。これは他のバス会社(特に高速バス)やヒコーキも同じ。

↑ヒコーキについてはかなり厳格で、搭乗口でお客に対して検温やマスク着用有無の確認をするほど。ANA(全日空)ではマスクを持っていないお客がいる場合、無償で提供するとしている。マスク着用を拒否したお客がいた場合ヒコーキに乗る事自体を拒否すると言う。
私は着用しないで乗る事もそれなりにあるが、そのプレッシャーを頻繁に感じる。着用しないのも人それぞれで、「マスクが嫌いだから」「マスクが暑いから」「マスクを忘れたから」「マスクが品薄で確保出来ないから」等があろう。これが寒い時期ならばまだ納得できるが、これから蒸し暑くなって、2020年も猛暑と言われる中で、「マスク着用は絶対」と言うのはいくら何でも嫌だし、勘弁してもらいたい。
★まとめ
以上が2020年5月における乗車記を基に書いたCOVID-19の鉄道利用の実態であった。少しずつ通勤客・通学客が戻っているが、今度は車内混雑でソーシャルディスタンスを徹底させると言う問題にぶち当たっているように感じる。今後はこれが課題であろう。そして「マスク着用は絶対」はいつになったら消えるのであろうか?いい加減に消えてもらいたい。
6月分は下記リンクをクリック(7月5日公開)
【2020年6月乗車記と乗り歩き/少しずつ利用者が戻り観光列車も運転再開!】COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道・バス利用者大幅減少の実態とは?
いつも拝見させていただいています。
私も列車内でマスク着用はしません。「感染予防の観点から効果がない」とWHOが認めているのですから。「マスク着用は絶対」はいつになったら消えるのであろうか?ですが、私の予想ですと、COVID-19の流行が続く限り未来永劫着用しないといけなくなるのでは?最悪。