【経営戦略を社長に聞く!】JR四国が2020年6月末で資金ショート(資金枯渇)?!JR北海道以上にヤバすぎる経営状況の実態とは?

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COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で収益が激減しているJR四国が2020年6月末で資金ショート(資金枯渇)する?!と言う事はJR四国は倒産??その時一体どうなる!?果たしてどういう事なのか?同社の経営実態とはどうなっているのか?わかりやすく説明する。また同社の経営戦略について鉄道ジャーナル誌が社長の半井真司氏に聞いた時の模様も書く

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★2020年6月末にJR四国の資金ショート(資金枯渇)の衝撃的な報道

まずは下記の新聞記事から。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が、JR四国の経営に大きな影響を及ぼしている。JR四国は8日、利用客の減少による4月の損失が17億円に上ると発表した。半井真司社長は記者会見で「4月の損失を残り11カ月で補えない」と述べ、2021年3月期通期の業績見通しを初めて「未定」とした。収入減で6月にも手持ち資金が尽きるとして、金融機関と借り入れ交渉中であることも明らかにした。

JR四国が8日発表した20年3月期の連結決算は、営業損益が120億円の赤字だった。過去5年間では100億円規模の営業赤字が続いていたが、過去最大の営業損失となった。

20年3月期の売上高は489億円だった。新型コロナによる減収額がグループ全体で20億円に上り、2期連続の減収となった。減収額の内訳は最も多い鉄道事業が11億円、ホテル事業は3億3千万円、バス事業は2億7千万円だった。

売上高の減収幅は前の期と比べて2%減にとどまったが、半井社長は「大幅に悪化したようには見えないが、災害で不調だった前年度以上に悪化している」と事態の深刻さを強調した。鉄道収入は2月から前年割れしており、3月は過去最大の落ち込み幅を記録。半井社長は「1月までは順調で前年を上回るほぼ計画通りだったが、非常に残念だ」と振り返った。

20年3月期の新型コロナによる影響は限定的だったが、今期の影響は底が見えない。半井社長は11年の東日本大震災などを念頭に、「災害は計画的に対策が打てるが、先が見えない新型コロナで非常に厳しい状況だと認識している」と述べた。21年3月期の業績は、通期の見通しとして初めて「未定」とした。

既に21年3月期の業績に大きな影響が出ている。新型コロナの影響で4月単月だけで、17億円の減収額が鉄道事業で発生した。かき入れ時の大型連休中の利用は、主要路線で前年比9割減に落ち込んだ。ホテルやバスを管理するグループ会社の減収額を含めれば、さらに今期の減収額が膨らむ可能性がある。

四国4県では香川県や高知県が7日に休業要請を解除したが、半井社長は「(回復の)見込みは立たない」と述べ、客足が戻らない状況に危機感を示す。新型コロナウイルス収束後も「急激な利用者の回復は難しい。新しい生活様式の中で、どのような役割を果たせるか検討しなければいけない」と述べ、赤字路線の廃線議論の加速に含みを持たせた。

収入減による現預金の流出も深刻な状態にある。JR四国の現金・現金同等物は20年3月末時点で147億円だが、従業員への給与や工事費などの支払いで、6月末までに「端的に言えばゼロとなる」(西牧世博専務)という。取引がある金融機関などと交渉中で、借り入れの規模や期間は未定という。

JR四国、コロナで業績悪化 4月の損失「残り11カ月で補えない」(2020年5月8日付、日本経済新聞)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58882560Y0A500C2LA0000/

つまり、そのままにしておくと2020年6月末の段階でJR四国が持っている現金が全て枯渇(ショート)してしまう!😱

上記の事を執筆した時点(5月9日現在、下記の大半は5月30日に執筆した)銀行からカネを借りるとしているが、借りる事が出来ないと企業経営そのものが成立しない。とは言ってもJR四国と言う会社は四国の中では規模の大きな会社で、中小零細企業でもない事から、同社の借金(有利子負債)は増える事になるが、同社の置かれた立場(公共性の強い企業で、信用力が高く、余程の事がない限り倒産する事もないだろう)からして、銀行もカネを貸すしかないないのではないか。

JR北海道とは異なりJR四国は国や地元自治体からの財政支援を受けていない。完全な自力経営だ。国や地元自治体からの財政支援はそう簡単に受ける事が出来ないもので、「あーでもない、こーでもない」と議論と交渉を重ねてようやくカネがもらえるものだ。

JR四国は2020年3月31日に国交省から「経営改善に向けた取り組みを進める指導」を受けた。同社は2011年に「2020年度に経常利益3億円を達成する」と策定したが、実際には2019年度実績で利益は程遠く、経常損失21億円となった。2020年度の事業計画案でも12億円の損失を見込んでいるため、事実上「未達成」(未達)が決まった。そのため、国交省は同社に対して未達の原因を分析して報告を求めたうえで、2020年度中に10年間(2022年~2031年)の長期経営計画と5年間(2022年~2026年)の中期経営計画の策定を求めた。また社外の厳しい意見や助言を経営に反映させる仕組みも求めている。

↑このように国交省からのJR四国の評価も決して良くなく、”JR北海道の二の舞”になる事を警戒しているように見える。この「指導」と称する事は2018年にJR北海道に対して「経営改善の監督命令」とほぼ同じ内容である。(上記記述は「鉄道ジャーナル2020年7月号」の枝久保達也著「運輸業界の出来事 JR四国に対する経営改善指示」を参考にした)

JR四国の資金ショート(資金枯渇)は急に発覚した事で、国や地元自治体からすぐに財政支援を受ける事は100%無理であろう。

なぜならば、JR北海道の事例を見ると、最終的に同社が国からカネを受け取るまでには「年単位の時間」がかかっていたからだ。JR北海道の事例からすると、国から受け取ったカネの使いみちは設備投資関連が多くが前提なのだ。従業員の給料を支払う、工事費用を支払う、光熱費を支払うと言った”運転資金”として国民の税金を使う事は国(特に財務省)が強烈に拒否しているのだ。それは納税者と言う立場に立ってみても納得出来ない点はあるが、JR四国も一応は株式会社なので、資金ショート(資金枯渇)して公共インフラである鉄道の運転が出来なくなったら

仕方ないね😞

と思うのか

鉄道が運転出来ないのは困る😫明日からの移動手段が消えてしまう😱

と思うのは人それぞれであろう。少なくても前者はマイカー等の自力で移動できる手段がある事を示すが、後者にはそれがないので、仕事には行けない、遊びには行けない、買い物にもいけないと日常生活に大きな影響を与える。これはJR北海道も同じだ。鉄道以外の交通手段を別途自分で確保するしかない。一定の「交通弱者」はいるわけで、その人たちには救済バスを用意するしかない。下記の赤い文字だけは覚えておいていただきたい。

JR四国が本当に資金ショート(資金枯渇)したら、同社管内の列車は全て運転出来なくなる!

★鉄道会社の収益構造とは?今は鉄道事業以外の副業による稼ぎ主体

JR各社の経営実態をざっくり書く。JR北海道が今にも倒産しそうでヤバい状況である事は知られているが、それでもなんとか国から財政支援を受けて持ちこたえている。仮にそれがなければJR北海道はCOVID-19の影響で真面目に倒産していたと思う(あくまでも私見)。JR本州3社は東証一部上場企業でJR東海の営業利益率が異常なほど高いが、鉄道でメシを食う事が出来るのはJR東海だけで、残りのJR東日本とJR西日本はそう言う事が出来ない。副業(鉄道以外の事業)の比率も年々高くなっており、例えばJR西日本の場合は現状は鉄道7:副業3に対して、2025年度には鉄道6:副業4にしたいとしている。これはJR東日本も同じである。副業でメシを食っているのがJR九州で既に鉄道4:副業6の収益構造になっている。だがJR九州の収益構造が異常か?と言うとそうではなくて、大手私鉄各社(例えば小田急や京王)も意外と鉄道よりも副業での稼ぎが大きかったりする。

なぜ鉄道会社が鉄道以外の事業でメシを食おうとしているのか?・・・それは「少子高齢化で鉄道利用が減少しているから」である。例えば大手私鉄各社が有料のライナー列車(または特急か座席指定車)をここ数年大幅に増やしているが、これは建前上は「確実に座れるというサービス向上」であるが、実態は「鉄道事業の収入アップ」が狙いなのだ。そもそも鉄道利用が昭和30年代や昭和40年代ほど乗り切れないほどの大混雑が日常化しているならば、この種の有料ライナー列車は設定しない。本数を多くすることはもちろんだが、多くの人が乗れるように4ドアロングシートが標準で、一部車両は6ドアにして1両に300人程度が乗れるようにしないと、とてもでないが希望者全員を輸送する事が出来ない。そこには「着席」と言うサービスは犠牲にするしかないのだ。

ところがJR四国は、そもそもから輸送量が少ない。1日平均の利用者数が約15万人だ。JR北海道が35万人、JR九州が80万人、JR東海が150万人、JR西日本が600万人、JR東日本が1,800万人という数字を見ると、JR四国のそれがいかに少ないかがわかるだろう。

★JR四国の経営状況の実態とは?

JR四国の稼ぎ頭は瀬戸大橋線の「マリンライナー」(写真)や同線を経由し四国各地へ向かう特急(しおかぜ、南風、うずしお)やこれらに連絡する「宇和海」「あしずり」「剣山」等である。列車本数が少ないと言う事もあるため、特急が普通列車の代わりに使われる事も多くて、自由席を増やしたうえで特急料金も安くしている事が特徴だ。

しかし、COVID-19で稼ぎ頭であったマリンライナーや特急の利用者が激減した現状では、自ずとJR四国の収入そのものが減少する。これは他社でも同じ事であるが、これは私の推測として本州の3社は毎年莫大な利益を生み出しており、内部留保も多くあるだろうから1か月や2か月程度収入が激減した所でも、一応は持ちこたえる事が出来る。これは大手私鉄も同様だ。一方で内部留保に余裕がない会社はそういうわけには行かない。客数が明らかに減りだして今後も増える見込みがないと判断した場合には、即座に臨時ダイヤ改正をして需要に合致した運行本数にして、損失額を出来る限り抑えている。内部留保の具体的な額や規模は知らないが、その有無に関係なくJR九州は「損失額を増やしたくない」と言う思惑から、3月16日から一部特急の減便に踏み切った。それが本来あるべき「経営判断」だと私は思っている。ではJR四国もそれをやっていなかったのか?と言うとそうではない。3月6日以降観光列車の運行を取り止めて、3月24日以降も一部の定期特急や普通列車が運休に追い込まれている。

「JR四国はどうなってしまうのか?」(私設のブログ)

「第32期決算公告」(JR四国ホームページ)

↑上記2点のリンクページを使って詳細を説明する。「第32期」と言うのは2018年度の事を示す。「決算公告」の2ページ目にある「損益計算書」と言う項目を参照されたい。難しい言葉や数字が並ぶが、上から順番に見るとJR四国の経営実態が少しはわかってくると思う。

冒頭の「鉄道事業営業利益」と言う項目。「営業収益」は261億円となっている。つまりこれがJR四国が2018年4月1日~2019年3月31日までに得ることが出来た収入である。それに対して「営業費」は396億円とある。列車を動かすための燃料代や電気代や整備代、従業員の給料や販促費用も含まれる。「JR四国」を営むためには年間396億円も必要なのだ。当然のことながら、営業費よりも営業収益が高くないと赤字になってしまう。JR四国の場合は134億円も赤字なのだ😱

普通ならばこれで終わりだが、ここからJR四国と言う会社(北海道やかつての九州でも言えた話だが)の大きなカラクリ🙄

それが「経営安定基金」と言われる”ファンド収入”だ。国鉄民営化時に国鉄からの”置き土産”として、経営が厳しいであろう三島会社には、各社の経営体力に応じて営業収益とは別の手段で収益が得られるようにしたのだ。とは言ってもお客を相手に商売するのではなくて、金融商品の一種である基金とかファンドでお金を運用して、そこで発生した利益で赤字を穴埋めして、結果的に会社全体の収益は赤字にならずしてもらおうと言うものだ。バブル崩壊後金融商品の金利と言うものは下がっており、思うように利益が発生しないのも事実。そこで2011年に「特別債権」と言う仕組みが導入された。

「JR北海道、JR四国及びJR貨物の経営自立支援」(鉄道・運輸機構ホームページ)

↑こちらを参照されたい。簡単に説明すれば下記の通り

老朽化した鉄道施設等の更新その他会社の経営基盤の強化に必要な鉄道施設等の整備に必要な資金に対して無利子資金の貸付け又は助成金の交付の支援を実施

上記ホームページより引用

である。つまり従来の収益方法だけでは必要となる設備投資が満足に出来なくなる実態があったため、鉄道・運輸機構が別口で融資するものなのである。JR四国の実績としては老朽化した2000系気動車を8600系電車に置き換えたと紹介している。8600系はJR四国が自腹で買ったのではなく、支援を受けて買った車両なのだ。

「決算公告」を見ると、「経営安定基金収益」が74億円としているが実際には運用費用で4億円引かれているので実際には70億円に過ぎない。これだけでは134億円の赤字の穴埋めは出来ない😫そこで「特別利益」と言う項目。上記の鉄道・運輸機構からの経営自立に向けた資金(設備投資助成金)が43億円、その他固定資産の売却益等で合計12億円もJR四国には入ってきているので、「特別利益」が55億円。すなわち「経営安定基金」70億円+「特別利益」55億円=125億円も収益を確保出来ているのだ!😆

それでも9億円の赤字と言う計算だが、最終的には税引き後の決算は2億円の赤字に留まっている。細かいカラクリがわからないが、JR四国にはグループ会社がいくつもあるので、不動産を中心に黒字決算となっている社もあるはずだ。そこの黒字を本体の赤字の穴埋めする事も出来る。最終的に「JR四国」と言う企業が黒字経営・赤字経営と言うのは、単体の「四国旅客鉄道」の部分で見るのではなく、「JR四国」等の看板を付けているグループ会社の分も合計した額(連結決算)で決めるものである。本体よりもグループ会社(副業)に頼っているのが、JR九州だったり私鉄の一部であったりもする。「経営安定基金」と言う仕組みは本州3社と九州(昔はあった)にはないもので、、これがあるおかげで何とかギリギリ会社の経営が出来ているのだ。

「2020年度事業計画」(JR四国ホームページ)

↑こちらの13ページを参照。これによると2020年度の「営業収入」は290億円を予定している。つまり2018年度と比べれば30億円も増加する計算だ。この根拠はインバウンド等の観光需要の増加なんだろうが、COVID-19の影響でインバウンド客が激減し少なくても2020年中は戻ってこないと言われている。この予算書はCOVID-19の影響が出る前に作成したものと思われるため、「想定外」と言われればそれまでだ。

上記リンクの「JR四国はどうなってしまうのか?」と言うブログの筆者の試算として、月間平均の収益は約24億円と見ている(新聞やテレビ報道からしても計算上は概ねそれくらいの額になる)。それに対してCOVID-19の影響を考慮して予想出来る月間平均収益は約5億円(正確には4,85億円)としている。すなわち、月間平均よりも20億円、8割も少ない事になる😫この状況が1年間続くとは思えないが、もし仮に続いた場合単純計算で、JR四国の2020年度収益はたったの60億円しかない事になる😖

また上記リンクのブログによれば、JR四国の月間支払額(従業員の給料、光熱費、気動車の燃料代、車両の整備代、線路や設備等の工事代金、税金、借金返済など)で約25億円かかるとしている。「キャッシュフロー」や「EBITDA」と言う難しい言葉が並ぶが、経営が厳しい会社の場合は営業収入と支払額が近い(若しくは後者が上回る)事は意外と珍しくないだろう。このブログの筆者によれば

たったの2か月で資金がショート(枯渇)するとは思えないが、毎月25億円資金流出は財務状況が厳しい事に間違えなく、かなり切羽詰まった状況なのは確かだ

上記リンクのブログより

としている。鉄道事業の場合、意外と毎月の支払額は変わらない。収益が多い分には黒字が増えて経営的に楽になるが、COVID-19のような世界的な感染症やリーマンショックのような経済危機があると、収益が激減するだけで死活問題になってしまう。観光バス会社や航空会社だったら運休してしまえば、ある程度傷口を抑えることが出来るが、JRや私鉄と言った鉄道は最低でも毎日1本の列車は動かさないといけない。極端なものが大井川鐡道だが、COVID-19で看板列車のSLが運行出来ず、元から地元利用も少ないので電車運転よりは代行バスが安上がりで、しかも昼間の利用実態は皆無に等しかったので昼間はバスさえ運行しない徹底ぶりだ。これは地元・利用者のコンセンサス(同意)が得られれば出来ることだが、JRグループで最も規模の小さいJR四国では、このような事は出来ない。香川では香川の事情、愛媛では愛媛の事情と県別に求めている事や利用実態は違うし、岡山で新幹線接続する以上はJR西日本にも伺いを立てないと決められない。大井川鐡道のように1社・1地域だけで簡単に決めることが出来ないのが、JR四国にはあって、これはかなりのジレンマだと私は思う。

いずれにせよ、資金ショート(資金枯渇)と言う最悪な事態にはならなくても、JR四国の経営状況がギリギリなのは変わりないのだ

★JR四国の経営戦略とは?社長に聞く!

これについては「鉄道ジャーナル2017年10月号」の記事から抜粋する。JR四国の半井真司社長(2020年6月以降は同社会長)の単独インタビューした(92~93ページ参照)。以下の内容はこれをベースに話を展開する。よく言われるのが「JR四国はJR北海道に似ている事」。言われてみればそうだ。路線網、運行体系からして両社近い所がある。だが同然の事ながらJR四国とJR北海道はあからさまに違う。これについて半井氏は・・・

私はJR北海道さんはある意味で羨ましいと思うんです。というのは、札幌と言う大都市を抱える中で、ある意味で線区を「切って」行った先に「残すもの」のイメージが描けるんですね。ですが、四国の場合はそうした手法は使えません。全島のネットワークを維持して底上げをするしかないんです。


冷泉彰彦著「四国の鉄道ネットワークの現状と展望」より(鉄道ジャーナル2017年10月号、以下「同著述」とする)

そもそも四国には札幌のような大都市がない。札幌の人口が約195万人だが、四国では最大の都市松山でも約50万人しかない。予讃線沿線に10万人台の市が高松まで散発的に続くが、これは静岡県内における静岡~浜松間と似たような状況で、こちらは比較的短距離(概ね10キロ程度)でそういう市が続くのに対して、四国ではやや間隔を開けて出現する。松山~高松と言う都市間は距離が離れているため、各駅停車だけでは当然無理で、通過駅を生じるタイプの列車であれば223系のようなクロスシート搭載の快速列車よりは、リクライニングシート搭載の特急型車両の方が都合が良い。普通列車は各駅停車を基本として、”毛細血管”のような役割で細かいニーズに応じればいい。これは北海道でも北陸でも山陰でも九州でも言える話だ。元々の旅客数が少ないので2両(場合によっては単行)でも十分なのだ。

四国と言うのは4つの県があって、それぞれに個性がある。これらを結んでいる鉄道ネットワークは今も昔も機能しているが、これは将来にわたって維持しない限り四国の発展はないと言える。北海道とは異なり四国島内の移動にヒコーキを使う事はない。使ったとしてもマイカーか高速バスだ。道路網も国道・高速道路とも四国の主要都市を結ぶように出来ているが、それが台頭しても鉄道が維持出来ないとどこかで四国の態勢が狂ってしまうのではないか?と言うのは私見である。道路との関係について半井氏は

民営化直後には、瀬戸大橋線の開通と大橋ブーム、四国観光ブームが起きました。この時期には非常に業績が良かったんですが、1998年頃から高速道路網の影響が顕著になって行きます

同著述

その後、経営努力で2004年ぐらいまでには何とか下げ止まりに成功して、高速とシェアが安定してきたんです。ところが、そこにリーマン・ショックと1,000円高速と言う問題が降ってきました

同著述

それでもなんとか利用者数を維持する事が出来たが、2009年のいわゆる「1,000円高速」でJR四国の利用者はマイカーに取られた😫それでも2015年以降はインバウンド効果によりなんとか持ちこたえている。それでは今後の利用促進について半井氏は・・・

観光とかインバウンドというのは、確かに良い事ですが経営へのプラス効果はそれほど大きくありません。そうではなくて、とにかく四国の住民の方々によるご利用を少しでも拡大していく、経営改善にはこれしかありません

同著述

結局はそのような結論になる。COVID-19のような事があればあっという間にインバウンド客や日本人の観光客は消えてしまう。それ頼りではとてもでないが鉄道経営は出来ない。JR東海の東海道新幹線は特殊な事例だとしても、ほとんどの鉄道は地元利用者で経営を作り上げるしかないのだ。とは言ってもJR四国も何らかの努力をしないといけない。安全対策は基本中の基本であるが、単線主体の四国では高速化と言うのは今や現実的な話ではない。国鉄末期からJR四国発足初期にかけて熱心にそれに取り組んだが、特急が走る主要路線ではそれに関する整備は完成している。今以上のスピードアップを求めるならば、複線化や曲線を少なくする事、新幹線を作る事になってくるが、非常に現実的な話ではない。そこで半井氏は・・・

四国の鉄道ネットワークは単線が中心です。パターンダイヤと言うのは組みにくい。ですが、すれ違い設備を増やす事で増発を行って少しでもパターンダイヤに近づけることが出来れば、4つの県庁所在地における通勤通学需要はもう少し拡大可能

同著述

個人的に2019年ダイヤ改正で牟岐線パターンダイヤはビックリした。単線区間でパターンダイヤを組むことが出来たのは革新的であった。そのためには「すれ違い設備」(交換設備)の増設である。主要路線では出来る限り棒線駅を無くす。そうすれば増発も可能になるし、パターンダイヤも組みやすくなる。

他にも同著述にはさまざまなJR四国の興味深い話があったが、地道な努力で利用者を獲得しようとする姿があった。半井氏が言うように、結局は地元利用を増やすしかないのだが、出来れば年に1回程度、四国の鉄道に乗ってもらってJR四国の収益を増やすしかないのが鉄道ファンにやってもらいたい行動であろう。

★まとめ

JR四国の経営状況は極めて厳しい。5月上旬の報道からどのようになっているのか?詳細はわからないが、悪い方向であれば続報の1つや2つあるだろうから、それがないと言う事は「6月に資金ショート(資金枯渇)は回避できた」と見て良いのかもしれない。私はある意味楽観的な見方をしている。「ある日突然運行停止」と言うリスクもあるが、COVID-19が終息し速く元通りに戻る事を願うしかない。なお、経営状況についての記述で誤りがあれば指摘されたい。また、みなさんのご意見があればコメントしていただければ幸いだ。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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