【2020年3月乗車記と乗り歩き/定期特急列車も運休!1本間引いた後の「にちりん10号」宮崎空港→大分に乗ると人の動きがない!】COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道利用者大幅減少の実態とは?
2020年3月乗車記と乗り歩き。COVID-19(新型コロナウイルス)の影響で鉄道利用者大幅減少している。その理由や実態は?JR九州は定期特急列車も運休している!1本間引いた後の特急「にちりん10号」に宮崎空港駅から大分駅まで乗る。787系4両ワンマン特急だ。1両に10人前後しか乗らず途中駅からの人の動きが全くない実態だった!
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【山陽新幹線さくら573号広島→新山口/指定席は空席だらけ!2割程度しか乗っていない】COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道利用者大幅減少の実態とは?
【東海道線静岡地区、東海道新幹線、静岡鉄道、大井川鐡道、遠州鉄道、静岡県内の高速バスは?】COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道・バス利用者大幅減少の実態とは?
【鹿児島本線快速久留米→博多間でとんでもない事が起きた!客たったの3人!】COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道・バス利用者大幅減少の実態とは?
もくじ
★JR九州は定期特急列車も運休!5月2日~5月6日の大型連休(ゴールデンウイーク)中は全ての在来線特急が運休!なんで積極的に運休するのか?
JR九州はCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響で定期列車の新幹線・特急でさえも運休させている。
「新型コロナウイルス感染拡大に伴う運転計画について」(JR九州ホームページ、2020年4月15日更新)
↑詳しくはこちらを参照されたい。
ざっくり言うと、JR九州管内の定期列車の特急と新幹線の一部、D&S列車(観光列車)の全て、普通・快速の一部定期列車も運休に追い込まれている😫一部列車は両数の短縮も行われている😫
JR九州がCOVID-19の影響で列車本数を削減し始めたのは3月16日からである。利用者が見込めない列車が多く発生したため、需要と供給を合わせる形で特急・新幹線・定期列車関係なく全ての列車を対象にした。
JRグループではJR北海道も一部特急の運休や減車を実施しているが、その結果一部特急が混雑しやすくなったため、運休本数を減らす対応も行っている。本州のJR3社は臨時列車はほぼ全てで実施しているが、定期運行する特急や普通・快速の運休は空港利用者しか乗らない「はるか」(京都~関西空港)を除き、実施していない(2020年4月22日現在)。
だが採算的に見てしまえば、JR九州よりははるかに経営体力があって、利用者数も多い本州3社も定期特急列車の運休に踏み切るのは時間の問題と私は見ている。結果的には2020年5月から6月にかけてそれを実施した。JR東海の東海道新幹線は社長会見でその事を示唆しており、定期列車「のぞみ」を中心に運休した。山陽新幹線直通直通列車はJR西日本の以降も左右されるため、これは対象外にして自社管内で完結する「のぞみ」を中心に行ったが、これも結果的には山陽直通列車にも波及した。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う追加の運転計画について(JR九州ホームページ、4月21日公表)
JR九州は4月21日(火)になって、大型連休中の5月2日(土)~5月6日(水・祝日)までの全ての在来線特急を運休させる事を決めた。
大型連休(ゴールデンウイーク)期間中は「ソニック」「かもめ」と言った利用者が多い都市間特急でさえも例外なく運休する😫それでも一定の需要はあると見ているため、救済策として臨時快速を1日に数本運転するようだ。「どうしても大型連休中にJR九州の列車を使わないといけない」とケースも仕事の人を中心にいるだろう。在来線特急は一切運転していないため、普通・快速列車を乗り継ぐしかない。クルマがあるならばクルマで移動するしかないだろう。なお、九州の高速バスもほとんどが運休しているため、大型連休中に九州内を移動するならばクルマだけになると言って良い。
建前上は「緊急事態宣言が出ているため、さらなる移動自粛を促すため」としているが、それも理由としてありながら、実際の所はやはり「経営的な問題」が大きく左右しているだろう。これから下記で記述するが、在来線特急は3月25日の時点でも、1両に10~15人しか乗っていない状況😫普段ならばこの倍以上はあってもおかしくない。
4月になってからはCOVID-19の状況が悪化していること、在宅勤務のさらなる推進等もあって、さらに鉄道利用者は大幅減少しているに違いない😫
4月になってからは1両に10人も乗らない列車が多発していると思われるが、本来稼げるはずの在来線特急が「回送同然」で運行していると、”赤字の垂れ流し”となる。赤字分は当然JR九州が負担しないといけない。例えば電気代、燃料代、人件費、整備費などなど。JR九州の収益構造からして6割が鉄道事業以外の副業(不動産、物販等)で稼いでいるが、JR東海のように極端に稼いでいるわけでもないので、そこで生まれた利益を赤字部門の鉄道に回るほどの経営体力はJR九州にはない。ましてはCOVID-19の影響で副業でさえも休業が続き収入が全く入ってこない状況だ。
そのまま運休もせずにダイヤ通り列車を動かしていれば、お客が集まらない事により生じる赤字を負担する事が出来ず、資金枯渇→経営破綻になりかねない。これは航空会社や高速バス会社も同じ。
JR九州がCOVID-19の影響による運休を決めた時期は鉄道業界では最も早かった。「利用者が減少したらすぐにダイヤに反映させる」事をしないと”経営的にやって行けない”のである。その傾向は中小私鉄でもそのような傾向があって、例をとれば静岡鉄道もそうだったりする。
経営体力がある本州3社や大手私鉄各社ならば、乗車率が1割程度しかなくても「公共交通機関だから利用者が少なくても列車を運行する事が責務。単に利用者が減少した事を理由に我々はむやみに運休しない。”赤字の垂れ流し”になってしまっても仕方ない」と言うように考える会社との違いだ。JR東海やJR東日本はこのような考え方である。
それでは、JR九州は3月25日(水)の時点でどのような対応していたのであろうか?🤔日豊本線や佐世保線等の一部でも定期の特急列車の運休を始めていた。ならば運休した前後の特急列車に乗って「COVID-19の影響でどこまで利用者が減少しているのか?」確かめてみた。
★2020年3月乗車記と乗り歩き。「にちりん」はどのように運休しているのか?ウワサのワンマン特急に乗る!😆
【日時】2020年3月25日(水)
【列車番号】5010М(特急にちりん10号大分行き)
【時刻】宮崎空港10:11→大分13:40
【車両】787系4両(分オイ=大分車両センターのBo111編成)
【備考】車掌や客室乗務員が一切乗務しないワンマン運転。大分から先については次回



↑特急にちりんは、概ね1時間に1本運転している。COVID-19の影響で間引き運転が行われており、「にちりん10号」の1本前は宮崎空港駅9:19発の「にちりん8号」(787系6両)であるが、これが運休。さらに1本前の宮崎駅8:05発の「にちりん6号」(787系4両)となる。つまり2時間半ぶりの「にちりん」である。
なお、「にちりん10号」の後は、宮崎空港駅11:19発「にちりん12号」(783系5両)は運転するものの、同駅12:10発「にちりん14号」(787系6両)は運休となっている。等間隔で運休しているのではなくて、所定の車両両数と需要を照らして合わせてその両数に見合った需要が期待できない時、速達タイプの列車(主にソニック)、車両運用の都合等々で運休列車を決めているようだ。



↑乗ったのは4号車自由席のクハ787-113。車内の写真は宮崎空港駅発車前後や大分駅到着直前に撮影したものだが、お客が大きく増えているわけでもない。1本間引いたとしてもその分のお客が後発の「にちりん10号」に集中するわけではない。

↑南宮崎では10:16~10:23まで止まる。宮崎空港駅~南宮崎駅~宮崎駅にかけては特例で「乗車券のみで特急の自由席に乗れる」事になっている。そのため「にちりん10号」は同区間普通列車と同じ役割を持つ。地域輸送の側面もあるのだが、そもそもヒコーキの利用者が減っているため宮崎空港駅から乗るお客も少ない。3月25日(水)の時点では9:30~10:00にかけて、中部空港からの全日空便、羽田空港からの日航便とソラシドエア便が到着していたし、これからヒコーキに乗ろうとしていたお客も多数いた。だがそれでも普段と比べれば少ないのだろう。発車案内表示を見ていると「欠航」と言う文字もそれなりに見える。別の回で書くが、ヒコーキはCOVID-19の影響を鉄道以上に受けている。

↑南宮崎~宮崎(大淀川)
宮崎には10:26~10:30。
1本間引いた分だけ多くのお客が乗ってくることは・・・ない😫
自由席は各列に10人前後が並ぶのがやっと。車内の様子を見ると、やはり10人前後しか座っていない😫後ろの3号車も似たような人数だ。1本間引いた所で「にちりん10号」に乗り切れないほどお客が乗って来ることもない。むしろ空席だらけだ。
ところで「にちりん」はワンマン運転だ。乗務員は運転士しかいない😱車掌が居ない定期特急はJR九州が鉄道事業の収支改善のために積極的にやっており、今まで”聖域”であった定期特急列車で車掌を削減する事に踏み込んだ。「ワンマン特急にちりん」では車掌が居ないので検札を受ける事もない。悪く言えばキセルし放題なのであるが、時々抜き打ち的に車掌を乗せて検札する事もあるという。現在は787系4両で運転する「にちりん」の全列車と宮崎~鹿児島中央間の特急「きりしま」も対象になっている。なお、D&S列車でも車掌を乗務させていないが、車内でサービスを行う客室乗務員が乗務しているため実質的にはワンマン列車とは言えない。
★ただ単に展開される日豊本線の車窓

↑日向新富~高鍋

↑高鍋駅(733М宮崎空港行きと交換、817系VK006編成)

↑高鍋~川南

↑川南~都農

↑都農~東都農(宮崎リニア実験線)

↑日向市駅

↑南延岡駅

↑南延岡~延岡


↑延岡駅

↑市棚駅


↑宗太郎駅

↑重岡~直川

↑直川駅(12:24~12:26運転停車)

↑佐伯駅

↑海崎駅

↑浅海井(あざむい)~日代(ひしろ)

↑浅海井~日代

↑津久見駅

↑鶴崎~高城
宮崎から大分までの日豊本線の車窓。約3時間絶景とも言える車窓の連続!「車窓鉄」として楽しくて楽しくて仕方ないのであったが、「にちりん10号」の車内は?と言うと人の動きが全くない!日向市や南延岡、延岡と言った宮崎県北部で多少降りた程度で、新たに乗って来ることは極めて少ない。
COVID-19の影響で明らかにお客が減少している😫
と言わざるを得ない。普段から利用が少ない時間帯ということを考慮しても、駅に人が集まる事がない。とにかく移動する事自体をやらなくなっているように見えてきた。本来ならば各停車駅ごとに「〇人乗車、〇人下車」と描写した書き方をするが、3月25日の「にちりん10号」については、ほぼ全駅で「利用が少ない」「乗り降りわずか」等の同じような描写しか続かない。
日豊本線は比較的車窓が良いため、車窓を説明しても良かったが、文章でダラダラと書く構成もタイトルからしてどうなのか?と。ただ単に窓から展開される車窓を誰かも邪魔されずに見る。自由席なので停車する駅があるごとに、隣の席に新たな人が現れるのか?気にする次第であるが、この日の「にちりん10号」についてはそんな事は一切なかった。ただ単に展開する車窓を何も考えずじっくりと見ている所をそのままブログでも展開してみた。
★かなりの「利用不振」のように見えた😰
それでも細かく描写する点はあって、日向市駅で11:18~11:22まで停車し宮崎空港行きの「にちりん5号」(787系4両ワンマン)と交換。送り込みの運転士?抜き打ち検札の車掌?が乗り込む。佐伯以南の日豊本線はほぼ全て単線。特急同士の列車交換もそれなりにあるが、必ずしも特急の停車駅で行うとは限らず、片方が運転停車して交換する事も少なくない。延岡駅で交代運転士が敬礼する所が見える。JR九州特有の”儀式”で列車に対して敬意を示すためのものなのだろうか。運転士の行路は宮崎県内と大分県内のみで分かれており延岡で交代する。一方で車掌は大分までの”通し”となっている。
「青春18きっぷ」利用では難所で知られる「宗太郎越え」も「にちりん」ならば1時間に1回チャンスがあったのが、COVID-19の影響で2~3時間に1回となる時間帯も出てきている。ここは国道10号と並走するが、非常に山深い所で人がいる感じもしない。大分県に入ると、宮崎県以上に人の動きがない。佐伯・津久見・臼杵等の主要駅からの人の動きがないのは正直言って意外だった。
一般に「にちりん」のような県境を越える特急は、県境付近では利用が減るが、県境を過ぎて終着駅(県庁所在地やそれに準じる大きな街)が近づくと再び増えだすのがセオリー。それが全く見られないというのは、「かなりの利用不振」と言っても良いのかもしれない。JR九州が運休を決めた列車は特に利用者が少ないという実態がわかってきた。
大分駅には13:40着。すぐに博多行き特急「ソニック34号」(13:45発)がホームの反対側に止まっているはずなのだが・・・
次回に続く(4月28日公開、下記リンクをクリック)
【1本間引いた(運休)したため大分→博多間の特急ソニック36号が大混雑!】COVID-19(新型コロナウイルス)の影響による鉄道・バス利用者大幅減少の実態とは?
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