【2018年3月乗車記/生きた証人川平駅】三江線廃止までの”参考”になる記録52
2018年3月乗車記。廃止直前に訪問した川平駅。三江線開業時からそのまま残る駅舎でまさに”生きた証人”。どんなドラマが展開されたのであろうか?駅前に出ると様子が激変していた。それはあるものが消えていた
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【2016年3月の乗車記と車窓422D三次→浜原/単行でもお客はたったの5人】三江線廃止までの”参考”になる記録②
【2016年3月の乗車記と車窓422D浜原→江津/わずかな人しか乗らない】三江線廃止までの”参考”になる記録③
【2017年3月再び尾関山駅へ】三江線廃止までの”参考”になる記録④
【2017年3月乗車記/432D尾関山→式敷/大混雑429D式敷→三次】三江線廃止までの”参考”になる記録⑤
【2017年3月乗車記/廃止決定後の422D三次→口羽は早朝でも空いていない!】三江線廃止までの”参考”になる記録⑥
【乗車記/初めて行った天空の駅宇都井駅】三江線廃止までの”参考”になる記録⑦
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【2017年3月乗車記/最混雑列車424D船佐→石見川本】三江線廃止までの”参考”になる記録⑨
【2017年3月乗車記/初めての石見川本駅のゴールデンタイム】三江線廃止までの”参考”になる記録⑩
【2017年3月乗車記/426D石見川本→川戸/川戸駅交換設備が消えた跡】三江線廃止までの”参考”になる記録⑪
【2017年3月乗車記/三次行きの最混雑列車?429D川戸→石見簗瀬】三江線廃止までの”参考”になる記録⑫
【2017年3月乗車記/430D石見簗瀬→江津の石見神楽トレイン】三江線廃止までの”参考”になる記録⑬
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【2017年7月乗車記/高速バス「石見銀山号」で広島から因原・石見川本へ簡単アクセス!】三江線廃止までの”参考”になる記録⑮
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【2017年11月乗車記/最も混む列車424D発車前の三次駅の様子・9時に来れば良い】三江線廃止までの”参考”になる記録㉞
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【開業から廃止まで88年の栄光の歴史】三江線廃止までの”参考”になる記録㊵
【基本的に立入禁止に…廃止後の線路・駅と言った施設はどうなるか?】三江線廃止までの”参考”になる記録㊶
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【2018年3月乗車記/廃止直前に1か月半運休した宇都井駅には?】三江線廃止までの”参考”になる記録㊽
【2018年3月乗車記/簡単に県境越えが出来る作木口と江平は三江線らしい景色】三江線廃止までの”参考”になる記録㊾
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【2018年3月乗車記/おおなんバスで石見川本から因原→サクラの木がある因原駅】三江線廃止までの”参考”になる記録51
もくじ
★「生きた証人」川平駅。駅前のサクラがバッサリと切られてしまった・・・
【訪問日】2018年3月4日(日)
【列車番号】426D(江津行き)
【時刻】因原13:51→川平14:37
【車両】←江津 キハ120-314(米ハタ)+キハ120-325(広クチ)+キハ120-321(米ハタ) →三次
【その他】列車番号、列車時刻は2018年3月16日(金)まで有効。3月17日以降は9426Dとして同時刻で運行。

↑因原からは426Dに乗車。
「川戸or川平」どちらで下車するか?迷う。
当初予定では江津まで乗車し、折り返しの429Dに乗車する事にしていた。
426Dと429Dは異なる車両で運行するため、車両交換する江津駅の様子を見ておきたかったのであるが、結果的に見る事は出来なかった。今回の3月3日(土)、3月4日(日)の2日間で三江線全線に乗車する事は出来ず、今回は江津から川平まで「未乗」となった。距離にして7キロに過ぎない。
やはり424D石見川本行きと比べれば、明らかにお客は少ない。空いているボックス席も1つ、2つ程度はあったので、通路側の座席に座る。
川平、川戸の両駅とも訪問する事にしていたので、両駅間をどのように移動するか?がポイントとなった。駅間が約7キロで、道なりに江の川対岸の国道261号線を歩けばいいのであるが、GoogleMapsで検索すると「7キロ100分」であった。
川戸からは17:03発の431D浜原行きに乗車の予定であったので、理論上は川戸まで徒歩移動しても間に合う。
しかし、7キロの徒歩移動は体力的にしんどい。川戸の様子をじっくりと見ておきたかったし、徒歩移動が嫌になったので、429Dに川平→川戸の1駅だけ乗車すれば良いと言う結論になった。


↑川平で下車。乗降したのは私だけであった。
キハ120が走り去ると、遠くからディーゼルのエンジン音が聴こえてきたが、これも次第と消えた。


↑元交換駅だった姿をそのまま残す。その残り方は石見簗瀬並みにしっかりとしたものである。今にも線路さえ設置すれば列車交換できるように見えてしまう。むしろ、川平駅が「棒線駅」に見えなくなってしまった。






↑木造駅舎なのが、非常に濃い味わいだ。
私はこのような駅舎が好きで、長く居ても飽きる事がない。ホームでいろいろと撮影すると426Dが発車してからあっという間に10分以上経過。川平駅の駅舎は1930年(昭和5年)から今日に至るまで継続使用されており、まさに「生きた証人」。三江線のいろんな出来事を見てきた。ホームのベンチには、今まで数えきれない人々が座って、三江線を待って、乗ったはずだ。
「どんな物語が展開されたのだろうか?」
ふと思った。それだけ深くて濃い歴史を想像するだけで、面白くなってしまった。私以外に来る人は誰もいない。しばらくしてクルマで同業者がパラパラと来るが、すぐに帰ってしまう。429D発車時刻になって地元の人が数人と近くの駐在所の警察官も見送りに来た。
そう言えば、60分前までいた因原駅ホームではサクラの木がしっかりとあった。次にサクラが満開になる時に三江線列車が通っている事はない。川平駅前のサクラの木も相当美しく一度も見る事が出来なかったのが、痛恨の極みであるが、因原以上に悲惨な出来事が待っていた・・・。

↑今回撮影した駅舎。

↑2017年7月に撮影した駅舎。
今回撮影した写真と比較すると左側の部分の木が取られていた。これから何らかの工事をするのか?立ち入りを規制する仕切りも。

↑今回撮影した川平駅入口付近の写真。シンボルとも言えたサクラの木が根っこから切り落とされていた。やはり工事をするらしく立ち入りを規制する仕切りがここにも。

↑駅前の公道にも仕切り。ここは整地されており、まさに工事中。
どういうことなのか?説明しないといけない。
三江線廃止後に代行バスが運行される。基本的には現行の三江線駅にバス停が設置されるが、幅員や経路等の都合で必ずしも駅に入るわけではない。対岸の立派な道路沿いにバス停を設置するケースもあって、作木口や江平がこのパターン。
川平は今の駅前にバス停を設ける事になったが、

↑写真右側のオレンジ色の待合室を兼ねたバス停を設置するために、駅前にあったサクラの木が邪魔になった。そこで2018年3月1日(木)にサクラの木が切られてしまった。私が来る3日前の話だ。
さらに、前述の駅前の公道の仕切りはバスの転回場で、そのスペースを作っていたのである。
そうなると、三江線廃止後は今の駅舎に入る事が出来なくなる可能性が高い。今の駅舎の待合場所をそのまま使って、ここでバス待ちする事も出来ないと。
駅舎自体は老朽化が進んでいるので、三江線廃止後遠くないうちに、解体されてしまうのではないか?・・・と思うしかなかった。
当然決定した事ではないが、川平駅のような木造建築の駅舎は全国的に見ても今や貴重で、大げさな表現ではあるが「重要文化財」とも言える川平駅の駅舎だ。

↑川平駅から少しだけ江津方に進んだ場所。レールの刻印には「1962」の数字。1962年(昭和37年)製で、それから取り換える事なく56年も現役で使用されている事になる。この役目もあとわずかで終えようとしている。
53回目に続く(4月17日公開)
【2018年3月乗車記/88年見守った川戸駅のサクラ】三江線廃止までの”参考”になる記録53
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