【藤枝で先発普通列車追い抜かず】2020年3月ダイヤ改正から「ホームライナー静岡」が平行ダイヤになった理由とは?
2020年3月14日以降のダイヤでは東海道線静岡地区における朝運転の「ホームライナー静岡」が藤枝駅で先発普通列車を追い抜かなくなった。すなわち平行ダイヤで、「ホームライナー静岡」に乗っても先発普通列車より速く到着出来なくなった!その理由はなぜだろうか?
もくじ
★2020年3月14日以降浜松発静岡行き「ホームライナー静岡」に乗っても先発普通列車より早く到着できない平行ダイヤに!

↑2019年度(2020年3月14日まで)の東海道線静岡地区における時刻表である。藤枝7:20発の「ホームライナー静岡」は、先着した普通列車を追い抜く。そのため先着普通列車は藤枝駅で停車時間が長くなっており、7:22発となっている。7:20発の「ホームライナー静岡」に乗り続けると、7:34に終着静岡に到着する。静岡では7:37発興津行きの先着普通列車に接続していた。
そのため、浜松~島田間で「ホームライナー静岡」に乗ると、先発(場面によっては先着)普通列車よりも速く静岡駅に到着出来ていた。これは次の「ホームライナー静岡」、すなわち藤枝7:50発も同様のダイヤパターンであった。このダイヤは2007年3月18日実施の事実上の白紙ダイヤ改正から10年以上継続してきた。

↑先日の2020年3月14日からのダイヤ。「ホームライナー静岡」関連が大きく変わっている!
元々は藤枝で先発(先着)普通列車を追い抜いていたが、2020年3月14日以降は藤枝で普通列車を追い抜かなくなった。先発普通列車は静岡駅まで後から来る「ホームライナー静岡」には一切抜かれず、「ホームライナー静岡」に乗ったとしても先発普通列車よりも速く静岡駅に到着する事が不可能になった!
この事を「平行ダイヤ」と言う。
「ホームライナー静岡」の前後の普通列車に着目してみると、なんともバラツキが激しいダイヤになっている。例えば藤枝7:23発の「ホームライナー静岡」の前後にある普通列車は、7:11発、7:15発、7:28発である。7:11発と7:15発の間隔が4分おきになったかと思いきや、「ホームライナー静岡」を挟んで次の普通列車は13分後の7:28まで待たないといけない。7:28発の次の普通列車は6分後(7:34発)と「等間隔」になっていない!
これについては、7:47発の「ホームライナー静岡」の前後にある普通列車も同様である。
そのため朝混雑時の普通列車の運転間隔は昼間よりも長くなっている!
但し本数や両数は減らしていない。これについては2019年度と全く同じ体制で、輸送力そのものは全く変わっていない。あくまでもダイヤパターンを変えたに過ぎない。
★なぜ「ホームライナー静岡」を平行ダイヤにしたのであろうか?
これについてはJR東海静岡支社に直接質問してみたい所であるが、理由は「よくわからない」。
輸送力を変えているのであれば、ダイヤパターンを変更したり、本数や両数の変化があっても良いのだがそういうわけではない。東海道線静岡地区では御厨駅開業でダイヤが変わっているが、それでも大きなものとは言えず、基本的には御厨駅以西で2019年度よりも多少早い時刻に発車するようにしている。逆に言うと御厨駅以東では「大きく変わっていない」。新幹線接続もあるため、新幹線のダイヤが変われば東海道線もそれに合わせざるを得ない所があるが、当該の時間帯に限っていれば、静岡駅に発着する新幹線の本数や時刻は多少変わった程度で、極端に変わっているわけではない。そうなれば新幹線のダイヤが理由とも限らない。仮説を立ててみた。
仮説①~藤枝駅の構造が変化?
「ホームライナー静岡」に抜かれる先発普通列車は藤枝駅の副本線1番のりばに入る。上り線(静岡・東京方面)の列車のみ使用できる線路で、いわゆる「錆落とし」のために「ホームライナー静岡」がない時間帯に普通列車が入線していた時もあったが、近年は「ホームライナー静岡」がある時間帯に普通列車が退避する目的で入線する事がほとんどだ。
藤枝駅で普通列車も退避せずに”逃げる”という事は、何らかの理由で副本線の1番のりばが使えなくなったのではないか?
そうなれば、「ホームライナー静岡」も平行ダイヤにせざるを得なくなる。藤枝以外に先発普通列車を追い抜ける駅は掛川だけとなる。一方で下りの「ホームライナー浜松」の場合は退避可能駅は用宗(ホームライナーは通過のため緩急接続せず)、島田に変わる。
仮説②~「ホームライナー静岡」にお客を誘導させるため?
ダイヤを見ていると意図的に普通列車の利便性を低下させている。藤枝駅で見ると7:15発の後に来る列車は7:23発の「ホームライナー静岡」で、静岡駅には先着する。普通列車だけにこだわれば7:28まで待たねばならないが、東海道線全体でみれば「ホームライナー静岡」も乗車する選択肢に入ってくる。
すなわち、普通列車の運行間隔を意図的に拡大させて、間隔が広がっている時間帯に「ホームライナー静岡」を挿入させることにより、本来普通列車を使っていたお客にも「ホームライナー静岡」に乗ってもらう
と言う営業的な側面が強い。今までなかった変化として、静岡駅や清水駅と言った「ホームライナー」停車駅に「ホームライナーは便利で快適」と称するような宣伝が券売機付近に登場した。一般にこのような宣伝があれば、お客に「ホームライナーと言う商品を買ってもらいたい」と言う意図が丸見えである。なお「ホームライナー」は乗車券以外に「乗車整理券330円」が必要だ。
列車にもよるが静岡地区のホームライナーは平均すると意外に乗車率が低かったりする。静岡→沼津の「ホームライナー沼津」は比較的乗車率が高く、朝の2号(静岡7:00発)、夜の8号(同20:20発)、夜の10号(同21:36発、平日運転)は満席になる事も珍しくないが、それ以外の「ホームライナー」は平均して5割程度の乗車率しかない事が多い。藤枝で先発普通列車を追い抜かなくなった朝の「ホームライナー静岡」もやはり平均すると5割程度しか乗車率がない。「ガラガラ」と言った印象だ。
★まとめ

なぜ「ホームライナー静岡」は平行ダイヤになったのか?・・・この正しい答えは「わからない」。この記事は私の推測・予想に過ぎない。詳しくわかる方がいたら、コメントをお願いしたい。
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