【新清水発新静岡行き1001号車最終列車に乗る】静岡鉄道1000形1001号車引退の日

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2020年3月乗車記。静岡鉄道1000形1001号車が2020年3月7日(土)現役を引退した。引退の日1001号車を追いかけて乗る事にした。47年前の車両とは思えぬほど若い!運転席には花が!狐ヶ崎~桜橋間ではJRの列車とも並走する!誰もが注目しなかった「新清水発新静岡行き最終列車」にも乗る!そして最後は寂しい結末だった

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静岡鉄道(静鉄)は2020年3月7日(土)、最古参1000形の1001号車(1001編成)と同形の1006号車(1006編成)が現役を引退した。代わりに同日からはJ-TREC(総合車両製作所)から納車されたA3000形のA3007号車(A3007編成)と同形のA3008号車(A3008編成)が運行開始した。当初各種イベントが予定されていたが、COVID-19(新型コロナウイルス)の影響で中止若しくは延期された。列車の運行は所定通り行われたので、寂しいながらも「静岡の”顔”」である1000形の1001・1006号車の2編成を最後にしっかり乗る事にした。今回は1001号車にフォーカスして引退の日の模様を追いかける。

【日付】2020年3月7日(土)

★何時に来るかわからない1001・1006号車

↑3月7日の早朝、新静岡駅に来た。この時点でこの日の予定は一切未定。と言うのもこの日の主役1001・1006号車が何時の列車で運行するのか?全くわからないのだ。静鉄の公式サイトにはA3000形の全編成と1000形の1011号車「ちびまる子ちゃん」に関しては、日々の運用を公開し駅ごとの時刻までキッチリと公表している。引退する1001・1006号車に乗りたいと希望するファンや一般客が多いに違いないと言う時期なのに、なぜか非公表。これには拍子抜けと言うがガッカリだ。

↑新静岡駅の券売機には1001・1006号車の運転時刻が一応出ていたが、これはラストラン列車。しかも長沼車庫に入庫する事を示す柚木行きであった。だが券売機に行く用事も当然あった。普段ならばKitaca(交通系ICカード)をタッチすれば静鉄の電車とバスには乗る事が出来るので、そもそも紙のきっぷを買う用事がないのだが、この日はかなり長く静鉄に乗るかと思い「1日乗車券」を探したが、意外に券売機の中には収容されていない。静鉄の「1日乗車券」は静岡清水線(電車)全線と葵区・駿河区・清水区のほとんどのバス路線に乗る事がセットになったタイプ。しかも券売機ではなく窓口(または有人改札)での販売だ。電車のみの「1日乗車券」は存在しないのだった。他社では「電車のみの1日乗車券」が存在するが、静鉄では一部”特売日”(概ね正月三が日や5月の大型連休中等)を除き通年販売されるきっぷではない。なぜそれを静鉄は通年商品化しないのか?疑問で仕方がないが、諦めて自動改札機にKitacaをタッチする。全区間定価で乗る事になった。

↑話は前後するが券売機手前の窓口入口。有人窓口自体は7:30からの営業。まだやっていない。右上には「スペシャルイベント開催!」と書いた1000形を7編成長沼車庫に揃えて展示会を行う事、この日から運転開始するA3007・A3008号車の出発式を新静岡駅で執り行う事になっていたが、前述のとおりCOVID-19の影響で前者は後日に延期、後者は中止になった。

↑新静岡駅は改札口を通ると左側から1番のりば、2番のりば、3番のりばとなる。基本的には1・2番のりばの交互仕様で、臨時列車や本数が多い時間帯に限り3番のりばも使う事になるが、なぜか電気が消えたA3002編成が置いてあった。どうやら夜間留置のようだ。数分後運転士が登場し、A3002編成のパンタグラフを上げて、電源を入れて、ドアの開閉試験、ブレーキ試験等の始業準備を行う。本来は長沼車庫に全編成を夜間留置するかと思っていたが、車両運用の都合や長沼車庫のキャパシティー等の問題で駅での夜間留置ある・・・という事をこの時初めて知った。

↑新清水方のホームの端に立つ。ここが新静岡駅におけるいつもの「トレインウォッチングポイント」なのであるが、やって来る車両はA3000形ばかり。今まではA3000形が来ると嬉しくなったものであるが、この時だけは主役は彼ではなく大先輩の1000形だ。静鉄の車両運用は極めて単純で、新静岡駅~新清水駅を何回も往復しているだけだ。約45~50分で一巡する運用なので、最大50分特定の場所で待っていれば、狙いの車両に乗る事が出来る。その間に狙いの車両がやってこなければ運行していない事になる。だが1001・1006号車の引退日は「始発から運行します」としていたので、車両がやってこないわけがない!待つ事25分・・・

↑やっと1001号車が登場!

運転席には花束が置かれ

「1973-2020 ありがとう1001号 2020年3月7日 Shizutetsu」

と記されたヘッドマークを装着。既に前面展望を楽しむ同業者(鉄道ファン)が一定数居ると見た。

↑この列車は折り返し7:40発の新清水行きになる。到着すると撮影する同業者が数人。一部ホームの奥からも来た者が居るが、決して混雑していない。下手すれば「普段の日」と変わらぬ状況だ。

↑どアップで運転席にある花とヘッドマークを撮影する。花がある姿を見ると

今日で引退なんだな😭まるでお葬式だ

としみじみと思った。

↑1001号車は7:40定刻に新清水に向けて発車した。新静岡で1001号車を見たのはこれが最後だった。

★47年前の車両とは思えぬほど若い!1001号車

【時刻】長沼8:40→新清水8:55

↑1001号車を新静岡で見送ってから1時間後の長沼駅。運行する列車の大半はA3000形で、1000形はほとんどが長沼車庫で待機している。車庫の隅にはこの日から運行開始するA3007(ピンク)とA3008(グリーン)が縦列停車している。何も電気は入っていない。準備している形跡もない。営業開始は約100分後だが新静岡に回送で移動するので出発はこの後70分後であろうか。大先輩を前に新人らしさの緊張感の欠如なのか?やけにのんびりした朝の過ごし方をしている。

↑8:40、新清水行きの列車が来た。約60分前の新静岡駅の発車時刻からダイヤをたどって行き、やはり予想通りの列車で1001号車が登場!これに乗った。

↑先頭の1501と後ろの1001の連結部分。1000形は車内側に仕切りドアは一切なくて、2両が一つの空間になっている。これはJRにはない私鉄特有の構造で、連結部分だけが同じ電車なのにまるで別の乗り物のように見えていたと言うのが私が子供のころから思っていた事だ。連結部分は優先座席(優先席)になっており、座席の柄も他の部分と違う。明確に優先座席と区切っているのは1000形が最後で、A3000形は「全席優先座席」となっているため、このような区切りは存在しない。

↑1001は紛れもなく1000形の最古参車両。1973年(昭和48年)に登場した。それ以前は300形等の自社製造の車両がメインだったが、静鉄で初めて車両メーカーで作ってもらった事、ステンレス製になった事など静鉄の歴史からしても特筆すべき点が多い「名車」と言っても良かろう。ブルーリボン賞やローレル賞の受賞歴はないが、鉄道友の会静岡支部が1979年(昭和54年)に「おれんじ賞」と言う独自の賞を受賞している。

↑47年間運行を支えたマスコン(運転台)。1000形ではT字ワンハンドルマスコンを採用し、これが後輩のA3000形にも受け継がれた。

↑1001号車の車体を外から見ると、とても47年活躍したとは思えぬほど”若い”。むしろこれが47年目の車両かと思うとビックリする。静鉄は電車・バスともに「長く大切に使っている」。とは言っても47年前の姿のまま2020年時点も活躍しているか?と言うとそうではなく、細々とした改造を施しているのも事実で、例えば登場当時排障器(スカート)は設置していなかったが、2008年以降全編成に設置した。なお一番最初にスカートを設置したのは1001号車と同日に引退した1006号車である。

↑狐ヶ崎~桜橋間のJR東海道線との並走部分。313系や211系がスイスイと静鉄電車を追い抜く。これは普段からある事だが、この日は運転席に花が置いてある。そこには

「47年間安全に運んでくれて、本当にありがとうございます」

と手書きのメッセージも出ている。これは昨年の1005・1007号車が引退した時も同じ。JRならば車両を労う事はやらない。静鉄と言う規模の小さな私鉄、地域に愛される鉄道だからこそ車両はもちろん、設備であったり、普段から利用するお客を大切な存在としている姿が見えてくる。

↑あくまでも普段通りの輸送を続ける1001号車。A3005号車とすれ違う。車内には1001号車が活躍する写真であふれていた。本来ならば市中企業や静鉄グループ各社からの宣伝が主体だが、ドアに直接貼ってあるタイプを除きそれが皆無。最近(2020年2月頃)に撮影したものから10~20年ほど前に撮影した写真まで、とにかく1001号車の歴史がわかる車内になっていた。

↑入江岡~新清水間の巴川鉄橋を渡る。1001号車が新清水駅に来るのは残り1往復となった。数えきれないほど渡ってきた巴川と新清水。車庫が長沼にある関係で清水区内(県立美術館前~新清水)を離れるのはどうしても早い時間になってしまう。新清水駅は静鉄特有の長さの短い行き止まり式ホーム。巴川を渡る時点から速度が落ちてゆっくりと右カーブすると新清水駅に着いた。

↑折り返し9:00発新静岡行きになる。撮影する同業者が数人。数人で留まった。これが予定通りイベント開催ならば数人どころの騒ぎではなかったはずだ。同業者の動きを観察していると、8:55に着いた列車から下車するとホームのいろんな場所から撮影。特に新静岡方の先頭となる部分は、スペースがある事、比較的良好な構図が得られるので、人気が高い。中には一旦改札を出て駅の外から慌てて撮影して車内に戻る同業者もいる。折り返し9:00発の新静岡行きに乗って向かったのは先頭の運転席。ここに10人近くが集中する。引退する車両・列車があればこのような”濃厚接触”はどうしても起きてしまう。

★1001号車で運行する新清水発新静岡行きに乗る

【時刻】新清水9:54→日吉町10:14

↑新清水駅を発車する列車はやはりほどんどがA3000形だった。繰り返しになるがこの日1000形で運行した列車は1001・1006号車しかなかった。

↑新清水駅のホーム。1000形が引退の日とは思えぬほど静か。これもCOVID-19の影響でイベント開催しなくなった事が原因なのであろうか?

私はある列車に目星を付けていた。新清水駅9:54発の新静岡行き。この列車が「1001号車による最後の新清水発新静岡行き」であった。次発の10:00発の新静岡行きは「1006号車による最終の新清水発新静岡行き」となる。静鉄最古参の1001号車の最終列車に乗りたいと思っていたが、本当の最終列車は新静岡~長沼間の短距離運行の列車。それは何か味気なかったので、静鉄全線を走破する列車に乗りたかったのだ。それでも新静岡の1駅手前日吉町までとしたのは撮影の都合であった。

特に新清水駅では「9:54発新静岡行きが1001号車による最終列車」と言う案内が出ている事はない。至って普通の静鉄電車だ。この列車が1001号車で運行する事がわかったのは、当日運用予測からの事で、同業者もそこまで詳しくないと知らない人の方が多かったのかもしれない。新静岡駅では長時間止まる事なく、すぐに長沼に向けて折り返すと言うのは意外だった。普段よりも長めに止まるかと思っていたが、特にイベントをやるわけでもなかったので、あくまでも「長沼行きとして入る通常運用」に過ぎない。スジ的には本来6~7分おきにある新清水行き定期列車の間に挿入する格好だ。

↑9:48頃最後の新清水行きとして到着した1501号車。到着と同時に同業者がなだれ込むように車内からはきだされる。

↑新静岡行きとして準備を行う1001号車。遂に新清水駅を出発する。新清水駅に1001号車が戻って来ることは二度とないはずだ。その事を意識している人は少なかったに違いない。

↑発車前の車内の様子。基本的には一般客が主体であくまでも「普段の静鉄電車」。一般客が今乗っている車両が新清水発最後の列車とは知る由があるまい。先頭の1001号車の座席に座る。やはり出発直前には運転席周辺に同業者が”濃厚接触”し始める。何事もなく9:54定刻に発車。国鉄のMT54に似たモーター音が車内に響く。この音のモーター音は国鉄・私鉄問わず広く聞けたものであるが、令和となった今や探さないと見つけられなくなった。今日1001号車が引退する事で、さらに昭和が遠くなったような気がした。

同業者の”濃厚接触”はますますヒートアップする。必ずしも新清水~新静岡の”通し”とは限らず、途中駅から乗って途中駅までの同業者も意外と少なくなかった。鉄道ファンにおける”派閥”で言えば「撮り」だろうか。「乗り」ならば例外なく全区間乗るはずだし、ガッツリと前面展望せずに大人しく座席に座っているだろう。意外にも同業者の中で全区間の前面展望動画を撮影している者が皆無である事。局所的には居ても全部ガッツリと撮影する者が居ないのも意外だった。やはりこの列車が「1001号車による最終の新清水発新静岡行き」と意識している人は同業者であっても少数と見た。そんなの私くらいしか強く意識していないのであろう。

土曜日の朝という事で、人の流れは新静岡(静岡市中心部)に向かう流れが圧倒的に多い。日常的なお客も当然多く、立ち客でいっぱいになってくる。浮かれた気分なのは私を含めて1001号車引退を知る者だけで、そうではない大半の一般客は「普段の日常」に過ぎない。

↑日吉町を発車する1001号車の新静岡行き。折り返しとなる列車は「本当の最終列車」柚木となる。

★寂しすぎた最終営業列車柚木行き

これについては1006号車についても同様の事を言う事が出来る。とは言っても1001号車の最終列車柚木行きには乗っていないので、外から見る格好だ。

↑新静岡~日吉町。ここは直線になっているので撮影しようとしている同業者が多い。ちょっとした”カメラの放列”が出来ている。「場所をどけ!」と言った若い同業者にイラっと来たが、これは明らかなマナー違反である。好みの構図で他の同業者が写る(映る)のであれば、別の構図に変更するか、撮影後に編集でカットすれば良い話である。それを含めての「写真・動画の作品が上手い・下手」を決まると言っても過言ではない。撮影後にどのように利活用するのか?は知らないが、クソYoutuberスーツ的な超有名人でもないし、撮影した素材をネットに流した所で大量の閲覧数が獲得出来るとも思えない。要するに構図の撮り方から編集までどこは1つでも良いから技術的に落ち度があれば、万人が納得しない作品になってしまうのだ。私はブログ等で広く世間に公表しているし、二次利用も原則的に認めている。つまりみなさんが見て気に入ったら、どんどんコピーして使ってくれと言うスタンスだ。

話はそれたが、10:20~10:30にかけて引退する1001・1006号車、代わりに登場するA3007・A3008号車が短時間に集中的に通る。それならばギャラリーも多くて然りなのだが、ダイヤ的に考えると、1001・1006号車を車庫に収容させると本数を維持するために代わりとなる車両を別に用意する事になる。別に用意したある意味1001・1006号車の”代走”が「新登場のA3007・A3008号車」になった形だ。

↑柚木行きの最終列車となった1001号車。車内はガラガラに等しい。「最終列車」と称しておきながらもこんなにも客が乗っていない、車内が盛り上がっていないと言うのは、意外にも初めて見た。やはりイベント開催中止の影響が大きい。最後の1001号車がお客を運んで走る姿がすごく寂しいように見えた。

1006号車については次回(4月4日公開)

【引退してしまった1001・1006号車を寂しげに見つめる現役の1000形】静岡鉄道1000形1006号車引退の日

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KH8000

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