【2017年5月乗車記/静岡→小倉/ナンバーは3776】既に廃止済みの西日本鉄道夜行高速バス「博多フジヤマExpress」に乗る

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2017年5月乗車記。西日本鉄道(西鉄)が以前運行していた「博多フジヤマExpress」と言う夜行高速バスに乗った。山梨・静岡~福岡に直行する便利なバスであったが利用者減少等により2018年に廃止。乗ってみると非常に丁寧なサービスとドライバーテクニックに大満足!

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【乗車日】2017年5月3日
【時刻】東名焼津西21:31→小倉駅7:33
【車両】(ナンバープレート)福岡230か3776
(西鉄社内番号)4850
(形式)2014年式三菱エアロクイーン
【経路】河口湖駅~国道138号線~E1東名(御殿場、沼津、富士、清水、静岡の各インターで出入りを繰り返す。また富士はインター内にあるバス停に停車)~E1A伊勢湾岸道~E23東名阪道~E1A新名神~E1名神~E2A中国道~E2山陽道~中国道~E3関門道~北九州都市高速~小倉駅~E3九州道~福岡都市高速~博多バスターミナル
【備考】運行距離は1,065km。運転士2人乗務。西鉄、富士急とも専用車両で運行。2018年4月1日に廃止、描写・値段などは全て乗車当時ものだ

★乗りたかった西日本鉄道の夜行高速バス

日本最大のバス会社は福岡県の西日本鉄道(西鉄)である。大手私鉄16社の1つであるが、鉄道よりもバスが有名で「西鉄バス」と一般的には言われる。
福岡県全域でバス路線網が構築されており、一部は佐賀県にもある。博多・天神を起点に九州各地に対しては昼行高速バスが多数運行されており、JR九州にとっては強力なライバル。
本州方面に対しては夜行高速バスが主体で、博多~新宿の「はかた号」は”キングオブ高速バス”とも称されるほど有名。1日に最大で5台運行する日もあるほどで、他社他路線では今やありえない規模だ。

2014年~2018年にかけて、意外かもしれないが、静岡県においても西日本鉄道の夜行高速バスは営業扱い(乗車・降車可能)であった。
それは博多~河口湖駅を結ぶ「博多フジヤマExpress」であった。
運行会社は西日本鉄道(博多自動車営業所)と富士急山梨バス(本社営業所)の2社。

2014年8月から運行開始したが、利用者が減少した事、人手不足やLCC等の他の交通機関にお客が奪われた事もあり2018年4月1日に廃止された。現在(2020年2月)とは事情が大きく異なるが、乗車記として残すためにブログに掲載した。

私は2回乗る予定があったが諸都合により乗れなくなった。2017年大型連休「3度目の正直」でやっと乗る事が出来た。
運行当初~2017年3月まで、毎日1往復隔日で西鉄と富士急が運行していたが、オフシーズンのお客が少ないらしく、2017年4月以降はピークシーズン(5月大型連休、7~9月の富士山登山シーズン、年末年始)のみの運行になった。
それでも、早い時期に予約で満席になる傾向で、決して需要のない便ではない。

★西鉄の高速バス独自のサービス

2017年3月までは、乗車日に応じて運賃が異なっており、静岡県内発着では10,000~13,000円であったが、2017年4月以降は繁忙期のみの運行になったため、運賃も元々あった繁忙期の運賃(13,000円)に統一された。
きっぷは、京王バスグループが管理を行う「ハイウェイバスドットコム」で購入した。
九州の路線が購入できるのはなんとも不思議であるが、こうなったのも複雑な経緯があったらしく、他に名古屋発着便(主に名鉄が運行する路線)にも対応。

↑予想通りナンバープレート「3776」が来た。言うまでもなく、「3776」とは富士山の標高。実質的には西鉄が用意する「博多フジヤマExpress」専用車で、わざわざ希望ナンバーで取得。大手私鉄傘下の高速バス・路線バスで希望ナンバーを取得する事自体この当時は珍しかった。2018年以降各社で希望ナンバーを取得するケースが増えており、JR東海バスやJRバス関東の場合、社内番号(概ね4ケタのみ使用)とナンバープレートの数字を一致させている。

背が高く、オレンジ色のサボがなく、正面から暗闇中で見ると、バスなのか?何なのか?わかりにくい。
背が高い=スーパーハイデッカーで、三菱エアロクイーン。
サボは観光バスと同じく紙に書いたもので、フロントガラス等に差し込むタイプ。「福岡・北九州⇔静岡・富士山」と書いてあるので、1運行ごとに新しいものに取り換える必要がない。後ろのガラスにもサボが入るスペースはあるがここは「Nishitetsu」と社名があるだけだった。

ドアが開くと交代運転士が下車してきて、トランクルームを開放。運転中の運転士に乗車券を見せて改札。

「ゴールデンウィーク期間中の下り線の渋滞で大幅に遅れる場合があります。申し訳ありません」

と断りが入った上で、私が指定した座席位置について場所を詳しく説明された。丁寧な印象だ。これが西鉄の高速バスのサービスの特徴と言えるだろう。
発車まで少し時間があったので、交代の運転士から紙パックのお茶が配られる。もちろん無料。これもサービスの一環である。富士急の便でも同様のサービスがあるらしい。(富士山の水らしい)

↑車内の様子。木目調の床で、進行方向右側中央にトイレがあるタイプ。そのため右側の座席数はやや少ない。
荷棚の面積はやや狭いが普通のカバンならば十分収納可能だ。
座席の構造はシンプルでわかりやすく、リクライニングボタン、コンセント、SOSボタンが左肘かけに集約。
座席は夜行バスではよくあるタイプで、可動式のマクラがある。最近の車両ではマクラも当たり前になったが、この有無で寝る時の寝心地がかなり違ってくる。クッションの厚みはちょうど良く、固くもなく、柔らかくもなく。構造的に長時間着席していても疲れる事のない座席だ。

網ポケットには「バス車内でのお願いごと」(マナーやシートベルト着用等)、西鉄が発行するフリーペーパー(同社からの宣伝、福岡市内の話題の店の紹介等)が3部も。高速バス車内でフリーペーパーがあるのは珍しい。長時間の乗車でお客を飽きさせない工夫があって、九州島内の便では映画上映もあるようだ。
それ以外にもスリッパ、エチケット袋もあった。
カーテンは窓側のみ締められており、外の様子を直接見る事は出来ない。この先の東名浜松西で乗車扱いがあって、すぐに浜名湖SAで休憩があるため、照明は点いたまま。座席を仕切るカーテンは消灯前に運転士によって締めるルールとなっている。
車内の様子を見ると、すでに寝ているお客も。コンセントも前席にあるので、スマホ等を充電しながら使う人も少なくない。

★極めて丁寧なドライバーテクニックに安心を感じる

運転は極めて丁寧であった。まさにプロのドライバーテクニック。
JR高速バスのように100km/hギリギリで走行する事はないが(概ね90~95km/hで走行)、道路の凸凹部分を除けばとにかく揺れる事がない。車線変更もしているが、やっていると実感しないほどだ。
私が着席していたのはエンジンがある後部付近だったので、それなりに音が目立つ部分でもあるが、エンジン音はほぼ一定。やや静かな音でもある。

道路状況で一時的に減速する事もあるが、ここはエンジンブレーキを使い減速し、とにかく揺れない。
まさに理想的な運転方法で、SA等で停車する時にも全く揺れない。運転技術的には不快・不満に感じる事は皆無で、これは交代運転士も同様だった。
接客、運転技術、車内サービスの充実と全てが100点満点である。
逆に言えば、西鉄の当たり前を知ってしまうと他社では乗れなくなるとも思った。

22:11発の東名浜松西バス停からも1人乗車。これで乗車人数確定でほぼ満席。先頭の1B席が予備扱いで他に空いている席は確認できなかった。
発車後に、浜名湖SAで休憩した後は消灯する事、深夜2~3時間ごとに停車するが運転士の交代等のためでお客は外に出る事が出来ない、翌朝は山口県美東SA(山陽道)で休憩を行い6:30頃の到着予定、福岡県内の各バス停到着時刻、その他注意点等を運転士マイク放送。自動放送装置は搭載されていないらしい。これは今時代かなり珍しい。

すると、交代運転士が座る先頭助手席からテレビ画面が降りてきた。画面が点いて交代運転士がリモコン操作すると、浜名湖SA発車時刻が出て来た。案外ハイテク。他社では見た事のないタイプで、カレンダー方式の紙によるもので表示する事がほとんどだ。
浜名湖SA休憩は22:20~22:35であった。

発車時に運転士2人がかりで座席側のカーテンを閉める。前述のとおり西鉄の夜行高速バスは消灯時間中のみ使用出来るため、いつでも自由に使用出来るものではない。
ダイヤ上はギリギリのため、浜名湖SA発車後は95km/h前後の速度を維持し続ける。この速度で走行しないと到着が遅くなる。

運行距離が長いため、消灯時間中の運転士1人あたりのハンドル時間や走行距離も長く、1回あたり100~200km程度の連続運転となる。0:23~0:26の間に着いたのは新名神(E1A)の甲南PA。運転士を交代するだけで、交代が終了次第すぐに動いた。
京阪神地区をあっという間に通過して、2:24~2:28の間に着いたのが山陽道(E2)龍野西SAで運転士を交代。大型連休中とあってクルマの台数が多い。

岡山県を通り越して広島県に入り小谷SAには4:18~4:20に着く。ここは満車状態でバスと止める事が出来るスペースがなかったため、適当な通路に止めて素早く運転士を交代させる。
広島市内は4:50頃に通過して、この辺から段々と外が明るくなってきた。
山陽道を実質的に同じ道路なのが、広島岩国道路。本線料金所等はなく、そのまま入ってしまうようだ。

安定した運転が朝になっても展開されており、後ろから押されるように軽い感じで進む。バスとは思えぬ快適性だ。
山陽道は山の上に作られた道路で、トンネルを多用し直線的な線形なので、走りやすい高速道路のように見えた。
山口県に入り佐波川SAを6:00に通過。以前はここで休憩していたが、変更となった。防府西IC付近から減速気味で、速度標識は80km/hが制限となった。
中国道(E2A)と合流する山口JCTは6:08に通過。山陽道とは大違いの道路で、急曲線が連続。速度が出にくい線形で、バスも慎重に進んでゆく。

★早朝にも15分間の解放休憩

↑美東SAには6:19に着く。運転士が昨晩閉めた座席側のカーテンを全て開ける。その後ドアが開き、そこから15分間の休憩となった。
この時点で定刻より若干早めである。


↑美東SAは最近リニューアルしたらしく、朝から人が多くクルマも満車に近い。

★いよいよ九州へ!

例年大型連休中は福岡市内で開催の「博多どんたく」の影響で、北九州市内から先は交通渋滞が発生しやすく、遅延が生じる可能性があると運転士から放送される。
それならば、小倉駅で乗り換えて博多まではJRで行った方が時間は読めるだろう。
中国道は引き続き曲線だらけで、速度が出てこない。それどころか一部は路肩も満足にない場所も。高速道路としては劣悪な作りとしても有名で、このバスは通らなかったが、中国山地沿いはもっとキツいカーブもあるようで、50km/hに制限される場所もあるほどだ。


↑下関市中心部の様子が見えてくるといよいよ本州も終わりだ。そのまま直進すると関門道(E2A)に。関門海峡の真上を通過する格好で、海の上に高速道路がある。ここがちょうど山口県と福岡県の境界で、九州に入る事を意味する。
門司ICで降りて北九州高速4号線へ。富野ランプ(404)で降りて一般道へ。北九州市内をしばらく走ると小倉駅に着いた。

↑わずかなお客を降ろし、博多へ向かって発車。ほとんどの目的地は博多なのだ。
日本最大のバス会社である西鉄は、車両もサービスも運転技術もどれをとっても日本最高レベルで、西鉄の当たり前の事を知ってしまうと、他社のバスには乗れなくなってしまう。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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