【2019年12月乗車記と車窓/電気機関車の旅客列車展望車を楽しむ!】大井川鐵道「ELハッピークリスマストレイン」に乗る

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大井川鐵道は2019年12月14日~12月25日にかけて、SL(蒸気機関車)ではなくEL(電気機関車)によるクリスマス特別列車を運行!「ELハッピークリスマストレイン」と称した列車名で、普段追加料金必要な展望車にも無料で乗る事が出来た時の乗車記と車窓。なぜSLではなくELによる運行になったのか?

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https://twitter.com/TheKH8000Show/status/1209319534483529728?s=20
https://twitter.com/TheKH8000Show/status/1209368829433745409?s=20

【乗車日】2019年12月24日(火)

★客車3両に対して、EL(電気機関車)が2両も連結する”豪華すぎる編成”!

まずは大井川鐵道本線・川根温泉笹間渡駅から少し歩いた「道の駅川根温泉」の目の前にかかる「大井川第一橋梁」から撮影する。ここはSLでは非常に有名な撮影場所で、週末になれば同業者(撮り鉄、鉄道ファン)が殺到する!所であったが・・・

↑誰もいない!私が到着したのは通過する(12:30頃)直前。光線的に逆光となるためどうしても黒っぽい写真になってしまう。写真が上手い人、良い機材を使っているのであれば、逆光も克服できるはずだが、そこまでのものはない。SLの場合家山駅発車時点(通過する約5分前)で遠くから汽笛が聴こえてくるが、ELでは鳴らしたとしても何キロも先まで反響するものでもない。隣の抜里(ぬくり)駅付近に差し掛かった頃に鳴らした汽笛がやっと聴こえてきた

↑撮っている人も少ないが、乗っている人も少ない。明らかに空席が目立つような状況。後ろ側の展望車に出て手を振るお客も。客車3両に対して、先頭が西武から移籍してきたE34電気機関車、後ろが昔からあるED10-2電気機関車と”豪華すぎる編成”である。大井川鐵道のSLの場合客車が4両までだと後ろに補機が連結される事は少ないが、客車5両以上だと重さ的にSLが全ての客車をけん引する事が出来なくなるため、補機を連結する。ELの場合何両までならば客車を単独でけん引できるか?不明だが、「ELハッピークリスマストレイン」はまさかの”プッシュプル”だった。

★EL旅客列車は今や珍しい

【場所】千頭駅

大井川第一橋梁からクルマで千頭駅へ向かう。普段ならば撮影して終わりだが、空いてそうだったので乗る事にした。大井川鐵道=SLのイメージが鉄道ファン諸氏はもちろん、一般人でも強いだろう。SLが2019年現在運行している他社と言えば、JR東日本の「SLばんえつ物語」、「SLみなかみ」、JR西日本の「SLやまぐち号」等があるが、ではEL列車は?と問われると・・・意外に答えが出て来ない。10年くらいまでは寝台特急(ブルートレイン)で多々見かけたが、少なくてもJR線における定期列車でELが運行される事はなくなった。私鉄では大井川鐵道以外にも何社あるのかもしれないが、決して数は多くない。「SLが珍しい」と言われるが、SLは全国的に見てもそれなりに少ないながらもある一方で、EL運行を大々的に宣伝するのは大井川鐵道しかない!と思っている。一方でツイートにもあるとおり、SLでは多くの客が集まるが、ELでは客の集まりが鈍いのも事実。コアな鉄道ファンでないとわざわざ乗りに行かないのかもしれない。

↑千頭駅に着いたのは14時過ぎ。千頭行きの「ELハッピークリスマストレイン」は13:09着。既に転車台で機関車の方向転換が完了していた。行きの千頭行き、帰りの新金谷行きとも先頭がE34、後ろがED10-2が連結する順番になっていたのだ。スジ(時刻)的には所定の「かわね路1号」(101レ・新金谷11:52→千頭13:09)「かわね路2号」(102レ・千頭14:53→新金谷16:09)をそのまま使っている。停車駅(かわね路1号は家山、下泉、かわね路2号は川根温泉笹間渡、家山)も一緒だ。

↑E34の先頭には特製のヘッドマークも付ける。最近多いのが丸い形(または角ばった形)の枠内に列車名やイラストを入れるタイプがほとんど。「ELハッピークリスマストレイン」は「X’masExpress」の文字が切りぬいて、丸い形のヘッドマークの外側になっているのが特徴。細かい部分だけど、結構作りの面白いヘッドマーク。ホームでは同業者(撮り鉄、往復乗車のお客)が撮影・見物しているが、寂しい事に数えるほどしかいない。SLの時とはまるで対照的で、「きかんしゃトーマス」になれば人が切れないほどたくさんくるし、”通常のSL”(黒い車体の毎度おなじみのSLかわね路号)でも人気が衰えることはない!なのにカマ(機関車)が蒸気→電気に変わっただけで、こんなにも人気の度合いが変わってしまうものか。

↑前から順番に客車を見る。最初に現れるのがスイテ82-1、展望車だ。「お腹が空いた」でもなければ「吹田市」でもない。「展望車付きの1等車」を示す。国鉄・JRの等級表記で「イ」が付く車両はほとんどなく、今やこれが付くのはJR九州の「ななつ星in九州」やJR西日本の「TWILIGHTEXPRESS瑞風」と大井川鐵道の展望車客車くらいだ。(他にもあれば教えて欲しい)本来ならば展望車に乗る場合、SL急行料金に加えて別途料金が必要だが、「ELハッピークリスマストレイン」では追加料金不要のフリースペース扱いだった!

↑次に連結されていたのは「お座敷車両」ナロ80-1で、見た目「ロングシートのグリーン車?!」と。だが実際にはそんな事はなくて、靴を抜いて着席する座敷とテーブルがあった。この車両を利用するには別途追加料金が必要だと言う。

↑最後の1両は”普通の客車”オハフ33-215で、「ELハッピークリスマストレイン」乗車客は一旦この車両に誘導される(詳細後術)

★乗ってみたくなったので「ELハッピークリスマストレイン」に乗る!

【時刻】千頭14:53→川根温泉笹間渡15:30

↑千頭駅の空席状況を示す駅頭の看板。8:30現在であるが「空席」と表示。クルマを千頭に置いて行くので戻らないといけない。新金谷までの全区間乗ると戻るのが大変になるため、ちょうど良い折り返し列車があった川根温泉笹間渡駅まで「ELハッピークリスマストレイン」に短い区間だが、乗る事にした。

↑小さい2枚のきっぷが乗車券。大井川鐵道は基本的に硬券で発行。右側がゆき、左側がかえりである。「ELハッピークリスマストレイン」も乗車券以外に別途急行料金が必要。SLよりは安くなっており、プラス500円かかる。「全席自由席」と聴いていたので、「えっ?!」と思ったし、プラス急行料金もかかるとは思いもしなかった。それでも貴重な機会なので多少の”課金”はヨシとする。なおELで冬季運行する場合、大井川鐵道の客車では暖房装置が搭載されていない。寒いまま凍えて乗る事になってしまうので、購入したきっぷと一緒にカイロをもらう事も出来た。

↑ED10-2が後ろに付く。改めて「ELハッピークリスマストレイン」を編成で見る。客車は展望車、お座敷車、旧型客車とバラエティー豊かな”混成”となっている姿を見ると、決してこれが「当たり前の姿」でない事を痛感させられる。

↑ナロ80-1お座敷車の車内。車内に入る事が出来るのは後ろ側の旧型客車オハフ33-215だけ。前に進んで行くと車内を散策しているのは私だけ。既にお座敷車には関係者が座っていたが、展望車のスイテ82-1先客が寛いでいる。発車直前の車内放送では

「発車までは指定された旧型客車側の座席にいるように」

ようやく「ELハッピークリスマストレイン」のシステムがわかった。つまり最初から展望車やお座敷車に行くのではなく、旧型客車側の指定された席に座らないといけなかった。でも、発車後はお客がゾロゾロと展望車やお座敷車に来るだろうから、お客や関係者が居ない発車直前のタイミングで、普段乗る事が大変貴重な展望車、お座敷車の車内を撮影する。この事については特に「やってはダメ」と言われるわけでもないし、そこまで厳しく制限しているわけでもなかった。

↑車内販売用のワゴン。発車直後から車内販売が展開されるのも大井川鐵道のEL(SL)列車の特徴。主に「トーマスグッズ」や「饅頭」等の土産品で、この時点ではまだ購入していなかった2020年カレンダー(どの社のそれにするのかさえも迷っていた)が在庫としてあった。「それだったら大井川鐵道のカレンダーだ!」と即決。後で購入して土産とした。1部800円。

↑展望車には1室だけ個室がある。4人座る事が出来て、中央にはテーブルもある。インテリアが「いかにも昭和!」と言った感じでこの車内の雰囲気が好きだったりする。個室にもクリスマス装飾されている。

↑先頭のE34と連結した所。ハッキリと前方を見る事は出来ないが、「機関車に引っ張られているんだ!」と言う迫力や「この姿こそが鉄道の一丁目一番地だよな!」と思わさせてくれる。展望車なのでもちろん外に出る事も出来るので、後程外に出てみる。

↑旧型客車の3号車指定された座席に着席する。この日はクリスマスイヴの平日であったが、家族連れが多少いる程度以外は、単独行動の同業者(鉄道ファン、乗り鉄)が居る程度。これまた毎度恒例の本日担当の機関車・客車編成の説明が”SLおじさん”ならぬ”ELおじさん”(つまり旅客専務車掌=カレチ)から長々と説明される。一応放送する内容の”台本”はあるんだろうけど、私が聴いている限り”台本”を無視して”ELおじさん”のアドリブで、次から次にマシンガントークが展開されるのが面白い!少なくてもJRや大手私鉄ではこんな演出は出来ないだろう。

↑千頭を発車するとすぐにトンネル。トンネルの中に入ると情緒いっぱいの車内。客室とデッキを仕切りドアは「三等車」の縦書きの表記。昔はこれが当たり前だったが、令和の世になって「三等車」と言う表記を見ると、あまりにも古すぎるものが非常によく見える。よくよく考えると、旧型客車=三等車、お座敷車=二等車、展望車=一等車・・・とキレイに1両ずつ等級の違う車両が勢揃いしている事に気付く。今にも止まりそうな速度で走るが完全に止まる事はない。汽笛を鳴らしているのかもしれないが、ELではSLほど音量が大きくないため、客車内にいると聴こえて来ない。

↑千頭~崎平。この車窓は意外に初めて見たような気がした。

★大井川鐵道の展望車両をじっくり見る

↑改めて展望車に戻る。積極的にこの車両に来るのは先客の1人と私くらいだ。クリスマスらしく壁や天井には装飾が施されている。

↑トンネルの中に入ると車内はイルミネーション空間と化す!贅沢な事に展望車はレール方向に1席ずつ配置されて、テーブルもある。もちろん旧型客車よりも揺れない乗り心地だ。

↑展望車の外に出る。E34の目の前で迫力が半端ない!12月の寒い時期にあえて走行中の列車外に出るのは、体感的に寒く感じるが、大井川鐵道のEL(SL)列車は比較的ゆっくりと走行しているので(計測していないのでこの時何キロ出ていたか不明)耐えられないほどでもない。展望スペースは決して広くない。4人も立てば多い方だ。次に入りたい人もいるだろうからなるべく短めに済ませる。車窓が見えるのは進行方向の右側か左側の一部で、前方を見る事は出来ない。少しの時間だが贅沢な気分になる。

★なぜSLではなくてELを運行するのか?

↑川根温泉笹間渡駅で下車しようとすると、ドアは手動式。旧型客車に自動ドアがあるわけがない。ちゃんとロックがかかっていて、到着前から「これはこうやってロックを解除して、ドアノブをこうやって操作して・・・」と思っていると、車掌が現れて「ELクリスマスハッピートレイン」が停車すると、すみやかにドアを開けて降ろしてくれた。意外と停車時間には余裕があって、E34の所まで移動して撮影した所でのんびりとする事が出来た。

ところでなぜEL列車で運行するのだろうか?これは一部のSLで故障が発生しているため、徹底的に修理と整備を行っているためだ。2019年夏ごろから「かわね路号」の一部運行日をSL→ELに変更。10月以降は12月末までの予定でELに変更されている。単なるELでクリスマスシーズンも運行すると、集客に難があるほか、お客にも楽しんでもらえない所もあるだろうから、普段は追加料金が必要な展望車にフリースペース扱いで乗せたり、クリスマス装飾をしたり、「ELハッピークリスマストレイン」一部運行日は大井川鐵道関係者によるコンサートが開催されたり、それなりの付加価値を付けている。

SLは車齢が70~90年程度経過したもので、今も現役。故障も増えて当然で、大井川鐵道としては運行当日に故障が判明して急きょ運休は何が何でも避けたいのが本音。例えば前日の運行終了後に故障している場所が発覚したら即座に修理して、時には徹夜で修理して、翌日の運行は正常に出来るように努めている。SLの故障で急きょ運休する事は少ない。

SLは生き物

である。ずっと休みなく動いていたら、疲れるし故障も発生しやすくなる。車両の状態もその日によってバラバラだ。機関士や整備士は「SLと会話するように扱っている」とよく聴く。たまにはSLには休んでもらって、EL中心の運行でも良いじゃないか!とも思った。むしろSLよりもELの方が貴重で、特に若い鉄道ファン(乗り鉄)には是非とも乗ってほしい列車だ。

蒸気機関車”きかんしゃトーマス号”2020年の運行決定」(大井川鐵道ホームページ)

↑大井川鐵道は先日2020年の「きかんしゃトーマス」の運行概要を決定した。具体的な期日は執筆時点(2019年12月28日)で公表されていないが、5~6月頃は「緑色のきかんしゃトーマス」が登場!原作の初期ではトーマスの自慢の車体は、青ではなく緑色だったと言う。これを期間限定で運行する。細かな事は後々公表されるのであろうが、きかんしゃトーマスがしっかりと運行出来るためには、ELで代用される”充電期間”があっても良くて、「ELを楽しむ」と言う大井川鐵道からの”逆提案”は肯定的に思いたい。次にEL列車メインで運行するのがいつなのか?わからないんだから。SL以上に付加価値が高い列車なのだ。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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