【気動車なのにクモハ?】JR東海新型気動車特急HC85形の形式名がおかしい事に!

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JR東海は、2022年度から営業開始予定の新型特急車両HC85系を日本車輌製造から先日納車された。ここで物議を醸しているのが「形式名」。気動車であれば「キ」となるはずだが、なぜかHC85系は「クモハ」「クモロ」「モハ」と言った電車の形式名になっている。なぜだろうか?

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下記の当ブログも参照されたい。

キハ85系引退決定!JR東海が2022年に営業開始するハイブリット気動車の特徴は?

★新型気動車特急はキハ85系を受け継ぐ形でHC85系

系式名は「HC85系」である。その理由はJR東海が公式ホームページで下記のように述べている。下記リンクを参照されたい。

ハイブリッド方式の次期特急車両の名称・シンボルマークの決定について (JR東海ホームページ)

名称「HC85系」「HC」は、エンジンで発電した電力と蓄電池の電力とを組み合わせ、モーターを回して走行する“ Hybrid Car(ハイブリッド方式の車両)”であることを表しています。1989年の導入以降、30年以上に亘って多くのお客様にご利用頂いた従来方式の「85系気動車」から、技術革新したハイブリッド方式の85系という意味を込めて、「HC85系」と名付けました。

↑キハ85系(写真)を置き換える目的で、新型気動車特急が登場するのであるが、これをベースにした事を強調している。それはある意味JR東海らしい系式名の付け方で、新幹線が700系→N700系(初期車)→N700Advance→N700Supremeと進化した過程と似ている。すなわち、ベースになる車両が登場しそれが一定の成果(故障が少ないなど)を出せば、次期新型車両は最初から新しい車両を作り直す必要はなく、ベースとなる昔の車両を基本に、新技術(ハイブリットエンジンなど)・新装備(主に座席、案内装置、Wi-Fiなどの旅客サービスに使うもの)をプラス付加するだけで良く、「あえて新系式にする必要がない」と言うのは、非常に合理的な判断である。そうなれば「統一感」とか「ブランドイメージ」も重要で、前の車両の名前を残すために「85」も必要になる。単純な増備車であれば、例えば「キハ85系5000番台」等の細かい番台区分にしてしまうのもありだが、JR各社そういう事はやりたくないようで、新型車両なので「新系式で」と言う考えなのだ。

★日本車輌製造から納車された新型気動車特急の形式名はなぜか「クモハ」「クモロ」「モハ」?

これについては下記ブログ(他人の記事)を参照されたい。

【気動車なのに“モハ”?】JR東海ハイブリッドHC85系試験走行車登場(鉄道ファンの待合室)

【JR東海】もう「形式称号」の基準は崩壊!?HC85系は「電車」の形式称号で登場へ・・・(uppi_natettyanのblog)

日本車輌製造から納車されたHC85系の「形式名」は電車を示す「クモハ」などであった。神戸方から順番に1両ずつの形式名と車両番号は下記の通りである。

クモロ85-1+モハ84-101+モハ84-1+クモハ85-1

納車された際の列車番号は「9012D」であった。

なおJR東海が在来線向けに日本車輌製造で作った車両を納車する場合、現地(愛知県豊川市に工場があり、飯田線と線路がつながっている)で必要な手続きを行った上で、自走でJR東海の車庫などへ移動させる。

つまり、車両の「形式名」そのものは電車のものとなっているが、列車番号の末尾に付くアルファベットは「気動車を示すD」である

気動車特急車両なのに、なぜ「形式名」が電車示す「クモハ」「モハ」などになったのか?この記事を執筆した2019年12月12日現在、JR東海から公式に理由は後術の通りになるが、詳細については「鉄道ジャーナル」「鉄道ファン(雑誌)」などで数か月後に「新車ガイド」としてスペックが公表されるはずなので、その際に明らかになるだろう。

他人の記事にもあるとおり、最近のJR新型気動車では国鉄時代から使われてきた「キハ」を使わない傾向である。理由としては、形式名や数字が枯渇してきている事(過去にあった車両形式名や車両番号などの重複を嫌う傾向もあるため)、ハイブリットエンジン・電気式気動車・蓄電池式車両などの国鉄時代にはなかった技術や概念が新型車両には反映されており、それが国鉄時代から使われている形式名と合致させる事が難しくなっているためである。

あくまでもこれは私個人の見解・推測だが(誤っている可能性もあるため正しい事を述べているわけではない)、ハイブリットエンジンを搭載しているものの、駆動方式そのものは電車に近い(若しくは同等の)ため、整備作業する際には気動車として実施するのではなく、電車として実施する。作業する人に対してその事を強調する目的で「クモハ」等の電車の形式名を付与したのではないか?

★動力車操縦免許(電車の運転免許)でも内燃車操縦免許(気動車の運転免許)でも運転可能?!なHC85系

JR東海は2019年12月12日にHC 85系を報道公開した。なぜ形式名が「クモハ」等の電車の形式になったか?私の予想通りの実態のようだ。なお免許的にはディーゼルエンジン搭載のため、結論から言うと動力車操縦免許でも、内燃車免許でもどちらか1つを所持していればHC85系は運転可能になる(詳細後術)。列車や車両の扱いとしては気動車なのだ。あくまでも「スペック的には電車に近い」だけであって、パンタグラフから給電して電気を燃料にしている電車ではないのだ。ハイブリッド形式でも結局はディーゼルエンジンを搭載しているし、軽油も注入しているので、気動車としての知識も運転士には求められるのだ。(2019年12月12日加筆、2020年1月11日再加筆)

ちなみにこうしたハイブリッド車両は、ほかの鉄道会社では気動車に準じる扱いなことが一般的ですが、HC85系は各車両の形式名が「クモハ85」「モハ84」「クモロ85」と、電車の方式に従っています(標準的な気動車方式だと「キハ85」などとなる)。その理由についてJR東海の担当者は、できるだけ「電車のメリット」を享受できるよう開発した車両であること、エンジンを除けば電車に近い車両であることを挙げます。

JR東海に新型「発電機搭載特急電車」HC85系登場 「モハ」表記 「ひだ」「南紀」向け https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191212-00010002-norimono-bus_all

だが具体的な話、動力車操縦免許と内燃車操縦免許、運転士はどちらの免許を所持していればHC85系は運転出来るのだろうか?それは下記の『週刊東洋経済』(2020年1月9日公開)にあったのでこれを引用し、さらに話を展開する。

運転士に必要な免許は気動車と電車では別だ。HC85系が報道公開された際、気動車の免許でも電車の免許でも訓練すれば運転できると一部で報じられたが、実際のところハイブリッド車両を運転するための免許はどうなっているのだろうか。

JR東海東京広報室に問い合わせると「甲種電気車運転免許所持者、甲種内燃車運転免許所持者とも、それぞれ免許の種類に応じた知識ならびに技能の教育訓練を実施することで運転操縦が可能になる」という。

「甲種電気車運転免許」とは電車・電気機関車、「甲種内燃車運転免許」は気動車、ディーゼル機関車の免許だ。

したがって、HC85系を運転するためには、甲種電気車運転免許・甲種内燃車運転免許のどちらか片方を持っていればよく、「ハイブリッド車両の運転のために、もう片方の免許を取得させることはありません」(JR東海)とのことだ。

ハイブリッド車両の免許条件については、2016年に国土交通省や運輸局から鉄道事業者に対して文書で通知があったという。

JR東日本広報部に同様の質問をすると、「内燃機関を用いて発電機を回転させることにより発生した電気で電動機を駆動させる方式の車両」、つまりハイブリッド車や電気式気動車は「電気車および内燃車に含まれる」という通達が出されているとのことだ。したがって、やはりどちらか片方の免許でよいということになる。

同社では、ハイブリッド車両は2020年2月までは内燃車免許の所持者のみが運転している。その後は、新規に運転する場合は電気車と内燃車両方の免許を持っているか、またはそれぞれの免許にプラスして必要な教育を受けた人が運転することになるという。つまり、今後は電車の運転士も教育を受ければハイブリッド車を運転できるようになる。

電気式気動車GV-E400系や、EDC方式の「四季島」も同様に、両方の免許、もしくは内燃車か電気車どちらかの免許に加えて必要な教育を受ければ運転できる。一方、非電化区間を運行する蓄電池電車は、電気車免許の所持者が運転するという。

電気式気動車やハイブリッド車両は、電車か気動車のどちらかの免許だけでよく、新たに別の免許を取得する必要はない。電車は主に多くの人が乗車する路線で運行しており、本数も多いため免許保持者も多く必要となる一方、気動車は比較的利用者や本数が少ない線区を走ることが大半だ。

鉄道事業者としては、限られた路線のために気動車の免許を取得させるのはコスト面で割に合わないとの考えもあるだろう。また、免許の問題がなければ、電車の運転士を非電化区間に回すこともできる。

走行性能だけではなく、こういった側面もあって、今後は電気式気動車やハイブリッド車両、蓄電池電車の導入が増えるのではないだろうか。人手不足対策としても、養成コスト対策としても、この種の車両の導入は合理的である。

【「ハイブリッド列車」運転免許は電車か気動車かエンジン搭載、モーターで走る車両が増加】(週刊東洋経済、2020年1月9日、文責・フリーライター小林拓矢)https://toyokeizai.net/articles/-/323462

すなわち、動力車操縦免許(電車の運転免許)、内燃車操縦免許(気動車の運転免許)のどちらか1つさえ所持していれば、ハイブリット車(HC85系、HB-E210系等)、電気式気動車(GV-E400系)については運転可能になる。

但しどちらか1つしか所持していない場合、従来の電車や気動車とは構造等が異なるためそのままでは運転出来ない。別途勉強等を行った上で新たに別の免許を取得する事なく、HC85系等のハイブリット車・電気式気動車に乗務できるという運用だ。

一般的な気動車(ディーゼルエンジンを用いて走行機器を動かす)については、従来通り内燃者免許が必要で、BEC819系のような”スマホ電車”の非電化区間においても車両の性能上は電車そのものなのでやはりこれも従来通り動力車操縦免許が必要である。

運転士養成には1人平均1,000万円程度かかると言われており、全て会社負担。今後定年退職者の増加や少子高齢化の進展で絶対的な入社数が減少するのが明らかである中で、費用や手間を省くためには「電車でもあり気動車でもある」と言う中間的な立場の車両があった方が、鉄道会社にとっては都合の良い話。JR東海なんかは機関車が存在しないため今や機関車の運転免許は取得させていない。同社でそれが運転出来るのは国鉄時代に取得したか、同社発足初期に取得した年齢層の高い社員に限られる。運転士養成と言う鉄道会社では絶対的に必要な人員を作り上げるためには、「選択と集中」を行って運転できるタイプの車両を集約して、自社で用意する車両もなるべく同一性能に統一させる動きが今後JR東海に限らず、JRグループ他社や私鉄各社でも確実に広がるだろう。それはJR東海の車両ラインナップを見ればわかる話で、新幹線はN700系、在来線電車は313系、気動車はキハ25系しかないのも、その表れと言える。

★HC85系は2020年から2022年にかけて試運転を実施

今回日本車輌製造から納車されたHC85系の立場は「試験走行車」である。1編成だけ新型車両を製造して2~3年程度さまざまな条件で試運転を行う。その中で故障しやすい部品はどれか、整備が大変な部品はどれか、車両の耐久性の確認、旅客サービス面で改良するべき場所の洗い出し、乗務員の操作訓練などを行った上で、現場の意見を集約する。2022年度から登場する本格営業用のHC85系では、整備が大変だった部品を整備が大変ではない部品に変更したり、車両の耐久性に一部でも問題あれば、「どれがどのように問題があって、最終的には問題がないようにその部分を強化」する事が行われる。問題点・課題を解決した上で、第2編成以降の量産型と称するHC85系は、問題点・課題を解決した立派な新型車両が登場する流れだ。

過去事例では、「試験走行車」と比べて「量産車」はデザイン、形状、部品、車内設備の変更は多々見られる。その際に今回話題となった「クモハ」等の形式名の変更が行われる可能性も否定は出来ない。果たしてどうなるのであろうか?

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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