【平成の日本一の赤字路線?営業係数4161!】留萌本線は本当に全線廃止されるのか?①

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JR北海道は留萌本線(深川~留萌)の全線を廃止させる方針だ。理由は「利用が少ない」事で1日平均の輸送密度は約170人程度だ。いわゆる「維持困難線区」に指定した路線のうち、輸送密度が200人以下の路線、すなわち留萌本線以外には、札沼線(北海道医療大学~新十津川)、根室本線(富良野~新得)、日高本線(鵡川~様似)、石勝線夕張支線(新夕張~夕張)である。そのうち留萌本線と根室本線以外は、廃止済みか廃止する事が決まったか、廃止する方針で地元が検討(2019年10月現在)である。だが、留萌本線と根室本線(富良野~新得)については、地元が廃止する事を承諾していない。留萌本線については地元が反対しており、現状どのように話が進んでいるのか報じられていないため、JRと地元との廃止協議は平行線が続いていると思われる。今回は2015年の際に出た驚きの営業係数と当時の現状について述べる。次回以降は留萌本線が増毛まであった2015年と2016年に乗った時の事を中心に述べて(この部分はアメブロからの移行)、その後で2019年9月に乗った時の記事を書く。

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★営業係数とは?

改めての説明にはなるが「営業係数」とは一体何か?

これは、運賃100円を稼ぐのに、いくらのコストが生じたか?を示す「数字」である。
2010年頃のデータだが、東海道新幹線の営業係数は53であった。
すなわち、100円の運賃を稼ぐために生じたコストは53円で、残りの47円は利益となる。
一方で、営業係数が100を超えると赤字を意味する。
営業係数は路線単位で示される。JR線で100を切る路線は、全体の2割しかなく、残りの8割は100を超える赤字だ。なお、JR北海道では100を切る路線は存在しない。つまり「すべて赤字路線」なのだ。
国鉄時代は毎年公表されていたが、JRになってから一切公表されなくなった。
理由は赤字が多いと路線廃止を心配する意見が出やすい事、黒字だと設備投資が消極的な場合お客から「新車を入れろ」等の苦情を受けやすいからだ。

★留萌本線・留萌~増毛の営業係数は4161!ローカル線はどこも大赤字!

JR東海の三重県内の路線は営業係数500前後。これがJR全社ワーストだと思っていたが、これはまだまだかわいいもの。北海道のローカル線はもっとひどい。

「平成27年度第2四半期決算 社長談話」(JR北海道ホームページ)

↑先日明らかになった、平成27年(2015年)度第2四半期の決算。
冒頭の島田社長コメントを要約すると下記の通りである。

↑キハ183が火災事故からの復活により特急利用者が増えたものの、安全に対する設備投資や減価償却費が増えた事、新幹線開業による準備に関わる費用も生じたため、営業費用は前年の平成26年(2014年)度よりも増加。JR北海道本体の儲けを示す営業損益は前年よりも悪化。今後も積極的な設備投資、新幹線開業準備・運営費用が多額となるため、ますます経営悪化すると言う、厳しいコメントを出した。

平成27年度第2四半期(4月1日~9月30日の実績)の「数字」を簡単に説明する。
営業収入は415億円あった。(そのうち運輸収入は337億円)
それに対して会社を運営するために生じた費用は566億円。
差引150億円の赤字だ。(小数点以下は割愛のためこの数字とは合致しない)
最高益を更新したJR本州3社とは対照的な「数字」で、極めて厳しい経営状況だ。JRと言う特殊な会社だからなんとか存続しているが、これが普通の会社ならば倒産しておかしくない。

上記リンクの9ページ目、「平成26年度のお客様のご利用が少ない線区の収支状況」と言う項目。
ここには、「恐ろしい数字」が並んでいた。
たぶん初めてだと思うが、営業係数を公表した。
その結果は以下の通りになる。

◆留萌線・留萌~増毛=4161円(1日あたりの輸送密度39人)
◆札沼線・北海道医療大学~新十津川=1909円(同81人)
◆石勝線・新夕張~夕張=1247円(同117人)
◆根室線・富良野~新得=1430円(同155人)
◆留萌線・深川~留萌=1316円(同177人)
◆宗谷線・名寄~稚内=543円(同405人)
◆根室線・釧路~根室=441円(同436人)
◆根室線・滝川~富良野=827円(同460人)
◆釧網線・東釧路~網走=520円(同466人)

国鉄時代、「日本一の赤字ローカル線」と称された北海道の美幸(びこう)線が昭和49年(1974年)度に営業係数3859となった。

留萌線の留萌~増毛はこれを塗り替えてしまった。
年間収入がたったの500万円しかないのに、営業費用は2億1,200万円となる。
昭和50年(1975年)度との輸送密度の比較も出ていたが、大幅にお客を減らしている。
経営状況を示す書類でこの「数字」を公表する意図と言うのは、「廃止したい」と訴えているのだ。
JR北海道としては、今後もお客が増える札幌都市圏と札幌と各地を結ぶ特急、そして新幹線の3種類にヒト・モノ・カネを集中。
一方で、それ以外のものは「不採算部門」として積極的に切り離す。そうでないと、真面目に倒産してしまうからだ。

★北海道では鉄道を相手にしない文化

2015年当時、北海道在住の方のブログ(アメブロ)にこんな事が書いてあった。

「そもそも論、北海道で鉄道を必要としているのは札幌周辺だけ。それ以外は鉄道が必要とされていない。2~3時間に1本しか来ない鉄道に誰が乗るのか。会社の交通費算出基準は鉄道の運賃ではなくクルマの燃料代。『鉄道が止まって出社出来ない』のは北海道では通用しない。ならばクルマで来いと言う文化」

・・・それがJR北海道の「数字」として表れている。
私は9月に、上記のご利用の少ない路線上位4つに乗ったが、本当にお客が乗らない。駅周辺に建物はない、人の雰囲気がしない、人の雰囲気がしても駅に近づかず移動はクルマ。
もはや、「必要とされていない」と言わざる得ない実態だ。

2回目に続く(下記リンクをクリック、11月1日公開)

【2015年乗車/満席で座れなかった4925D深川→留萌】留萌本線は本当に全線廃止されるのか?②

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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