【Amazon自社配送網構築するべき】ネット通販の台頭で荷物過剰!再配達や配達方法を見直すには?
もくじ
★宅配便の再配達はムダが多い。宅配会社に言わせると各戸にある「宅配ボックス」はトラブル防止のため使いたくないのが本音
帰宅してポストを開けたら、1枚の紙が入っていた。
”クロネコ”のマーク+「ご不在連絡票」と書いた黄色い縦長の紙。
「お伺いしましたが、ご不在でした/配達(ここに✔印)」
「今回お届けのお荷物は ”amazon”(この部分は手書き・原文のまま)様から」
「種別/宅急便(ここにも✔印)」
メールを見るとAmazon(アマゾン)から、「配達中」「ヤマト運輸がお届け」「配達日の変更をしたい場合、ヤマト運輸側で手続きを」とあった。
その次の日ニュースを見ていたら、2017年の春闘でヤマト運輸の労組は会社側に対して、「受け取る荷物の量を減らせ」と要求。会社も前向きだ。
宅配会社が「運ぶ荷物を減らせ」と要求するのは極めて異例で、それは自分から「仕事を減らせ」「利益や収入を減らせ」といっているようなものだ。
昨今どの業界でも「人手不足」と言われている。
求人を募集しても人が集まらない。人が集まっても仕事が嫌になってすぐに辞める人も少なくない。
企業側は入社時から高待遇(給料が高い等)としているケースが目立つが、それでも人は集まらない。
労働集約産業の典型とも言える、宅配会社はとにかく人がいないと仕事が出来ない。
人がいないのに、Amazon等のネット通販の台頭で宅配便の需要は”うなぎのぼり”だ。
ヤマト運輸の場合、2016年度(2016年4月~2017年3月)運んだ荷物の数は約18億個。過去最多。そのうちの約9億個はAmazon関連との事で、それ以外の企業や個人が依頼主となっているケースは極端に増えていないと言う。
Amazon等のネット通販からの荷物は今後も増える見込みで、ヤマト運輸が現段階で用意出来る設備(トラックや集荷場等)や人数だけでは、対応出来なくなる。
すなわち、需要過剰なのである
対応出来なくなれば、遅配や誤配も増えるのは言うまでもない。
自宅に配達と指定した場合、配達した時点で不在だと荷物の受取が出来ないので、一旦ヤマト運輸の営業所に持ち帰って、お客が電話連絡等して都合が良い時刻に再び荷物を配達してもらう。
この事を「再配達」と言うが、宅配会社に言わせれば、これが非常にムダなのだ。
当然配達するためのトラックや人を用意しないといけないので、二重に燃料代や人件費等を支払うため、会社側としては非常に効率が悪い。
本来ならば二重にそれらコストがかかっているので、そのコストをお客負担にするべきであるが、現段階では再配達は無料である。お客がかかるコストと言ったら、再配達を依頼する電話代くらいだ。
ヤマト運輸によれば、同社の再配達は約2割、個数に直せば年間約4億個ある計算だ。
★なぜ「宅配ボックス」に配達しないのか質すと
なお、私は結果的には電話をして再配達を依頼した。
一応「宅配ボックス」も存在するため、ここに荷物を入れれば再配達のムダは消える状況にはなっている。
「宅配ボックス」は暗証番号式のカギとなっており、以前ヤマト運輸のドライバーに番号を伝えたが、どうも積極的に使いたくないらしい。
理由を質すと・・・
「全てのドライバーに各戸の暗証番号を周知・管理する事が難しい」
「荷物を入れて帰った所、お客側で暗証番号がわからなくなり、荷物が取りだせないトラブルがあったため」
・・・と答えた。
後者はお客の責任のようにも思えるが、宅配ボックスの運用上、お客が教えた番号で宅配会社がここに荷物を入れて、その際に盗難・紛失防止の観点から宅配会社側で別の番号を設定。その番号を書いた伝票をポストに入れて帰る事になるが、別番号が上手く伝わらないケースが多々あるためだ。
★Amazonの荷物を「宅配ボックス」に配達してもらう方法
以下の2点を事前にやっておくことが有効である。
①宅配ボックスのカギ付近に「カギの番号」をわかりやすく表示する
ヤマトや郵便局などの配達員は全員が各家庭の宅配ボックスの有無、宅配ボックスの「カギの番号」を把握している可能性は、極めて低い。そこで宅配ボックスのカギ付近に「カギの番号」を表示する(手書きで書いた紙を貼っておく)。「番号 ○×番」と言うように。それがあれば、番号に従って宅配ボックスを開けて、荷物を置く事が出来るのだ。当然「サイン」も必要になるので、宅配ボックスの中に100円ショップで売られている「ハンコ」も用意すると良い。
注意しないといけないのが、配達後に配達員が宅配ボックスの番号を変更する事がある。変更した場合は、ポスト(宅配ボックスとは別。郵便物や新聞を入れる方)に「配達済み伝票」も入れるので、配達済み伝票に変更後の番号が記されている。それに従って宅配ボックスを開ける。荷物を取り出した後は、自分で所定の番号に戻す必要がある。
②住所欄に「不在時宅配ボックス配達希望」と書く
①をしっかりやった上で、住所欄に下記のように書く。これはAmazonのアカウント情報(利用者情報)から変更する事が出来る。
「〒○○○-○○○○ 住所 不在時宅配ボックス配達希望」
↑これだけで良い。実際に配達した時に不在で、この旨が記されていれば、宅配ボックスに配達してもらえるのだ。
但し郵便局で多いが、そう書いてあっても「荷物が入らない」「誤配などの郵便事故防止」などの”いい加減な理由”で、宅配ボックスへの配達そのものを拒否する配達員も少なくない。
★ネット通販は、「送料無料」「速く配達」にこだわるのがお客。それが出来ないネット販売店は生き残れない
Amazon等のネット通販は便利だ。
わざわざ実店舗に行かなくても、パソコン・スマホ等の画面を見ながら買いたい商品を選択出来て、支払いも銀行に行かなくても良くてクレジットカード等あれば全てネットだけで完結する。
本来ならば、配達料金(送料)はお客が負担。
Amazonでは総額2,000円以上の商品(書籍は2,000円以下でも対象)を購入すれば送料無料である。
しかし、「配達日指定」や「速達指定」をすると送料有料で、360円と出た。
なお、宅配会社の指定は出来ない。Amazonが一方的に選ぶ。
選ぶと言うか、今はAmazonからの配達物はほとんどがヤマト運輸か郵便局である。
昔は佐川急便も参入していたが、「荷物が多い割には粗利が取れない」として撤退した。郵便局は「時間指定していない荷物」を中心に配達する事が多い。「キッチリと時間指定した荷物」はヤマトが配達する事が多い。
お客としては、送料無料で、商品代金が安くて確実に入手出来るに越したことはない。
私なんかは「送料を取る事自体バカバカしい」と思うのが本音で、ほとんどのAmazon等のネット通販利用者はそう思っているはずだ。
送料は0円で良いに決まっている。
ニッチな商品しか販売しない(同業他社のネット通販では買えない商品、若しくは同じ商品でも格安等)ネット販売店ならば、送料が発生しても仕方ないかと割り切るが、市中の販売店でも販売している商品であれば、やはり送料無料にこだわるのが消費者心理。
そうでないとネット通販の魅力やメリットはどこにもない。
逆にネット通販を運営する立場になると、「送料無料」「速く商品をお届け」と称して、積極的に宣伝も出さないとお客は来ない。
既存客への”取り囲み”も市中店舗以上に厳しく、メールマガジンやLINEの「友だち登録」等で積極的にセール情報等を発信しないと、お客が再度利用する行動に結びつかない事がわかっているからだ。
市中店舗みたいに、ドーンとネット上に店舗を構えてもお客が来て買い物して粗利が生み出せると言う、”生ぬるい”ものではないのだ。
だから、個人レベルのネット通販店舗なんかは存廃競争自体が激しく、それはそれでシビアな世界だ。
★Amazon商品の配達は、山崎製パンと同じように自社のトラック・自社配送網を構築するべき
では、ネット通販で購入した商品をどうやって、お客に配達するか?
やはりヤマト運輸や郵便局等の外部の運送会社に委託しないといけない。
今回のヤマト運輸の「荷物量を減らせ」と言うのは、あくまでも同社の都合であり、Amazon等のネット通販にとっては販売量を減らすと言うわけではない。悪い言い方をすれば「関係ない話」である。
ヤマト運輸もAmazonもお客が荷物を受け取る方法として、自宅配達以外にも、公共の宅配ボックス(主に都会)、ファミリーマートやローソンのコンビニ店頭、ヤマト運輸の営業所でも受取れる。
いつ届くかわからない荷物を待つよりは、これらに届いた時点で教えてくれた方が、わかりやすさ・安心感もあろう。
しかし、コンビニやヤマト運輸営業所で受取る事が出来るのは、Amazonが直営で販売している商品に限る。
この記事の大部分を執筆後、別途Amazonで買い物が生じた。
その商品はAmazonが直営で販売しているのではなく、「マーケットプレイス」と称する外部の販売業者から手に入れる場合だ。
「マーケットプレイス」とはどんなものか?
コンビニ等のフランチャイズと同じ仕組みである。
すなわち、元々個人商店で営んでいた店主が、例えば「ファミリーマート」と言う”看板”を借りてそこから商品提供を受ける。
制約はあるものの店主が自ら仕入れた商品を販売する事も可能で、”看板”を借りつつ、店舗を経営。
売り上げはある程度は”看板”の大元に「上納金」のような形で提供する必要があるが、それ除いた残りは店舗経費となり、その経費が少ないと粗利が取れるビジネスモデルだ。
マーケットプレイス=Amazonの”看板”を借りて商売しているものだ。
マーケットプレイスだと、お客はAmazonに代金を支払い、Amazonが外部業者に販売された事を知らせ、外部業者は商品提供と配送する義務が生じるため、配送方法・配送タイミング・配送代金はAmazon標準のものと異なる。
配送業者1つ取っても、必ずしもヤマトとは限らず、佐川、郵便局、日通、赤帽等さまざまだ。
だから、コンビニやヤマト運輸営業所では受取れないのである。
私としては、Amazonから注文するたびに直接荷物を受け取れる事が少なく、不在伝票を受け取って電話して再配達と言う”手間”が嫌になってきた。
Amazonの「時間指定」は有料になるので、それをやるつもりもない。
ならば、近所のコンビニで受取れた方が良い。コンビニに出向く”手間”はあるが、これぐらいは割り切らないといけないものだと思った。
宅配便の再配達に関しては、「有料にしろ」と言う意見がネット上では目立つ。それで良いと思う。二重に燃料代や人件費等が生じているので、その分をお客負担は当然と言える。
あとはネット通販台頭で荷物の量をどのようにコントロールするか?だ。
極端な話、ヤマト運輸等の宅配会社が「Amazonからの荷物は配達しない」と言われたら、Amazonのビジネスモデルは成り立たなくなる。
私が思うには、山崎製パン(ヤマザキ)と同じ事をAmazonもやれば良い。
すなわち、ヤマザキのパンや弁当等の自社製品は、自社のトラックで、自社の物流網で、配達先(自社の直営店やデイリーヤマザキはもちろん、他社のスーパーやコンビニ等)に届けている。
”天下のAmazon”なんだから、ヤマザキと同じ事はやろうと思えばできるはずだ。
JRがお得意とする「業務委託」とか他社に依頼するのではなくて、自社直営でAmazon商品を配達するネットワークを北海道から九州・沖縄まで全国各地に構築するべきである。
必ずしもトラック輸送でなくて良く、貨物列車も積極的に活用して、貨物駅や営業所からは小型トラックで輸送と言うやり方が、少人数で済むのではないか。
大手スーパーのイオンは、「イオン専用貨物列車」を仕立てている。全てイオン店舗で販売する商品が入っているのだ。
Amazonもそれが出来るくらいの規模は十分あるし、既存の貨物列車がない路線に対してそれを走らせれば、鉄路の活性化にもつながるだろう。
みなさんのご意見をお聞きしたい。
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