【N700Supreme】東海道新幹線次期新型車両の”気になる点”を徹底分析

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★N700系はAdvanceでは止まらなかった!次は”Supreme”通称「N700S」に

JR東海は2020年7月から、東海道新幹線に新型車両を導入する計画があると明らかにした。東海道・山陽新幹線を走行する事を前提にしているため、JR西日本も何らかの形で開発に協力する事が少なくないが、今回はJR東海の単独開発で、逆にJR西日本にJR東海の車両を買って(作って)もらう形になる。JR九州も買う(作る)事が決まっており、2022年に開業する長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)向けの新型車両とする。果たして東海道・山陽・九州新幹線の新型車両は具体的などんなものなのか?

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↑2020年7月に東海道・山陽新幹線で登場する事が決まったN700S。2018年~2020年にかけて長期試験中で、「新幹線なるほど発見デー」では一般向けにも、外観だけだが公開された。

気になる車両の名前は、「N700S」と称する。後術するが、「N700」と言うブランドは残る事になった。
「S」とは「最高な」を示すSupreme(スプリーム)。

JR東海や他のブログ等では「N700S」と記述しているが、当ブログでは正式名称の「N700Supreme」と書く。

新型新幹線車両に搭載する新技術はほとんどはJR東海が独自開発。
それを「商品」である次期新型新幹線車両に活かすので、お客からしてみれば乗り心地が良くなったり、事件事故・輸送障害発生時の安全性の確保が高まる。そういう所に「徹底的にこだわった」のではないか。
N700Advance(N700A、N700系1000番台)では、非常制動使用時の停止距離短縮、電力使用量削減等に貢献したが、次期新型新幹線車両ではさらなる短縮や削減が実現。これが出来るようになった最大のポイントはJR東海や東芝等の電機メーカーと共同開発した「駆動装置」の軽量化・小型化である。
では、詳細についてわかりやすく下記で説明し、今後の東海道新幹線の車両状況についても「予想」だが書かせていただく。

★「N700」ブランドにこだわるJR東海。番号が枯渇!気になる番台区分

「東海道・山陽新幹線の次期新型車両試作車を製作」(JR東海ホームページ)

↑詳しくはこちらを参照されたい。

今後の計画では、2018年度に試作車を製作して試運転を実施。問題点や改良点を探り、2020年度から営業列車として運転している。具体的には8両による短編成試験、スマートフォンの次世代通信規格5Gが高速走行中に通信できるか、蓄電池を搭載しているため充電した電力で走行する試験、長期耐久試験(約60万キロ走行)等である。

↑2020年度と言うのは、700系(写真)が東海道新幹線から完全撤退するタイミング。N700系の初期車(2000番台のX編成の編成番号が若い車両)の廃車が始まっておかしくない時期だ。だが、2000番台は元をたどれば0番台でAdvance改造を実施。2000番台になってからの時間が比較て短いため、時期的にはまだ早いのかとも思う。

「N700」と言う名前は残す事になった。JR東海は「N700と言う名前が定着しているから」と説明するが、名前が変わらないから”新鮮味”が感じられない。「変わらないのが一番」とも捉える事が出来る。
N700Supremeの位置づけは、フルモデルチェンジ車。
新幹線は「速さの象徴」。仮に最高速度を引き上げる事を前提にした新車ならば新しい名前(形式名)を与えるだろうが、N700Supremeは「準備工事」扱いで330km/h走行は可能としながらも、実際の営業運転では東海道は285km/h、山陽は300km/hのまま。

JR東海の意図としては、「700系やN700系(初期車)を廃車にしないといけない。新形式を開発となるとコストや時間がかかるし、当社としてはリニア中央新幹線の建設と営業開始になるべく多くのヒト・モノ・カネを回したい。東海道新幹線の新車投入に対するコストは低く抑えたい。ならば、既存のN700Advanceをベースにして、さらに進化させた新型車両(N700Supreme)を開発すれば余計なヒト・モノ・カネは増やさなくても十分対応できる」・・・と言うのがあるのではないかと私は推測する。

しかし、「N700」の形式名を増やすと、各車両に与える「番号」が”枯渇”するのではないか?

と言うのも、0系から始まり、100系、200系、300系、400系、500系と来て、600系は欠番となった。
これになるはずだった車両は「E1系」と言う名前に変更となり、以後JR東日本の新幹線車両は「E○系」に。
700系は東海道・山陽新幹線で使用したが、この新しい車両の位置づけが「N700系」。言うまでもなく「N」とは「New」とか「Next」の意味。
しかし、N700系よりもさらに新しい車両が登場する事になり、これには「進化した」と言う意味である「Advance」になった。
さらにさらに今回新しい車両が登場する事になり、N700シリーズの”完成形”(個人的には「本当か?」が率直な意見だが)である「Supreme」(最高な)となった。
では、「最高な」の次に該当する新型車両は何なんだ?と。
その頃にはリニア中央新幹線も出来るので、JR東海としては東海道新幹線車両の開発は今以上に積極的にやらないと思う。むしろ、リニアに対して積極的にやるのは確実だ。
他の番号を付けるとしたら、「1000系」とか「1100系」でも良かったのではないか。

番台区分で見ると、N700シリーズはやや複雑だ。
0番台=JR東海の16両(Z編成・既に消滅)
1000番台=同上(G編成・新造時からAdvance)
2000番台=同上(X編成・0番台をAdvance改造。これが今の主力)
3000番台=JR西日本の16両(N編成・既に消滅)
4000番台=同上(F編成・新造時からAdvance)
5000番台=同上(K編成・3000番台をAdvance改造)
6000番台=存在しない
7000番台=JR西日本の8両(S編成・九州直通)
8000番台=JR九州の8両(R編成)
9000番台=事業用(営業車両では使用しない番号)

現時点で空いている番台区分は、0・3000・6000だけとなる。0・3000については”復活”も考えられるが、過去存在した番号との重複を嫌う傾向がJR各社にはあるため、私の予想ではその可能性は低いと見ている。
となると、使えるのは6000番台だけ。
しかし、JR東海でN700Supremeを導入すると、山陽区間に直通する以上JR西日本もN700Supremeを導入する事になる。すると使える番号が限られしまう。
そこで考えられるのが、JRでは初めてのケースとなる10000番台(万の位)を設定するだろう。

番号が枯渇して位を上げてしまう例は東武や京阪等である。京阪では9000までの番号が登場し次に入れる新型車両のそれは10000となった。さらにその新型として登場したのが13000系で最近少しずつ勢力拡大。
同じ事がJRで起きてもおかしくない話で、私の予想としては十分あり得ると見ている。N700Supremeの試験編成(J0編成)では、博多方の1号車は743-9001と称している。過去事例としてJ0編成は営業用に改造されたとしても、車番が変わる事はない。そもそも営業用に転用されるか?も現段階(2019年10月)ではわからない。N700系(1000・2000番台)では「783形」「784形」、700系では「723形」「724形」と称していたので、形式については「743形」(博多方)「744形」(東京方)がN700Supremeに充てられるのは決定したと言って良い。

★N700Advanceよりもさらに5%短い距離で緊急停車が可能に

東海道・山陽新幹線沿線では、東海地震や南海トラフ地震等の巨大地震発生が懸念されている。
新幹線では、大きな地震発生を認めると強制停電させて列車を止める。
今年4月に発生した「2016年熊本地震」では、JR九州の800系が低速で本線走行中に強い揺れによって6両全ての台車が脱線する事故が起きた。この時も強制停電で急停車の処置が行われたが、線路側には「脱線防止ガード」等の対策がなく、結果的に脱線した。

↑脱線防止ガードの例(JR四国予土線にて)。車輪の外側にもう1本線路を敷き、車輪が線路から外れた場合それが外側の線路にぶつかるので、本来の位置に車輪を戻す事が出来る。戻す事が出来ず脱線しても被害軽減の効果がある。

JR東海では、「万全の地震対策」を行っている。
脱線防止ガードはもちろん、高架橋が崩壊しないように柱を固定する等である。
車両側に対するものも必要で、「地震発生時いかに短距離で停車できるか」JR東海は最大限にこだわっている。
N700Supremeでは、さらなる制動力の向上に加えて、ATC(自動列車制御装置・新幹線の信号の事)を改良。
私としては、「どのように改良」するのか気になる。
上記リンクページには、「大容量のフィールドデーター(現場情報)活用」としか書いていない。
日々、膨大に蓄積される情報を参考に、地形や線形、運行状況等に応じて制動を行う事を意味しているのだろうか?
この辺はみなさんに教えていただきたいと思うが、JR東海はN700A(3次車)よりも5%停車距離短縮が実現としている。
私の記憶が間違えなければ、N700(初期車)よりも10%、700系より15%も短い停車距離のはずだ。
この”差”は大きいもので、仮に700系が緊急停車に3,000mかかっていたとするならば(実際には何mか知らないが)N700Supremeでは2,550mで済む計算になる。450mも短縮できる効果は極めて大きいと言える。

★車両側の安全対策、「台車振動検知システム」も向上!と言う事はドクターイエローは不要になるか?

鉄道における運転事故は必ずしも自然災害だけとは限らない。
JR北海道の話になるが、整備不良により気動車から火を噴く事故が多々あった。今は車両に対する負担軽減のため減速したり、整備工場で検査する期間を延ばす(じっくり検査する)等により、そのような事故は減少傾向だ。

最も良いのは、車両が「自らの状態をチェックする」事で、N700Advanceでは台車の異常な振動がないか常にチェックしデータ化している。
このデータは大切なもので、通常は「○万キロ走行すれば部品交換」だったのが、この「数字」に捉われることなく、異常や故障等のおかしなデータが出てきたら、すぐに修理する事が出来るようになった。
これは車両だけではなく、早期の線路異常発見にもつながると言う。
運転状況、機器類の動作状況、乗り心地レベルは常にチェックされ、データ化となっており、それは車両基地で定期的に知ることが可能だ。

↑元々それらを検査するのは、923形新幹線電気軌道総合試験車、すなわち「ドクターイエロー」が担ってきたが、営業車両で本来ドクターイエローがやってきた作業が出来ると言う事は、ドクターイエローが不要になる事を示す。JR東海は2019年の株主総会で株主から「2020年以降ドクターイエローのベース車両になった700系が引退するが、同時にドクターイエローも引退するか?」と言う質問に、「2020年以降もドクターイエローは使用する」と答えた。過去には300系が多数走っていた時期まで、0系ベースのドクターイエローが使用し続けていたため、700系ベースのドクターイエローがN700系シリーズしかない2020年以降でさえも、使用を継続しておかしくない状況だ。だが、営業車両でドクターイエローが行っていた検査が出来てしまうと、ドクターイエローの存在そのものを否定する事になる。将来的にN700系ベースのドクターイエローを製造するか?現段階(2019年10月)では公表されていない。そのようなウワサも聴こえて来ないため、全く予想が出来ない状況だ。

話を戻すが、こういう情報を取得できると言うのは大きな進化であるが、実際に現場では、すぐに修理と言う行動に移しているか不明だ。現場でデータを参考に次の対応出来ないと、このような立派なチェック装置があっても無意味になる。それが新幹線鉄道事業本部の現場では出来ているのだろうか?
JR東日本のように車両故障による輸送障害は在来線を含めてJR東海は極めて少ないので、結果的に出来ていると思う。

★駆動システムの小型化。「SiC素子」の採用と言うが、一体何なのか?

JR東海はN700Supremeの最大の特徴は、「駆動システムの小型化」を大々的に宣伝している。
上記リンクページの内容をそのまま書くと・・・

「SiC素子の採用と走行風冷却方式の組み合わせ。
徹底した小型・軽量化の実現。世界最軽量・最大軸重11t(編成重量700t以下)→床下機器配置の最適化」

・・・とある。
つまり、車両の床下に設置する機器類の大きさを小さくして、軽くする事が出来たと強調。JR東海と東芝・日立等の電機メーカーとの共同開発ともある。
とは言っても、車両メカの専門家でない限り何のことかさっぱりわからない。私もその1人である。

新幹線や在来線車両では、走行に必要な機械はお客が乗る真下、すなわち「床下」に設置されている。
JR在来線では床下にクルマで言うエンジンに該当するモーター搭載車を「電動車」と言い、車両側では「モハ」とあるのがそれだ。
一方で、それが未登載で単に車輪だけなのが「付随車」と言い、「サハ」と表現。運転台があると「制御車」と言い、モーターがあるならば「クモハ」、なければ「クハ」となる。新幹線にはクモハ・モハ等のカタカナ表記はなく、全て数字で示される。

付随車の床下、特に車両中央付近は何もなく面積に余裕がある。一方で制御車の床下には車輪側を中心にいろんな機械が搭載されており、車両中央付近にもあるため面積に余裕がない。
床下搭載機器の小型化・軽量化と言うのは、鉄道にとって永遠のテーマである。それが出来れば、速度向上・制動距離の短縮・乗り心地の向上等につながる。
では、N700Supremeでは何がどうなったのか?

新幹線は電車なので、架線から電気を取り込まないと車両を前進させるどころか、車内照明・サボも点かない、ドアも開ける事が出来ない。
取り込んだ電気は床下にある「変圧器」に送られる。新幹線架線は交流電化に対して、車両を動かす電気は直流。つまり、交流→直流に変換しないといけない。しかし、直流に変化後再び交流に変換されてしまう。普通に考えれば「交流のままでいいのではないか」と思ってしまう。
あえて、交流→直流→交流としているのは、そのまま交流のままだと電気回路が複雑で、モーターの電圧制御も難しくなるためだ。
そこで、いったんコンバーターという装置で直流に変換。後で電圧をコントロールし、インバーターという装置で交流→直流→交流にする「三相交流電圧」を作っている。

コンバーターとインバーターは、両方とも大量の半導体スイッチを作動させて電圧を変換・制御。
N700Supremeは、これら導体スイッチ群の素材として採用したのが「SiC(Silicon Carbide:炭化ケイ素)素子」である。
これは、従来の半導体と比較して電圧変換時の余計なエネルギー消費が低い。しかも、発熱量が小さく、かつ高温でも作動できるメリットを備え持つ。その結果、少量・軽量化が実現した。

さらに、走行時大量の風を新幹線車両は受ける。体感的には寒いため、「空冷技術」を組み合わせて機械が熱を生じにくくする工夫をした。その結果として、消費電力の削減や少ない電力で最大限の効果の発揮(詳細は次項)、車両設計の自由度(詳細は次々項)が出来るようになった。

説明するとこういう事になるが、それでも一般人には難しい話だ。
誤った点があれば、指摘されたい。

★全座席にスマホ充電・パソコン使用可能な電源コンセントを設置

↑JR東日本のE5系は10両で最高速度320km/h。普通車は窓側のみ電源コンセント設置。(但しU29編成以降とJR北海道のH5系は普通車全座席電源コンセント設置)

↑一方で同社のE7系は12両で同260km/h。普通車も全席電源コンセント設置。

「電源コンセント」と言うのは、今やなくてはならないものになった。
移動中の車内でスマホ・タブレット・パソコンを操作するのは当たり前。新幹線では出張も多く、乗車中に仕事の資料等を作成する貴重な時間になる。そこで肝心な充電がなければ何もできない。ならば、車内に電源コンセントがあればその心配はない。
しかし、車両によって電源コンセントの配置や数は大きな”差”がある。
E5系・E7系とも共通点としては、グランクラス・グリーン車は全席搭載。
普通車では、E5系は窓側のみ設置で、通路側にはない。一方でE7系は通路側を含めて全座席に設置されている。しかもE7系の方が両数が長いのに全席あるのは、なんか矛盾する。

それには、しっかりと理由がある。
電源コンセントに流れる電気は、元をたどれば架線から得ている。走行に必要な部分に使う事が最優先で、次に照明や空調、最後に”余った電気”として電源コンセントに回されるのだ。
E5系では日本最速の320km/hで運転のため、使用する電気はかなり多い。仮に全座席設置となると運転に必要な電気がなくなってしまうため、窓側のみの設置なった。
だが、前述のようにU29編成以降の新造車も通路側を含めて全席設置となったため、床下機器の見直しが行われたと思われる。
E7系では速度がE5系よりも低いため、運転用電力は多く必要としない。結果として”余った電気”があるので全席設置が可能になった。

N700Supremeでは、普通車は全席電源コンセント設置となる。
その理由は、前述の駆動システムの小型化・軽量化が貢献しており、無駄な電気が少なくなったため、”余った電気”が増えたと思われる。
それだけではない。新幹線車両にもクルマと同じようなバッテリーが入っている。N700Advanceでは、大型の「鉛蓄電池」と言われるタイプであったが、N700Supremeでは、小型の「リチウムイオンバッテリー」になる。従来の「鉛蓄電池」と比べて、重量が7割軽くなり、体積が5割減る。バッテリーだけではなく、そこから当然電気を流さないといけないので、最大限効果が発揮できるように「新たな電源システム」をJR東海と東芝が共同開発した。
この事は電源コンセントだけではなく、停電等により車内照明が点かない時に、「リチウムイオンバッテリー」から供給された電力により点く事が可能になった。また、トイレも今までは水が流れないため停電時の使用不可だったのが、やはりこのおかげで使えるようになる。
この向上は極めて大きい。

★「標準車両」の実現。8両・12両等さまざまな両数が可能に。それは海外も視野に入れた事

東海道新幹線には、「16両・1,323席の原則」がある。

全ての営業列車において、16両連結、各車両の座席位置まで細かく決まっている。この事は他社に対しても要求しており、JR西日本も東海道新幹線に乗り入れる車両はこれに対応する。
車両を作るにあたり、「16両・1,323席」を前提にしてきた。
しかし、N700Supremeはこの前提をあっさりと捨てた。
つまり、8両や12両でも構造上は運転出来るようになった。

電車を動かすために最低限必要な機械として・・・
◆運転台
◆モーター
◆変圧器
◆主変換装置

が必要になる。しかし1両に全て搭載すると製造コストが極めて高価。安くするために採用しているのが一般的には2両から4両程度を1つの単位として1つずつ搭載する事が多い。これを「MM’ユニット方式」と称する。
今までのN700系は4両を1つの単位として機械の配置が行われていた。
だが、これは単純な話ではない。

↑九州直通のN700系の場合、8両が編成単位。
16両では運転台がある車両は付随車に対して、8両は電動車。結果として8両は全車両電動車となった。
これは、8両の場合も運転台を付随車にすると編成全体で見た時、電動車の比率が低くなるため、16両と同じ性能を有する事が出来なくなるためだ。
そのため、16両と8両では電動車の配置方法等が異なる。

N700Supremeは16両が前提の機械配置を改めた。
SiC素子の採用で床下の機器が小型化され、機器の分散配置の必要がなくなった。
電動車は今まで6種類あったが、これを2種類に減らした。
先頭車2種類と合わせて4種類にとどめた。
結果として、N700Supremeは16両以外の両数も実現可能になった。
これは、JR西日本や九州に対して売り込みをかける事もあるし、これら社としては独自に新型車両開発する必要がなくなるため、それに対するヒト・カネ・モノの削減に貢献できる。
仮に独自開発となれば、それは走行機器に関する事ではなく、内装や座席と言った分野になる。

JR東海が目論むのは、海外輸出である。米国の高速鉄道受注をめぐって中国や欧州各国等の激しい獲得競争が展開されている。
用意出来る車両が16両を前提とした構造では、種類が1つしかなく、現地のニーズに応じた車両を作る事が出来なくなる可能性があるとも言える。一方で中国・欧州等はどのような日本の新幹線よりも好都合な車両を提示すれば、獲得競争はそちらの方が有利になる可能性もある。
車両面で有利にするために、ベースとなる車両に対して自由自在な組成が出来るようにしたのではないか。

★N700Supremeの”顔”はどうなるか?

  そして最後にポイントになるのが、”顔”である。

↑N700系の”顔”には名前がある。
その名も「エアロダブルウイング形」と称する。
見栄えを重視しているのではなく、走行時に生ずる空気抵抗や風の流れを考えている。
この結果により、線路沿いでは走行音の大きい・低いが影響する。
問題になっているのが、いわゆる「トンネルドン」と言う現象。
トンネルに入る時に沿線では、非常に大きな音や振動がするため、環境被害も発生している。
今の新幹線では、低音でかつ振動を低く抑えるようにしないといけない。
”顔”を決めるには、車両に搭載する機械の大きさや性能、最高速度等によって、最適と思われる風の流れが生まれる形になる。

↑N700Supremeで出された形が、「デュアルスプリームウイング形」と称する。
見た感じは大きく変わったようには思わない。違いと言えば、先端部が鋭くなった印象だ。
ライトの位置については検討中で今後決まる。E5系のように運転席の真上に設置する事は考えにくく、それよりも下になるだろう。

★まとめ

・・・実質的には新形式車両に近いと言う印象を持った。
JR東海は鉄道会社と言うよりは、「技術集団」に脱皮してしまったとも思った。顔が多少変わるほか、側面に付くロゴマークもゴールド(金色)になるため、外観からの判断も既存のN700系と比べれば容易に出来よう。2020年7月に登場予定で初期に12編成が営業を開始する。過去の事例からして博多発着の「のぞみ」が中心で、間合い運用的に広島・岡山・新大阪発着の「のぞみ」が一部入るだろう。「ひかり」「こだま」で運用される可能性は、当初の段階では極めて低く、「こだま」では早朝や深夜の三島・静岡・浜松発着の極一部に運用される可能性がある程度で、なぜならば「のぞみ」と運用が一緒になっているためだ。

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