台風・大雨・大雪・地震などで「避難勧告」「避難指示」が出た時には絶対に避難しないといけないのか?

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台風、大雨、大雪、地震などの自然災害が発生しそうな時に、地元の市役所、町役場、村役場は「避難勧告」「避難指示」と称する”命令”を住民に出す。スマホ(iPhoneの場合)の設定→通知と進んで「緊急速報」をオンにしていれば、「避難勧告」や「避難指示」が出れば、自分では操作する事が出来ない”けたたましい音量”でスマホが鳴る。具体的には、「大雨(災害名)+危険なので、○○(対象地区)に住む人は、大至急△△(避難場所)へ避難してくれ」と真っ暗な背景に白い文字で、”恐怖を醸し出す”雰囲気で表示される。私はこれはウザいので「緊急速報」はオフにしているが、そもそも「避難勧告」や「避難指示」は何が何でも絶対にしないといけない事なのだろうか?避難所が100%安全と言う保証はどこにもなくて、東日本大震災の時に津波避難所と指定していたところが津波に襲われて何百人も死んでいるし、大雨で避難所と指定されている所に行ったら、大雨で避難所自体が壊れて、結果的に使用できなくなり別の避難所に行ったが、既に満杯で別の避難所を探すしかないと言う「避難所難民」も多数発生している。自然災害時に「避難する」と言う行動が本当に正しいのか?私は大いに疑問である。詳しく書き述べる。

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もくじ

★「避難勧告」と「避難指示」の違い

いずれも強制力は伴っていない。

ここで言う「強制力」とは、このような”命令”が出ているのに、指定された場所に避難せず、自宅に留まった、会社に留まった場合、逮捕や実刑判決を受ける等の刑事罰の有無である。海外ではそうなる国もあるようだが、日本では2019年10月現在そのような刑事罰は存在しない。「避難勧告」であろうが、「避難指示」であろうが、避難する・しないの最終判断は各個人に委ねているが実状である。

「避難勧告」や「避難指示」の細かな意味は、私が述べなくても、調べればいくらでも”よそ”で述べているので、ここでは説明を省略する。わかりやすい言葉で言えばこういう事。

「避難勧告」=避難する事をオススメする

「避難指示」=必ず逃げてくれ

と言う事である。だが、「避難指示」が出ていても避難しなかったからと言って、刑事罰を受けるわけではない。当然避難しなかったので、それで自分が負傷すれば「自己責任」と言う形になるが、仮に避難して負傷したとしても役所が治療費の全額を負担するか?と言うとそうでもない。

★実際に避難した人は対象者のたったの3%

では実際に「避難勧告」や「避難指示」が出ている時に、実際に指定避難所に避難した住民は、何人くらい(対象住民の何%)いるのだろうか?

平均3%の住民しか避難していない!

地域、災害の状況等により多少のバラツキはあるが、平均すると3%程度に留まる。2018年の西日本豪雨の際にも、どの自治体も似たような「数字」で、残りの97%は「避難していない」。

「避難しない」と言う理由はいろいろある。JRや警察、消防、役所等の公共的な側面が強い仕事は、仮に元々の予定が「休日」であっても、台風、大雨、大雪、地震は「有事」の扱いで、「強制出勤」となる事が多い。JR線で「全路線運休」となっていても、JR社員(関連会社も含む)は、「有事」終了後に復旧作業や”残務処理”が大量に待ち構えているので、いつでも動けるように準備しないといけないのだ。そのためには「人手」がどうしても必要で、「平時」よりも出勤人数を増やさないといけない。

つまり「避難勧告」や「避難指示」が出ている時に、仕事をしないといけない人は、そもそも避難する事が出来ないのだ。

これは「正当な除外対象」とはしても、一般人はそもそも「除外」が存在しない。すなわち「何が何でも逃げろ!」なのだ。しかし、逃げない。なぜか?

↑「自分は大丈夫だろう」と言う「正常性バイアス」と称する心理状況に誰もが陥りやすく、実際に避難行動に移すとなれば、それは「あからさまに被害が発生した段階で」と指摘。実際問題それは非常に多いので、「避難勧告」や「避難指示」が出ていても、「無視」する人が圧倒的多数なのだ。

避難が面倒くさいと言うのもある。私もその1人である。歩ける範囲に避難所は存在するが、雨が強い中”ずぶ濡れ”になって避難所まで行く事自体が大変だし、やりたくない。避難するタイミングが朝だろうが昼間だろうが関係ない。

「自宅が安全」と考えるのであれば、自宅=避難所にしてしまえば良いのだ。

「登呂遺跡」のように少しの風で壊れてしまう家に住んでいるのであれば、それは”藁同然の家”よりも、はるかにタフな鉄骨の体育館やイオンのようなショッピングセンターが安全に決まっている。そういう所に住んでいるならば、避難は必須だが、今時そんな人”おらん”。”おった”としても、それはホームレスに限られると言って良い。

★ぶっちゃけ住民全員を避難所に収容出来る市町村は存在しない!

2018年7月の西日本豪雨で、RCCラジオを聴いていたら私は愕然とした。

そんなの無理やん

って真面目に思った。

「(広島県)福山市は市内全域の約46万人に「避難指示」を出しました」

それを伝えているアナウンサー(誰とは言わない)も、本音では「そんなの無理やん」って言う感じが私には伝わってきた。結論から言うと、福山市内には46万人全員を避難所に収容する事は出来ない。46万人分のキャパシティー(人数分)に対応した数の避難所がないのだ。福山市では具体的に最大で何万人まで避難所に収容できるか?と言う具体的な数字は不明だが、実際に収容出来る人数は1~2割程度しかないと私は思う。

新聞社の名前は忘れたが、この新聞社が福岡市(人口約150万人)や北九州市(同約130万人)の市役所の防災担当者に「おたくの市には、市民全員を避難所に収容出来るのか?」と言う質問をぶつけると、両市とも「出来ない」と答えた。両市とも・・・

「そもそも市民全員が避難してくることは想定していない」

と言う回答が返ってきた。人口に対する避難所のキャパシティー(収容可能人数)は2割程度だと言う。すなわち残りの8割の住民は「避難所難民」になる事を如実に示す。これが現実だ。

★避難所が絶対に安全とは限らない

これは冒頭でも述べた通りである。避難所が被災して壊れて使えなくなる事例が多数発生している。

これじゃ避難所の意味ないやん

と私は思う。そもそも避難所は「公共施設」が大前提だ。すなわち、学校の校舎、体育館、武道場、公民館、集会場などである。それに準じたタフな建物は、もちろん「民間施設」であっても有していて、イオンのようなショッピングセンター、企業の体育館や倉庫などたくさん出てくる。ここは「非公認避難所」のため、役所としてはここへの避難は推奨していない(認めていないわけではない)。

避難所が本当に安全なのか?と言う明確な基準がないような気がする。「避難所安全性」みたいな表示が入口にあっても良くて、静岡県では地震に限って一応そういうものがあるが、他県ではあまり見かけない。

拡大解釈かもしれないが、「安全」と言えば「避難所での過ごし方」である。国際基準(なんという名前かは失念)では・・・

日本の避難所は非人道的で劣悪。先進国とは言えぬ最低レベル

と批判している。1人あたりのスベースは畳1畳分しかなくて、決して広くない避難所に、何百人も押しかける。そこにプライバシーもクソもない。貴重品だって容易に盗まれる。避難所での窃盗などの事件は多いのだ。夏になればクーラーが冷えて涼しいか?と言うと正反対で、クソ暑くてクーラーそのものが設置されていない。冬は周囲2メートルくらいしか温める事が出来ないストーブが数台しかなく、凍えながら過ごさないといけない。避難中何をして過ごすか?と言うと”ボーっと”する以外”やることがない”のだ。非常に退屈な過ごし方をせねばいけない。こんな劣悪環境に誰が行きたいと思うか?こんなのは「奴隷」的な待遇と言わざるを得ない。

すなわち、「避難所での過ごし方」「避難所での待遇」を考えると、事件やトラブルも多いので「安全安心に過ごせる」とは言えないのだ!

★避難が必要なケースは?

ここまで読むと、「避難は絶対的にしない方が良い」と解釈しかねない。「避難が必要」と言う事もあるのだ。ではどういうケースでは避難が必要なのか?これについては一概に全てのパターンを網羅する事が出来ないため、代表的なものは下記のとおり。

①【自宅の場所】川の近く、海の近く、山の近く

②【ハザードマップ】「被害が起る」と記された地域に自宅がある場合

③【身体的な条件】障害者、高齢者、病気等で迅速な行動が出来ない場合

他にも細かな条件はあると思うが、①~③に該当する場合は自宅避難よりも、避難所に避難する方が安全である。逆に言うと①~③に該当しないのであれば、必ずしも避難にこだわる必要はないと私は考える。

★クルマ自体を避難させる?

これは人ではなくて、モノの避難である。特にクルマは大きな財産で、台風、大雨、大雪の被害に遭う事が多い。毎年のように台風や大雨の被害を受けたクルマがテレビに映し出される。一概に言えないが、クルマの保険では台風や大雨等による自然災害では「免責」が多い。

クルマが台風や大雨等で破損・破壊されたとしても、クルマの保険では必要な修理費や代替のクルマを買う費用は出ないのだ。つまり「自腹」で費用を用意しないといけない事が多い。

クルマの台風や大雨等の被害は、ガラスが割れた、車体が凹んだ、車体がどこかに飛ばされた等の大きなものから、タイヤ・マフラー・エンジン部分が浸水するものまで。一般にマフラー・エンジン部分が浸水すると「再起不能」になる。エンジンを起動させると、大きな事故になる事もあるため、自動車整備業者やJAF等の専門家に修理してもらうまで、そのままにしておくと良い。

では、クルマをどのように守るか?

可能な限り浸水被害のリスクが低い駐車場に一時的に止めておく具体的には高層階にある立体駐車場(主にイオン等の大型商業施設と併設、規模の大きな駅の近く等)だ

台風や大雨が来る前に入庫しておき、それが去ったら出庫する。但し考えている事はみんな同じで、満車で入庫できない可能性があるほか、台風や大雨が去った後に停電や駐車場設備の破損等により出庫できないリスクもある。

すなわち、クルマを一時的に別の駐車場に止めておくことは、メリットもあるが、リスクもあるので難しい点だが、車体を破損・破壊させないようにするためには、立体駐車場に止めておいた方がそのリスクは多少減る。クルマ好きの人たちに言わせると、台風や大雨の時に一時的に立体駐車場に止めておくことが常識だったりもする。

★まとめ

  • 「避難勧告」や「避難指示」が出ていても、実際に避難する人は少ない。
  • 「避難勧告」や「避難指示」が出ていても、避難しない事により逮捕などの刑事罰や諸々の社会的制裁を受ける事もない(但し2019年10月現在)
  • 役所側も住民全員が避難してくる事は「そもそも想定していない」
  • 住民全員を収容出来る避難所の数を持っている市町村は存在しない
  • 避難所は「劣悪な環境」で過ごさないといけない。避難所では窃盗などの事件やトラブルが多く、1人あたりの使用出来る面積も畳1畳分しかない。その観点から考えると「安心安全」とは言えない
  • 自宅の場所、ハザードマップの被害予想地域に住んでいる、身体的条件等により避難が必要なケースもあるので、それに該当する場合は、自宅にいるよりも避難した方が安全
  • クルマが破損・破壊する事もあるので、可能な限り台風や大雨が来る前に立体駐車場に止めておいた方が良い

私に言わせれば、「避難勧告」や「避難指示」は”パフォーマンス”に過ぎず、

自宅が安全と考えるのであれば、避難する必要はないのだ。

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KH8000

ご覧くださいまして、ありがとうございます。 当ブログは鉄道・バス・ヒコーキ・船について、読者の皆様が”乗りたくなる”公共交通機関の魅力をお伝えします。 実際に私が乗った時・撮った時の感想などについて「乗車記」「撮影記」として、各地の秘境駅や注目の鉄道駅に直接訪問し現地で知り得た事を「現地調査」として、”他所よりも詳しく”、鉄道系YouTuberに負けぬほどの勢い・情報量・知識・感動体験を当ブログでお伝えします。 私はJR全路線全区間乗車(JR完乗)済みで、鉄道友の会の正会員(一応某支部の幹部・撮影会などの行事についても詳しくお伝えします)です。当ブログのフォロー(ブックマーク)は誰からも大歓迎です。

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2件のフィードバック

  1. 忍者てつ丸 より:

    私も同意します。
    川沿いに住んでいて大雨が降り、洪水の危険がある、また崖の近くに住んでいるなど、
    明らかに危険な場合は避難すべきです。
    しかし高台で地盤はしっかりしているなど、動く必要が無い場合は避難は不要かと感じます。

    全員が避難できないで思い出しましたが、東日本大震災での原発事故で福島の双葉町や飯舘村などはかなり悲惨だったようです。
    さすがに原発が壊れたのですから全員強制避難でしたが、避難先が自分の町や村ではなく更に遠い所へ行け。
    しかし東電も国も想定していないので行く宛ては無い。
    福島市や郡山市なども震災の被災地ですから、他の自治体を受け入れる余裕は無い。
    結局同じ県でも離れた会津や他県の埼玉がようやく受け入れたとのことがありました。
    それも数日後であり、その間は車やバスで寝泊まりしたと聞きます。

    自治体はどこまで住民を世話してくれるのか、実際はわかりません。
    結局全部自己責任で動くしかないと思います。

    • KH8000 より:

      避難指示が出たとしても、避難所が安全とは限らないし、避難指示を出した役所側も住民を世話する事がないとは無責任な話です。
      避難しようが、しないが、結局は「自己責任」の一言で片づけられてしまうのが、どうなのかと思います。
      避難が必要なのは、明らかに危険な場所に自宅がある場合か、何らかの被害に遭って住む事が出来ない場合と言えます。

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