【労働環境の悪化が原因か?】鉄道運転士の居眠り多発!

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今年に入ってから「電車の運転士が運転中に居眠りしていた」と言う事が多数発覚している。ほとんどが客がそれを目撃し、スマホで動画や写真で撮影。それをTwitter等のSNSやYoutubeで公開したり、マスコミにリーク(情報提供)して、世の中に拡散。その結果鉄道会社は当該運転士に調査して、事実を認められたら公表し謝罪・・・である。

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もくじ

★鉄道会社の労働組合に言わせると?

↑JR東労組のツイート。これによると、2019年3月のダイヤ改正で乗務員の仕事量が増えたと言う。例えば山手線では宿泊を伴わない勤務では、大崎発着で5周すれば良かったのが、1周増えて6周が基本となったと言う。たかが1周と思うかもしれないが、これが現場の乗務員に言わせれば「キツい」「しんどい」と言う。

宿泊を伴う勤務の場合、深夜は詰所等で寝る時間が確保されているが、これも短縮されていると言う。

乗務員は常に眠い状態で、列車を運転している

とツイートされていた。

会社(JR東日本)側は改善するつもりは一切なく、今後は5両程度の列車でもワンマン運転開始(2020年から常磐線や外房線等・写真)する事にしているので、運転士の負担は増すばかり。今後居眠り事案や重大事故に発展するため

休憩時間を増やし、乗務する列車の本数を減らしてくれ

と要望しているが、会社側は興味を示していない。

★JR東海の事例。宿泊を伴う勤務では3時間しか寝れない?

私が目撃した事例。静岡運輸区の車掌の乗務行路(勤務シフト)。一部を抜粋すると・・・

882M(浜松22:31→静岡23:42)→宿泊場所へ→翌朝は727M(静岡5:57→三島6:57)

つまり、この乗務行路では23:42~5:57までは乗務しない事になるが、実際には宿泊場所(恐らく静岡駅に隣接するJR東海静岡支社の建物内にあると思われる)への移動と点呼やその他業務等もあるため、実質的には寝れたとしても0:30頃から。起床は5:00前後である。

これはほんの一例で、乗務行路によっては寝る時間が3時間程度しか設定されていないものも少なくない。しかもこれは列車が定刻通り運行出来る事が条件。輸送障害が発生し遅れが発生するようならば、容赦なく睡眠時間は削られる。台風等の大規模なものになれば、寝るどころか食事休憩さえも満足に出来なくなる。これはJR東海に限った事ではなく、これが「平均的な勤務シフト」なのだ。

それでは乗務中の休憩はどれくらいあるのか?と言うと、これも意外と短い。興津や島田行きの場合は着いたらすぐに反対列車で折り返す。最短は5分ほどである。浜松、静岡、沼津で折り返す場合はホームを移動する必要があるため、最短でも10分程度設定されているが、ほとんどは60分以内に折り返す。休憩時間は一応1時間以上確保されているようだが、それを除けば「乗りっぱなし」である。

これも一概には言えないが、路線バスの場合、3時間の乗務→1~6時間程度の休憩→3時間の乗務→勤務終了・・・と言うケースが多い。特にJRではこのような考え方はなく、3~5時間の乗務(折り返す時間を含む、タバコ1本吸えるくらいの小休憩あり)→1時間程度の休憩→3~5時間の乗務(同上)→宿泊→3~5時間の乗務・・・と言うケースが多い。これでは眠くなるわ!疲れるわ!しんどいわ!

鉄道ジャーナリストの枝久保達也氏の記事(ダイヤモンドオンライン2019年9月9日配信)によると、平均的な拘束時間は夜勤を伴う場合18時間。そのうち睡眠が取れるのは4~5時間程度だと言う。これは労働基準法を根拠に睡眠時間が決まっており、「乗務員も駅員も慢性的な睡眠不足だ」と指摘。その上で「乗務員や駅員の睡眠不足解消のためには、勤務シフトの変更等の働き方改革が必要だ」と述べている。今後睡眠不足が原因による、輸送障害が起るかもしれない。そうなる前に勤務シフトの変更は行うべきで、JRだと毎年春のダイヤ改正と同時にとなる。年に1回のチャンスだ。JR東日本が行っている”労働強化策”と言うのは、本末転倒でこれでは運転士が居眠りをしても仕方がない労働環境と言えよう。その点は一般利用者に対して、もっと積極的に知らせる必要があるだろう。

★まとめ。労働環境の悪化が鉄道運転士の居眠りを多発させる原因

結論はこの通りである。とにかく乗務中の休憩時間が短い事が原因だ。法律上は1時間の休憩とか、24時間拘束で実質労働は16時間とか、その辺のコンプライアンスは順守されているが、実質的には、こんな状況で働かせたら「眠い!疲れる!しんどい!」となって当然だ。しかも鉄道乗務員は不規則な労働時間なので、「規則正しい生活」とは無縁過ぎる。

先日横浜市営地下鉄で運転士が居眠りして回送が脱線する事故があったが、これはJR、私鉄、公営企業関係なく、鉄道運転士の居眠りはどの会社で起きてもおかしくない事だ。

ダイヤの都合上どうしても、宿泊を伴う勤務にするしかないのだが、その時に「寝る時間」を多く確保しておかないと、運転士の居眠りとか居眠り運転は多発するだろう。

しかも最近はJR東日本で見られるように、乗務回数の増加を引き換えに、休憩時間を削減。乗務員の生産性向上とも見て取れるが、その分「疲れる!しんどい!」わけだから、お客サービスの低下(うつろ気味の接客対応等)、注意力の低下による信号等の誤認も起り得る。またワンマン運転も増えているので、特に運転士に対する負担は大きくなっている。

そのため労働環境の悪化による、運転士の居眠り等の運転士起因による重大事故発生が発生するだろう。

それを防ぐには、乗務行路自体を寝る時間を増やす、休憩時間を増やすしかない。もちろん1日全て休みと言う日も増やすしかない。少なくても鉄道乗務員の現場では「働き方改革」は進んでいないのだ。

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KH8000

ご覧くださいまして、ありがとうございます。 当ブログは鉄道・バス・ヒコーキ・船について、読者の皆様が”乗りたくなる”公共交通機関の魅力をお伝えします。 実際に私が乗った時・撮った時の感想などについて「乗車記」「撮影記」として、各地の秘境駅や注目の鉄道駅に直接訪問し現地で知り得た事を「現地調査」として、”他所よりも詳しく”、鉄道系YouTuberに負けぬほどの勢い・情報量・知識・感動体験を当ブログでお伝えします。 私はJR全路線全区間乗車(JR完乗)済みで、鉄道友の会の正会員(一応某支部の幹部・撮影会などの行事についても詳しくお伝えします)です。当ブログのフォロー(ブックマーク)は誰からも大歓迎です。

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