【富山地方鉄道のセントラム・サントラム】富山の路面電車に乗る②

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【万葉線のドラえもんトラム/無料の渡船と新湊大橋】富山の路面電車に乗る①

もくじ

★富山市中心部を環状運転する「セントラム」に乗る!

【日付】2016年8月21日(日)

【場所】富山地方鉄道環状線

あいの風とやま鉄道・新幹線の富山駅改札口を出ると、目の前にある路面電車のりば。
ここは、富山地方鉄道(地鉄)の市内線である。
富山駅から大学前(富山大学)、南富山駅前を結ぶ市内線と、富山市中心部を環状運転する環状線の2路線。

↑市内線の富山駅は新幹線ホームの真下だ。路面電車の上には新幹線ホームがある。
新幹線と直結した路面電車駅は全国探しても富山しかない。
市内線は南富山~大学前の直通運転で、富山駅ではスイッチバックして進行方向を変える。
現在はこの方式だが、2020年頃をメドに富山駅の北側(海側)にある富山ライトレール線との相互乗り入れが予定されている。こうなれば、新幹線駅の真下を路面電車が通り抜ける事になる。2019年8月現在は、市内線からライトレールへの乗り換えは、下車してから富山駅の地下通路(地鉄の電鉄富山駅方面に進んでから入る)を経由する。これが結構長い距離歩くし、経路を知らないと確実に迷う。とか言ってあいの風とやま鉄道の駅の中を通ると、改札内に入るため入場券が別途必要になる。

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↑普通の市内線に乗るのはつまらないので、環状線に乗った。
「セントラム」と称する9000形の9002編成。顔・形からして万葉線のMLRV1000形と全く同じだ。
それもそのはずで、路面電車の種車自体が少なく、万葉線、地鉄、富山ライトレールとも新潟トランシス社製の2車体連接LRV(超低床車)としている。
各社形式名・外観上の塗装等は異なるが、内装や乗り心地と言った基本的な作りはほとんど同じだ。

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↑車内もこのようにボックス座席が基本で、座面はやや高い位置。
乗降口はノンステップで、乗り降りは容易だった。
地鉄の環状線は、富山駅から富山城付近にある丸の内電停までは大学前方面行きの市内線と同じ経路を進む。ここを左折して国際会議場前、大手モール前、グランドプラザ前(この3電停は環状線しか通らない)を経由。さらに左折し富山県道6号線に出た上で中町(西町北)電停に出て、あとは市内線を富山駅まで進む事で環状運転を実現。この方向のみで運転。10分/本と市内線よりも運転本数が少ない。

運賃は環状線・市内線ともどこまで乗っても200円(2016年当時)で、「ecomyca」(エコマイカ)と称する地鉄が発行するICカード乗車券が使用出来る。
富山ライトレールが発行するICカード「passca」(パスカ)も併用できるが、ICOCA等のJR系のICカードは一切使用できない。
整理券を取る必要はなく、これらICカードでは乗車時にカードリーダーにタッチする必要もない。
下車時に運賃箱に200円を投入するか、ICカードリーダーにタッチするだけなので、支払いはかなり簡単だ。

セントラムを目的に乗ろうとしたら、直前に発車。次の便は間隔が広がり10分以上待つ事になった。基本的に10分/本だが、夜間はそうなる事もあるのだ。
市内線の電車を何本も見送り、やっと来たのがセントラムの9002編成(上記写真)だ。
市内線の電車よりは空いていて、ボックスも占領が容易だった。

富山駅を発車すると、すぐに音楽を鳴らす。これは直後に遮断機なしの踏切があるためで、電車通過(接近)時に歩行者に対して注意を促す。
やはり環状線しか止まらない3電停での乗降が多く、市内線と共用の電停はどうしてもお客が少ない。現実としてはこれら3電停だけを相手にした路線と言って良いだろう。一方的な下車ではなく、これら3電停からの乗車も少なくない。
なぜか不明だが、運転時間が長めで、市内線が通るある駅で下車したがそこまで20分以上かかった。
最短で行ける市内線であればその半分と行ったと言うのは後で知った事。
市内線がカバー出来ない区間は”つなぎ”の役割として環状線に担ってもらうと言うように見えた。あくまでも市内線だけで行ける駅間移動については、そちらの方が速いと言うことがわかった。

★市内線の新型車両「サントラム」に乗る!

【日付】2016年8月22日(月)

【場所】富山地方鉄道市内線

翌朝は市内線の通勤輸送を見てみた。路面電車は富山市内の重要な”足”。
人の流れとしては必ずしも郊外から中心部と一方的なものではなく、郊外の細かい所のみを移動する”きめ細やかさ”にも対応できていると感じた。
それは、一般の鉄道ではなかなかない需要で、路線バスであるくらいだ。

↑市内線の電車は南富山駅前を始発・終着にする事が多い。地鉄の一般鉄道である不二越・上滝線も発着しているが、同駅はあくまで通過点で、基本的には南富山以南のお客を相手にする。

↑ちょうどやってきたのは、電鉄富山行きの元京阪3000系(地鉄では10030形と称する)3両の普通列車。
中間にダブルデッカーを連結する事から「ダブルデッカーエキスプレス」として、地鉄の観光列車にもなっているが、朝は間合い運用でダブルデッカーも乗車券のみで乗車可能であった。
立客が出るほど混雑していたが、同線の列車は朝の最混雑時間帯でも2本/時しかない。
一方で、市内線は日中よりも本数が増えて概ね5~8分/本である。
明らかに乗車チャンスはこちらの方が多い。

↑8:10頃に発車した大学前行きの列車は、「サントラム」と称するT100形(T102編成)であった。

↑市内線は7000形が主力であったが、登場から50年以上が経過し少しずつであるが勢力を減少させている。最終的にはサントラムに置き換えられる格好だ。

↑写真はT103編成。サントラムは2016年時点で3編成ある。
セントラムと比べて乗降口の面積が拡大し天井の高さも高くなった。
車内に入ると窮屈さが全くなく、広々としている。立っていても一般鉄道の車両と大差ない。

↑座席はボックス形状となっているが、1人掛けになった。その分立つ事が出来るスペースは広がったように感じた。
3連接車体となっており、実質的には3両連結した車両だ。
そのうち中間車両の座席はオールロングシート。
運転席を見てみると、右手操作のワンハンドルマスコンで、やや高い位置に運転士が座る。
次駅案内等が出る液晶画面も設置されており、そこには宣伝や天気等(この日は太平洋側に台風が接近)も出ていた。

南富山駅前から乗車するとすでに満席。着席出来る座席はどこにもなく、立たされる。
構造上立客が多く出ても良いようになっているが、荷物を抱えながら立つと狭くなる。荷棚もないため大きな荷物(スーツケース等)があるとかえって”詰め込み”が出来ない。
お客は必ずしも、ずっと乗り続けるのではなく、小規模な電停で下車する人も少なくない。降車ボタンが押される回数も少なくなかった。
人の入れ替わりが激しいため、”適度な混雑”だった。
富山市中心部の下車駅は分散傾向で、電気ビル前、地鉄ビル前(電鉄富山駅はここが最寄)での下車が目立ち、意外にも富山駅で下車するお客が少なかった。
富山駅では前述のとおりスイッチバックするため、停車時間自体が長い。お客も完全に入れ替わるため、”通し”が圧倒的に少ない。

3回目に続く。

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