【確認車、架線点検車、営業列車も入線】金ハク(北陸新幹線白山総合車両所)一般公開を見る②
もくじ
★新幹線特有の確認車、架線点検車を見て、営業列車も入線して整備を受ける
【訪問日】2017年9月24日(日)
【場所】白山総合車両所(金ハク)一般公開。内部を見学
★加賀笠間駅から離れている金ハク

↑看板にもあるとおり、加賀笠間駅から金ハクへの順路は表側の改札口となる西口からである。金沢方面から来た場合は、跨線橋を渡る事になるが、これを渡らなくても改札外に出る事も可能。これが東口である。

↑簡易的な駅舎で、利用可能時刻は7:00~20:00である。当然同業者(鉄道ファン、見学者)が使うわけなく、誰もいない。私は東口まで回るのが面倒だったので、目の前にある西口から出て、金ハクがある方向へ向けて歩く。典型的な住宅街の中であった。

↑北陸新幹線建設予定地。高崎起点358キロと490メートルである。福井延伸時にはこの真上に新幹線が通る事になっている。2017年時点では工事開始されていない。


↑20分ほど歩いて金ハクに到着。”お約束”の表札をしっかりと撮影。 コースマップをいただき、金ハク見学開始。順路はしっかりと決まっており、これに従う必要がある。他社の場合はショートカット等する事も可能であるが、金ハクではそれが出来ない構造であった。 正門から長い通路を歩く。幅も結構あるので、同業者全体が横に広がって歩くが、それでも中央で金ハク内部への通路、外への通路と明確に分離されている。
★ トラバーザーの中が通路に

↑ここが正式な入口。運営本部もこの付近にあるようだ。


↑入口を通過して建物(主工場)までの間に、トラバーザー。これは編成から切り離した車両を動かすための装置である。

↑トラバーザー自体が通路になっていた。
★台車検修ラインから車体吊り上げ場所に行くと?

↑台車検車をする施設


↑ここは台車検修する場所で、細かな配置図も。

↑車体から台車を切り離すにはジャッキアップが必要だ。昔は天井からクレーンでつり上げていたが、最近は新型に切り替わっている社も多くJR東海浜松工場の「空飛ぶ新幹線」が有名であったが、工場のリニューアルに伴い2016年に消えた。金サワでは今でもそれがあるが、金ハクでは最初から存在せず、写真のような専用ジャッキで少し車体を浮かせて、台車を取りだす(または付ける)。実演もやっていたので、それは後で見るとして一旦外へ。
★昼間見る事が出来ない確認車、架線点検車


↑外に出ると、事業用車両が展示。普段はなかなか見る事が出来ない。それもそのはずで、新幹線が営業していない深夜に稼働しているためだ。
その中で新幹線特有なのが、「確認車」。金ハクの会場では「高速確認車」と称していたが、これは深夜に保線等のメンテナンス作業を実施し、これが終了した後に線路上に工具が落ちていないか(作業道具の忘れ物がないか)、新幹線が安全かつ正常に運行出来るか?を確認する車両である。
昔は東海道新幹線で「名古屋飛ばし」なる事があったが、これは初発を使って線路の確認を行うために速度を落として運行。東京~新大阪2時間30分で結ぶためには、どうしても名古屋を通過しないといけなかったためだ。今ではどの社の新幹線も確認車の性能向上により、初発が速度を落として運行する必要がなくなっている。
この「確認車」は在来線には存在しないはずで、運転士が直接目視で線路の状態を細かく見る事が出来ない新幹線にとって不可欠な事業用車両である。


↑「架線点検車」はその名の通り、架線の状態を確認する車両だ。実際には屋根がアーム上になっており、これが伸びて架線付近まで近づく事が出来る。当然架線には電気が流れていない事が大前提だ。少しでも電気が流れていれば、感電して、即死するようなレベルの電気が流れている。

↑金ハクは広い。一般公開で立ち入る事が出来るのは、車両メンテナンスする場所を中心とした所のみで、JR東海浜松工場との決定的な違いは頻繁に営業列車が入線する事。 金沢で折り返し運転する列車も一部あるが、車両整備が必要な場合は金ハクまで回送して、ここで行う事になる。
★仕業検査をする車庫内に

↑これは消火栓のフタに貼ってあったのだが、具体的な入線列車が書いてあった。ご丁寧な事に列車番号、編成番号も。
私が富山→金沢で乗った「つるぎ709号」は、金沢到着後回送で金ハクに入って整備した上で、金ハク10:24発の「はくたか560号」(金沢10:56発)として東京へ向かった。
車両はF(E7系)は「はくたか560号」と「かがやき509号」(金沢12:52着、金ハク13:25着)のみで、それ以外は全てW(W7系)であった。

↑見た限りは、車両メンテナンス工場に見えるが、実際には営業列車が頻繁に入ってくるため、むやみに移動すると触車する危険性がある。
柱には大きく「車両がくるぞ」と注意を促す。営業列車入線シーンを見る事は出来るが、近づく事は出来ず、それは安全上の理由や車両整備を行う業務の邪魔もあるためと思われる。

↑ここの線路は電気が流れていない。「切」と表示されているのがその証拠だ。ここに入線した新幹線は諸々の車両整備を受ける。冬場は車輪に大量の雪が付着しているだろうから、雪落としも実施されるはずだ。 この先にはW7系が止まっており、普段絶対に見る事が出来ない「下から見たW7系」を。
3回目に続く。
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