【地図から消えた日高本線?2225D車窓・苫小牧→鵡川】北海道の維持困難線区を見る2019年春⑨

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【日付】2019年3月28日(木)

【列車番号】2225D(鵡川行き)

【時刻】苫小牧7:54→鵡川8:27

【車両】キハ40-352+キハ40-359

★地図から消えた日高本線

日高本線は苫小牧から太平洋側に沿って、日高の様似(さまに)まで行く全長146kmの路線だ。様似からバスを乗り継げば襟裳岬や十勝の広尾、さらには帯広まで行く事が出来る”壮大なネットワーク”を構成する。「日高昆布」は知名度が非常に高いけど、その産地を通る鉄道が日高本線だ。

「鉄道」と書いたが正確に言うと、鉄道で運転しているのは苫小牧から胆振(いぶり)の鵡川(むかわ)までのたったの30kmに過ぎない。残りの116kmは「列車代行」と称する路線バスなのだ。しかも今後残り区間は鉄道が復活する気配が見えない!どういう事?

日高本線は海岸線沿いを通る路線で知られている。高波があると波が線路に押し寄せる。「越波」(えっぱ)とも言う。青森県の五能線(特に深浦~追良瀬にかけて)も越波が多発する場所だったりするが、日高本線ではこの越波により線路が壊されてしまった。2015年1月の事だ。その時から鵡川~様似では列車運転が不可能になり、列車を代行するためのバスが運転している。本来ならばJR北海道が修理するべきところではあるが、日高本線の営業成績は非常に悪く、修理するだけで莫大の費用がかかる事や今後も越波によって線路が壊れる可能性は十分ある。ある意味では「災害多発路線」なのでもある。

そのためJR北海道は「日高本線を廃止したい」と言う事を沿線の自治体に打診したが、ある町は「日高本線は全区間残してくれ!」と言う所もあれば、別の町は「日高本線は一部の区間だけ残してくれ!」ともあれば、また別の町は「鉄道を廃止してバス輸送に切り替えても良い!」と見事に考え方がバラバラだ。地元の合意形成なしにして、JR北海道は廃止届を国に提出できないので、いつまでたっても方向性が定まっていない。

2019年3月にGoogleMapsから日高本線が消えた。一応は駅のマークは残っているが、駅と駅の間にあるべき線路が消えたのだ。これには地元も困惑。Google側に修正を求める事態に発展した。鵡川~様似は鉄道運転は停止しているが、今でも(2019年7月)正式なJR北海道の鉄道路線なので「地図から日高本線が消える事」がおかしな話である。

★日高本線は現状どのような運転体系なのか?

苫小牧~鵡川・・・鉄道(列車)による運行

鵡川~静内・・・列車代行バスによる運行(主に地元のバス会社に運行を委託。便により運行バス会社が異なる)

静内~様似・・・列車代行バスによる運行(基本的にはJR北海道バスが運行)

ダイヤ的には、これら3者が接続出来るように組まれている。本数は少ないため、上手く計画して乗車すると良いだろう。

列車代行バスにはトイレは用意されていないため、乗車前に済ませておくと良い。

あくまでもJR北海道の路線のため、「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」や「1日散歩きっぷ」でも乗車する事が可能。普通の乗車券は事前に駅で購入する。車内での精算は出来ないらしく、乗車券なしで乗車した場合は下車駅の回収箱に運賃を入れる必要があるようだ。

★「北海道の心臓部」を通る日高本線の鉄道運行区間苫小牧~鵡川

↑苫小牧駅の時刻表。5:45発の2221Dは「当分の間5:40発に変更」とあった。「5:40発を正式なダイヤにさせてしまえば?」と思ったが、これは日高本線の越波被害とは関係なもの。2018年9月の北海道胆振東部地震の影響によるもので、日高本線の浜厚真付近では震源に近く、線路が一部破損。路盤が安定するまでの間は徐行運転させる必要があり、この徐行が解除されるまではどうしても時刻変更が生じる。

でもなぜかこれから乗る2225Dは「時刻変更」が反映されていない。時刻表上では鵡川には8:22着であるが、実際には徐行のためプラス5分かかって8:27着になる事が常態化。浜厚真までは発車時刻に変更がないので、わざわざ時刻変更を案内させる事もない?と言う事か。その辺の理由がよくわからない。いずれにせよ、日高本線は本数が少ないので事前によく時刻を確認にした上で、乗車当日は駅には余裕を持ってくる事をオススメしたい。

↑やってきたのはキハ40の350番台の2両。客数で言ってしまえば単行(1両)でも十分なのだが、お客が多い時刻でもあるので急激な客数増加に対応するための2両なのか?

それともキハ40系の走行距離調整のための2両なのか?その辺の理由はわからないが、2両で10人位しかいない。そのうちの5人は乗り鉄(同業者)であった。

↑車内は空席だらけ。

↑駅の行先表示は「様似」。列車自体は鵡川止まりだが、列車代行バス2本とリレーするので、最終的な目的地は「様似」なのだ。

↑苫小牧~勇払(ゆうふつ)

早速日高本線は長い駅間。勇払までは13kmもある。半分程度は室蘭本線(追分方面行き)と並走。ようやく右に別れると今度は草原の中にある工場地帯と広い港湾地帯。貨物列車の駅やトラックが駐車できる場所も。苫小牧港は海上輸送では北海道の玄関だったりもする。海上輸送で北海道に入ってくる物品のうち約4割が苫小牧港経由と言う。苫小牧港は物流における「北海道の心臓部」なのだ。

↑勇払駅。古い駅舎があった。住宅地も広がっている。この地区の日高本線の車窓にはあちらこちらに煙突。もちろん所有者も違う。GoogleMapsで調べてみると、勇払駅近くにあった煙突は日本製紙の工場にあるものと言う事がわかった。

↑勇払~浜厚真

日高本線の鉄道(列車)運転区間でオススメの車窓がこの区間だ。工場街の中を通り間に草原地帯を挟む。正確には「勇払原野」と言われる中を通るのが日高本線だ。北海道らしい風景とか車窓を楽しむ事が出来て、遠くに並走する道路にポツポツとクルマが見えるのも本州ではあまり見る事が出来ない車窓だ。日高本線と国道235号線が浦河までほぼ並走する関係だ。

2本目の橋を渡り出す手前から速度が落ちた。徐行の開始だ。大きな煙突が2本目の橋からは見えてきたが、これが北海道胆振東部地震の際にブラックアウトと称する大規模停電を発生させた北海道電力の苫東厚真火力発電所だ。極端な話今や泊原発が停止しているので、北海道の電気のほとんどは苫東厚真火力発電所で作っていると思うと、海上輸送の基地に引き続き再び「北海道の心臓部」を見てしまった感じがした。

↑浜厚真に到着。草原地帯の中にある駅だ。厚真町の中心部からは遠い。この駅の駅舎は北海道ではおなじみの「車掌車を改造したもの」。愛嬌ある顔に塗られており非常に良い。すると運転士から「この先徐行するので鵡川到着は5分ほど遅れる見込み」と案内される。駅には「徐行継続」と言う標識が立っている。

浜厚真を発車し徐行開始。計測してみると40km/hだった。JR西日本のローカル線みたいに15km/hと言うような極端なものではなかったが、路盤が不安定のためこれが安定するための暫定的な処置だ。そのため所定のダイヤより3~5分程度余計にかかる。鵡川からの列車代行バスとの接続時間は概ね10分程度確保されている。

↑浜厚真~浜田浦。勇払原野と国道235号が続く。

↑浜田浦駅は通過。2225D自体は普通列車。快速とは称していない。苫小牧発は5:40発の2221Dと2225Dは通過しそれ以外は停車。鵡川発は8:37発2226Dと19:58発の2238D、21:00発2242D快速(浜厚真も通過)は浜田浦には止まらないので注意が必要だ。車窓から見た限り、ホームに入るには原野の中にある細々とした通路歩いて連絡する形で、周囲に人の営みを感じる事がない。1日平均の利用者は1,6人なので普通列車でさえも通過してしまうのは仕方ない。

「♪まもなく終着鵡川です。静内・浦河・様似方面は代行バスにお乗り換えです。お忘れ物をなさいませんようにご注意ください。今日もJR北海道をご利用くださいまして、ありがとうございました。ブッつ!(放送が切れる音)」

この先は代行バスに乗り換えとなる。乗車券自体は通しで発券する事も可能だが、下車時には運転士がきっぷを確認する。通常のワンマンと同じ扱いで、先頭車両の前ドアからの下車となる。

↑この先は列車代行バスに誘導。列車からバスのりばまではホームを歩く距離が長いので、思ったよりも遠い。現在鵡川駅は駅舎から離れたホームのみを使用している。駅舎前のホームが使用停止の有無は未確認だが、最近使われた気配がない。ホームには列車代行バスから折り返し2226Dに乗る人がたくさん待っていた。

10回目に続く

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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