【これが本当に最後に走る列車。粕淵駅で浜田行き最終回送列車を見る】三江線廃止までの”参考”になる記録82

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もくじ

★夜間になると極端に交通量が少なくなる三江線沿い国道を三次へ。途中の粕淵駅で本当に三江線を通る列車最後の「浜田行き最終回送列車」を見る

【日付】2018年3月31日(土曜日、最後の日)20:00~24:00にかけて

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【場所】江津駅から三次市内へ国道261号→島根県道40号→粕淵駅→国道375号を通る

三江線の最終列車は江津駅を発車した。江津駅としては21:27着の9430Dを迎えると、88年の歴史に完全に幕を閉じることになる。最後の9430Dを迎えるために、待合室では多くの人が待っていた。 私は20:15に江津駅を発車。三次市内へ戻る。カーナビを設定すると、浜田道(E74)→中国道(E2)経由が選ばれたが、最後も三江線に沿って進む事にこだわった。

国道261号に入る。ビックリするくらい真っ暗。灯りが皆無と言うくらい存在しない。対向車どころか、後ろから追いかけてくるクルマさえも全くない。 江の川対岸の三江線がある部分を見てみると、完全に真っ暗。昼間であれば、線路が見える場所も多々あるが、夜間は駅周辺に少しの灯りがある以外、何も見えない。 50分ほど走って、因原駅に一旦立ち寄る。道の駅の駐車場も真っ暗。周辺の信号機は赤の点滅。交通量が普段から少ない証拠でもある。 因原駅では警備員が1人だけ巡回していて、それ以外に人はいない。因原駅から発着する列車は二度とない。灯りが非常に明るく灯っており、これからは因原駅に入れなくする準備、仕切り等の存在がやけに目立った。

石見川本駅の周辺はクルマで通りながら簡単に見ておく。完全に川本の町は眠り付いていた。ホームも因原同様に明るくなっている。最終列車が発車するまでは川本町を上げての壮大なお別れ式典が行われていたが、21時を過ぎるとお客もほとんどいなくなり、片付け作業が盛んに行われていた。

↑21:55に粕淵駅に到着。警備員に加えて、何人かホームに待っていた。江津発の9431D、三次発の9432Dは浜原到着後、本来ならば停泊となるが、三江線で列車が通れるのは3月31日23時59分まで。4月1日になった瞬間、回送を含めて一切の列車が通れなくなる。そのため、3月31日のうちに少なくても江津か三次に回送させておく必要がある。 JR西日本は最終列車(9431D、9432D)を対象に、運行時刻が4月1日の午前0時以降になると判断した場合は、途中駅で運転を打ち切って、バス代行にすると言う予告が出ていた。

このあと通る「浜田行き最終回送列車」こそが、三江線を通る本当に最後の列車となる。 時刻を調べてみると・・・

列車番号は「回9434D」、浜原21:35発→粕淵21:40→石見川本22:17→江津23:24→浜田23:58

・・・と言うダイヤであった。回送列車なので、当然お客は乗車出来ない。

しかし、9431Dは川平~川戸でイノシシ(猪)と衝突。幸い大事にはならずに、20分遅れで運行再開。一方で三次からの9432Dは定刻での運行であった。9431D遅れの影響により、最終回送も遅れていた。 最終回送は9431D+9432Dを連結した4両で運行。 一方で三次行き最終の9429Dは三次到着後停泊し、翌日の4月1日に芸備線・木次線経由で返却回送されている。

↑22:04、浜原から最終回送がやってきた。粕淵駅通過の三江線本当に最後の列車、浜田行き回送が通った模様をノーカットで掲載する。









関係者が乗車し、運転席には花束も置いてあった。 回送では本来、車内の照明を消して走行するが・・・・

◆関係者輸送を兼ねていた事

◆本当に最後に三江線を通る列車である事をアピールする事

◆沿線の方々に感謝の気持ちを示すため

今回は、車内照明を点けたまま回送運行した。異例の対応とも言えるが、最終回送を見ようと粕淵~江津の途中駅にも多くの同業者(鉄道ファン)や地元の人が集まった事もあった。

一般向けには広く最終回送の時刻は公表されなかった。Twiteerで探してみると、極一部に列車番号、時刻が出ていたので、これを”参考”にした。

粕淵駅通過の際、回9434Dは本当に長い警笛を鳴らしていた。それは安全上の目的もあるのだろうが、粕淵駅に対する、沿線の最後の最後まで見送っている人に対しての、最後の感謝の気持ち、敬意を示してくれたのだと思う。 粕淵駅の先にある江の川鉄橋を通る際にも長い警笛。完全に静まり返った粕淵周辺では、列車が見えなくなり、遠くなるまで走行音、警笛が聞こえ続けていた。

「これで、本当に全て終わってしまった・・・・・・・・・」
この瞬間、間違えなく三江線の88年に及ぶ壮大な歴史や物語は、過去のものになってしまった。

↑三江線最終列車が浜原到着後に、JR西日本から最後のメッセージが出ていた。一言一言、噛みしめるように読むと、泣いていた。


「最終列車がすべて終着駅に到着いたしました。 ながらくの間、三江線をご利用いただき誠にありがとうございました。 本日(3月31日)をもちまして、三江線の運転を終了させていただきます。 最後の最後まで、皆様にも猪にも愛される三江線でした。 ありがとうございました。
○三江線沿線の皆様へ 安全運行への多大なご理解とご協力により、最終日まで運行することができましたことをあらためて感謝申し上げます。
三江線のことを忘れないでください。
今後とも、三江線沿線、JR西日本を何卒よろしくお願いいたします。
2018年3月31日」


・・・宿に戻り、目をつぶると三江線の思い出が無意識的に一気に思い出してきた。忘れる事が出来ない最高の1日であった。

83回目に続く

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KH8000

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