【全車指定席の理由は?空席だらけなのに満席で乗れない?!】東北新幹線・北海道新幹線の「はやぶさ」にはなぜ自由席がないのか?

広告
広告
広告

★「全車指定席」の東北新幹線・秋田新幹線・北海道新幹線の「はやぶさ」「はやて」「こまち」に”自由席特急券”で乗車したらどうなる?

まずは下記のツイートをご覧になりたい。

広告
広告

↑必ずと言って良いほど、東北新幹線の「はやぶさ」に乗ると、仙台で大量にお客が乗り降りする。特に上り東京行きは顕著で、今までガラガラだった座席が一気に仙台から乗車したお客で満席にさせる。仙台到着前の段階で満席だったとしても、仙台で下車するお客が一定数居るので一瞬は空席になるが、即座に埋まった分の空席に仙台から乗車したお客で埋まるので、結果として満席状態が続く。

東北新幹線・秋田新幹線・北海道新幹線の「はやぶさ」「はやて」「こまち」は「全車指定席」である。つまり「自由席がない」。乗車前に着席する座席を決めておく必要がある。

一方で「やまびこ」については自由席がある!「一部指定席」なのだ。列車によって自由席の両数が異なるが、最少でも3両、最大で6両も存在する。

東北新幹線で「自由席特急券」を持っていた場合、「やまびこ」や自由席が連結されている「つばさ」「なすの」のいずれかに乗車する。「全車指定席」の「はやぶさ」「はやて」「こまち」は一部の例外(詳細後術)を除き、一切乗車出来ない!

最近は誤乗車が多いのか?駅員や車掌が・・・

「自由席特急券で”はやぶさ・こまち号”にはご乗車出来ません」

と放送する始末だ。それを聴いて私は・・・

「もし自由席特急券で”はやぶさ・こまち号”に乗車してしまった場合どうなるの?」

と言う疑問が出てきた。この答えはこうだ。

「自由席特急券よりも”はやぶさ・こまち号”の指定席特急券の料金が高いため、車内で車掌から”はやぶさ・こまち号”との差額(東京~仙台では830円)を現金で徴収。空席があれば着席する事も一応可能だが、満席ならばデッキなどに立つしかない」

↑これには納得出来ないお客も多いだろう。これは鉄道営業法等で規定されたルールだから仕方ない所もある。

★東京~仙台は「はやぶさ」or「やまびこ」どちらに乗る?

この区間の「はやぶさ」と「やまびこ」の比較をしてみる。

①スピード

「はやぶさ」は新幹線最速の320km/hで走行。一方で「やまびこ」はE5系使用であっても275km/hに抑えられており、そのスピードで走る事を前提にダイヤが組まれている。「やまびこ」には数は少なくなっているがE2系で運転する事もある。一方で「はやぶさ」はE5系かJR北海道のH5系で、E2系は性能的に275km/h以上出せない。

東京~大宮を走行する列車(上越・北陸新幹線も含む)は”大人の事情”により110km/hに制限。この区間は例外なく26分かかってしまう。比較対象としたのが大宮から先である。 時間で言うと、スピードは「はやぶさ」の方が速いので当然速く着く事が出来る。 大宮~仙台の標準所要時間は1時間08分である。遅れなどにより回復運転した際には最速1時間04分で走った時もあった。大宮~宇都宮でも320km/hで走る事が出来れば、大宮~仙台で1時間を切る事も可能だと見ている。これも”大人の事情”により実施する事は出来ない。

一方で「やまびこ」はかなり時間がかかる。大宮~仙台では原則的として宇都宮、郡山、福島に停車。「やまびこ」は停車パターンが定まっていない列車で、各駅停車もあれば、白石蔵王だけ通過の”準各駅停車”もあれば、福島だけしか止まらない列車もある。新幹線は1駅停車駅が増えると5分増えると言われており、それがそのまま反映。さらに仙台行きの「やまびこ」は東京~福島は山形・新庄行き(または山形・新庄発東京行き)の「つばさ」と併結しており、福島駅で「つばさ」と切り離す(または連結する)作業で停車時間が長めに設定されている。しかもこの時に、「はやぶさ」+「こまち」に追い抜かれるので、さらに停車時間が長くなる。そのため盛岡行き(または盛岡発東京行き)の「やまびこ」と比べても多少時間がかかる。前述のとおり「やまびこ」は275km/h運転のため、仮に停車駅が少なくてもスピードが遅い分時間がかかる。標準所要時間は盛岡行き(または盛岡発)は1時間33分、仙台行き(または仙台発)は1時間38分と、「はやぶさ」よりも30分も余計にかかる。

大宮~仙台だと「はやぶさ」よりも「やまびこ」の方が30分も余計にかかるので、これだけの差があれば必然的に「はやぶさ」にお客が集中してしまうのは当然と言えるだろう。

②本数

定期列車(毎日運転する列車)は1時間あたり「はやぶさ」が1本、「やまびこ」が2本(仙台行きと盛岡行きが1本ずつ)である。お盆や年末年始、ゴールデンウィークには臨時列車が多数設定されるが、ほとんどが「はやぶさ」を増発している形だ。

③料金

乗車券については「はやぶさ」「やまびこ」どちらに乗っても同額だ。

特急料金は大きな違いがある。「はやぶさ」は速達性が極めて高い列車であるため、特急料金自体を高くしている。同じ指定席でも「はやぶさ」は東京~仙台が5,260円(2019年7月現在、通常期)。「やまびこ」は4,950円(同上)とこの時点で310円も違う。「やまびこ」の特急料金が同区間の”標準料金”と考えて良い。「はやぶさ」は”速達料金”と言う意味で余計に310円も取っている。「やまびこ」に限った話ではないが、特急や新幹線の自由席は指定席の”標準料金”よりも520円安くするルールのため、4,950円-520円=4,430円となる。

「時間はかかっても良いので、安く新幹線に乗りたい!」

と言うのであれば自由席で、4,430円で乗る事が出来る。さらにJR東日本は「えきねっと」と言うインターネットできっぷを購入出来るサービスがあり、この中にある「トクだ値」と言う割引きっぷでは、定価から5~50%程度割引がある。概ね5~20%割引が多いが、こちらだと自由席よりも安く東北新幹線に乗る事が出来る。

しかし、東京~仙台の「トクだ値」は「はやぶさ」に乗る事が出来ない。最初から設定されていないのだ。JR東日本としては同区間の利用を「はやぶさ」に偏って欲しくないため、値段を安くする事で少しでも多くのお客を「はやぶさ」に誘導しているのだ。

④つまり

「はやぶさ」は速い!でも料金は高い!

「やまびこ」は「はやぶさ」に比べれば遅い!だけど料金が安く、定価よりもさらに安くする事が出来る!本数も使うタイミングによっては「はやぶさ」よりも多かったりする!

意外かもしれないが、定期列車では盛岡行き(盛岡発)の「やまびこ」が「はやぶさ」に追い抜かれる事は東京~仙台に限定すると、存在しないのだ。つまり盛岡行き(盛岡発)の「やまびこ」に乗れば後続の「はやぶさ」よりも先着できる。

東京~仙台で東北新幹線を利用する場合、速さを優先するか?安さを優先するか?によって使う列車を選べばいい!と言う事がわかる。つまり・・・

とにかく速く着く事を優先!でも料金は高い=はやぶさ

安く新幹線に乗る事を優先!でも少し時間がかかる=やまびこ

但し、速く着く事を優先!しかも安く乗る事が出来る・・・存在しない

★ガラガラなのに満席で乗車出来ない?!北海道で起きている不満

↑北海道新幹線はお客が少ない。JR北海道が公表している利用実績では「平均乗車率は25%」だ。新青森~新函館北斗の間だけの乗車ならば、指定席は確保しやすい。満席になる事は超繁忙期を除けば、ほぼ空席があると言って過言ではない。

しかし、北海道ではこんな不満がある。

東京まで新幹線で行きたいんだけど、いつも満席できっぷを買う事が出来ない!

↑え~!と思うけど、これが実態だったりする。指定席特急券の買い方としては「新函館北斗→東京」(またはこの逆、または大宮・上野までの区間)の場合。実際に新函館北斗を発車する列車を見ると、座席は空席だらけ。なのに満席?これってどういう事?

答えは「仙台~東京間の利用が多いから」である。単純な客数で考えれば北海道新幹線各駅から乗車する人数よりも、仙台駅から乗車する人数が圧倒的に多い。仙台駅から乗車する人が大宮・上野・東京までの各駅までの利用で「はやぶさ」を選んでしまうと、この時点で仙台~大宮・上野・東京までは座席が埋まってしまう。

例えば1号車3番A席を新函館北斗→東京で乗車したいとする。この座席の確保可能有無はあくまでも「先着順」だ。先に確保出来れば良いのだが、先に確保した人が仙台→東京だけで乗車するとなると、後から確保したい人が新函館北斗→東京で注文しようとすると、JRのきっぷ発券システム(これをマルスシステムと言う)上ではエラーになってしまい、確保する事が出来ないのだ。こんな事が多数発生すると、仙台→東京だけ乗車したい人は「はやぶさ」に乗れるが、新函館北斗→東京で乗車したい人は一部区間であっても「はやぶさ」には乗れないのだ!

もしこれが1号車3番A席を仙台→東京で既に確保した人がいるとする。新函館北斗→仙台では空席の状態で運転する事になるため、別の人が同区間だけ乗車したいと希望して、同区間だけの座席を確保しようとしたら、確保する事が出来る!

つまり1号車3番A席の利用状況としては、A氏が新函館北斗→仙台で乗車し仙台駅で下車、B氏が仙台→東京で乗車し仙台駅から乗車・・・と言う場合は、A氏もB氏も「はやぶさ」に乗る事が出来るのだ!

しかし実際問題、新函館北斗→東京の利用が北海道側ではそれなりに多いニーズ。新函館北斗→仙台(または新青森や盛岡等まで)と言うニーズも少なからずあるが、こちらは座席確保が比較的容易でも、前者はそれが難しい事が多いと言う。特に乗車直前や繁忙期(お盆や年末年始等)では特に顕著だと言う。

そのため北海道側では・・・

「仙台→東京のみの利用では「はやぶさ」に乗れないようにしてくれ」

と言う意見が根強い。これはJR東日本の営業戦略もあるため、北海道からは強く言いにくい所もある。団体旅行では仙台→東京のみの「はやぶさ」利用は認めていない。一方で個人利用では同区間の「はやぶさ」利用を認めている。これを個人利用にも拡大してくれと言う事であるが、ただでさえ仙台→東京は混雑が激しいので、増発でもしないと限り需要と供給のバランスが保てなくなる。大宮→東京は本数が極端に多くこれ以上の増発が出来ない。仙台→大宮だけの運転ならば増発の余地は可能だが、お客の多くが東京都内までの利用なので、どれだけの利用が集まるのか?不透明だ。大宮駅で他の新幹線や上野東京ラインや埼京線等に乗り換えると言う行為が受け入れられるのか・・・と言う事になる。

★「全車指定席」の東北新幹線・秋田新幹線・北海道新幹線の「はやぶさ」「はやて」「こまち」には”自由席”がないのか?

最終的にはこういう話になる。これはツイートした通りである。

理由としては以下のようなものである。

  • 自由席特急料金は指定席特急料金よりも客単価が低いため、JR東日本・JR北海道の収益が落ちる(儲け難くなる)
  • 仙台→東京はただでさえ混雑が激しいのに、自由席を設定すると元々「やまびこ」に乗車していた人が「はやぶさ」に流れてくるため、「はやぶさ」の混雑が余計酷くなり、「やまびこ」は極端に空いてしまう。列車別の乗車率を考えるとアンバランスが生じるため
  • 逆に仙台→東京の「はやぶさ」利用を不可にすると、「やまびこ」の混雑が極端に酷くなり、状況によっては「やまびこ」を増発せざるを得なくなる

↑東海道・山陽新幹線との違いは、利用者の多くが「のぞみ」に集中し、「ひかり」「こだま」の利用者が少ないため。「のぞみ」を全車指定席にすると、乗り切れない人が殺到するため、立って乗車出来ても良いように自由席を設定している。時間帯や列車によっては自由席にお客が立っている「のぞみ」が常態化していたりする。

それに対して、東北新幹線ではそこまでの利用者はいない。時間帯や列車よっては乗車率20%程度の「はやぶさ」「こまち」だってあったりする。JR東日本としては収益確保のために、客単価向上のために全車指定席にさせた上で、「はやぶさ」は速達料金も設定。日常的には乗り切れないほどの利用者が居るわけでもないため、「はやぶさ」と「やまびこ」で利用者層の”すみわけ”を作っているのではないか?

この辺は私の推測も混ぜ込んでいるが、利用者が極端に多くなければそもそも自由席を設定する必要がない。新幹線や特急は「全車指定席」が基本。私鉄の有料特急(近鉄や小田急等)ではそもそも「自由席」が存在しない。なぜJRには自由席があるのか?と言うと、国鉄時代(1960年代)、全車指定席の特急が多数あったものの、利用者が急増し希望者全員を乗車させる事が出来なくなった。そこで立って乗車しても良いようにするため、自由席を設定したと言う背景がある。それが今でも受け継がれているが、JR東日本では自由席を廃止する傾向で、日常的な利用者数としては「全て指定席にさせたとしても、立たせるほどの利用があるわけでもない」と言う、経営判断を示したため「全車指定席」と言う”原点回帰”されているように見える。

★まとめ

みなさんはどう思うだろうか?「全車指定席」にする理由は他にもあるとは思うけど、新幹線や特急で自由席が欲しいならば、利用者数をもっと増やさないといけない表れでもありそうだ。

広告
広告
広告

KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

おすすめ

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。