【京王ライナー5号新宿→京王八王子】京王の電車①
もくじ
★確実に座るための列車「京王ライナー」に乗る
【日付】2019年5月2日(木・祝日)
【時刻】新宿(KO01)19:00→京王八王子(KO34)19:38(京王ライナー5号)
【停車駅】府中、分倍河原、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、北野、京王八王子
【車両】京王5000系の5732編成の10号車5732
【備考】全車指定席。乗車券のほかに座席指定券400円が必要。但し京王八王子行きに限り府中(KO24)以西で乗車の場合は座席指定券なしで乗車可能。
タイトルが当たり前すぎる。「京王は鉄道会社だろ!」と言う突込みが入ってもおかしくないだろう。私の中で「京王」のイメージは「高速バス」が強い。

【静岡→新宿へ京王の高速バスで送り込み】2018年大晦日~2019年元日の首都圏JR終夜運転を見る①
↑「京王の高速バス」に乗車する機会が少なからずあって、静岡~渋谷・新宿の路線がほぼ全て。E20中央道の高速バスは「京王の高速バス」の”独壇場”とも言える感じで、乗車した事はないがクルマで通っていると結構頻繁に見かける。サービスレベルも高く、山梨・長野県内では高速バスが盛んな土地柄と言うこともあってか、公共交通ではそれなりに影響力の強い会社としても知られている。「京王の高速バス」にとっては中央道がメインで、E1東名はサブみたいなもの。自社が中心に路線を持っているわけではなく、JR東海バス等の東名沿線のバス会社にぶら下がる形で一緒に運行(共同運行)すると言う立場。静岡の人に言わせれば「よそのバス会社」なのだ。
では親会社である「京王の電車」こと「京王線」にはどれだけ乗った事があるか?と言うと、「ほぼ未乗車」に等しい。一応乗った事はあるけど、それは新宿~笹塚(KO04)のたったの3キロ弱。そのため「京王の電車」を知るわけがないのだ。しかも何気に運転系統が複雑だったりする(詳細は次回)。
そこで今回は2018年2月に登場した京王の新型列車「京王ライナー」に乗ってみた。京王では初めての有料列車(乗車券以外にも別途きっぷが必要)なので、京王ライナーの基本的な使い方は前述の【備考】にも書いたとおり。

↑京王の新宿駅に着いたのは18:40頃。19:00発の「京王ライナー5号」に乗りたい。この時点では「空席あり」。満席だと別列車を選択しないといけないため一安心。
座席指定券を購入する。改札外の券売機が数台並んでいるが、どうやら全ての券売機で購入できないらしい。購入可能な券売機は1台だけ。先客が多いと発車直前だと購入が難しくなるだろう。京王ではインターネットによるチケットレスサービスを展開しているが、あくまでも日常的に京王線を使うお客向けだ。私のように少ししか乗った事がない”一見さん”的な人が使うにはハードルが高い。
画面で乗りたい列車を選択。乗りたい号車も聞いてくれるので、「10号車」と選択。さらに「窓側・通路側」の画面が出てくる・・・と思ったが、出て来なかった。「シートマップ」も出て来ない。具体的な座席はランダムで選ばれてしまうのだ。そういう細かい指定が出来ないのは、なぜだろうか?
結局号車しか指定が出来ないため、渋々と400円を支払う。発券された座席指定券はこの通り。

↑座席は10号車のD席。窓側であろう。座席指定券自体は自動改札機に対応していないため、「自動改札機には入れないでください」と書いてある。QRコードも付いていたが、何のために使うのであろうか?

↑京王8000系(8713)準特急高尾山口(たかおさんぐち・KO53)行き。「準特急」とは珍しい種別。「特急」よりも遅いと言う意味で、他社ならば「快速急行」になるか、説明がややこしいが特急→快速特急に格上げした上で、準特急が→特急になるパターンが一般的。京王では特急よりもさらに種別を上げたくなかったのか?特急は種別を据え置きにして、特急を象徴させておくためにあえて「準」を付けたように感じるが、実際にはどうなのだろうか?
「特急」は、明大前(KO06)、調布(KO18)、府中、分倍河原(ぶばいがわら、KO25)、聖蹟桜ヶ丘(せいせきさくらがおか、KO27)、高幡不動(KO29)、北野(KO33)、めじろ台(KO50)、高尾(KO52)に停車。「準特急」は特急通過駅の笹塚と千歳烏山(KO12)にも止まる列車だ。

↑9000系の9706編成の各駅停車京王八王子行き。これが京王らしい電車。細かい話だが線路の幅(軌間)が広いように感じた。京王線では1372ミリで特殊なゲージ。直通する都営地下鉄新宿線も同じだ。

↑18:50頃、回送で新宿駅のホームに入る。2時間ほど前に居た相鉄横浜駅のように「京王ライナー」の写真や動画を撮影するのは、せいぜい私くらいだ。京王沿線に人にとっては「当たり前の存在」になった感じもした。

↑サボはフルカラー式。「京王ライナー」自体が正式な種別だ。


↑ホームドアは1両につき4か所あるが、「京王ライナー」では前と後ろの合計2か所しか開かない。


↑車内に入る。座席はマクラギ方向にセット。座席の真上にはつり革が何本もある。関東では珍しく?形が○だ。

↑座席。中央に肘掛がない事が特徴。パッと見ではリクライニングしそうだが、どこにも操作レバーがない。京王5000系はクロスシートでもロングシートでも対応出来る車両だ。近鉄の「L/Cカー」と同じ仕組みの座席構造で、「京王ライナー」やその他優等列車(不定期運転。何らかの列車名が付く)ではクロスシートで設定するが、間合い運用により各駅停車等で営業する場合にはロングシートに変更する事が特徴だ。この手の車両は最近関東で増加しており、東武東上線の50090系(TJライナー、川越特急)を皮切りに、西武40000系(Sトレイン)、東急6020系(Qシート)でも似たような座席だ。あくまでも「着席」させる事だけが目的のため、リクライニング云々等の”細かな快適性”までは追求していない。西日本では”無課金”でJR西日本の新快速を代表するような快適な座席が多数あるが、これよりもグレードが低い感じだ。ロングシートの向きを変えただけで、確実に全員着席出来るように指定制にしたに過ぎない。

↑マクラギ方向に対して液晶画面がある。クロスシート設定の時にもそれが見られるためで、当然と言えば当然だ。発車前にはヒコーキが離陸する前と同じ感じで、クラッシック音楽が流れる。京王は今やこんな演出をしているのか!確かに良い雰囲気だ。「くつろいでもらう工夫」が出来ている。
着席したのは4D席。ここは先頭ドアの近くで、仕切り板に前方を覆われるため足を延ばす事が出来ない。窓を見ると壁になっており車窓さえも見る事が出来ない。完全な”ハズレ席”である。
窓側が一通り埋まる程度の乗車状況で19:00に新宿を発車。この日は空前の10連休中の祝日であったため、利用そのものが普段よりも少ないと感じた。平日ならば満席で発車する事の方が多いだろう。発車直後に自動放送。停車駅や利用方法等を案内。基本的には沿線住民が利用の主体の私鉄でも、今や日本語以外に英語、中国語、韓国語は必須。当然外国人を相手にした列車で、自動放送では案内しなかった補足について、車掌が英語でしゃべるほどだ。
府中までは止まらない。この間に車掌が車内に出る。指定の座席に着席していれば車内改札は省略だ。別の座席に着席していたり、指定席券未購入の場合のみ検札するルールだが、車内で指定席券を購入すると700円もする。京王線の運賃レベルからしてかなり高額な出費となる。やはり座席指定券の購入は駅かネットで事前に買うと良い。明大前には19:06に止まった。客扱いはないため運転停車扱い。

↑充電用のコンセントも搭載。しかし、場所がわかりにくい。新幹線のように壁側に付いているわけでもなければ、高速バスみたいに肘掛けの下あたりにあるわけでもない。なかなか見つからず必死に探してみると、足元(写真)にあった。「コンセントはここにあります」と自己主張出来ない存在で良いのだろうか?
府中では早速まとまったお客が下車。確実に着席出来るため、立つリスクがある準特急等の一般列車に乗るよりも、400円出してでも着席したいと言うニーズをガッチリとつかんでいる。この先は指定券なしでも乗車可能。しかし、ホームで待っているお客は少ない。「東京の大手私鉄か?」と思うほどひっそりとしている。
府中で後ろのお客が降りたので、その座席に移動する。指定制区間は実質的に新宿~府中のみなので、府中以西は座席移動しても車掌に何か言われるわけでもない。後ろの座席は足が伸ばせる。伸ばしてみると「かなりノビノビ」。ビックリするくらい広い。1列違うだけで天国と地獄の差だ。京王5000系は4ドアで各ドア間クロスシートだと3列ずつの設定になる。進行方向前側の各ドア手前は狭い座席となる。出来ればこれを回避したいが、勝手に選ばれてしまうので、結局は運次第か。

↑京王八王子に到着。島式1面2線の地下構造の駅で行き止まり式。新宿方面に戻る必要があるが、その列車は営業せずに回送。そのまま新宿まで持ってゆき、折り返しの「京王ライナー」で再びに営業に就くのであろう。回送になる時には座席の向きは変わっていなかった。
確実に着席出来る事が最大の”売り”の「京王ライナー」。だが、座席の指定は少なくても駅買いでは出来ない。せめて窓側・通路側の指定、出来ればシートマップで直接購入出来るようにしたい。座席指定券400円は「速達料金」と言うよりは「確実に座るための料金」と言う付加価値と言う事がわかった。
2回目に続く。
最近のコメント