【山形沖地震JR東日本新潟輸送指令のありえない対応とは?】JRは大地震発生後運転中止時間が長期化するのか?

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2019年6月18日(火)22時22分頃、山形県の日本海沖を震源とするマグニチュード6,7の地震が発生した。日本海沿岸では津波注意報が出た。最大1メートルの津波が襲来するとしていたが、実際には10センチほどだった。津波は10センチ程度であっても巻き込まれると、ほぼ逃げることは不可能である。そのため、津波注意報・警報が出ている時には、海、川の河口に近づかない事だ。幸い死者は出ていないが(6月21日現在)、羽越本線では6月19日(水)まで一部区間で終日運休。6月20日(木)から所定ダイヤで運転再開しているが、小岩川駅はホーム破損のため修理工事中。同駅は当面の間全列車通過扱いとなっている。

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★「先行列車が脱線していないか見て来い」と後続列車に指示したJR東日本新潟輸送指令の対応は不適切ではないか?

【当該列車A】837D(普通鼠ヶ関行き・新津20:30→鼠ヶ関22:46・キハ40の3両)

【当該列車B】2013M(特急いなほ13号酒田行き・新潟21:13→酒田23:20・E653系1000番台U107編成

↑当該列車Aのキハ40

↑当該列車Bのイメージ(写真は別編成で、塗装色が異なる)

順序関係は、当該列車Bが先行し当該列車Aが追いかける格好。地震発生と同時に指令から緊急停車の指示が出た。当該列車A(837D)はトンネルの中など停車すると危険と判断したため、安全な場所まで進んだうえで停車した。

「産経新聞」の報道によると、当該列車Bの車掌は下記のような信じられないコメントをしていた。数字後に確認したら「産経新聞」の報道が誤報だったのか?ねつ造だったのか?不明だが、書き換えられていた。

当初の報道(配信時刻6月19日7時50分)では下記のような事であった。

「指令から”先行のいなほ13号が脱線しているか?確認して来い”と言われた。津波が来るかもしれないと思ったので、それを無視して自列車(当該列車A・837D)の安全確保が最優先と考えた。外に居た地元の人に声をかけると、”すぐに高台に逃げた方が良い”と言われたので、お客と一緒に高台に逃げた」

その証拠が残っている当該ニュースのコメントがこちら。

写真

↑この事が事実ならば大問題である。

↑この事について私は上記のようにツイートした。この事はTwitter上でも話題になり、リツイート(RT)も20件程度付いた。

Twitterでも申し上げているが、津波が来るかもしれない時に自列車の安全を無視してでも、他列車の様子を確認すると言う事はありえない事。詳しくは私のツイート等を参照されたいと思うが、なぜ新潟指令がそのような不適切な指示を出したのか?

当該列車A(837D)の乗務員の対応は正しい。

「産経新聞」には、「車両の電気をつけたまま逃げた」とあったが、それも正しい。本来ならば電源を切る対応をするのだろうが、そんなことやっている間に津波が来たら話にならないので、そのまま逃げる(避難行動する)事が大切だ。

推測になるが、地震発生時に当該列車Bに対しては列車無線・携帯電話が通じなかったのではないか?

適切な指示や現在の様子が指令では把握できないので、近くにいた当該列車Aの乗務員が直接現場まで行って確認して、状況を報告しろと言う事であろう。それにしても不適切である。津波が来る、途中でがけ崩れ等で線路が破損しているかもしれない状況の中で、確認中に乗務員が死傷したり、当該列車Aのお客が死傷するリスクだってある。そうなった時に果たして「安全の確保が出来ているか」と言われると、それはウソになるだろう。それをやるように指示した新潟指令が、その事が原因で死傷事案が発生したら責任取れるんか?と言う話。指令長を懲戒解雇して済む問題ではないのだ。

JR東日本八王子支社管内で車掌を経験していた人が著書でも書いてあったが、「地震等の自然災害発生時に、いちいち指令の指示を待っている事は出来ない。”指令が車外に出て良いと言っていないので避難できません”なんてやったら、みんな死んでしまう。そういう時こそ指令が指示しなくても、車掌が判断して避難行動をしないといけない」とあった。恐らく当該列車Aの乗務員も全く同じ対応をされたのであろう。後になってわかったが、当該列車Bについても同様の対応を行っている。

JR北海道では石勝線脱線火災事故(2011年)の時に、指令の指示通りにした事により被害が拡大した事案があった。それは指令が現場の様子を知らないからであって、マニュアルに従った事を完遂しようとしたため。そこで同社は「現場の判断を最優先する」と言う考えに変更し、指令があれをやれ!と指示するのではなく、「現場が求めている事を手助けするのが指令の役割」と言う方向になっている。そのためマニュアルに反する事があっても、現場ではそれが「もっとも安全なみち」と認められるならば、「どんどんそれをやってくれ」と言うスタンスだ。

少なくても、JR東日本新潟輸送指令にはそのようなスタンスがなかったようだ。過去事例だが、2018年1月には信越本線で15時間も大雪で立ち往生した列車からお客が出られない事があったが、この時は指令やその他部署でもどのように対応するか揉めに揉めて、方向性が決まるまで長時間かかった。その事が裏付けている。

私が思うには、地震や津波が来るときは指令の指示なんて聞かなくて良い。とにかくすぐに安全な場所に逃げるように対応しないといけない。それで現状でどうなったかは「事後報告」で十分だ。まずは現場の乗務員の判断で、1にも2にも安全確保(避難行動等)をして、報告と確認は3や4、いや7や8の順番でも良い。

みなさんはどう思うだろうか?

★大地震が発生すると運転再開まで時間がかかるのか?

↑これは2018年6月18日の朝発生した「大阪北部地震」の際、同日の19時40分現在のJR西日本運行情報。これによると、近畿地区のほとんどの路線で「線路点検のため」運転見合わせになっている。例えば、JR京都線では当初17時00分の運転再開であったが、これが19時00分に延長されて、さらに22時00分に再延長されている。「いつまで、待たすねん!」と思うみなさんも多いだろう。
こういうように思う人も多いだろう。

「近鉄は昼過ぎには一部を除きほとんどの路線が運転再開している。なのにJR西日本は並行する路線(大和路線やJR奈良線等)は全然運転再開していないのは、おかしいのではないか?」


と言う疑問。なんでJR西日本は、いつまでたっても運転再開しないのか?
この理由について、私の知っている範囲で簡単に述べさせてもらう。

①地震により被災しているため

・・・地震と一言で言っても、場所によって揺れ方、被害は全く違う。並行している路線と言っても、ピタッと横を通っている路線であれば会社が違っても同じ程度の被害があるはずだが、路線が1~2km離れていると全く違う被害になっている可能性がある。私鉄側では何も被災していなかったが、JR側では運行出来ないほどの大被害になっている可能性はあり得る。
過去事例として、被災直後に「○○駅~××駅の間の盛土流出が発生し線路が宙吊り」と言う事が一般に明らかになるのは、地震発生後早くても数時間後、遅いと3日後くらいになる事もあった。

むしろ、鉄道会社側は積極的に公表しようとはせず、テレビや新聞等の報道で初めてわかる事も少なくない。特にJRは全国どこでもこのような傾向だ。

②線路点検出来る人員がそもそも少ないため

・・・JRの現場はどこも「少数精鋭」。線路や架線等の鉄道施設の点検は、どうしても専門知識が必要だ。少なくても専門知識がない営業専門の駅員には出来ない事だ。状況によっては無理矢理駆り出される事もあるらしい。線路点検の基本は「徒歩」。

運転見合わせ区間が長ければ長いほど、点検作業そのものに時間がかかってしまう。

トラック等で資材を投入して、作業する事もあるがその際に道路が大渋滞で現場に到着できず、作業開始そのものが大幅に遅くなる事もある。

JR西日本の場合、私鉄最長の近鉄と比較しても今回の運転見合わせ区間が長すぎる。予定していた通りの時間で作業が完了しないと言う事は、よくある話で、実際には「やってみないと点検作業自体いつ終わるかわからない」のである。

何度も運転再開予定時刻が延長しているのは、この事だと思われる。

③適切な運転整理をしたいため

・・・よくある人身事故でもそうだが、少なくてもJR各社は京急でおなじみの「逝っとけダイヤ」はやらない。例えば、大和路線(天王寺以東)では線路点検が終わり安全に列車運転が出来る状況であるが、直通先の大阪環状線ではまだ線路点検が終わっていない。

「だったら大和路線内だけ運転再開しよう」と言う考えは、そもそも「ない」のだ。これが京急のような考えだったら、即刻運転再開するだろう。むしろ、一般の利用者はこのやり方を望むはずだ。基本的には、「直通先も安全に列車が運転出来るようになったら、セットで運転再開させる」と言うのがJR各社のやり方なのだ。

いずれにせよ、嵯峨野線のように「終日運転中止」と言う”絶望的な事”をやるのではなくて、少しでも多くの区間運転出来るようにして、帰宅困難者を早く帰宅させる事がJRの社会的責任である。

被災していたら仕方がないが、被災していないのであれば終夜運転でもして、1人でも多くの人を運ぶようにするべきだ。

JR西日本はそのような事をやろうと言う考えも伝わらないし、非常に消極的だ。

「【雨・風・地震】運転見合わせ(抑止)で使用する「基準値」の具体的な数字はいくつか?」(2019年5月29日当ブログ)

↑こちらも参考にされたい。

★きっぷの払い戻しは、何が何でも乗車当日でなくてもよろしい。JRの場合、乗車当日から1年以内ならば全国のJRの駅で払い戻し請求可能

「大阪北部地震」当日は、東海道・山陽新幹線は13時頃から全線で運転再開しているが、大幅な遅れが発生している。

↑JRのきっぷのルール上、大地震による遅れ、運休による補償は概ね下記の通り。

◆有効期間の延長

◆無手数料で全額・または一部金額払い戻し(きっぷの種類や使い方により金額は異なる)

・・・航空機のように、「家に帰る事が出来ないので近隣の宿に泊まる。宿代を出してくれ」と言う事はJRや私鉄では、受付けない。これについては、完全に自腹である。

さらには、このような文言も必ず出て来る。

「近畿地方(被災した地域)には、旅行中止してくれ」

鉄道会社としては、そもそもお客を受け入れる事が出来ないので、関係ない人は”よそ”から来ないでくれ・・・と言う”拒絶表明”なのである。


詳しい説明は長くなるので簡単に説明すると、特急や新幹線が2時間以上遅れた場合必ずしも乗車当日でなくて良い。返金を証明するための「印」をもらっておく必要はある。自動改札に通せば勝手にその旨が印字されている事もある(新幹線は特に)。自由席は遅延証明書をもらっておくと良い。

乗車当日から1年以内に全国のJRのみどりの窓口で返金してもらう事が出来る。

その日にどうしても「現金」が欲しいのであれば大行列に並ぶしかないが、そうでなければ必ずしも大行列に並ばなくても後日返金可能なのだ。


なお、「エクスプレス予約」「スマートEX」等のネットで決済するものに関しては、使用したとしても自動的に後日返金される仕組みなので、自分で手続きする必要は基本的に必要ない。逆に自分で手続きすると正規の払い戻し料金が発生する事もあるので注意されたい。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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