【2018年8月乗車記と車窓/謎が多い只見線列車代行バス会津川口→只見】鉄道で行く避暑地を求めて④
2018年8月乗車記と車窓。只見線会津川口~只見は災害不通区間。そのため列車代行バスによる輸送となるが、謎が多い!実態を詳しく見る!やってきたのは地元バス会社のマイクロバス。ほとんどお客は乗っていない。途中区間の乗降もない。この当時は被災した時の状況がそのまま残っていたが、かなり酷い事になっていた!
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【只見線423D七日町→会津坂下】2018鉄道で行く避暑地を求めて②
【只見線423D会津坂下→会津川口】2018鉄道で行く避暑地を求めて③
もくじ
★列車代行バスはマイクロバスを使用。途中区間乗降ゼロ!「只見線」と認知されず、「単なる路線バス」と言う感じか?
【訪問日】2018年8月5日(日)
【列車番号・便名】なし(只見線列車代行バス只見行き)
【時刻】会津川口8:15→只見9:05
只見線は2011年の豪雨災害で破壊された施設が多い。今(2018年)運転再開している会津若松~会津川口、小出~只見も被害を受けたが、いずれも修理が終了し列車が通っている。 一方で、特に被害が大きかったのは会津川口~只見で、橋梁(鉄橋)流出等の”致命的な被害”が相次いだ。JR東日本は只見線の収益が良くないので、廃止したいのが本音。そのため必要な復旧費用が用意出来ず、バス転換しようとしたが、地元が認めなかった。 結果、鉄道施設は地元が維持管理して、JR東日本は列車運行に専念する「上下分離」にする事が決定。2021年をメドに修理工事が進んでいる。
それでは、会津川口~只見はどのような輸送が展開されるのか?と言うと、列車代行バスだ。ダイヤ上は会津川口と只見の両駅で列車に接続するようにはなっているが、渋滞等でバスが遅延した場合は「接続保証」していない。この区間の普通乗車券があれば、列車代行バスに乗車出来るため、「青春18きっぷ」等の企画きっぷでも乗車可能だ。 しかし、列車代行バスは私がこの時見た限り、バス1台のみの運行で1便当たりの輸送力はせいぜい20人位。それ以上のお客が来た場合は、乗れない事もあるので注意が必要だ。

↑会津川口に到着。折り返しは8:40発の426D会津若松行きとなる。

↑キハ40-584は”スーパーロングシート”。ボックス車両が用意出来なかったため、只見線でもそうなったのであろうが、何か味気ない。









↑ホームは島式。只見方面については線路が続いているが、車止めらしきものは確認できない。当然信号機は「赤」。
改札は行っていない。一応有人駅できっぷ売り場がある。駅の中に地元の物産を販売した売店があって、福島県金山町の中心部。農協と同居している駅舎のようだ。

↑列車代行バスはマイクロ車両。前述のように20人程度しか乗れない。乗り継いだのは同業者(鉄道ファン)が主体で、8人だけだ。
乗車時にきっぷの確認等は特にやらない。何年も運行しているので、JR東日本の社員が同乗する事もやっていない。委託先の地元バス会社(ハイヤー会社?)の運転士が乗務するだけで、時刻になれば「発車します」の放送もなく、勝手に動き出す。走行中に、次の駅名放送もないし、降車ボタンもない。あくまでも自己申告で、それは今年3月に散々乗った三江線沿線の路線バスと同じシステムであった。

↑会津川口~本名。第5只見川橋梁。豪雨災害で流出。今も壊れたままだ。これから修理が進む見込みで、工事もやっていた。

↑本名駅。必ずしも駅前に代行バスが入るわけではなく、駅近くのバスが停車できそうな場所にのりばを設けている。

↑本名~会津越川。列車代行バスは国道252号線を道なりに進む。交通量は極めて少ない。数分に1回対向車とすれ違うレベルだ。そもそもの移動需要が少ないので、公共交通の経営となれば採算が取れるわけがないのが目に見えている。
しかし、冬は大雪で閉ざされるので、その時には鉄道が極めて優位な交通機関になる。国道252号は新潟県に抜けるが、冬季は県境付近(奥只見付近)は半年近く通行止めになるため、只見線が唯一の交通手段になる。それを考えれば、採算がどうのこうのではなくて交通手段として必要。だから鉄道による只見線は住民の生活に直結するので廃止は困る、運休は困るのだ。

↑会津越川駅。どこに駅があるのかわからない。工事用の重機がある。

↑会津大塩駅。ここはバスが入る事が出来る立派なのりば。元々あった農協?等の地元施設を借りているらしい。只見線の駅はこの施設の裏側で、わずかながら見えた。

↑会津大塩~会津塩沢。只見線と並走するため時々破壊された線路が見えてくる。パッと見た限りは破壊されたように見えないが、中には橋げたが沈み込む等の箇所が見える。鉄道は区間ごとに運転する事が基本なので、特定の1ヶ所で破壊されると長い距離運行出来なくなる。会津川口~只見と言うのも1つの区間で、今はダメな所だけ止めている。


↑会津塩沢~会津蒲生。恐らく第6只見川橋梁だろう。国道252号からもハッキリと見える。只見線車内からも国道からもどちらから見てもよく見える。この橋も一部が壊れたまま。鉄道の本格的な工事は始まっていないような感じがした。道路等のインフラは各所で工事しているが、逆に言えば被災から7年経過した今でもインフラを直しているくらいだから、いかに”デカい被害”だったのかがわかる。

↑会津蒲生駅。

↑会津蒲生~只見。しばらくすると只見町の中心部に入る。それにしても、列車代行区間の乗降はゼロ。
私が2008年に只見線に乗った時には、この区間は1両分しかホームがない駅がほとんどで、2両目ドアは開かなかった。それでも1人前後の乗降がどの駅でもあった事を覚えている事、駅名が「会津○○」と”会津”をやけに強調した駅名だらけと言うイメージがあった。 列車代行バス=只見線と認知されていない・・・のが地元の感覚で、それは「単なる路線バス」と言う事か? あとは、そもそもの移動需要が少ない事。クルマの走行台数を見ればわかる。鉄道が修理出来て運行開始しても、街に活力や人がいないと意味がないんだなと思った。
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