【北海道旅客鉄道(JR北海道)】最新(2015年度と2020年度)のJR全線「営業係数」を大公開!
北海道旅客鉄道(JR北海道)の営業係数を大公開する。2015年度と2020年度分の数字を公開する。2015年度は識者の計算に基づいたもの、2020年度は同社が公式に公開しているものだ。それとは数字が異なるので注意されたい。ナント!札幌都市圏(千歳線や函館線)での稼ぎは全国的に見ても超優良路線だった!

もくじ
★営業係数とは?🤔
改めての説明である。運賃100円を稼ぐのに、いくらのコストが生じたか?を示す「数字」である😲
数年前のデータだが、東海道新幹線の営業係数は53であった😲
すなわち、100円の運賃を稼ぐために生じたコストは53円で、残りの47円は利益となる😆
一方で、営業係数が100を超えると赤字を意味する😫
国鉄時代は毎年公表されていたが、JRになってから一切公表されなくなった😩
理由は赤字が多いと路線廃止を心配する意見が出やすい事、黒字だと設備投資が消極的な場合お客から「新車を入れろ」等の苦情を受けやすいからだ😫しかし、北海道旅客鉄道(JR北海道)のように利用が少ない鉄道会社にとっては、会社の存続であったり、地域の公共交通の実態を示す目的から、あえて営業係数や輸送密度を公開している😅同社もその傾向だ。
先日の『東洋経済オンライン』で、鉄道ジャーナリストの梅原淳氏が独自に試算した最新のJR全線の「営業係数」を公開。
「”JR中央線”はどの区間で儲かっているか JR東日本・JR北海道の路線営業係数を独自試算」(東洋経済オンライン)
↑記事の内容はこちらを参照されたい。
算出方法は、国土交通省鉄道局監修の「鉄道統計年報」に掲載されている各事業者の営業損益に関するデータを基にした。
★2015年の北海道旅客鉄道(JR北海道)営業係数😲札幌都市圏で大稼ぎ!一方で市街地では営業係数300円超えも😲
JR北海道の2015年度の決算が2016年5月9日に発表された。
同社単体の損益計算書によると、2015年度の営業収益は838億円であった。
そのうち鉄道事業における旅客運輸収入は685億円、営業費用は1,285億円で447億円の営業損失が計上。つまり、赤字だ。
これらの数値、そして同時に発表された同社の路線の区間別の平均輸送密度をもとに営業係数を梅原氏等が試算した。
下記JR北海道全線の「営業係数」を記す。
路線名の後に続く数字は、左側が1日1キロ当たりの平均通過数量(単位:人)、右側が営業係数(単位:円)となる。
紙面上では、区間を細かく分けて書いてあるが、当ブログでは路線全体の「数字」のみを記す。細かく知りたい方は上記リンクの紙面を参照されたい。
江差線・4,133人・175,4円
海峡線・3,706人・187,6円
札沼線・6,607人・133,3円
石勝線全線(★一部)と根室線新得~帯広・3,870人・182,6円
石北線・1,142人・388,5円
釧網線・513人・582,5円
宗谷線・746人・489円
千歳線全線と室蘭線苫小牧~沼ノ端・44,784人・66円
根室線全線(新得~帯広を除く)・976人・424,2円
函館線・10,649人・104,5円
日高線・185人・811,6円
富良野線・1,477人・333,6円
室蘭線(苫小牧~沼ノ端を除く)・4,303人・171,6人
留萌線(★一部)・154人・844円
↓
JR北海道全線・4,726人・161,7円
※北海道新幹線開業で他社移管した江差線も含んでいる。
※北海道新幹線の営業係数は試算していない。
※2015年以降JR北海道が公表した営業係数とは数字が異なる
★留萌線一部と石勝線夕張支線は廃止済み

↑721系
札幌都市圏では電車が走る。ここでの稼ぎが大きい😆
「札幌都市圏」の定義は、函館線の小樽~札幌~岩見沢、千歳線と室蘭線の苫小牧~沼ノ端となる😲
札幌都市圏各線の営業係数は、いずれも60円台と超優良経営だ😆
しかし、JR北海道が公表している「数字」(事務部門の経費も含んでいるため)では札幌都市圏でも営業係数は100円を超える(つまり赤字)としている😩
「60円台」と言う営業係数は全国見ても、数えるほどしかない😏
札幌都市圏の稼ぎが北海道全体の鉄道を支えていると言って良い😆
意外に営業係数が高いのが室蘭線室蘭支線。349円と言う数字が出た😲
理由としては、平均通過数量が1,366人と少ないため😅
しかも、全線電化複線で維持費等も考えれば、こういう悪い数字が出ると分析している😅
個人的に意外だったのが富良野線。1,477人に対して333,6円😲
まさに「北海道らしい景色」が広がり、地元の人や観光客利用も多い。立っている人も多く出ていた😅
私が乗った時はたまたまそうだったのかもしれないが、「数字」に置き換えた時かなり厳しい現実がわかってしまった😩
いずれも、お客が乗ってくれそうな場所なのに、実際には乗ってくれない。それが逆に足を引っ張る形になっているため、非常にもったいない。ここでの営業係数を向上したい所だ。
★2020年の北海道旅客鉄道(JR北海道)の営業係数は?🤔
「2020年度ご利用状況と収支について」(北海道旅客鉄道ホームページ)
↑このホームページの「参考」の部分、11ページ目の内容から引用する。2021年6月4日に公開した2020年度の営業実績である。
路線名・区間 | 輸送密度 | 営業係数(管理費を含む) |
根室線・富良野~新得 | 57人 | 3,606円 |
留萌線・深川~留萌 | 90人 | 2,372円 |
日高線・鵡川~様似 | 95人 | 1,531円 |
宗谷線・名寄~稚内 | 165人 | 1,306円 |
根室線・釧路~根室 | 150人 | 1,264円 |
根室線・滝川~富良野 | 190人 | 1,845円 |
室蘭線・沼ノ端~岩見沢 | 305人 | 1,396円 |
釧網線・東釧路~網走 | 236人 | 1,139円 |
日高線・苫小牧~鵡川 | 476人 | 698円 |
石北線・新旭川~上川 | 600人 | 805円 |
石北線・上川~網走 | 404人 | 865円 |
富良野線・富良野~旭川 | 1,027人 | 509円 |
石勝線・根室線・南千歳~帯広 | 1,570人 | 339円 |
室蘭線・東室蘭~長万部 | 1,924人 | 333円 |
室蘭線・室蘭~苫小牧 | 3,166人 | 332円 |
函館線・岩見沢~旭川 | 3,739人 | 341円 |
札沼線・桑園~北海道医療大学(※1) | 12,555人 | 173円(※2) |
函館線・札幌~岩見沢 | 26,472人 | 173円(※2) |
函館線・小樽~札幌 | 28,615人 | 173円(※2) |
千歳線・室蘭線・白石~苫小牧(※3) | 24,422人 | 173円(※2) |
宗谷線・旭川~名寄 | 827人 | 918円 |
根室線・帯広~釧路 | 897人 | 612円 |
新幹線・新青森~新函館北斗 | 1,453人 | 454円 |
函館線・長万部~小樽 | 349人 | 1,329円 |
函館線・函館~長万部 | 1,443人 | 490円 |
北海道旅客鉄道全体の平均値 | 2,767人 | 304円 |
(参考)札沼線・北海道医療大学~新十津川(※4) | 112人 | 472円 |
※1、北海道医療大学~新十津川間の数字は含んでいない
※2、札幌都市圏の営業係数は路線ごとに算出せず。札幌都市圏全体の数字のみを公表
※3、千歳線の南千歳~新千歳空港間も含む
※4、2020年5月7日に廃止。桑園~北海道医療大学間の数字は含んでいない

↑やはり札幌都市圏以外の路線でかなり営業係数が高い😩キハ54の写真は留萌本線の大和田駅で撮影したものであるが、輸送密度90人とは鉄道の特性を発揮出来ている数字とは言えず、実際に乗ってみると列車1本に10人も乗れば良い状況だ😱2020年度はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で旅客数減少となった😫減り方としては札幌都市圏がかなり大きいが、留萌本線をはじめとした、宗谷本線の名寄~稚内などの維持困難線区と称する各線は前年(2019年度)から半減している所も目立つ😱

↑北海道新幹線の営業係数がかなり悪い😫COVID-19の影響があったとは言え、2020年度は454円と全国の新幹線で恐らく最悪な状況だ😱観光客の利用に依存しているため、景気や社会情勢により良し悪しを受けやすい😰それを言ったらヒコーキや高速バスと同じでもある。北海道新幹線が本領発揮するのはやはり札幌開業後で当分は営業係数ベースで見ても100円越えの厳しい状況が続く😩
↑2020年度に北海道新幹線に乗った時の乗車記は上記のブログをご覧ください🥺
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