【2018年8月乗車記/常磐線→水郡線→袋田の滝→磐越西線】鉄道で行く避暑地を求めて①
2018年8月乗車記。夏は連日の猛暑日。少しでも涼しい場所「避暑地」に行きたいのは誰でも思う。東京からそう遠くないJR東日本管内のそれを「青春18きっぷ」を使って乗り歩く事にした。最初の避暑地は「滝」。水郡線沿線の「袋田の滝」は非常に有名な観光地。しかし意外としんどかった?
もくじ
★滝は涼しいのか?
2018年の夏は本当に暑かった。35度以上の事を「猛暑」と言うが、これが連日となれば、体力的には誰だって大変だし、熱中症にもなるし、機械でだって故障を起こしやすくなる。 連日の猛暑が嫌になった私は、「避暑地」と言われる所に行って、涼む事にした。クルマで行った時と、鉄道で行った時と2パターンあるが、前者については当ブログの編成上の都合で省略する。後者のパターンについて、書いてみる。
まずは「滝」。山から下に向かって落ちる水を見ると、見ているだけで「涼しい気分」にさせてくれる。では、滝の周辺は涼しくて、過ごしやすいのだろうか? 「滝」と一言で言っても大小いろんなものがあるが、今回は車窓がクソつまらない事で鉄道ファンではおなじみの水郡線。この途中にある茨城県の「袋田の滝」は全国的にも有名。ならば、ここに行ってみようと言う事で、「青春18きっぷ」を使い、東海道線→常磐線と進む。
★常磐線で水戸へ!特急街道であるが、取手~水戸は普通列車も30分おきに運転
【訪問日】2018年8月4日(土)
【列車番号】355M(常磐線勝田行き)
【時刻】我孫子10:51→水戸12:25
【車両】E531系0番台のK403編成



↑常磐線は「特急街道」。普通列車が特急に抜かれるために何分も停車する事が当たり前。355Mも例外なくその列車で、高浜では11:42~11:50まで停車。
JR東日本では節電対策、空調を効率的に使うため季節問わず押しボタン式の半自動ドアを積極的に実施。半自動ドア扱いをやらないのは、東京周辺くらい。常磐線では取手以北は半自動ドア扱いの対象だ。そのためE531系のドアは、ほとんどが閉まっている。


↑いわき行き特急「ひたち9号」に抜かれる。常磐線特急はE657系に統一されており、列車によって異なる車両が来ると言うのは昔の話だ。

↑品川行き特急「ひたち10号」も通過する。特急は多くの座席が埋まっているが、取手以北の普通列車だと、10両ではかなり余裕がある状況。朝や晩の通勤通学時は話が別なのであろうが、土曜日のお昼前であれば30分/本の本数でも十分な客数だ。
10両では供給過剰である事、車両運用等のJR側の都合もあってか、次発の1159Mは土浦~水戸グリーン車連結なしの旨が時刻表に。つまり、5両で運行すると言う事だ。
「結構多いのか?」と思って時刻表をめくってみたが、1159M以外に見当たらない。昔はこの手の列車が多かったような?


↑水戸ではE501系(10両)が停車中。12:32発の高萩行き551Mであったが、空席が相当多い。E531系登場前は上野まで乗り入れていたが、今やすっかりマイナーな存在となった。

↑水戸駅の上野方を見ると、EF81やキハE130が留置中。いつも思うが、水戸のEF81は何の目的で使っているのか?
所属会社はJR東日本なので、工事等の業務目的らしいが?

↑カラフルな車両が到着(12:39着の324D)。水郡線のキハE130系だ。立客がかなりの数。ドアが開くと人が途切れない程もあったのは、意外だった。立客が出てもわずかだろう・・・と。水郡線の日中は1本/時しかなく、「こんなに混むんだったら、30分に1本はあっても良いのでは?」と思った。
★1時間に1本しかないので、水戸周辺では混雑しやすい水郡線
【列車番号】333D(水郡線郡山行き)
【時刻】水戸13:15→袋田14:25
【車両】キハE130-1+キハE132-4+キハ131-4
【備考】キハ130形のみ郡山行き、残り2両は常陸大子(ひたちだいご)止まり

↑1時間に1本なので、発車する30分も前からお客が列を作って待っている。333Dが入線するとナント3両! しかし、サボは「郡山/常陸大子」の2つの行先。郡山まで行くのは前1両だけで、後ろの2両は常陸大子で切り離し。常陸大子で輸送力の調整(=切り離し)をしているため、常陸大子から先の福島県内の水郡線ではお客が少なく、逆にそれより手前の茨城県内の水郡線ではお客が多い事を示す。
私は常陸大子止まりの最後尾、キハE131-4に。すでに多くの座席が埋まっていたが、4人掛けボックス席が空いていたのでそこに座る。 主に高校生であるが、大きなスーツケースを持った旅行客、同業者(鉄道ファン=乗り鉄)も目立つ。3両なので車掌が乗務するが2人もいる。そのうちの1人は改札担当であった。
水戸を発車。意外にも”強力馬力”のキハE130。動き出しは電車と同等。カタログ数字上は450馬力の1エンジンであるので、最近の気動車では、よくあるスペックだ。 水戸を発車するとすぐに田園地帯。住宅地が部分的にあるが、背の高い建物が急に少なくなる。 常陸津田では、国鉄式の縦書き駅名表が残る。北海道では当たり前のように残るが、本州JRでこれが残るのは珍しい。今や新しいタイプに置き換わっているのだ。
下菅谷で20~30人が下車、上菅谷では半分近くが下車。常陸太田行きの933Dとも接続。ここで車内が空くがそれでも若干の立客が残る。 まだまだ田んぼ+住宅地の車窓が続き、車窓変化が乏しい。なので、「クソつまらない」と言われても仕方ない車窓なのだ。 日立大宮では、なぜか右側通行で入線。ここまでが実質的な水戸都市圏利用で、この先はノンビリとした空気となってきた。 西金(さいがね)ではホキ車(バラストを輸送する専用貨物車)が何両も止まっていた。これも気になる所で、近くに採石場でもあるのだろうか?

↑袋田で下車。




↑元々は列車交換可能な構造であったが、今は棒線化。使用されないホームにも駅名表や案内看板、花壇もあって丁寧に手入れされている事が伝わる。 駅舎はログハウス風の三角屋根が特徴の木造駅舎で、運行状況を示した画面も。営業上は簡易委託駅で、乗車券の販売のみを行う。
★滝は涼しくない?袋田の滝

↑14:30発の袋田の滝(滝本)行きの茨城交通の路線バスに乗る。
バスのダイヤは水郡線と接続出来るようになっており、水郡線が遅れると発車を待つ事もあると言う。
滝本までは210円で7分の乗車で着くが、Suica等の交通系ICカードは使えない。「いばっピー」と称する茨城交通独自のICカードのみが使えるとの事。しかも、「いばっピー」では一律運賃が10%引きで、滝本までだと189円で済む。

↑滝本バス停から袋田の滝入口までは徒歩10分。土産物店、飲食店(しゃも、そば、かき氷、日本料理等)が多い。時間がないため、立ち寄る事も出来ずスルー。



↑入口で入場料300円を払う。この先のトンネルは、袋田の滝に直結する経路で歩行者のみが通れる。左側通行である。

↑トンネル内部は、ひんやりしてきた。明らかに外よりも涼しい。




↑「第一観瀑台」と言われる所。
しかし、意外と暑い。水から落ちる音や大量に水が注ぎこむ所を見ると、涼しさを感じるが、涼しい風が入り込んでくるわけではない。
見た感じの涼しさは感じるが、体感的な涼しさは感じないと言う矛盾は、なんとも中途半端。気温は32度、湿度は50%と言う気象条件であった。


↑急斜面を水が落ちる袋田の滝は圧巻。

↑水が落ちた先は、ゴツゴツとした岩場が続く、複雑な地形。ジオパークにもなっているらしい。

↑再びトンネルに戻る。
滝よりはトンネルの中が涼しいくらいだ。
そして、なぜかエレベーター。次に向かう「第二観瀑台」は「第一」よりも高い所にあって、その高さがかなりのものなので、エレベーターで簡単に移動出来るようにしているのだ。 当然無料でエレベーターには乗車出来るが、お客が多い時には何分も待たされることもあると言う。

↑これが「第二観瀑台」からの眺め。袋田の滝全体がわかる場所でもあるが、上から4段で真下に落水するのであるが、1段目の中央が「ハート」の形に見えることから、袋田の滝は「恋のパワースポット」と言われているようだ。 「滝が恋のパワースポット?はぁ~?」とどうもピンと来ない。これじゃあ、恋も夫婦生活も”崖っぷち”だろう・・・と。
★福島県内の利用が極端に少ない水郡線
【列車番号】337D(水郡線郡山行きワンマン)
【時刻】袋田16:27→郡山18:26
【車両】キハE132-3+キハ131-3

↑再び袋田駅に戻り、水郡線で進む。337Dは2両のワンマン。次の常陸大子で大半が下車してしまい、各ボックス席に1人しかいない状況。

↑常陸大子~下野宮で急停車。木の枝と触車したようで、安全確認のため16:42~16:52まで運行停止。運転士が線路上に出て車両や線路の確認を行うが、車体の破損等なかったため14分遅れで運転再開。 この先は福島県内に入るが、お客の乗り降りは少なくなる。乗降ゼロの駅も少なくない。ほとんどお客が増えないまま6分遅れで郡山に到着。同じ水郡線でも、茨城県内はお客が多いが、福島県内では少ない、”いびつな感じ”がどうも気になった。
★ライナー列車、特急が消えて、一般的なワンマンしか走らなくなった磐越西線電化区間
【列車番号】1237M(磐越西線会津若松行きワンマン)
【時刻】郡山19:02→会津若松20:23
【車両】E721系0番台のP12編成、クハ720-12

↑ナント磐越西線電化区間でも、ワンマンになっていた! 私の中でこの区間のイメージは、485系の「あいづライナー」があった・・・のであるが、今は老朽廃車に伴い列車そのものが消えて、単なる「快速」しかないありさまだ。 しかも、仙台周辺で営業しているE721系をワンマン改造した上で、ワンマン運転している大変化ぶりに、かなりビックリした。
「そんなにお客が乗らないのかな?」と思ったが、1237Mの車内を見る限りは、2両でもそこそこのお客が立っている。この日は土曜日だったので、平日に比べれば少ないのかもしれないが、時間帯によっては2両ワンマンではかなり混雑するのではないか? 調べてみると、2017年3月からワンマン運転が始まり、半数の列車がそれだと言う。車内に運賃箱がある一般的なワンマンで、駅員無配置駅では後ろ車両ドアは開かない。
車内の客層は実にさまざま。通学の高校生や大学生、通勤利用、観光客といろいろ。スーツケース等の大きな荷物を持った観光客も目立つため、猪苗代、会津若松、喜多方と言った、観光地への輸送列車で一般的な通勤用車両と言うのは、何か物足りない感じがする。 一応、「フルーティア」と称する観光列車もあるが、これは旅行商品購入が条件なので、敷居が高い。 そう遠くない昔(10年ほど前まで)不定期ながらも特急があったので、郡山で新幹線接続して観光特急やライナー的な列車があった方が妥当。そういう”主役”が消えてしまった磐越西線は、寂しくなってしまった。
2回目に続く(下記リンクをクリック)
【2018年8月乗車記/クーラーの効いた車内!只見線423D七日町→会津坂下】鉄道で行く避暑地を求めて②
水戸住まいとして何点か申し上げます。
まず半自動ドアですが、取手までは特急待避でも全く使いません。
藤城~荒川沖は長時間停車のみ使用しますが、発車前には一旦開けます。
土浦から先は完全半自動になります。
但しE501は半自動機能が無いので、長時間停車及び冬季早朝列車は土浦側から2番目の扉のみ開け他は閉めます。
茨城交通バスですが、確かにSuicaPASMOは使えず、それでたまにトラブルになります。
あと5月に同じみちのりHDの日立電鉄交通を吸収合併しましたが、こちらも日立バスカードと独自のICカード使用していますので、
今後いばっぴとどう統一するかが課題になるようです。
茨城県の路線バスは、Suica等が使えず独自系のカードなので他県から来ると不便だと思う所はある。
バス会社が違えばカードも違うとなれば、普段から使う地元の人からの評判も良くないのでは?と思います。