【雨・風・地震・計画運休】運転見合わせ(抑止)で使用する「基準値」の具体的な数字はいくつか?

広告
広告
広告

雨・風・地震、計画運休における運転見合わせ(抑止)するための根拠となる「基準値」の具体的な数字や具体的な理由は一体何なのであろうか?詳しく解説する。大雨については複数の複雑な基準を用いており全ての基準を公表する事は難しいという。風については風速が20メートルないし25メートル以上で運転見合わせ、地震は震度4か5弱以上で運転見合わせになるが運転再開までなぜ時間がかかるのか?最近多い計画運休の特徴についても解説する

広告
広告

※2020年6月20日一部書き換え

★大雨、強風、地震・・・自然災害に対する運転見合わせの「基準値」の具体的な数字はいくつか?

アメブロ(Monolog24)からの人気記事を移行させた。これからの時期(梅雨から夏にかけて)、大雨により列車の運休や遅れが生じる事が多々ある。その際には「雨が基準値に達したため」と案内するが、そもそも「基準値って何よ?」と思うだろう。災害が起きてもおかしくない雨が降り続ける中で、列車の運転を継続したらどうなるのか?

鉄道では、大量の雨が降ったり、強い風が吹いたりすると、安全のため列車の運行と見合わせる(抑止・止める)事になっている。
鉄道各社が出す運行情報やニュース等では、「○×線は△駅~×△駅間で雨が”基準値に達したため”運転を見合わせている」と案内されるが、そもそも”基準値”とは何なのか?基準値の具体的な数字はいくつなのか?


「主な輸送障害への対策と発生時の対応について」(JR西日本ホームページ)

↑JR西日本が雨、風、地震、人身事故と言った輸送障害が発生した時の取扱方法、未然に防ぐ対策が掲載されていた。非常に参考になる内容なので、是非確認いただきたい。

【雨☔】

↑雨で運休中のJR東海313系。この列車は浜松駅の段階で熱海行きと案内したが、お客が乗った段階で運休が決定。お客を全員下車させたが、今後この車両はどうするのか?(行先がどこになるのか?一旦車庫に引き上げるのか?)未定の状況。この時は掛川~金谷で大雨のため運転見合わせとなっていた。

結論から言うと、雨が止まない限り運転再開出来ない😩そのため「雨が止むのを待て」と言う事だ😫

★運転中止する雨量基準値を細かく公開しないのか?

まず鉄道各社が駅間毎に雨や風に対する”基準値”を一般に公開する事は皆無に等しい😫

公式HP(ホームページ)に具体的な数字が書いてあり、実際にこれだけの雨が降った・風が吹いたと言う数字まで明らかにしてしまえば、お客も「これでは仕方ない」と思って納得する。論より証拠である。

しかし、実際には雨量、風速とも具体的な数字は明らかにしていない事が多く、実際に”基準値”に達する雨が降ったり風が吹くと漠然と上記のような言い回しで客観的な理由も示されずに抑止となる。
このような事を書いているので、”基準値自体を明らかにするべきだと私は思うが、結論から言うと全てをすべて明らかにするのは難しいと言うか出来ない。

なぜか?と言うと、地形や線形によって”基準値”そのものが変化するので、全てを明らかにしたら膨大な量になるので、そこまでは出来ないのが実際の所であろう。
一般的な数字として申し上げるが、雨では1時間に50ミリ以上、風では瞬間風速が30メートル以上で抑止(運転見合わせ)となる。
これは単純に書いただけだが、実際にはもっと細かい。

雨や風で電車が止まる基準を聞いてみました!(ライブドアニュース、2012年8月30日付)

↑「大雨運休基準」と検索したらトップで上記リンクページがヒットした。2012年8月と古い情報になるが、基本的な事は2020年になっても変わっていないはずなので、これを参考に書かせてもらう。

取材したのは関東の鉄道各社。会社ごとに見事に基準が違っている。「複雑なパターン」と「簡単なパターン」に分ける事が出来る(実際に現場で使う雨量基準とか大雨運休基準は、たとえ「簡単なパターン」であっても複雑な事が多い。今回はわかりやすいようにそのよう分けたに過ぎない)

【複雑なパターン】

↑JR東日本の場合、後術するが「実行雨量」というものを採用しているとの事。

「単純に”1時間に〇〇ミリ以上の雨が降れば運休”と言う単純なものではない」と言う事は知っておいてもらいたい。

各駅間毎に(単純に〇〇駅~××駅の間と1駅間毎にザックリと区分する事もあれば、1駅間毎でも数等分した細かい区間で区分する事もある)雨量基準値が決まっており、これを超過した場合には運転見合わせする😰

ここで言う雨量基準値と言うのは、JR東日本をはじめJR東海やJR西日本等のJRグループ各社でも言える話だが、「1時間に何ミリ」と言う一般的な雨量に加えて(JR東日本のように「1時間に何ミリ」と言う基準を使わない事もある)、降り始めから「どれだけの水分量が土壌に含まれているのか」(これは計算により算出される)も基準にしている事が最大の特徴だ。この事を「実行雨量」と言う。

つまり、単純に「1時間に何ミリ」と言う事だけではなく、「連続雨量」や「実行雨量」も大雨運休基準に含まれるため、複数ある基準値を総合的に見て、最終的に雨が降っていても運転する・しないを決めるのだ。

↑京王も「1時間に何ミリ」と言う基準で運休すると言った単純な基準値ではないとの事。恐らく京王も「実行雨量」を導入しているのであろう(あくまでも私の推測、実態がわかる方がいたら指摘されたい)。

【簡単なパターン】

↑小田急は「1時間に40ミリ以上」、「降り始めからの累計雨量が300ミリ以上」になったら運転見合わせするという。この方が一般の利用者にもわかりやすい基準値と言える。

↑東武も同様で、「1時間に40ミリ以上」、「12時間の累計雨量が300ミリ以上」で運転見合わせする。

↑西武については、山間部を通る池袋線の高麗~秩父線の西武秩父にかけては「1時間に30ミリ以上」で運転見合わせ、それ以外の区間では「1時間に40ミリ以上」、「降り始めからの継続雨量値が250ミリ以上」で運転見合わせするという。

↑京急では公式ホームページに「けいきゅん」(同社のキャラクター)が詳しく説明していた😆京急は後術する静岡鉄道、関西私鉄各社のように「大雨でも簡単には止まらない」事で知られている。その理由は下記の通りであった。

「京急線における、悪天候や地震の時の運行について」(京急ホームページ)

↑こちらを参照されたい。これによると下記の通りである。

「1時間に30ミリ以上」または「連続雨量200ミリ以上」→観測した区間で速度を落として運転

「1時間に40ミリ以上」または「連続雨量300ミリ以上」→観測した区間でさらに速度を落として運転(運転見合わせとは言っていない点がポイント)

「1時間に40ミリ以上」かつ「連続雨量300ミリ以上」→観測した区間で運転見合わせ(この両方の基準値に達した時点でようやく運転見合わせする)

ここでポイントになるのは、他社では「1時間に40ミリ以上」または「連続雨量300ミリ以上」のいずれかに達した時点で、大雨により運転見合わせになっている点だ。京急ではこの両方に達しないと大雨で運転見合わせをしないのだ!

※あくまでも私の解釈なので、誤りがあれば指摘されたい。

例えば夕方まで1滴も雨が降っていなかったのに、夕方になって急に強い雨が降ってきて1時間に50ミリ以上になったとしよう。そうなると小田急、東武、西武等の他社は「大雨により運転見合わせ」になるだろう。基準は異なるがJR東日本や京王も運転見合わせする可能性が高い。過去事例を見ていても、これら鉄道各社は大雨により運転見合わせになっている事が多かった😩

しかし京急は違う!😆1時間に50ミリ雨が降っていても、運転そのものは継続しているのだ!😆

京急の基準では、「1時間に40ミリ以上」降れば速度を落として運転する事にはなっているが、「運転見合わせ」とは言っていない。「運転見合わせ」をするのはプラス「連続雨量300ミリ以上」になってから。連続雨量が規制値に達していないため、運転そのものは継続出来るのだ😆

極端な話が、1時間に70ミリ~100ミリと言った大雨であっても、連続雨量が300ミリを超過しない限り運転継続していた事も過去にはあったと聞いている。2012年には大雨で土砂崩れを起こした部分に列車が乗りあげ脱線した事故も起きているが、この基準値では事故のリスクとも隣り合わせであったりする😖

京急は「運転出来ない事がある場合は、運転出来ない場所は最小限にする」と言う考え方がある。いわゆる「逝っとけダイヤ」と称するものであるが、例えば横浜~金沢文庫間で大雨により運転出来ないとする。そうすると運転見合わせ区間は京急線全線ではなく、横浜~金沢文庫間だけ。それ以外の泉岳寺・品川~横浜、金沢文庫~浦賀・三崎口間では折り返し運転と言う形で運転継続しているのだ。これが京急の強みで、高く評価できる点である。

【2018年5月乗車記/UST(浦賀スタートトラック)】なぜJRは「京急の逝っとけダイヤ」と同じ事をやらないのか?

↑こちらの記事の参照されたい。

私鉄については、このような【簡単なパターン】が多い。私も以前聞いた話だが、静岡鉄道は「大雨でも簡単には止まらない」事で知られている。静鉄の大雨運休基準は「1時間に50ミリ以上」である。

【静鉄が止まると静岡が終わる】静岡鉄道は台風接近してもギリギリまで運転を続けるのか?

↑こちらの記事も参照されたい。

「1時間あたりの雨量」で見てしまうと、各社とも山間部だと30ミリ以上、平野部は40ミリ以上で運転見合わせ(大雨で運休)する事が多い事がわかるだろう

これは線路が地面に直接敷かれているためで、大雨になれば頑丈に固められた線路敷でさえも崩壊する可能性が高いためである。後術するが1985年には国鉄能登線(現在事故が起きた区間は利用者減少により廃線)で、大雨で大量に水分が含んでいて地盤が緩んでいる状態で列車が通ったら、線路が崩壊して脱線転覆る事故が起きている。以後特にJRグループでは雨に対する基準が厳しくなった。

【なぜ新幹線は大雨でも簡単に運休しないのか?】

一方で東海道新幹線をはじめとした新幹線も「大雨でも簡単に止まらない」事で知られている。私が聞いた事のある話だが、東海道新幹線の基準値としては「1時間に60ミリ以上」で運転見合わせになるという。これはご存知の通り、新幹線は原則高架橋なので、地面に直接線路が敷かれていない。大雨で水分が大量に線路敷に含まれている場合でも、新幹線の場合高架橋なので、排水溝から地上や川に排出される構造になっているため。

これが徹底されたのがJR東日本管内(プラス北陸と北海道)の新幹線で、雪が多く降る地域のため雪を大量の水で溶かして地上に排出している。そのため大雪であっても新幹線の線路敷に雪が積もる事はない。その機能をそのまま雨にも生かしているため、JR東日本管内(プラス北陸と北海道)の新幹線では「そもそも大雨で新幹線が運休する事はない」と言われるほど”最強”なのだ。もし仮に大雨でこれら系統の新幹線が運休した場合は、雨により河川の増水や線路の崩壊等によるものだと思って良い。むしろこの方が被害としては甚大で、2019年10月の台風でJR東日本長野新幹線車両センターが水没したような大規模な被害に相当する。

【連続雨量と1時間雨量の考え方】

「連続雨量」と「1時間あたりの雨量」に別れ、40ミリ以上と言うのは後者で天気予報でも良く出てくる数字だ。
それに対して前者は雨が降り始めてから合計で何ミリ降っているか?を示すものである。前者と後者を総合的に比較して決めている。
例えば、連続雨量は少ないが1時間当たりの雨量が多い場合、逆に連続雨量は多いが、1時間当たりの雨量は少ない場合は運転抑止(運転見合わせ)対象となる。
だから雨が降っていなくても抑止(運転見合わせ)継続なっているのは、元々降っている雨量が多すぎるためなかなか運転再開が出来ないのである😩

過去の事故を見ると晴れているのに運行した所線路が崩れて、それを知らずに走ってきた列車が脱線転覆するような事も起きているが、これは天気は回復していても、地盤に水が大量に浸み込んだ状態のままになっており地盤が緩くなっているので線路や土砂が崩れやすい。(これが前述の1985年の国鉄能登線の事故)

これは北越急行の場合だが、連続雨量370ミリ以上で抑止し、雨が止んでから12時間以上雨が全く降らなければ抑止解除となり、その間に少しでも雨が降ったらさらに12時間抑止継続となるのである。
数字が違うだけで他社も似たような条件になっているはずだ。

ところで、JR西日本管内では2015年から「連続雨量」を厳格に運用開始。これで大規模な輸送障害が起きたことを覚えているだろうか?

【JR西日本では、台風過ぎて晴れてきたのに「大雨のため」ほぼ1日運休!理由が「連続雨量」規制の厳格運用にあった】

これは過去事例である。2015年7月の台風の経路は、高知に上陸後四国を縦断。瀬戸内海に抜けた後、岡山に再上陸し今度は中国地方を縦断し日本海に。石川県の沖で温帯低気圧に変わった。
台風の場合、雨・風が強いのは必ずしも中心付近とは限らない。
中心から遠く離れていても、強い事はあるのだ。
今回、京都・大阪・兵庫では、2日間にわたり大雨となった。
各地でわずか2日余りで300ミリを越える雨が降った。
そのため、2015年7月17日はJR神戸線で夕方以降終電までの運休を決めて、新幹線や山陽電車等に振り替え輸送を実施。
大雨は東に移り、JR京都線や嵯峨野線等でも運休し、最終的には近畿全域に拡大した😩

↑(写真はイメージ)
JR京都線では、大阪方面に向かって新快速が、山崎の手前(駅と駅の間)で大雨により抑止。4時間動けなかった。12両の新快速にお客が約1,500人前後乗っており、急病人が続出した😩
やっと抑止解除になり山崎まで動けたが、駅間で長時間そのまま抑止するのは、輸送指令が”機能マヒ”したと言わざるを得ない😠
大雨抑止になっている状況とは言え、駅間に止める事は鉄道会社としてはやりたくない事。そんなのは鉄道マンならば誰でもわかる。
「テツの大原則」には反するが、抑止中であったとしても、次の駅まで最徐行(15km/h以下)で進み、ここでお客を降ろす対応を考えなかったのか?
規定違反にはなるものの、これくらいの柔軟な発想は欲しい。以後JR西日本は方針を転換し、このような場合は最徐行で次の駅まで進み、通過駅であってもドアを開ける事にした。JR東海も2019年になってからと思われるが、駅間停車は出来る限りやらず、次の駅まで走行してここで抑止させる方針に切り替えているようだ。

そもそも、なぜ大雨で列車の運行を中止するのか?と言ったら、雨が降り過ぎて地上に大量の水がたまると、山間部だと周囲の山からの土砂崩れ、線路自体が流出してレールが宙吊りになる事もあるからだ。
具体的な数字である「基準値」が、雨・雪、風、地震等に応じて決めらている。
雨の場合、2種類。

①「時間雨量」で、1時間に30~50ミリ以上降ると運転見合わせとなる(前述のとおり)
②「絶対雨量」(「累計雨量」とか「連続雨量」とも言う、以下「連続雨量」とする)と言い、雨の降り始めからの合計値で、概ね1日に300ミリを超過するとやはり運転見合わせする(これも前述の関東私鉄の大雨運休基準の通り)

③前述の「実行雨量」。詳細は上記にて。

いずれも、運転再開のためには、特定の時間以上一切雨が降らず(極端に表現すれば”一滴も雨が降らず”)、かつ保線等の技術系関係者による線路の点検をして、安全が認められないと運転再開出来ない😫
基本的に、線路点検は徒歩で実施するので、時間がかかりがちだ😫

このときは、連続雨量が大きく影響した。
2015年7月18日は、台風遠くに進み雨は弱くなって天気が晴れてきた。点検すべき路線や距離が多すぎて、関係者の数が不足したため、JR大阪環状線では正午ごろまで、JR京都・神戸線系統では夕方頃まで運転再開出来なかった😫
影響人数は50万人以上、運休本数は1000本以上、特急は全て運休と、歴史的な輸送障害であった😰
実は今まで(2015年5月まで)JR西日本は「時間雨量」しか基準として存在しなかった。
より安全性を高める目的で、2015年5月から「連続雨量」を導入し、初めて適用。
2014年の台風から、事前に大雨になることがわかるならば「計画運休」の導入も開始したが、今回は天気予報的に大雨になるとは判断しなかったため、その手配を取らなかった。
”想定外”と言うならば、そこまでだ。

↑前述の関東私鉄の話と重複するが、「私鉄は動いているではないか!」と指摘がある。
簡単に言えば、私鉄とJRでは、雨に対する基準が違う事。

例えば阪急では、雨による抑止は滅多にないと言う。
具体的な基準値は知らないが、阪急的には、「線路が冠水しない限り運転する」考え
😱

線路が冠水したらやっと運転見合わせって考えただけで怖いが、極端に言ってしまえばそういう事になる。

阪急、近鉄、京阪等の在阪私鉄の具体的な基準値は知らないが、恐らく上記の【簡単なパターン】であろう。

いずれにせよ、JRでは西日本に限らず他社においても、「線路が冠水しない限り運転する」と言う事はありえない。

JRは全体として山がちの所を通るが、私鉄(大手)では比較的都市部の地形が恵まれている事もある。この点は上記リンクページでJR西日本も認めている。
JR=すぐ止まる
私鉄=何が何でも動かす
と言う傾向は、全国的に言える。

雨による運転規制はJR西日本がやっている事は、これで正しい事。

「時間雨量」と「連続雨量」と「実行雨量」の3つを導入する事で、安全性を高めるのは良い事だ。むしろ、今まで「連続雨量」を導入していなかったことが驚きだ。
JR西日本のやっている運転規制、線路確認手段等は問題ないと考える。

しかし、「配慮」が足りない。

駅の手前で抑止したならば、違反にはなるが、駅までの安全を確認して、進めてドアさえ開ければ、一応は今回のような事態は避けられる。

具体的に何時に運転再開となるのかの案内がなかったともされるが、この辺は輸送障害時のJR東海を見るとよくわかるが、要は現場が混乱しているからだ。最近では駅間停車を避けるために、意図的に本数を減らしたり、大雨でこの先進めないと判断した際には、駅で停車するようにしている(特にJR東海)

【風】

それに対して風は、25メートル以上で速度を落として運転し、30メートル以上で抑止となる。ただこれも線形や地形により異なる。

風については各社とも概ね似たような基準値で、京急の風による運転見合わせ基準値を述べると以下の通りである。

「風速20メートル以上」→橋のある一部区間で速度を落として運転

「風速25メートル以上」→観測した区間で速度を落として運転

「風速30メートル以上」→観測した区間で運転見合わせ

繰り返しになるが、他のJR各社・私鉄も概ね同じような基準である。


ここで例外なのが JR東日本である。下記の通りである。

「風速20メートル以上」→速度を落として運転

「風速25メートル以上」→運転見合わせ

つまり、京急よりも風速が低い段階(風速25メートル以上で)運転見合わせになっているのだ。JR東日本が強風に対して厳しい基準になっている理由は、2005年12月に発生した「羽越本線脱線転覆事故」の苦い経験を活かす目的でそうしているのである。

風の抑止解除(運転再開)は意外にも早い😆

規制値超過の強い風(風速25メートルないし30メートル)以上が吹かなくなってから10分もすれば抑止解除、すなわち運転再開できる😆

JR東日本の場合、「風速25メートル以下」になってから10分経過すれば、運転再開して良いのだ😆

一方で風が弱くなった10分間に再び規制値超過の風(風速25メートルないし30メートル以上)が再び吹くとリセットされて、運転再開はさらに10分後となる😩


抑止(運転見合わせ)区間の管理は閉塞区間(つまり信号機がある場所)となっており、私が2013年12月に乗った際に、信越本線の青海川駅で強風による抑止(運転見合わせ)でしばらく停車した後、やっと発車出来たと思いきや、次の信号機、すなわち次の閉塞区間には強風で進入出来ず、再び抑止(運転見合わせ)となった事があった。

但し注意しないといけないのが 、強風抑止(強風で運転見合わせ)時間は鉄道会社や路線により異なるので、必ずしも10分や30分とは限らない。事前に悪天候が予測される場合は、長時間にわたり継続的に運転見合わせする事も最近は多くなった😫

【地震】

地震の場合、一般には震度4か震度5弱以上で運転見合わせする事になっている。JR東日本等の一部鉄道会社では、「ガル」「カイン」と称する特殊な値を使って地震による運転見合わせする・しないを決めている事もある。これについては、一般人が理解するにはかなり難しい内容である😵

これも京急の地震による運転見合わせを基準を下記に記す(上記京急のリンクページも参照)

「震度4」→橋やトンネル等の危険な場所を避けて安全な場所に停車→ゆっくり走って駅間の安全を確認😰→異常が無ければ通常通り運転😆

「震度5弱」→橋やトンネル等の危険な場所を避けて安全な場所に停車→駅の設備を点検😖→震度4の時よりもさらにゆっくり走って駅間の安全を確認😰→異常が無ければ通常通り運転😆

「震度5強以上」→橋やトンネル等の危険な場所を避けて安全な場所に停車→駅の設備や駅間等の”要注意場所”の点検を行う😖→詳しい点検を行う必要があるため運転再開に時間がかかる😩

他社も概ねこの流れであるが、「震度いくつ」でどのような点検や確認等を行うのか?については、鉄道会社によっても違うし、地形や線形等によっても違ってくる。例えば京急で言う「震度5強以上」と同じことを震度3~4程度の地震でさえも実施する事がある。つまり、震度が低い地震でも簡単に運転見合わせしてしまう。

以前聞いた話ではJR東日本では震度5弱以上の地震であれば無制限で即刻抑止(即刻運転見合わせ)になると言う。JR他社でも同様の基準のようだ。恐らく京急で言う「震度5強以上」で実施する詳しい点検や確認を震度5弱の時点で始めてしまうのであろう。

【地震後は線路点検を徒歩で行う】

一般の人は専用の線路を補修する車両で行うと思われているようだが、それを使うと危険が伴うためそれでやることは出来ない😖

原則的に徒歩による確認で、確認の結果安全が認められれば運転再開となる

当然、抑止(運転見合わせ)区間が長いと徒歩で点検しているため時間もかかる。地震後にそう簡単に抑止解除できないのはこれである😩
また、地震により鉄道施設の破損が認められた場合、元に戻るまで運転再開する事が出来ない😫

極端な事例だと常磐線のいわき~原ノ町間で、2011年の東日本大震災と福島原発事故の影響によるもの。津波や放射能汚染で立ち入り検査さえも出来ず、原発の廃炉作業が段階的に進み、放射能汚染のリスクも低くなった時点でようやく立ち入り検査を実施。最終的には2020年3月になって常磐線全体で運転再開できたのだ。今後、東海地震や南海トラフ巨大地震が懸念されるが、壊滅的な被害を受ける可能性が高いため、長期間にわたり鉄道が復旧できない事であろう。

大地震発生時になぜすぐに運転再開出来ないのか?具体的に述べた記事を引用する。

①地震により被災しているため

・・・地震と一言で言っても、場所によって揺れ方、被害は全く違う。並行している路線と言っても、ピタッと横を通っている路線であれば会社が違っても同じ程度の被害があるはずだが、路線が1~2km離れていると全く違う被害になっている可能性がある。私鉄側では何も被災していなかったが、JR側では運行出来ないほどの大被害になっている可能性はあり得る。

過去事例として、被災直後に「○○駅~××駅の間の盛土流出が発生し線路が宙吊り」と言う事が一般に明らかになるのは、地震発生後早くても数時間後、遅いと3日後くらいになる事もあった。

むしろ、鉄道会社側は積極的に公表しようとはせず、テレビや新聞等の報道で初めてわかる事も少なくない。特にJRは全国どこでもこのような傾向だ。

②線路点検出来る人員がそもそも少ないため

・・・JRの現場はどこも「少数精鋭」。線路や架線等の鉄道施設の点検は、どうしても専門知識が必要だ。少なくても専門知識がない営業専門の駅員には出来ない事だ。状況によっては無理矢理駆り出される事もあるらしい。線路点検の基本は「徒歩」。

運転見合わせ区間が長ければ長いほど、点検作業そのものに時間がかかってしまう。

トラック等で資材を投入して、作業する事もあるがその際に道路が大渋滞で現場に到着できず、作業開始そのものが大幅に遅くなる事もある。

JR西日本の場合、私鉄最長の近鉄と比較しても今回の運転見合わせ区間が長すぎる。予定していた通りの時間で作業が完了しないと言う事は、よくある話で、実際には「やってみないと点検作業自体いつ終わるかわからない」のである。

何度も運転再開予定時刻が延長しているのは、この事だと思われる。

③適切な運転整理をしたいため

・・・よくある人身事故でもそうだが、少なくてもJR各社は京急でおなじみの「逝っとけダイヤ」はやらない。例えば、大和路線(天王寺以東)では線路点検が終わり安全に列車運転が出来る状況であるが、直通先の大阪環状線ではまだ線路点検が終わっていない。

「だったら大和路線内だけ運転再開しよう」と言う考えは、そもそも「ない」のだ。これが京急のような考えだったら、即刻運転再開するだろう。むしろ、一般の利用者はこのやり方を望むはずだ。基本的には、「直通先も安全に列車が運転出来るようになったら、セットで運転再開させる」と言うのがJR各社のやり方なのだ。

いずれにせよ、嵯峨野線のように「終日運転中止」と言う”絶望的な事”をやるのではなくて、少しでも多くの区間運転出来るようにして、帰宅困難者を早く帰宅させる事がJRの社会的責任である。

被災していたら仕方がないが、被災していないのであれば終夜運転でもして、1人でも多くの人を運ぶようにするべきだ。

JR西日本はそのような事をやろうと言う考えも伝わらないし、非常に消極的だ。

【計画運休】

JR西日本が2014年から開始。これが他社にも浸透し国交省も実施するように求めている。「計画運休」とは、台風や大雨等が1~3日前の段階で発生すると判明した時に、その段階で「○月○日は○×線の××駅~△△駅の間の運転を○時から中止する」と言う事を公表する。今やSNSやテレビ、新聞で一気に拡散するので、”宣伝効果”はバツグン。

計画運休させる狙いは、台風や大雨によって列車事故防止と言うのは言うまでもない。それに加えて、列車の駅間停車の防止、駅や車内での混乱防止と言う意味合いも強い。

計画運休には「聖域がない」

どういう事か?と言うと、本来大雨や強風による運転見合わせは、それが発生している短い区間だけで運休させる。路線にもよるが、前後の駅で折り返し運転を実施して関係ない区間はなるべく列車を動かすが、それでも同一路線、直通運転、ダイヤ上接続する等の関係があれば、少なからず運休や遅れは避ける事が出来ない。そこで計画運休では、同一路線全体、長距離で運休させた方が、運行管理は容易だし、関係ない路線への影響(運休や遅れ等)も最小限で済ませるメリットがある。

最近は地球温暖化等により気候が大きく変わっている。計画運休と言う考え方も元々なかったし、世の中的に「台風や大雨だから仕事や学校は安全のため休む」と言う考えもなかった。

しかし、鉄道が計画運休を始めると移動の手段がなくなるので、仕事や学校も休まざるを得なくなった。私はそれが正しいやり方だと思っている。わざわざ台風や大雨と言った異常時に、通常時と同じ生活を送るのではなくて、公安系や役所等公共性の強い仕事でもしていない限り、世の中一斉に休みしてしまえば良いと思う。

【計画運休はかなり大胆に行う】

過去事例だが、四国・中国地方に大型の台風が接近した2019年8月15日は、JR四国の全線と山陽新幹線の大部分(新大阪~小倉)、岡山・広島・山口県内の在来線全線を終日運休にさせた。この事は前々日の段階で予告が出され、前日の段階で正式決定。お盆休みのど真ん中に終日運休となったため、8月14日や8月16日と17日に東海道新幹線を含めて、普通車全車自由席の臨時「のぞみ」「ひかり」が急きょ設定された。私の記憶の範囲では、このような前例は聴いた事がない。将来的にも同じような事が起り得るだろう。

なお計画運休は、計画運休する日が終了すれば翌日以降通常通り運行するか?と言うと必ずしもそうではない。車両、駅、線路等に破損や不具合があれば、それらが直るまでは運転再開する事が出来ない😫

大雨や風が終わると線路点検を行う。この点検作業はかなり時間がかかる。距離が長ければ、長いほど時間がかかる。この点検作業が手間取る事も多いのが特徴。道路の渋滞であったり、点検個所までの道路が通行止めで行けない、点検個所が多すぎて作業するだけ時間がかかる等の理由のためだ。

大雨の場合、前述の「連続雨量」も関係してくるため翌日が晴れていても、運転再開出来ない事も多い。「翌日は初発から必ず動く」と言う約束は出来ないのだ。

【まとめ】

「基準値」と言ってもその根拠となる数字が多数あったり、地形や線形や鉄道会社によって異なる。
すなわち複数の数字があるため全てを出すのは、情報が莫大になるため難しいと言うか出来ない😫と私は見る。

あくまでも上記内容で出した数字は「大まかな数字」なのである。

だから、雨・風等で運転見合わせや速度を落として走っている場合「危険な状態」になっている事を示しており、そのまま通常通り運転継続したら多数の死傷者を出す大事故になる可能性が高いと認識されるべきであろう。

広告
広告
広告

KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

おすすめ

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。