JR発足30年特別企画③~新幹線新規開業=在来線はJRでなくなる…並行在来線問題を考える

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もくじ

★新幹線新規開業後の並行在来線がJR線でなくなる理由

2015年3月14日、北陸新幹線の長野~金沢が開業した。
今まで長野~直江津は信越線、直江津~金沢は北陸線と言うJRの在来線(いずれも幹線)、すなわち「並行在来線」は、同日にJRの路線ではなくなった。

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長野県(軽井沢~篠ノ井、長野~妙高高原)は、しなの鉄道

新潟県(妙高高原~直江津、直江津~市振)は、えちごトキめき鉄道

富山県(越中宮崎~石動)は、あいの風とやま鉄道

石川県(倶利伽羅~金沢)は、IRいしかわ鉄道

とキレイに各県ごとに社名が異なる鉄道会社に分割された。
JR時代普通列車の運行は、信越線だと長野~直江津、北陸線だと直江津~富山~金沢(区間列車も多数あった)となっていた。
新幹線開業後の新会社は、原則として自社管内で完結する列車しか運行しない。
信越線の場合長野から乗車すると「直江津行き」は存在せず、全てしなの鉄道管内で完結するため、「妙高高原行き」となる。
妙高高原駅でえちごトキめき鉄道の「直江津行き」に乗り換える形としているが、お互い接続出来るようなダイヤとなっている。
また、運賃の値上がりとなった。社により異なるがJR時代と比べて3割程度高くなっている。

そもそも、なんで新幹線が出来ると在来線はJRでなくなるのか?

①今まで在来線のお客が新幹線に移行し難くなる事。

②北陸線のように特急を多数走らせていた路線は、お客のほとんどが新幹線に移行するので、普通列車だけが残ると地元のお客しか使ってもらえず、赤字体質な運営になり本数削減等のサービスダウンにも発展するため、JRもお客も双方がメリットがない。

②の理由が大きいため、原則新幹線の新規開業に対しては在来線はJRでなくす事にしている。
それでも例外はあって、鹿児島線の博多~新八代、川内~鹿児島中央ではお客が多いのでJRとして残した。
今後開業する長崎新幹線(九州新幹線長崎ルート)の現行の長崎線肥前山口~諫早~長崎をJRから切り離そうとしたら、地元から大反対を受けたので、新幹線開業後20年はJR九州が面倒を見る事にした事例もあるが、これは稀と言える。

★東海道線が並行在来線と定義しない理由は?地元資本の鉄道会社がサービス向上+利便向上=お客の増加や持続可能な鉄道になる

↑東海道新幹線と並走する東海道線(写真)も、並行在来線と定義できる。
しかし、実際には東海道線は国鉄~JRとして残っており、実際には並行在来線と定義しない。
これは、国鉄が新幹線を作った経緯を考えないといけない。
東海道線は昭和20~30年代にかけて列車本数が急増。線路の数を増やさないと希望する人・モノが運べなくなった。それに対応するために作ったのが”新しい幹線”、すなわち「新幹線」である。
速達性向上を目的に200km/h以上の高速運転が実現。今では300km/h以上もあるほど、驚くほどの発展を遂げた。

2種類の鉄道路線を用意する事で、多くのお客を運べるようにした。新幹線のみ使ってもらうではなくて、在来線も使ってもらう。「二重系統化」なのである。
実際に、在来線は現在もお客が多い状態で写真にある静岡地区の場合、3両の列車が10分おきで運行されているため、地方都市では本数が多い方だ。それを縫うように貨物列車も運行されており、最大両数は貨車が20両以上、運行間隔が5分おきになることだってある。
JR東海の収益的には”おいしくない存在”であるが、他の鉄道会社から見れば「高収入路線」なのである。

では、富山県ではどうか?
並行在来線は現在のあいの風とやま鉄道になるが、日中は2両の列車が30~60分おきで、朝晩の混雑時は4両まで増結される。貨物列車の運行もあるが、1~2時間に1本程度である。
旅客の輸送密度にすれば富山は1日平均8,000人程度だが、静岡では3~4万人程度(JR東海は数字を公表していない。この数字は私の予想)なので、差は歴然としている。
地方の鉄道で8,000人もあれば立派な「数字」であるが、新幹線を運営するJRに言わせれば、ここは「不採算部門」。

表向きには言わないが、不採算部門に対してJRは積極的な経営(利用促対策等)にやる気はないので、だったらやる気がある新会社に移した方が、前述のとおり鉄道会社も地元も双方にとってメリット。
持続的に生き残れ、地元に根付いた対応が出来るならば、他地域資本のJRにやらせるよりは、地元資本にやらせた方が上手く行くと言うのは、納得出来る。
お客を減らす事をやるよりは、やる気がある新会社がやった方が、サービスアップ、利便向上の結果がお客増加になり、「生き残れる鉄道」になるのではないか。

みなさんはどう思うだろうか?

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KH8000

ご覧くださいまして、ありがとうございます。 当ブログは鉄道・バス・ヒコーキ・船について、読者の皆様が”乗りたくなる”公共交通機関の魅力をお伝えします。 実際に私が乗った時・撮った時の感想などについて「乗車記」「撮影記」として、各地の秘境駅や注目の鉄道駅に直接訪問し現地で知り得た事を「現地調査」として、”他所よりも詳しく”、鉄道系YouTuberに負けぬほどの勢い・情報量・知識・感動体験を当ブログでお伝えします。 私はJR全路線全区間乗車(JR完乗)済みで、鉄道友の会の正会員(一応某支部の幹部・撮影会などの行事についても詳しくお伝えします)です。当ブログのフォロー(ブックマーク)は誰からも大歓迎です。

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