【初乗り200円!高いが値上げせざるを得ない】JR北海道2019年10月1日から運賃を大幅値上げ!

広告
広告
広告

JR北海道は2019年10月1日(火)から、乗車料金(乗車券・特急券等)を大幅値上げする方針を固めた。その理由は消費税増税に加えて、同社の経営難が大きく影響していた。お客全員から取る事が出来る「運賃」を平均19%値上げして、お客にも一定の負担を求める。そうしないとJR北海道は会社経営が出来ない状況に陥っている。具体的には何円運賃が上がるのだろうか?

広告
広告

↑2019年9月、JR北海道の駅や車内には「運賃改定のお願い」と書かれた切実なものが掲示されていた。

こちらも参照されたい。

【お客にも負担を求めざるを得ない】JR北海道運賃値上げか?(2018年11月当ブログ)

もくじ

★なぜJR北海道は運賃を値上げせざるを得ないのか?

2019年10月1日(火)には消費税増税(8%→10%)になる見込みで、鉄道各社で乗車料金の値上げを予定している。値上げ額は消費税増税分のみ。増税分以外の値上げはJR北海道以外の各社は実施しない方針だ。

しかし、JR北海道は年間500億円も赤字を出す倒産寸前の経営をしており、経営状況を良くするためには「お客にも一定の負担を求めざるを得ない」と言う認識は以前から持っていた。値上げするタイミングとして、消費税増税が既に決まっていたため増税時期と合わせる形で、増税額分以外の値上げも同時に実施する。

つまり、現行運賃+消費税増税分(2%分、これはほとんどの鉄道会社が実施)+実質的な運賃値上げ分(ここはJR北海道のみ実施)=2019年10月1日(火)からの新運賃・・・となる。

「新しい運賃・料金について」(JR北海道ホームページ)

↑全ては説明できないため、上記リンクページで詳細は確認されたい

★初乗り(乗車距離3キロ未満)は170円→200円に!

「JR北海道普通運賃表」(2019年10月1日以降)

↑上記リンクページから抜粋した内容である。この表を基に当ブログを展開する。また断りがない限り運賃額は全て幹線(函館本線、千歳線、根室本線等)である。

初乗り運賃(乗車距離3キロ未満、宗谷本線や石北本線等の地方交通線でも同額)は170円→200円に値上げ。

JRグループで初乗り運賃が200円台の”大台”になるのは、JR北海道が初めてである。現行の他社の初乗り運賃になるが、本州3社は140円(大都市近郊区間を除く)JR四国とJR九州が160円である。2019年10月1日からの消費税増税では、恐らく各社とも10~20円程度初乗り運賃を値上げするだろう。そのため140円→150~160円、160円→170~180円となるだろう。いずれも200円の”大台”には達していない。

JR北海道も単に消費税増税分だけならば、170円→180~190円になるはずだ。それをさらに高くしているのは実質的な運賃値上げ分で、初乗り運賃では10円~20円を余計に取っている事になる。

初乗り分だけで済む区間は多数あるが、わかりやすい所で言うと札幌(01)~桑園(S02)や苗穂(A02)の1駅間。感覚的には170円でも高いと個人的には思うが(これが本州3社ならば140円で、この額が染みついている)、2019年10月1日からはさらに値上げして200円になる。私の金銭感覚でもこれは高い!

★36キロ以上は100円以上の値上げ!主な区間の運賃は?

4~6キロは210円→250円になる。札幌からだと琴似(S03)や白石(A03)の区間が該当する。

7~10キロは220円→290円になる。札幌からだと発寒(S05)、平和(H04)の区間が該当する。

11~15キロは260円→340円になる。札幌からだと手稲(S07)、新札幌(H05)の区間が該当する。

16~20キロは360円→440円になる。札幌からだと銭函(S11)、野幌(A07)の区間が該当する。

21~25キロは450円→540円になる。札幌からだと江別(A09)、北広島(H07)の区間が該当する。

26~30キロは540円→640円になる。札幌からだと朝里(S12)、島松(H08)の区間が該当する。

31~35キロは640円→750円になる。札幌からだと小樽(S15)、恵庭(H10)の区間が該当する。

36~40キロは740円→860円になる。札幌からだと岩見沢(A13)の区間が該当する。

41~45キロは840円→970円になる。札幌からだと千歳(H13)、南千歳(H14)の区間が該当する。

46~50キロは930円→1,130円になる。札幌からだと新千歳空港(AP15)の区間が該当するが、同駅は別途加算運賃が必要のため1,150円となる。

その他札幌からの主な駅までの運賃は下記の通り

札幌~旭川(A28)2,490円→2,860円

札幌~北見(A60)5,940円→6,490円

札幌~網走(A69)6,800円→7,370円

札幌~帯広(K31)4,320円→4,840円

札幌~釧路(K53)6,260円→6,820円

札幌~東室蘭(H32)2,490円→2,860円

札幌~新函館北斗(H70)・函館(H75)5,720円→6,270円

・・・う~んこれは高い!

短距離も高いが、中距離・長距離も総じて高くなっている!

私が気になったのは、36キロ以上は100円以上の値上げ!

北海道では「長くもない短くもない」と言える36~100キロ以内の利用も多く、ここでの値上げり方が”やけに高い”と感じる。

★特急料金は消費税増税分のみ値上げ!

それに対して特急料金(指定席、通年同額)の値上げ額は50円程度(区間により異なる)低く抑えられている。

これも札幌から主な駅の特急料金(指定席)は下記の通り。(5区間のみ記入。それ以外の区間は上記リンクページを参照されたい)

札幌~旭川(A28)2,320円→2,360円

札幌~帯広(K31)2,900円→2,950円

札幌~釧路(K53)・新函館北斗(H70)・函館(H75)3,110円→3,170円

「なぜ特急料金だけ消費税増税分のみしか値上げしないのか?」と言うと、高速バスやヒコーキとの競争も北海道では激しいため、ここにお客を奪われないようにするため。ある意味「営業的な戦略」が大きい。

特急を使わないと特急料金は取れないので、JR北海道を利用している全てのお客から取れる金額ではない。同社としては全てのお客から取れる「乗車券」の部分のみ値上げしておき、「客単価の向上」を図った形だ。

また「定期乗車券」(定期券)についても消費税増税分のみの値上げに留めているが、元々の定期券そのものの単価が高い事や定価の運賃そのものが値上げになっているため、割引率の変更はなくても、結果として大きく値上げしている。

これも詳細は上記リンクページを参照されたいが、初乗り区間でも1,000円(通勤定期の1か月)の値上げで、21キロを超えると3,000円前後の値上げと高い!

★本州JR3社と簡単に比較すると?

それでは、2019年10月1日(火)からのJR北海道の運賃がどれだけ高いのか?本州JR3社と簡単に比較する。JR東日本、JR東海、JR西日本の3社とも、基本的な運賃・料金は同じなので、ここではJR東海を例に出す。

「消費税の増税に伴う運賃・料金改定の認可申請」(JR東海ホームページ)

↑詳しくはこちらを参照されたい。

幹線運賃の50キロまでの区間をJR北海道と比較する。以下左側がJR東海(本州3社)の新運賃、右側がJR北海道の新運賃である。

初乗り3キロまで=150円/200円

4~6キロ=190円/250円

7~10キロ=200円/290円

11~15キロ=240円/340円

16~20キロ=330円/440円

21~25キロ=420円/540円

26~30キロ=510円/640円

31~35キロ=590円/750円

36~40キロ=680円/860円

41~45キロ=770円/970円

46~50キロ=860円/1,130円

本州3社と比べると、明らかに高い!

この比較は一例なので、詳しくは各自で調査されたい。

★生活を直撃するが、仕方ない値上げ

数年前のデータだと思ったが、札幌市民の平均年収は306万円だと言う。日本全体のそれが約400万円なので平均よりも低い。給料が上がる気配が感じられず、消費税増税であらゆるモノの値段が上がる。移動に必要不可欠な鉄道は短距離(50キロ以内)ならば安く利用出来た。

しかし、JR北海道の経営難もあるため大幅な運賃値上げとなったのは、我々の負担が増すし、懐がますます寒くなる。平均年収や給料を上げるためには、経済を良くしないとどうしようもなく、そんな中でも消費税増税を強行すると、数年後には大不況になると言うのは歴史が証明している。

JR北海道がどうのこうのと言う前に、まずは年収や給料が上がるようにするべきで、「働き方改革」で残業出来ないので残業代が減る(または残業代0円)なので、その分手取り給料は減る。基本給や基本時給を上げた会社もあるのかもしれないが、それでも”たかが知れた範囲”で爆発的に給料が増えるわけでもない。そのため、消費行動が鈍い(安いものしか買わない)と言うのは当然。政府の各種指標(精度を疑いたくなるが)では「好景気」になっていると言っている。だから国民の給料は上がっている!と適当なウソをついている。

まずは、給料をドカン!と上げるべきで、実質的に副業解禁している会社もあるものの、全員が全員副業が出来るとは限らない。副業が大幅な給料アップにつながるとも限らない。こんなのは「スキルの切り売り」に過ぎない。今のトレンドで、消費税増税は大反対である。もっと給料がドカン!と上がって(少なくても実質所得が今の1,5倍以上になったタイミングが好ましいと私個人は思う)から消費税増税はやるべきで、今のタイミングでやるのは「失政」である。

JR北海道としては、「客単価の向上」絶対的な課題だ。

経営難で客単価が低くて、しかも客が乗ってくれない。こんな状況と言う事は北海道に住んでいれば誰でもわかっているのに、JR北海道が路線廃止を提案すると絶対に反対する。それなのに「JRは何が何でも路線を全て残せ!運賃は値上げするな!」と矛盾した事を言う。

北海道の産業構造から言って、JR九州みたいに副業(不動産や物販事業等)で売り上げを最大化して、本業の鉄道以上に稼ぐと言う事は出来ない。札幌周辺ならば頑張れば出来るのかもしれないが、少なくても同じビジネスモデルを道東や道北で展開しても失敗するに決まっているからだ。なぜならば市場規模が小さく、人口も少なく人口が増える事も期待出来ない事が理由だ。

そんな事はJR北海道もわかっているので、結局「客単価向上」を狙うならば、お客全員から取る事が出来る「乗車券」を値上げせざるを得ないのだ。

私の感覚でも今回の値上げは高い。客離れを招くだろう。特に札幌市内では地下鉄やバスに客が流れて、路線網の再編が行われるかもしれない。そうなると「負のスパイラル」で、さらに運賃値上げ→さらに客が減る・・・と言う事になりかねない。

またJR北海道が販売する「お得なきっぷ」についても値上げとなる。ここでは詳しく説明しないが、数百円程度の値上げになる。

広告
広告
広告

KH8000

ご覧くださいまして、ありがとうございます。 当ブログは鉄道・バス・ヒコーキ・船について、読者の皆様が”乗りたくなる”公共交通機関の魅力をお伝えします。 実際に私が乗った時・撮った時の感想などについて「乗車記」「撮影記」として、各地の秘境駅や注目の鉄道駅に直接訪問し現地で知り得た事を「現地調査」として、”他所よりも詳しく”、鉄道系YouTuberに負けぬほどの勢い・情報量・知識・感動体験を当ブログでお伝えします。 私はJR全路線全区間乗車(JR完乗)済みで、鉄道友の会の正会員(一応某支部の幹部・撮影会などの行事についても詳しくお伝えします)です。当ブログのフォロー(ブックマーク)は誰からも大歓迎です。

おすすめ

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。