【福知山線脱線事故からの安全対策/Suicaが全てを変えた乗車券革命】私が選ぶ平成最強の「鉄道ニュース」ランキング!

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1989年1月8日から始まった「平成」と言う「1つの時代」が終わろうとしている。2019年5月1日からは新元号「令和」が始まる。まさに新しい時代の幕開けで、巷では「平成最後の○○」と称した特集記事、特集番組で平成を振り返り、記念商品等もリリースされている。

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鉄道の世界では、昭和が終了する直前の1987年(昭和62年)に日本国有鉄道が幕を閉じて、民間会社のJRこと6つの旅客鉄道会社と1つの貨物鉄道会社が発足した。平成30年間で鉄道業界は私鉄だと、帝都高速度交通営団が2004年(平成16年)に民営化されて東京地下鉄(東京メトロ)が発足し、大阪市交通局が2018年(平成30年)に民営化されて大阪市高速電気軌道(OSAKA METRO)が発足。今まで「お役所」がやっていたサービス(郵便局、道路公団等)の民営化が相次ぎ、これは公営交通も含まれる事になった。会社の経営基盤を強化するために持ち株会社化(「○○ホールディングス」と称する)する私鉄も相次ぎ、阪急、阪神、近鉄、京阪、相鉄等がそれに移行した。日々の鉄道運行や鉄道サービスそのものは大きな変化がないが、各社親会社に相当する持ち株会社の傘下に入って、本業の鉄道以外の分野でも収益力向上を狙う。

JR各社では持ち株会社化の動きは今のところ見られないが、「令和」の時代ではJR各社もそうなる可能性は否定できない。持ち株会社にならなくも、国鉄時代に出来なかった鉄道以外の分野での収益向上に積極的で、JR九州のように本業よりも副業での稼ぎの方が大きくそこでの収益が会社を支えていると言う会社も出現した。「令和」の時代は少子高齢化や人手不足等で、一部を除き列車本数の削減をやらざるを得なくなる。つまり「鉄道ではメシが食っていけない」事になる時代の到来だ。

今回は「平成」の時代で、特に印象に残った「鉄道ニュース」を5つ出してみる。とは言っても細かく見るとあまりにも出来事が多いので、タイトルとしては大まかなものとして掲載する。

第5位、毎年重ねるスピードアップ

↑新幹線の速度向上(スピードアップ)は年々行われている。現在(2019年4月)でさえも進展しており、2020年3月からは東海道新幹線が全列車285km/h運転を開始。東北新幹線も盛岡以北で320km/h運転出来るように必要な工事を始める事になったほか、2031年の北海道新幹線札幌開業に向けて360km/h運転出来る車両を開発し、2019年から東北新幹線で本格的な試運転開始も決まっている。

振り返ってみると「平成」が始まった時、東海道・山陽新幹線は220km/hないし230km/h、東北・上越新幹線は240km/h運転であった。これが「平成」の30年で50~80km/hも速度向上できたのは、スゴイ!と言うか新幹線技術は日進月歩である事を改めて痛感した。

「令和」の時代にはJR東海のリニア中央新幹線が2027年(令和9年)から営業開始予定だ。今の所(2019年4月)の計画では505km/hで走行し、品川~名古屋を40分で結ぶ事になっている。他の新幹線でさえもリニアほどの速度になる事は出来ないが、300km/hが当たり前になるだろう。それはいわゆる整備新幹線区間(北陸、九州、北海道)も速度向上は必須だと思う。これは技術的な面と言うよりも制度面が大きいが、明らかに時代に合致していない制度でもあるので、「令和」の時代にはこの制度自体を変更しても良いと私は思う。盛岡以北の東北新幹線もこの制度の影響で260km/hに抑えられているが、JR東日本が自社資金で必要な工事をする事自体間違えており、これは国が全て面倒見るべきである。

↑在来線の速度向上が目立ったのも「平成」の時代。昭和の時代にも当然これはあったが、対象としていたのは特急や急行と言った優等列車。昭和末期まで普通列車は旧態依然の状態で残されて、いわゆる旧型国電と称する車両が残っていたし、東北や北海道では客車列車が当たり前だった。時代の経過とともにこれら車両は一掃されて、新型車両に置き換わったが、東京で通じる理屈をそのまま地方に持ち込まれた結果、かえってサービスダウンを招いた事は忘れてはいけない。

それに対してJR西日本の「新快速」。乗車券のみで乗る事が出来て、京阪神地区内の速達性はもちろん、今まで京阪神から直通列車がなかった福井県の敦賀まで新快速が運転し、さすがに特急と比べれば速達性は劣るが、今までの普通列車よりも大幅に速度向上できたのは歴史的な事と言って良い。

↑速度向上とは直接関係ないが、「直通運転拡大」も「平成」の時代ならではと言える。元々東海道本線は東京発、東北本線は上野発だったのが、2015年(平成27年)に東京~上野をダイレクトに結ぶ「上野東京ライン」が出来てからは、今までの常識が変わった。今や東京行き、上野行きは少数となり、聴いた事もない駅名を頻繁に聴くようになった。これはJRに限った事ではなくて、私鉄でも多くあって今までなかった組み合わせでの直通運転も東京や大阪で増えた。「乗り換えをさせない」工夫が出来た半面、輸送障害等起こると全然関係ない路線でもダイヤが大幅に乱れる事が目立つようになった。「令和」の時代にはそれを改善できるように努力するべきであろう。

第4位、 乗りたくなる演出!デザイン戦略

↑例えばJR九州の883系特急「ソニック」。大胆な外観と快適性を徹底的に重視した車内が人気だ。同社の車両は徹底的なデザイン戦略でお客を呼び込んできた。鉄道車両には設計や寸法、使用できる材料等のさまざまな制約がある。国鉄時代とか昭和の時代であれば、企画書の段階で「そんな車両は作れないし、走れない!」と言って門前払いされて当然だった。

JR九州をはじめ数多くの鉄道車両を手掛けてきた水戸岡鋭治氏。やはり最初は門前払いされていたと言うが、そこでも努力と工夫を重ねて、やっと鉄道車両として登場させる事が出来た。実際に運行してみるとお客から好評で、お客も少しずつ増えてきた。とにかく「乗ってみたい」と言う仕掛けを演出する事が出来たのだ。「平成」の時代、それがキーワードで氏がデザインしない車両(他のデザイナーが担当)でも、”右習え”みたいな感じで鉄道業界全体に広がってきた。

その事は水平展開を見せる。今度は駅でも同じような事をやる事になった。しかしこれはデザインだけではなく、「ユニーバーサルデザイン」と言う「誰でも不便なく使えるようにする」と言う、「使いやすさの追求」もやったのが「平成」の時代の鉄道であった。

第3位 、国鉄の二の舞?JR北海道問題

↑留萌本線留萌発の列車。お客は全く居ない。それが北海道のローカル線の現状だ。国鉄が消えた原因は「借金が多すぎた事」であった。いくら公社であっても「それはダメでしょ」と言う事で、旅客部門は地域別に6つに分けて、各社に国鉄時代の借金を返済してもらう事になった。返済した会社は”ご褒美”として、株式上場が認められて今の所(2019年4月)JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社が達成。

しかし、JR北海道については国鉄時代の借金を返済できないどころか、北海道新幹線や主要の特急でさえも「維持困難」。さらには「資金が枯渇する」と表明し、北海道全体で列車運転が停止するとも言っている。普通の会社であれば「倒産寸前」なのだ。それでもJR北海道が倒産してもらうと困る人が多い。国や自治体から補助金を要求しているが、「私企業の赤字補てんに公金(税金)で穴埋めする事は許さん!」と言う考えが支配的だ。とか言ってJR北海道が「維持困難線区」と称して利用状況が悪いので、自社で維持出来ない路線を掲載し、そのうち5路線は「今すぐ廃止したい」と表明したが、地元は大反対しており、今の所廃止が決まった(既に廃止した)は2路線に留まる。

「令和」の時代は全国的に少子高齢化と人手不足。北海道も例外ではなく、特に札幌から遠い地方ではそれが確実に表れる。人や荷物を大量に輸送する鉄道から、少量輸送で済む実態に合ったバス輸送に切り替えると言った、「輸送モードの転換」は北海道では喫緊の課題である。

国鉄時代北海道には多くの路線が存在したが、今の「維持困難線区」のように利用不振の路線が多すぎた。国鉄末期に一気にこれら路線は廃止されたが、これが「第1章」とするならば、今JR北海道が叫んでいる「維持困難線区」の積極的な廃止と、廃止まではならなくても利用実態にあった列車本数の設定(つまり減便でさらなるサービスダウン)を行うと言う「第2章」が既に幕開けしている。「令和」の時代はそれが加速度的に進展するのだろうと思う。「令和」の時代が終了し、その次の元号になった時に北海道の路線図を見たら、空いているスペースが増えていない事を願いたい。

第2位 、安全対策向上のキッカケになった福知山線脱線事故

2005年(平成17年)4月25日(月)9時18分頃、JR西日本の福知山線塚口~尼崎において、同志社前行き快速の5418M(207系の7両)が、半径300メートルの曲線を大幅な速度超過(制限速度70km/hのところを116km/hで走行)で曲がり切れずに脱線転覆し沿線のマンションに激突。お客106人と運転士1人が死亡し、お客560人以上がケガをすると言う、「平成」史上最悪の鉄道事故が起きた。

「令和」の時代にはこのような重大な鉄道事故は発生しないようにしていただきたい。

世間から批判を受けたJR西日本はハード・ソフトで安全対策を行う。安全対策に終わりはなくて、それをやったからと言って「絶対に事故が起こらない」ものではない。だが「事故のリスクを軽減」する事は出来る。ハード面で手っ取り早いのが速度超過を防止するために新型のATSを管内の多くの路線で設置。万が一の事故の際に車両大破を防止する作りにしたり、急制動使用時にお客が”とっさに”つり革や手すりを握れるように強調と改良を施したほか、ソフト面では日勤教育と称するパワハラ的な教育を止めて実践的な教育にしているほか、ミスによるトラブルや事故は原則懲戒処分を行わない、研究所を創設して「安全のための研究」も行い積極的に駅や車内で展開する取り組みも。

この事はJR西日本1社だけの話ではなく、福知山線脱線事故をキッカケに他社も「同じ事故を起こしてはいけない」と言う思いで、JR各社や大手私鉄を中心に積極的に行うようになっている。お客にも「当社の鉄道は安全なので安心して使ってほしい」と言う事をアピールするために、ホームページや駅頭で自社の取り組みを公表する事も今や当たり前となった。福知山線脱線事故前は、そのような事を公表する事は消極的だったが、今や鉄道に限らず旅客輸送する交通機関にとって「安全性のアピール」はお客が選ぶ・選ばないの選択の要素から重要なものとなっているのが、「平成」の時代の大きな変化と言える。

しかし、巷でよく言われる「JR西日本の企業体質は変わっていない」と言えばそれは認めざるを得ない。「のぞみ34号事故」のように異常を認めながらも3時間以上運転継続した事、社員による不祥事(横領や着服、故意による車両破壊等)が未だに多い事、きのくに線での2回も脱線事故が起こる等「変わったのは表向きだけ」と言われても仕方がない。この辺の事はJR北海道、JR東日本、JR東海でも同じだったりして、特にJR東海はこのような事が起きても隠ぺいする体質でマスコミも積極的に報じないので同社に比べればJR西日本はマシな方なのかもしれないが、理由はどうであれJR側の責任でお客が死亡する事故が「令和」の時代に発生したら、年間1兆円や2兆円稼ぐ大企業であっても「倒産」と言う事を現実的に考えないといけない。ある意味シビアな時代になったと言う事を経営者はもちろん、現場で働く1人1人が肝に銘じるべきだ。

第1位、 乗車券革命!Suicaが全てを変えた「鉄道の乗り方」

「これが全てを変える」・・・と言うのは某タバコのキャッチコピーだが、鉄道業界ではSuicaが全てを変えてしまった。

今までは鉄道乗車の場合、駅で「紙のきっぷを購入する事」が大前提であった。運賃表で目的地までの運賃を確認して、券売機に必要な金額を投入して紙のきっぷに置き換えるか、窓口の担当者に目的地を告げて紙のきっぷを用意してもらう・・・と言うスタイルは今でも変わりがないが、これをして鉄道に乗る機会が激減している今日この頃。

2001年(平成13年)に登場したJR東日本のSuicaと言うカード。これは事前にカードの中にお金を入れておき、鉄道利用の際には券売機は経由せずに改札機へ直行。改札機の所定の場所にカードを触れる(タッチする)と、乗車した情報がカードに記録されて、下車する駅で自動的にカード内に入ったお金の中から運賃相当額が自動的に引かれる(落とされる)仕組みだ。

「きっぷを買わない」と言う便利さが大人気になって、Suicaは爆発的に広がった。JR東日本エリア外から来た人も「東京土産」として買う人も多くて、全国的に所持者が増えた。今や(2019年4月)累計発行枚数は8,000万枚に迫る勢い。国民の3人に2人は持っている計算で、全国的に「Suica」と言う支払い手段が広がっている。

JR他社や私鉄各社もSuicaに似たようなカードを多数発行している。今や鉄道に限らず、バス、コンビニ、スーパー等のいろんな所で支払い手段として使う事が出来るカードに成長。キャッシュレスと言うのも「令和」の時代のキーワードになるのであるが、いろんなキャッシュレス対応のカードや支払い手段がある中で、最も身近で、所持する事も容易なのがSuica等の交通系ICカードと言える。

それでも課題がある。JR東日本全線でSuicaが使えるか?と言うとそうではない。県庁所在地の在来線で見ても、長野市、盛岡市、秋田市、青森市では未だに使う事が出来ない。導入する計画さえもない。地方のワンマン列車しか走らない路線でも使えない。「令和」の時代は、JR東日本全線でSuicaが使えるようになるか?注目だ。そこでカギになるのが2019年3月からJR西日本が導入開始した「車載型改札機」。路線バスと同じ仕組みで、乗車駅で乗車口に交通系ICカードをタッチ、下車駅で下車口に交通系ICカードをタッチすれば支払い可能で、コストがかかる駅に設置する改札機を不要としている。今後JR西日本はこの手の改札機を増やす方針だが、これがJR東日本でも広がるか?注目したい。

↑さらには新幹線。在来線のSuica等とは仕組みが異なるが、東海道・山陽新幹線では事前にネットで乗車予約とクレジットカード決済をすれば、Suica等の交通系ICカードを改札機にタッチすると新幹線でも乗れるようになっている。JR東日本管内では一部区間で、在来線と同じように交通系ICカードの残金があれば事前にネット予約なしでそのまま新幹線自由席に着席出来るほか、2019年度からは東海道・山陽新幹線と同じ仕組みを導入する計画だ。新幹線も既にチケットレスやキャッシュレス時代が到来しており、「令和」の時代はさらにこれが当たり前になるだろう。対応カードも交通系ICカードに限らず、paypayやWAONのような鉄道会社以外が発行するカードでも、「令和」の時代は鉄道に乗れるのかもしれない。その点も期待したい所だ。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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