【意味不明】JR東日本2020年度から運転士・車掌の役職を廃止!「乗務係」に

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JR東日本は2020年度から「運転士」「車掌」と言う役職を廃止。「乗務係」に一本化する方針だ。業務内容そのものに変わりはないとしているが、私に言わせれば「意味不明」である。どのような狙いや意図があるのか?考えてみる。

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★運転士・車掌になるには?

これについては知っている人も多いだろうから簡単に説明する。

JR各社の場合、「プロフェッショナル職」(会社により名乗り方は違う)と称する「現場職」「一般職」として新卒で入社する事から始まる。国鉄時代は高卒が対象であったが、JR発足後は大卒も対象になり、今は意外?にも大卒の比率が多かったりする。

入社後は駅員として駅の業務を2~3年経験する。その後社内試験により車掌になる。車掌としても2~3年経験すると、今度はやはり社内試験により運転士になる事が出来る。すなわち入社してから運転士になるまで少なくても5~6年はかかるのだ。これは在来線の場合で、新幹線の場合はJR東海以外の4社は在来線で車掌・運転士を5年以上経験した上で新幹線乗務員になるための社内試験を受けて、これに合格したら今度は新幹線特有の勉強をして、ようやく新幹線に乗務できることになる。

運転士については国家資格なのに対して、車掌は民間資格(社内資格)である。車掌は1か月程度の研修と勉強でなる事が出来るため比較的容易であるが、運転士は1年程度のそれが必要で健康診断もかなり厳しく(病気がちな人は就けない)、電気の知識や車両の構造的な知識が必要と言う事もあって文系出身の人は相当苦労すると言う話は有名だ。

国家資格(正確には「動力車運転資格」)を保有しないと列車の運転は出来ないため、車掌しか経験した事がない者が列車を運転する事は出来ない。

私鉄各社も概ね同じで、近鉄や小田急の特急も乗務員になるための経路はJRで言う新幹線と同じだったりする。

★JR東日本が「乗務係」に一本化する狙いや意図は?

【車掌削減】JR東日本2020年度から3両でもワンマン運転実施へ(2019年3月19日当ブログ)

↑こちらも参照されたい。

まずは新聞記事から引用する。


JR東日本が「運転士」と「車掌」の名称を廃止し、「乗務係」や「乗務指導係」などに変更する方針を固めたことが、同社関係者への取材で分かった。2020年4月に実施する考え。これまで車掌や運転士への登用に必要だった社内の試験もやめて、通常の人事異動で配置する。人手不足への対応のため、JR発足以来初めての抜本改革で、柔軟な人員配置を実現する狙い。3月末、社員に提示したが反発も出ている。
 新制度で社内試験がなくなると、駅員を経て、「乗務係」や「乗務指導係」「乗務主任」などに配置され、従来の車掌や運転士業務を担う。入社3年程度で新幹線の運転が可能となる一方、登用された後、企画部門に異動したり、海外赴任したりすることもあり得る。
 関係者によると、従来は、駅員を2~3年務めてから登用試験を経てまず「車掌」となり、さらに3年程度の車掌としての経験を積んだ後、「運転士」への登用試験を通過するルートだった。
 車掌や運転士には新卒採用の社員しかなれなかったが、今後は中途採用者からも起用できるようになる。運転士に必要な国家資格の取得は変わらない。


現状では20~30年にわたり、車掌や運転士を務めているケースもある。今後、同じ職場の勤務は連続10年を超えないようにする。特別な手当がある運転士を含め、全社員の賃金制度改正にも着手する。
 JR東によると、2018年4月時点で運転士は6320人、車掌は5160人。JR東は「経営環境の変化を見据え、社員の活躍の場を広げたい」とコメントした。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019040602000289.html

「運転士」「車掌」の名称、JR東が来春廃止へ 登用試験やめ柔軟配置 (東京新聞2019年4月6日)

↑これを見ていると、会社側は都合の良いことだらけ。運転士・車掌養成はカネと時間がかかるし、社内試験は運転士・車掌資格特有のものに加えて、高卒程度の国語・数学・社会等の一般教養科目もあるし、適性検査もある。運転士・車掌資格特有の試験や適性検査は国がやれ!と言っている項目なのでやらざるを得ないが、一般教養科目はなくなるのでは?

運転士・車掌には乗務手当と言う給料が基本給や残業等の手当てにプラスして支給されるが、この乗務手当自体をカットするのではないか?そうなれば社員からの反発も起きて当然だ。某バス会社では昔はいろんな手当が存在したが、今や手当そのものが全てカットされて支給される手当は存在しないと言う。つまり基本給+残業だけしかもらえないので、手取り給料に直したら正社員なのに月額20万円弱しかもらえないと言う。JR東日本の平均年収は700万円を超えるが、乗務員の場合年収そのものがダウンする可能性がある。

鉄道の現場の仕事は「経験がナンボ」と言う所がある。経験を重ねれば例えば事故のリスクがわかるようになるし後輩にも具体的な指導できる。特に車両整備等の技術職は非常に顕著に表れて、経験が少ない若手では作業出来ない内容もあって、ベテランでようやく出来るし、整備現場では「10年で一人前」と言われる事は今でも変わりない。しかし、今や整備現場は外注化が進み自社で技術や人材の育成をする事が少なくなった。むしろ子会社等の他社に委託している格好で、技術力が劣る点もあり、首都圏の輸送状況を見るとわかるが明らかにJR東日本のミスで車両故障、設備故障が未だに多い。「毎日なんらかの故障によって輸送障害を引き起こしている」と言っても言い過ぎではない。今まで車両整備していた人間が、異動で本社や支社内勤の事務部門の仕事してくれと内示を受けたら、スキルもないのにちゃんと仕事出来るか?と言う話だ。

JRでは運転士・車掌が特定の部署(運輸区等)に勤続20~30年も居るベテランは意外と少ない。逆に私鉄各社はそれが当たり前だったりする。特に小田急や近鉄のように特急乗務に高いハードルを設けている会社ほどその傾向だ。定年まで現場で運転士・車掌で勤務も本人が希望すれば可能だ。JRでは本人が希望したとしても会社側の都合で、畑違いの職場に異動と言う事が多い。例えば国府津運輸区の所属だったのが熱海運輸区に異動するのであれば、担当路線がほぼ変わらないので業務上はそんなに大変ではないが、これが甲府運輸区に異動してくれとなれば、支社も違うし遠いし担当路線や列車の性格、客層も異なるのでいろいろ大変なはずだ。

中途採用者でも乗務員になれる機会を設けるのは、人手不足対策と言えよう。それでも「狭き門」であることに変わりはなく、いくら頭が良くても、不健康で適性試験の結果が悪いのであれば、就く事が出来ない。

柔軟な人事で、運転士・車掌と言う役職撤廃であればこんな行路が考えられる。

行き・・・昼間にワンマン列車で運転士として乗務

帰り・・・夕方で両数が増えるのでツーマン列車で車掌として乗務

例えばこの人が盛岡運輸区所属の場合、行きの昼間はワンマン列車の運転士として一ノ関へ。帰りの夕方は一ノ関運輸区から運転士を別に用意してもらい、車掌は人手不足で用意出来ないのでツーマン列車として盛岡運輸区の運転士が車掌をやってもらう・・・と言う事もあり得そうだ。

JR東日本は2024年頃までに社員数が約25%減少する。定年退職が増えるためで、新規補充は定期的に実施するが減少した分だけを補充する事はやらない。現在は単体で約6万人の社員数であるが、2024年頃には単純計算で約4,5万人となる。さらに減少は続くだろうから、最終的には広大な路線網を持つ割には少ない人員で支えないといけなくなるため、3万人台の社員数になる事を見据えているのだと思う。そうなれば、鉄道現場のオペレーションは簡素化せざるを得なくなり、車掌は最もカットしやすい役職。やろうと思えば上野東京ラインの15両でもワンマン運転は可能になっているので、鉄道現場の配置は必要最小限にして、副業部門が稼ぎ頭だったりするのでそこに人員配置を厚くした考えもあろう。この点はJR九州に近い所があって、同社に入社する半分以上は今や「鉄道以外の仕事をしたい」としているので、JR東日本も今後そう志す社員が増えるだろう。

私にとっては、「意味不明」な事ばかりで大したことは書けない。この辺はみなさんの方がご存じであろうから、ご意見等あれば披露して欲しい。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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