【大船渡線BRT盛→陸前高田】東日本大震災で被災した鉄道を見る⑦

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★大船渡線は鉄道ではなくBRTと言う路線バスになっていた!ダイヤ・経路は復興状況により細々と変化している

【訪問日】2018年1月4日(木)

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【時刻】盛10:35頃→陸前高田11:30頃

【備考】大船渡線はBRTと称する路線バスで運行し、JR東日本の鉄道路線扱い


三陸鉄道南リアス線でまもなく盛(さかり)に到着。

↑線路と平行して真新しい道路が現れた。どう見ても「元々鉄道があった」と主張するような感じもするが・・・

↑南リアス線が使う事が出来るのは1線のみ。釜石方には車庫があって、南リアス線は盛を拠点としている事がわかる。

↑旅客が立ち入れない場所には「駅」が?

↑貨物列車が通過。これは貨物専業の岩手開発鉄道の列車で、旅客営業は1992年まで実施していた。石灰石輸送を専門にしている。同社のホームページによると、震災前よりも輸送量は増加していると言う。貨車を何両も連結した列車が通過したが、行先がどこなのか?不明。JR貨物は関係していないらしい。

↑盛からは大船渡線に乗り換えとなるが、元々同線の線路があったと思われる場所には、なぜか赤い塗装をした一般的な路線バスが止めてあった。 大船渡線、気仙沼線は東日本大震災で被災した鉄道で最も大きく変化した内容と言って良い。

形式的には、両線とも復旧している。しかしそれは、鉄道による輸送ではなくBRT(バス高速輸送システム)と称する路線バスによる輸送に切り替わっているのだ。

(BRTのメリット)

◆増発が容易

◆新駅設置が容易

◆再び大きな地震が発生した時にお客を避難させる事が容易

◆鉄道跡地をバス専用道路に変更するため、一般車と一緒に走る事がない。そのため定時運行しやすい

◆バスロケーションシステムを活用するため、駅やネット等で利用する便の位置情報取得が容易

◆JRの路線のため、「青春18きっぷ」「北海道&東日本パス」等の企画乗車券でも乗車可能

◆運賃計算の算出基準はあくまでも鉄道のJR運賃表(大船渡線や気仙沼線の場合地方交通線)から。バスだからと言って極端に運賃が高くない

(BRTのデメリット)

◆鉄道時代と比較すると、所用時間が拡大している

◆全国一斉ダイヤ改正(例年3月)以外の時期にも細々とダイヤと運行経路を変更。使用する時刻表によっては、時刻が異なる事もある(詳細後術)

◆一般的な路線バス(いすゞ・エルガ等)を使うため、乗り心地は鉄道と比較すれば悪い。また車内にはトイレが設置されていない

◆全区間バス専用道路を走行するわけではない。一般道走行区間も少なくない。そのため渋滞等により遅れが発生する事もある

◆遠方から来る人にとっては、「鉄道がない」と誤解されがち

↑盛止まりのBRTが到着。駅舎前は降車専用である。乗車口と南リアス線に乗車するためには反対側ののりばに行く必要があるが、鉄道時代のまま跨線橋も残っている。これを使っても良いのであるが、実際には道路に横断歩道が設置されているため、これを横断すれば良いのである。

↑駅名表は鉄道時代のまま残っている。

↑盛駅の内部は鉄道駅そのもの。券売機はJR東日本標準仕様のもので、ここで下車駅までの乗車券購入も可能だ。 BRTはあくまでも路線バスの一種のため、車内で運賃を支払う事を前提としている。また、「odeca」と称する独自のICカードも存在し、Suica等の交通系ICカードも大船渡線、気仙沼線BRTで使える。odecaについてはSuica等の鉄道路線エリアでは一切使う事が出来ない。大船渡線、気仙沼線に特化したICカードと言える。

↑駅の周辺も簡単に歩いてみる。趣のある駅舎で、小さな町である。盛は運行上重要な所であるが、大船渡市の中心部とは言えない。

10:35頃に盛を発車する気仙沼行きは、いすゞ・エルガの「岩手200か1823」であった。車両を区別するには単にナンバープレートで行うしかない。社内番号は存在しない。車両の所有者は「東日本旅客鉄道株式会社」となっていた。(車内にその旨の表示があった) 車体の後部(後輪付近)には「JR東日本」と記されている。車両そのものはJR東日本のものであるが、運転士は近隣のバス会社に委託しているとの事。

盛では既に乗車口に10人以上が並んでいた。思ったよりも客数が多い。バスが入線すると後ろ側のドアから乗車。整理券を取る。ICカードならばカードリーダーにタッチする。一般的な路線バスと変わらない乗車時のルールだ。
車内の写真撮影は実施していないが、至って普通のいすゞ・エルガ。特徴としては、トランスミッションがオートマである事、新聞社提供のニュースを報じる電光表示板も。

盛を発車。「この車は」と言う車内放送が入る。当分の間は専用道路(元鉄道が通っていた所)を走行。線形は鉄道時代のまま。反対車とすれ違い出来るように待避場が多くある事、キレイに舗装されていること、交差道路付近には信号機と遮断機があって交差する一般車は物理的に専用道に入れないようになっており、実質的には鉄道扱いのためBRTが近づくと遮断機が閉まってBRTが止まる事なく優先的に通行できるようになっている。 60km/h程度は出るため、一般的な路線バスと比較すれば速いが、鉄道が比較相手ならば遅い。


次の大船渡では早速下車するお客がいる。下車方法も一般的な路線バスと同じで降車ボタンを押す。押さないと通過となる。 鉄道では特に地方だと1駅だけの利用と言うのは少なく、ほとんどが長距離利用を前提にしている所があるが、BRTになった大船渡線や気仙沼線では逆に短距離利用が目立ったこと。

長距離利用が皆無だったわけではないが、確実に遠方からの利用者はBRTに積極的に乗車するようには見えなかった。

むしろ、地元の人の足として利便性が向上したように見えて、マイカーからBRTへ移動手段を切り替える人も少ないながらも進んだように見えた。

↑下船渡付近

↑陸前高田付近
小友付近からは一般道に入る。必ずしも全区間が専用道路を走行するのではないのだ。車窓を見ていると更地になっている所が多く、津波対策のために巨大な防波堤も目立つ。さらには造成や嵩上げが進み元々ある陸前高田の街が大きく変わっていた。

BRTはあくまでも住宅地、ショッピングセンター、学校、公共機関を通るような路線設計となっている。復興状況に応じて柔軟に経路、ダイヤが変更されている。2017年秋の時刻表をこの時持っていたが、ダイヤが異なっていた。実際には5分遅い時刻で運行していたが、これは遅延ではなく正規の時刻通り。BRT大船渡線では2017年11月2日にダイヤ改正を実施。そのため手持ちの時刻表とダイヤが異なっていたのだ。

私が見ている限り、BRTはかなり細かくダイヤ、経路が変更になっているため、乗車直前に最新のものを確認するべきであろう。

ショッピングセンターの真ん前を通る。「まちなか陸前高田」と言う駅。しかし、この駅は現在(2019年2月)存在しない。すなわち、廃駅になった。「まちなか陸前高田駅」自体は2017年4月の1年限定であった。駅の新設・廃止も復興状況に応じて変化しているのだ。


8回目に続く。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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