【鉄道が動いている時間だけの営業で良い】コンビニは必ず24時間365日営業しないといけないのか?
東大阪市のセブンーイレブン(以下、「セブン」若しくは「SEJ」)店舗で、人手不足を理由にオーナーの独断で営業時間を毎日6:00~25:00(翌日午前1:00)に変更。SEJ本部は当然認めていない。オーナーに対しては契約解除した上で、違約金1,700万円を要求。オーナーの所にはSEJ本部の関係者(OFC=店舗営業担当者やDM=地区営業所長等)が説得しているが、オーナーは「いかなる妥協策を出しても、24時間営業を復活させるつもりはない」としている。
このオーナーは、2月27日(水)にSEJ本部へ直接出向き、改めて”時短営業”を要求し、その他諸々の労働条件等について「団体交渉」(団交)も要求。その場でSEJ本部側から回答する事はなかった。理由は、このオーナーと同席したコンビニオーナーを中心に結成した労組自体が、そもそも国から認められていない組織である事(私に言わせれば、労組1つ作るだけで中央労働委員会と称する組織の承認が必要と言うのはおかしな話で、そもそも労組は同じ職業の一定以上の人数が集まれば結成できるものだ)を根拠にしたため。国が正式に労組として認めれば「答えてやる」(あえて上から目線)と言うのがSEJ本部の姿勢である。
3月1日(金)には、今月から一部の直営店で試験的に”時短営業”を実施してみて、メリット・デメリットをハッキリさせる方針との事。
(この情報は当記事執筆日の2019年3月1日現在。当ブログの編成の都合上タイムリーでない点は断っておく)
もくじ
★人手不足、賃金高騰、深夜に行動する人が少ない・・・を考えれば、必ずしも24時間営業にこだわる必要がないのでは?
コンビニは「24時間365日営業」をウリにしてきた。
それはそれで「便利」だ。昔は「深夜に急に必要なモノが必要になった。翌朝や翌日昼間ではダメ!何が何でも今すぐ買わないといけない!」と言う時に、コンビニが開いていればすぐに手に入れる事が出来る。しかしこれは「昔の話で」、今は「どうでもええわ!」で終わる事がほぼ全てである。それはネット通販の台頭が大きい。
私みたいに、「外に買いに行く事が面倒くさい」と考える人間が増加しているのも事実。スマホやパソコンがあれば、アマゾンや楽天で商品注文すれば、すぐに宅配便で持って来てくれるし、コンビニに限らずスーパー等の各種販売店よりも品数が充実しているので、「わざわざ外に出て買いに行く事自体が時間と体力の無駄」なのである。変な話、毎日食べるもの(弁当、その他諸々の食材)を全部ネットで注文して、注文後数時間で私の手元に配達してくれるならば、コンビニ・スーパー等の”リアル店舗”は、出先でない限り買い物しない。
すなわち、ネット通販こそが今の我々のニーズに合った販売店なのだ。時間帯や場所によっては届くまでに数日かかる事も多々あるが、実質的にはネット通販が24時間営業なので、深夜にコンビニが開いていなくても、不便な思いをする事はありえない。
話がそれたが、今やコンビニは全国に5万店舗以上あって、セブンだけで2万店舗以上、ファミリーマート(以下「ファミマ」)、ローソンだけでもそれぞれ約15,000店舗前後ある。田舎に行けば唯一の商店がコンビニだけと言う所も北海道を中心にあったりするが、都市部(県庁所在地やそれレベルの人口規模の市)ともなれば、狭い場所に同じ看板の店が何店舗もある。酷いと同じ交差点の右側と左側に同じ看板のコンビニが1店舗ずつあったりする。信号機の手前側と奥側では「商圏」とか「客層」が異なるためで、極端に狭い場所に店舗があっても(究極的には店舗同士が隣合っても)、各チェーンの本部に言わせれば「大歓迎」なのである。
個店の売り上げに関して言えば、オイシイ話とは言えない。結局は同じ場所に同じ看板のコンビニが複数あるので、お客の来店回数は同じチェーンの本部に言わせれば劇的に増加するのかもしれない。個店に言わせれば「お客の奪い合い」になる。人口が極端に増加しているならば別だが、日本にはそんな場所はせいぜい東急田園都市線沿線くらいのものなので、結局はお客が減少して個店の売り上げは減って、粗利も減って、粗利が減っても「上納金」(ロイヤリティー、フランチャージ―の事で、個店が各チェーン本部毎月支払う加盟店料とかチャージ料)の額とか比率は変わらない。
結局はオーナーの所得が増えず、「オーナーと称する社長」なのに年収は300万円以下と言う人が、実に7割を占めると言うのが実態だったりする。コンビニオーナーが外車やトヨタやレクサスの高級車を乗り回している人も少なからず居るが、それは10人いたら2人いるくらいで、残りは一般的なエコカーやコンパクトカー、軽自動車がほとんどである。それが一般従業員になれば、基本的には各都道府県の最低時給+薄い諸手当なので、フルタイム働いても満足に給料がもらえないほか、残業しても残業代が付かないのが、コンビニでは当たり前になっている。つまり、「仕事の分(ぶ)にあった給料がもらえない」事は、社会経験があるみなさんならば薄々お分かりの事で、「しんどい仕事なのに給料も安いならばやってられるか!」と言う事で、どんなに求人募集しても人が集まらない。典型的な「ブラック企業状態」なのだ。
お客にとっても、同じ看板のチェーンが複数狭い場所(極端な話半径2キロにセブンだけで10店もあったりする)に集中出店するのはメリットが薄いと思う。なぜならば「飽きるから」。「ここにもセブン、あそこにもセブン。セブンだらけ。ファミマ、ローソン等の他のコンビニがないのでつまらない!たまには”よそ”に行ける選択肢も作れ!」と思うのが普通だ。
私個人的には「深夜のコンビニに買い物に行きたい」とは思わない。
理由は、「店員が接客以外の仕事に対してとにかく忙しそうに仕事している。店員がとにかくしんどそう。そんな中でたかが数百円の買い物をするためだけにレジで会計するのが悪いなぁー思うから」である。
「レジで会計する事自体が立派なコンビニ店員の仕事じゃ!」と思うみなさんも多いと思うが、深夜にボケッとレジに立っている店員は店舗にもよるのだろうが少ないように感じる。商品が納品されたら棚に並べて棚の陳列位置も変更して、掃除して、精算もあって・・・となると”暇”とは言えない。覚える事も多く、最近はスマホ決済も毎週のように新しいものが導入されているから、決済方法や注意点を覚えておかないといけない。それなのに給料は各都道府県の最低時給しか出ない。深夜だと手当も付くが、それでも地方では1,100円程度の時給が良い所。ファミマに至っては深夜勤務は「ワンオペ」(従業員1人勤務)が当たり前。満足に休憩も出来ない。
↑こんな現状で、「働きたい」と思う人が居るのだろうか?
私ならば、絶対働きたくない。ブログ書いて収入得た方が楽であるし、その方が楽しい。そんな「ブラック状態」の仕事をやりたくない!当然と言えば当然だ。逆に言えば、この現状を知らない人は働くだろう。なぜならば「近くにある仕事場」であるからだ。
しかしこの現状を知ってしまうと「働きたくない」と思うのが当然だ。
今やこの現状はSNS等で広く知られているため、コンビニ=ブラック企業と言うイメージが付いて、求人募集をかけた所で応募の電話さえも来ない状況だ。店頭で「従業員募集」と言う貼り紙が何カ月も何年も同じ紙が貼られたままの店も少なくない。
これであれば、人手不足になっても当然だ。
さらに今は昔以上に「1円でも高い給料を払ってくれる所で働きたい!仕事も楽で、人間関係も大変ではなく、不快な思いをする事なく働きたい!」と思う人が多い。少しでも自分が嫌な思いをすれば、どんどん辞めて行く。そして嫌な思いをSNS等で書けばすぐに”悪いウワサ”が蔓延し、さらに人が集まらなくなる・・・の悪循環である。
2011年の東日本大震災以降、いわゆる「朝型生活」が主流になったような気がする。スーパーはそれまで24時間営業、朝10時ごろに開店して夜24時までの営業が多かった。営業時間こそは1日14~15時間程度であるが、営業時刻を朝7時から夜22時までに変更している所も多い。(主にイオン系列)
その時から世の中は「深夜に行動しない」が当たり前となってきた。深夜に店を開けてもお客が来なくなってきた。鉄道も同じ。地域差はあるが、東京等の都市圏では早朝に本数を増やすが、夜間は利用が減るので需要に合わせて減便している所も多い。減便はしなくても、有料の座席指定列車を運行しているが、本数は変わらなくても立客を無くしたため、その分輸送力を減らしているので、”ステレス減便”している鉄道も関東私鉄を中心に全国的に目立つようになってきた。
★鉄道が動いている時間だけコンビニは営業すれば良い
私も深夜のコンビニ行く事は、ある。それはクルマで遠出する時に出発が深夜の2時、3時になった時に、食事を確保するためにコンビニ渋々寄る事はある。それを除けば深夜に買い物する事は、ありえない。
コンビニにおける「深夜の定義」は一概に言えない。一般的には22時~翌朝5時を示すもので、この間に働く人は全員「深夜賃金」を支給しないといけない。例えば22時にコンビニを閉めてしまうと、夜遅くまで仕事していた人が食事等を買う機会を失う事になるので、良くないと私は思う。まだ鉄道は都市部ならば動いている時間だ。
これが24時を過ぎると鉄道も都市部は終電になって、翌朝の4時や5時まで動かない事になる。クルマ通り、人通りも1日の中では幹線国道や高速道路を除けば最も少なくなる。
一概には言えないが、住宅地のコンビニでは22時~翌朝5時の間は、お客が多いとは思えない。それでも22時台、23時台はそれなりに居るかもしれないが、それ以降は激減すると思う。収入よりも営業費の方にカネがかかっているのでは?と私は思うが、そんな生産性のない仕事をするのも疑問である。収入面を考えれば(あくまでも個店の。本部に言わせれば深夜営業はむしろ上納金と言う面で大きな収入になる)メリットは薄い。
誰もお客が来ない深夜に、煌々と電気を点けっぱなしにしておく。それこそが「環境問題にしっかり取り組んでいる御社のスローガンはウソなのか!?」と聴いてやりたい今日この頃。お客が少ない深夜営業を止めて、消灯すればその分環境負担は少なくなると感じるのは私だけか?
SEJ本部の見解は「深夜営業を止めるつもりは全くない」。理由は上納金の面が大きいとされるが、タテマエとして「24時間いつでも買い物出来る事こそがコンビニである」、「地域の安全安心の見守り役として24時間営業は必須」としているからだ。だが、大きな事件事故が起きた時に「ワンオペ」の店員だけで安心安全が確保出来るとはとても思えない。それどころか警察に電話すらも出来ないはずだ。セコム等の警備会社に通報した所で、”どうにもならない”のがオチである。
私は、「鉄道が動いていない時間帯にコンビニがわざわざ営業する必要はない」と考える。
鉄道が動いていない=活動する人が居ない事を示すため。
活動する人が居ないのに、コンビニは活動しておく必要があるのか?・・・それこそが無駄と言うか、生産性がないことだ。
★個店の需要やニーズに合わせて、コンビニも定休日や時短(時間短縮)営業があって良い時代になった
セイコーマート(以下「セコマ」)やデイリーヤマザキ(以下「デイリー)」なんかは、個店の需要やニーズに合致した営業時間になっている。両社とも基本的には24時間営業であるが、セコマは昔から札幌都市圏であっても時短営業は当たり前だし、営業時刻も各店異なる。デイリーは最近(ここ1~2年)時短営業を始めており、細かいことは不明だが、毎週特定の曜日、特定の時刻(主に深夜)休業している。デイリーの一部店舗では2019年正月に数日休業した店舗もあったらしい。
昔みたいに「何が何でも24時間365日営業」と言う状況で世の中的になくなっている。定休日や休業していたら「仕方ないか!」で片づけて、どうしても必要な買い物があればスマホで近隣の店舗を探す・・・そんな時代だ。
ただでさえ人手不足なのに、こんなブラック企業とも言えるコンビニで働く人は、どんどん減る。私個人的にはSEJに対しての企業イメージは10年以上前から「非常に悪い」ものである。詳しい事は述べないが、結局は「奴隷的な労働と奴隷的な権力関係(これは主に加盟店や取引先に対して)で成り立っている産業がコンビニなんだな」と。
「24時間に何が何でもこだわるならば、ローソンがやっている完全無人店舗の実用化or”ペッパーくん”(人工知能搭載のロボット。回転寿司の”はま寿司”の受付に居る子)を大量に雇ったら?」と思う今日この頃。”ペッパーくん”でも「ええ仕事出来るんだから!」。
お客は深夜に買い物しないともなれば、余計に24時間営業する大義名分を失う。むしろコンビニで24時間営業が必要なのは、都会のど真ん中、幹線国道沿い(大型トラックが駐車できる店舗)、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア程度だけで良い。住宅地の店舗でも、全店一斉に営業ではなくて、その中の1店舗だけ営業と言うように限定するべきである。
今の世の中的には、「コンビニ24時間365日営業」は段々と合致しなくなっているような気がする。みなさんからのご意見も披露されたい。
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