【三陸鉄道北リアス線112D久慈→普代】東日本大震災で被災した鉄道を見る③
もくじ
★「不思議な国の北リアス」。トンネルとトンネルの間にある鉄橋からの車窓は絶景!
【訪問日】2018年1月3日(水)
【列車番号】112D(宮古行き)
【時刻】久慈14:12→普代14:54
【車両】三陸鉄道36-705
【備考】2018年6月現在は114Dに相当する列車
三陸沿岸沿いの鉄道は震災前、仙台~八戸が事実上1本のレールで結ばれていた。必ずしも全てがJR東日本の路線ではなくて、私鉄も入ってくる事が特徴。それが三陸鉄道である。


↑久慈から乗り換えたのは、三陸鉄道北リアス線。国鉄の路線を引き継いだ第三セクター私鉄である。
この時私は「北海道&東日本パス」を使っていたが、三陸鉄道線では使う事が出来ない。これは「青春18きっぷ」も同様。別途三陸鉄道線の運賃が必要で、久慈~宮古は1850円する。
JR東日本が発売する一部特別企画乗車券では、三陸鉄道線も乗り放題になる商品もあるので、事前に使える・使えないを確認しておく必要がある。


↑八戸線~北リアス線には改札内乗り換えとなるが、中間改札は設置されていないどころか、北リアス線用の乗車券券売機も設置されていない。
北リアス線では、「不思議の国の北リアス」と言う愛称?キャッチコピー?が毎度おなじみ。

↑三陸鉄道の車両は全て「36形」と称する。読み方としては「さんりくがた」である。細かく番台設定されており、番台によって製造時期や車内構造が全く異なる事が特徴だ。正面には「阪急交通社」のヘッドマークが掲げられているが、もちろん誰でも乗車出来る定期列車。一瞬「貸切列車」と思ってしまった次第。

↑いつものように?発車時刻ギリギリに車内に入ったため、空席はどこにもない。立っているお客はそんなにいなかったが、最後尾に立って後ろから展望を楽しむ事に。

↑広い久慈駅構内は北リアス線の車庫を兼ねている。隅には36-R(さんりくアール)形も止められてあった。この日は営業がないようだ。「お座敷車両」であるが、団体利用がない場合は定期列車として運行すると言う。

↑線形が良い北リアス線。北リアス線は歴史が浅い路線で、国鉄が久慈線として開業したのが1975年。宮古~田老は宮古線として1972年に開業し、1984年に両線が第三セクターに転換した際に、久慈線と宮古線の間が空白だった田老~普代(ふだい)を延伸開業させて、宮古~久慈を北リアス線となった。
2019年度には、宮古~釜石のJR山田線の部分が三陸鉄道に移管。同時に久慈~宮古~釜石~盛の約160kmが「リアス線」に統合される壮大な路線が出来る事が決まっている。

↑陸中宇部~陸中野田
車窓写真は明かり区間のみ撮影するのは言うまでもないが、北リアス線は複雑な海岸に沿った地域のため、それをパスするために2000m~6000mの長大トンネルが数本あって、その他数百メートル程度のトンネルも多数ある。むしろ、明かり区間が短いのだ。
陸中野田は交換可能駅。下車が10人程度あった。三陸鉄道はJR北海道と同じく、先頭車両の前ドアで乗り降りする形式だ。

↑陸中野田~十府ヶ浦海岸(とふがうらかいがん)
まだまだ震災からの復興途上。北リアス線の線路は見事に復活しているが、車窓から見える景色を見ると堤防工事等が進んでいる。単に元に戻するのではなくて、新たな街づくりとセットで行われているようにも見えた。

↑十府ヶ浦海岸駅は、2017年3月に出来たばかりの新しい駅。北リアス線では、他に2019年に田老~摂待(せったい)に「新田老」駅が設置される事になっている。JR東日本から移管される山田線区間でも新設駅が2つほどある。

↑野田玉川駅では久慈行きの列車と交換。こちらは2両。基本的に北リアス線は単行運転であるが、お客が多くなると見込まれた際には柔軟に増結対応している。


↑野田玉川~堀内(ほりない)の途中にある「堀内鉄橋」でサービス停車。ここは北リアス線内で最も高い位置にある鉄橋として、絶景スポットとして有名。


↑まだ続くサービス停車。次の堀内~白井海岸の間にある大沢橋梁でも。ここは旅行パンフレット等で海岸と北リアス線を写した写真が使われる事が多く、「北リアス線と言ったらここ!」と言うような場所。赤い橋は国道45号線で、大沢橋梁の前後はトンネルだ。

↑トンネルを出てすぐにあるのが、白井海岸駅。地図を見ると、山道を昇り降りしないと海岸や近くにある漁港には着けないようだ。白井海岸駅を出ると再びトンネル。今度は短い。トンネルの連続が北リアス線であるが、明かり区間は絶景ポイントだらけで、車窓がかなり面白い。高規格道路とか建物が急に増えて、平坦な地形になってくると普代に着く。
4回目に続く。
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