【徹底検証】信越本線東光寺~帯織で大雪立ち往生→お客15時間車内待機=JR東日本の対応は妥当か?
もくじ
★2019年冬も同じ事が起る?信越本線東光寺~帯織における15時間以上もお客を乗せたまま大雪で列車が立ち往生した大規模輸送障害について

↑新潟地区で勢力を拡大しているE129系。基本的には仙台のE721系に似ているが、座席配置等大幅に異なる点もある。個人的には「雪に強いか?」疑問に感じる所もあるが・・・

↑雪が降り続く中、上越線水上行きとして発車を待つ115系。長い時間雪が降る中を走ってきているため、”雪だるま”となっている。



↑新潟の雪は例年かなり振る。太平洋側に住む温暖な地域の人間から言わせれば、想像出来ない世界が広がる。鉄道は冬季一般にはクルマよりも安定的な輸送が出来ると言われているが、大雪で立ち往生と言う事が発生すると、大変な事になる。(以下、日時や状況等は全て当時のもの)
【日時】2018年1月11日(木)19時頃
【場所】新潟県のJR東日本の信越本線東光寺~帯織(東光寺から直江津方に約300m進んだ地点)
【当該列車】444M(新潟15:07→長岡16:21)のE129系4両、お客約430人
【事情】当日は新潟地区大雪のためダイヤが乱れていた。三条市付近ではこの日の朝の降雪量が28センチであったが、日中に急増し夜には77センチまで積もった。
444Mは遅れながらも運転開始したものの、お客が殺到し乗車率も100%超過(つり革に握れないお客もいたと思われる)であった。
東光寺駅を発車して約300mの地点で「スタック」(以下このように表現する)、すなわち雪が線路に大量に降り積もった雪が”壁”になって、前に進めなくなった。
運転士が除雪を開始するものの、除雪してもどんどん雪が降るため、いつまでたっても雪が消えない。
信越線(新潟~長岡)では他列車も駅間や駅で大雪により抑止している状況で、ラッセル車等の除雪する要員や道具等が用意出来ないどころか、現場にたどり着くまでも大雪のため、除雪が追い付かずいつまでたっても444Mが停車している場所まで行く事すら出来ない。
しかし、JR東日本新潟支社はお客を車外待避する事を認めなかった。「安全の事を第一に考え、現場田んぼで側溝等も多いため、線路を歩く事自体が危険なので、線路を歩いての避難はしなかった」と釈明した。
また、代行バスの手配や臨時の避難所の設置は出来ない状況でもあった。
車内では急病人が続出し、救急搬送されるお客もいた。しかし、健康に問題ないお客は、JR東日本が食料等を配布したものの、原則として「車内待機」。新幹線や特急とは異なりE129系の座席数は多くないため、ほとんどのお客が立ったまま。交代で着席した人もいたが、一晩中立ったまま過ごす人もいたと言う。
結局1月12日の10:30頃に動き出す事が出来た。正午までには20時間も遅れてやっと長岡に着いてお客を全員降ろした。やはり列車を移動して運ぶ事にこだわっているようで、基本的に車外避難による移動は津波の時以外選択肢にないようだ。
JR東日本新潟支社は1月12日18時頃から会見し、「車輪に雪が大量に溜まり無理に前進させると脱線するリスクがあった。時間がかかって申し訳ない」と詫びた。
なお、JR東日本本社、並びに同新潟支社のホームページには、謝罪文どころか当該輸送障害について説明する内容は、何一つとして書いていないのは、大変不満である。掲載して当たり前。それが今の世間の一般常識である。
★雪国新潟の認識×温暖な都会(東京等)の認識・・・どちらが正しいのか?
Twitter等のネットの意見を拾うと、JR東日本新潟支社の対応について、完全に賛否両論である。
後術するが、私は「なぜ車外待避させなかったのか?東光寺駅までたった300m、後ろから見えているのに、なぜ駅に歩かせない?」と思った。
「こういう事を思うのは、温暖な都会に住んでいる者の意見」と言う内容を多く見かけた。
状況的には、周囲は夜間で何も光がなく(真っ暗)、吹雪になっていて、積雪が約80センチほどで例えれば列車の車輪が完全に雪で隠されてしまい、人も膝付近まで雪に覆われる。
↓
こんな状況で避難可能なのか?と言う事だ。
しかも、東光寺駅は無人駅で、待合室(建物)も”小屋”と表現して良いレベルの小さなもの。ここに約430人のお客を収容できるわけがない。中には外で寝る者も出現するだろうし、そこで凍死や凍傷でもしたら、「JRよ、責任取れ!」となる。
後術するが、JR各社はこういう責任問題を徹底的に嫌う。私鉄は「加点主義」、JRは「減点主義」と言われるように、自社がマイナスになる事は最初から絶対にやらない。
「駅間で立ち往生し立ってもらうが暖かい車内で過ごしてもらう×車外避難させても他に逃げ場がなく、車外に出た人が凍死や凍傷等ケガをするリスクがある」・・・・・・・と”天秤”にかけた時に、どちらがマシか?と言う事。
↓
すなわち、前者は雪国の人の認識、後者は都会の人の認識であると私は思う。
基本的にマスコミやJR東日本の指導官庁(国交省や国)は後者の認識である。
私に言わせると、この両者の”天秤”がわかっていない人が多い。私としては、後者の認識で、それに基づき当記事を展開するが、
現場の状況からすると、列車がスタックして駅間で立ち往生した場合、車外避難は物理的に出来ないと言う認識を持つべきではないか思う。
では、スタックしないようにして、かつ駅間で立ち往生しないようにするためにはどうするか?
早めの運転見合わせしかないのだ。
みなさんは、どちらの認識に立って今回の大規模輸送障害について考えるだろうか?
是非お聞きしたいが、恐らく地域差が出てくるだろう。
★東光寺駅からたった300mしか離れていないのに、すぐにお客を駅に避難させないのか?
ニュース映像を見ていて思ったのが、この事である。マスコミでも、この事に注目する事が多い。ただ、繰り返しになるが、状況的な推測からして、車外避難そのものが出来なかったと思われる。
JR東日本に限らず、駅間で立ち往生した際にお客をすぐに車外避難させようとはしない。
むしろ、鉄道会社はお客を車外避難させると面倒な事になるので、嫌がっているのだ。
その理由は下記の4つである。
車外避難させたくない理由①
対向列車(複線区間)が接近している可能性があり、これぶつかって人身事故に発展・・・と言う二次事故、三次事故(この事を「併発事故」と言う)になるのをとにかく嫌う。これを防止するためにはお客を車外に出さないことに尽きる。
車外避難させたくない理由②
何らかの理由で車外避難させて、線路を歩かせたとする。そして運転再開する時に、「本当に人が線路に居ないか?」と言う確認が非常に時間がかかる。線路に降りた人がイタズラ等をして設備の破損させている可能性もあるので、ハード面の点検も含めれば運転再開まで膨大な時間がかかる。早く運転再開させたいに決まっているので、”時短”のためにさせる手段と言える。
車外避難させたくない理由③
車外避難中にお客が転倒した、ケガをしたら誰が責任を取るんだ?と言う事になる。線路上はデコボコが多く、転倒しやすい環境下だ。歩き慣れないとスムーズに歩けないのが線路である。転倒してケガしたら誰が責任を取るのか?こういう面倒くさい民事上の問題は特にJR各社は徹底的に嫌う。
車外避難させたくない理由④
受け入れ場所がない事がある。例えば停車した場所が室蘭線の小幌みたいな秘境駅だと、駅から外に出る事が出来る場所がないような所に避難した所でも、結局は孤立してしまう。それは避難できていない事と同じである。
今回の大雪の場合、周辺道路も除雪が追い付かず代行輸送するバスさえも近づけない。下手すれば除雪用のJR東日本の作業車、消防、警察も近づけない。クルマは近づける所までにして、そこから現場までは徒歩・・・と言う事も珍しくない。上空から近づく方法もあるが、天気が悪いとヘリコプター等を飛ばせないほか、雪では雪が舞いあがってしまうので、周囲の状況がわからないくなる可能性もあるため、現実的とは言えない。
・・・すなわち、今回は上記①~④全てが重なったためと思われる。
状況的に考えれば、①や②のリスクは低い。
スタックによる運転見合わせは、③や④のリスクが高い。
一見すると雪に覆われているが、下は川が流れていたり側溝だったりするため、気付かぬうちにここに転落してケガや行方不明等もあり得る。
だが、線路上、それもマクラギの上を歩けば、場所にもあるが③のリスクは多少ある。
問題は④で、東光寺駅も構内全体が大雪で積もっており、避難場所の制約は当然ある。ただ、いつ運転再開できるか?不明な状況下で、ダラダラと無意味に長時間車内に”監禁”するのは、妥当ではない。
場所的には、何もなく、田んぼだらけで風も相当抜けるため、妥当ではないと言う意見も目立つが、車外に出る・出ないはJR東日本が強制させるのではなく、お客個人の希望で自由に出来るようにさせるべきであった。「どうしても」と言うお客だけしか出させなかったのが問題だ。
駅に避難させれば、お客は自由に動けるし、家族が迎えに来るかもしれないし、他に移動する手段を見つけるかもしれないし、周囲の住民が自宅を避難所として提供するかもしれない。「そんな事はあり得ない」と言う指摘もネット上にはあったが、それを打ち消すようにそのような実績はかつてあった。2014年豪雪で山梨・長野県の国道でクルマが大量にスタックした際に、除雪完了して通れるようになるまでの約3日間、地元の人が避難所や食料の提供をした。
私が思うには、長時間車内に”監禁”させた事が大問題で、スタックして動く事が出来なくなったら、早期の運転再開は諦めて、速やかに車外に避難させて、外部からの応援をもらうべきである。
私のこういう意見を申し上げると、みなさんこぞって批判するが、そもそも長時間列車内に”監禁”させることが問題で、それでケガ人が出たらJRは責任取れるんか?と言う話だ。実際には責任なんか取りもしない。「自己責任」で終了だ。
ダイヤを守ると言う考えは捨てて、完全に止めてしまって、運転再開する時にはダイヤを完全にリセットしてから運転再開するべきである。
みなさんの意見を聞いてみたいと思う。
★スタックして15時間もお客を乗せたまま立ち往生して適切な情報提供をしなかったJR東日本新潟支社の対応は妥当なのか?
これは今回に限った事ではない。近年は毎年1月か2月のどこかで必ず発生している。
2017年2月には、JR西日本の山陰本線で鳥取から米子に向かう列車が、やはりスタックしてお客を乗せたままナント22時間も立ち往生した。
状況は今回と同じ。除雪を開始するが、どんどん雪が降り積もり除雪が追い付かない。ある程度進める状況になったが、今度は車両が故障する状況になった。22時間も車内に”監禁”されたお客はJR西日本に怒りをぶつけたのは言うまでもないが、ではしっかりと解決できる対策をしているか?と言ったら、ちょっとのことしかやっていない。
それは、非常用の食糧や毛布を用意する程度で、前提条件は「車内に待機」する事である。
「除雪の強化」はほとんどやっていない
まずは除雪できる要員が少ない事。JR各社の場合はどうか知らないが、先日乗車した青い森鉄道では、冬季に限り除雪要員をアルバイトとして求人募集しており、勤務日は「降雪がある日」であった。言うまでもなく、駅や線路の除雪をする事が仕事である。かなりの肉体労働で、大変な仕事である。
つまり、除雪要員を別途労働力として確保しないといけないのだ。
私鉄では柔軟にやっていても、JR各社は保線員が代役でやっているのではないか?
まだ関連会社の人を応援で除雪させているのであれば、まだ要員確保出来ているが、青い森鉄道みたいに除雪専門のアルバイト募集はJR各社では、私が知る限り聞いた事がない。それを聞いた事がある人が居れば、コメントされたい。
まずは、除雪できる人員が減少しているのだ。だから、除雪が追い付かない。


↑JR西日本は北陸・山陰地区を中心に新型のラッセル車を導入。実はJRグループ全体で見ても初めてのラッセル車の新造車である。
では、どうやって除雪しているのか?と言うと、排雪モーターカー(ハイモ)と言われる「機械扱い」の除雪機によるものが中心だ。
除雪出来ることに変わりないが、決定的に違うのが除雪と並行して営業運転を継続できるか?
営業運転継続できるのはラッセル車で、ラッセル車が除雪して続いてお客を乗せた営業列車が走行しても問題なし。
一方で、「機械扱い」のハイモは線路閉鎖の手続きを執らねばいけない。一般には「除雪作業のため運転見合わせ」と案内される。
正確に言うとハイモは鉄道車両ではないため、同じ線路上に営業列車が居てはいけない。営業列車を完全に排除してから、ハイモ単独で除雪を開始しないといけない。そのため、長時間運転出来ない事になる。
なお、除雪出来る量やパワーはラッセル車もハイモも大差ない。
しかし、大量配置ではない。具体的な両数は知らないが、少ない両数で長距離を除雪しないといけないのが実状である。
すなわち、今のJR各社は除雪出来る体制が万全ではなく、除雪出来る車両や機械が必要最小限に絞られており、要員も臨時に多く確保しているわけでもないようだ。
NHKの報道では・・・
「12日の朝になるまでJRの関係者が誰1人として状況説明に来ず、頭に来ている」
と言うのは、帯織駅で444Mに乗った家族を迎えに来た人の意見。
JR東日本新潟支社の現場では、非番の社員を含めて総動員で対応し、不眠不休の活動をしていると思うが、十分とは言えない。そもそもの情報が少ない。
11日の夜の時点で444Mとは別に新潟方面行きの列車が羽生田駅でも立ち往生していた。それが判明したのは12日の朝になってからで、情報源はJR東日本からのものではなく、視聴者が直接NHKに投稿して判明した。
↑これは危機管理上、絶対にあってはならない事である。
さらにNHKニュースでは・・・
「子供を迎えに来たがいつになったら来るのかわからない。JRに問い合わせても何時に運転再開するのか教えてくれないから対応が悪い。JRの社員同士で今後の対応についてモメており、結局”何が優先なんだよ”と思った」と報じた。
やはり、輸送運輸指令がクソである。
こういう事を書くと批判も多く寄せられるが、こんなのは結果が全てである。
現場は人身事故レベルの輸送障害でも言えるが、本当に優柔不断。どんな事でも、一回で物事の方向性を決める事が出来ない。だから、コロコロ話が変わる、「わかりません」「待ってろ」の連呼で、結果としてお客を不安に陥れていて、お客はキレて現場の乗務員や駅員に罵声攻撃となるのだ。
対応が支離滅裂なのがダメ。一回で物事の方向性を決めろ!決めたら方向性を変更せずに最後までやり通せ!スジを通せ!
妥当な対応は、輸送指令が状況を把握して、どんなに些細な事でも良いので、「今・どこで・何が・どうなっている・今後の見通し・解決策は」を広く世間に公表するべきで、JR東日本1社で解決しないならば同業他社や警察・消防・自衛隊に助けを呼ぶのがスジであり、それが世間の常識である。
「線路の事は他者は関与しないでほしい」と言う”国鉄式の古い考え”は捨てるべきだ。
なぜそれをやらない?
やらない理由を関係者や詳しい人に聞きたい。
運転再開まで長時間かかる理由は、除雪に時間がかかっている事である。
除雪が完了して、車両故障していない事を認めない限り、運転再開出来ない。それまで「待ってろ!」がJR東日本も基本方針である。
除雪がスムーズに出来れば、運転再開までの時間は早いし、お客を長時間車内に”監禁”させるリスクも低減できる。私は下記の2点を提案する。
提案①・・・営業列車にも除雪装置を設置するべき
今回の信越線のように局地的な大雪では、ラッセル車やハイモによる除雪は当然追いつかない。スタックが起きて半ば当然とも言える。
ならば、私が思うのは車両の先頭に除雪装置を設置すれば良い。
新潟地区ではE129系を中心に需要に応じて増解結が存在するが、容易に設置できる除雪装置を開発するべきである。
具体的にはJR東海がキハ85に対して、シカ等の動物と衝突する事故が多いため、車両とシカの両方のダメージ低減のために設置したスポンジ状の排除装置。見た目はカッコ悪いが、これである程度の効果を発揮している。
この除雪が出来るバージョンに改良して、設置も容易に出来るようにする事で、列車を走行しながら除雪出来る。理屈はラッセル車と同じで、線路上に積もった雪を線路外へ排雪する事を目的とする。
降雪量にもよるが、少ない雪ならば容易に効率的に除雪出来るし、大雪でもスタックするリスクは低減できるはずだ。
開発は鉄道会社でなくて、鉄道総研や車両メーカーが行って、クルマでよくある「後付け」と同じ形で、雪国用の車両に別途設置出来るようにすれば良い。これは電車・気動車・機関車関係なく設置出来るようにすればよく、車両側の接地面の形状を工夫するだけで、柔軟に対応出来るはずだ。
提案②・・・お客も除雪作業を行うべき
こういう指摘があった。
「マスコミは立ち往生している列車を撮影しているだけ。撮影しているんではなくて、マスコミも除雪を手伝え!」
と言うもの。まさにその通りである。JR東日本に言わせれば不都合があるのかもしれないが、列車には約430人もいるわけだから、希望者を募って、車外に出て一緒に除雪させる対応は考えなかったのか?
これは強制出来ない。やりたくない人もいれば、出来ない人(体力的な問題等)も居る。それはそれでやらなくて良いので、除雪出来る人は運転士や保線員等と一緒に除雪作業を手伝わせればいい。ただ、車両の内部の除雪は専門的な知識も必要なので、ここはお客に除雪はさせず、前方の線路等の誰でも簡単に除雪出来る場所に限って、やらせるべきであった。「それをしてはいけない」理由がよくわからない。そういう”閉鎖的な考え”を捨てるべきである。
事案の性質は多少異なるが、2018年10月に五日市線で動物と接触する事故があった。動物を除去するために乗務員だけでは無理があったので、お客にも協力を要請した。だが、「JR東労組」はこのやり方を痛烈に批判。「お客がケガをしたら誰が責任を取るんだ?それをやらしている会社もどうかと思う」と。
”クソ同然”の労働組合も現場の事を良く知っていない事が如実になった。だから組合員の離脱も多いわけである。
私は、乗務員の支持する形で、お客にも積極的に除雪を手伝わせるべきだと思うが、みなさんはどう考えるか?
それでも、問題がある。除雪に必要なスコップがない。当然携帯しているわけでもないので、数に限りがある。
そこで、各車両に除雪用具、大雪とは関係ないが津波が発生した時に速やかに避難できるように必要な用具を車内に保管するべきである。
今の車両は座席下部はスキマだらけで、特にJR東日本の車両はスペースはいくらでもある。
このスキマに「用具入れ箱」を設置して、ここにスコップ等の用具や非常食等を常設しておくべきだ。
お客がイタズラする事もあるだろうから、普段は乗務員室のスイッチから施錠しておく。(お客が開けられないようにする)
非常時や必要に応じて、この施錠を解除して自由に取り出させるようにするべきだ。非常時の定義も難しいが、急制動使用時に自動的に施錠解除とか、車両の動きに異常なものを機械が認めた時に施錠解除できるようにすると良い。
この事は今すぐにでもやるべきで、車両新造・改造費用と同じ出所から行うべきだ。こういう事をしないと安心して鉄道なんか使えない。
「いざ」と言う時に避難はダメ、必要な用具もない・・・では見殺しにすると言っているようなものである。
★実際に現場に居た人の意見を聞いてみると・・・
この記事もアメブロ(Monolog24)からの移行記事であるが、当時実際に現場に居た人からのコメントを頂戴する事が出来た。一部であるが、それを下記に掲載する。
運転再開にこだわったJR
はじめまして、信越本線の列車立ち往生の現場に娘がいました。ツイッターやニュースをみて、モヤモヤしていたところ、こちらのブログを拝見しました。
娘とのラインのやりとりや、朝迎えに行った時に感じたことをコメントしたいと思います。
まず、当時の雪の状況ですが、普段は降雪量の少ない所ですが、朝から降り続き、積雪・降雪の多い状況でした。
娘は東光寺の手前の三条駅から乗りましたが、三条駅に列車が到着した時点で、列車の全面に雪のかたまりがあり、ショベルカーのようになっていたそうです。
最初に踏み切り前の信号トラブルがあり、運転手が確認に行きました。その際に列車に雪が大量に挟まって動けないため、乗務員が除雪する、大変時間がかかる見込みとのアナウンスがあり、そののち何度か除雪状況のアナウンスがあったようです。最初の信号トラブルから2時間後に運転再開をしましたが、間もなくガツンと止まったそうです。ここが「スタック」の現場です。
その時点では雪をかいて帯織まで行き、代行バスの検討もあったようですが、1時間ほどで「雪かき終わって動かしたけど動かなかった」とのアナウンスがあったそうです。その間約3時間、乗務員1~2名で除雪していたと思われます。
私は最初に止まった時点で列車を東光寺まで後退させ、駅のホームで待機させるべきであったと思います。駅ホームならトイレもあり、迎えの車が来た人から降ろすこと、水や食料の搬入など、何もない雪原の中より容易にできたはずです。東光寺も帯織も同じような規模の無人駅ですが、除雪していない線路をどこまで行けるかわからない状況で進むより、走ってきた線路を後退するほうが駅も近いし線路上の雪も進むより少ないのではないかと思います。ただ、それは後から言えることで、JRはあくまでも進むことにこだわっていたようですね。アナウンスでもあったように、雪かき終わって動かしたけど動かなかったのに、職員はずっと雪かきをしていたそうです。
体調不良の人が出始め、除雪車の出動の検討、水、食料の手配をしているとのアナウンスがあったそうです。
続きです。
その頃には乗客から、帯織まで歩くので降ろして欲しいとの申し出があったのですが、距離があり具合が悪くなる可能性があるため降ろせませんと言われたそうです。
私は車外退避については、除雪しても人力では動かせない列車の除雪をするのではなく、早い段階で避難経路を確保して、迎えの来ている乗客から避難させることを検討してもよかったのではと思います。
新潟は土地柄、駅までは自家用車で送迎することが多く、実際帯織駅周辺は家族の車でごった返していて、多くの人は連絡さえ取れれば長時間列車に“監禁”はなかったと思います。
1時頃には雪も止み、列車の回りをマスコミが囲んで写真を撮っていたそうです。
そんな状況なら、近くの駅を窓口とし、迎えに来ている家族と連絡を取り合い、車外退避を認めるべきと思いました。
それと、私は実際に見てはいないですが、センター試験の受験生の親が抗議して列車から降りたとニュースでやっていたそうです。
他にも受験生や大事な用事のある方も居たと思います。
4時半ころから迎えの来た乗客を降ろし始めたようですが、
私は朝6時に全国ニュースで情報を知り、現地に向かいました。
近くの踏切は遮断機がおりたまま、それを後続車の運転手さんに上げてもらい踏切を渡りました。これから通勤時間帯にも関わらず、警察にも協力要請をしていないのは明らかでした。
私の前の車の方も、子供さんが列車内にいて、周辺で待機しているが、JR職員に状況を聞いてもすみませんしか言わないので状況を把握していないようでしたのでニュースの話しをして一緒に現地に向かいました。
続きです、長くなりすみません。
今回の事でJRに対して思ったことは、
○強く抗議されたら例外を作る。
○優先順位を運転再開にこだわり、他の対応をおろそかにしている。そのため何を聞いてもすみませんしか言わない(言えない)
○状況を甘く見て、動きが遅すぎる。
今回は乗客から除雪を手伝うとの申し出があったそうですが、いまのJRでは許可できないですよね。
結局組織としての対応が全然ダメなのに、一職員の対応を取り上げて、称賛している動きも何か嫌な感じを受けます。
私はひたすら雪を掻いて前に進めようとすることは完全な判断ミスと思いますので、運転士さんにはありがとうとは思えません。
娘を含め、乗客の方々はその姿を見ているので、感謝していますが、娘のためではなく、列車運行のために除雪していたのではないかと思ってしまいます。
作業にあたった方々も大変な思いをされ、さらに怒りをぶつけられている姿を見ました。
すべての意見を検討して、二度とこのような対応がないことを望んでいます。
KH8000さんのブログを拝見して、状況を的確に検証・分析されていたので、コメントさせていただきました。
慣れていないため、長文、駄文で失礼します。
↑他にもいろんなみなさんからコメントを頂戴した。
現場に居た方からのコメントによれば、明らかにJR東日本新潟支社の初動対応は妥当ではなかったと言える。
★まとめ
列車がスタックする事自体あってはいけない事である。
今回の輸送障害は百歩譲って、東光寺駅でスタックしていたとするならば、まだ逃げ場があったので、その方が”15時間もお客を車内監禁”は起り得なかった。駅でスタックするのと、駅間でスタックするのでは意味合いがかなり違ってくる。
鉄道は雪に強く、特に北海道では冬場の交通機関として信頼性が高く、利用者が増えると言うのも事実である。
いわゆる「ゲリラ豪雪」に対応出来ず、現場もヒト・モノが不足し、円滑に回らず、結果的に長時間もお客を車内に”監禁”させる事になっているのも、JR各社の合理化の弊害と言わざるを得ない。
だから、今後もスタックして列車が立ち往生する事は最低毎年1回発生すると予言しても良い。
私が思うには、スタック防止のために営業車両にも除雪装置を設置して、スタックそのものをなくすようにするべきだ。定期的な除雪も必要だが、長時間お客を”監禁”させる事が、社会的な損失が大きく、JR東日本をはじめとした自社の信頼を失う事になる。それで良い事は何一つとしてない。
「JRなんて二度と一生使わない」と誓った人もいるだろう。それがさらなる客離れになる事を、JR東日本自身は知るべきである。
みなさんの意見も聞きたい。
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