【牟岐線のパターンダイヤと高速バスに輸送モード転換で阿南~海部は減便?】2019年3月のJR四国ダイヤ改正を詳しく解説

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JR各社は2019年(平成31年)3月にダイヤ改正を実施する事を決めた。当ブログではアメブロ側(Monolog24)で年末年始恒例の来春JRダイヤ改正について、テレビ・新聞・雑誌・SNS・他の鉄道ブログ等よりも「詳しく・わかりやすく」書いてきた。新ブログ(KH8000ショー)移行後も引き続き来春JRダイヤ改正について、「詳しく・わかりやすく」書く事はもちろん、「独自の情勢分析」に基づき、テレビ・新聞・雑誌・SNS・他の鉄道ブログ等が書かない有益な情報もみなさんに提供する。

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昨年(2018年)に引き続き、掲載順は私から見て「注目度の高い会社」からとする。最初(1回目)に来るのは「最も注目しているJR旅客会社の2019年3月のダイヤ改正」について、逆に最後(6回目)に来るのは「注目していないJR旅客会社の2019年3月のダイヤ改正」となる。必ずしも北から順番に進めるわけではないので、この点はご了承願いたい。

ダイヤ改正日は2019年(平成31年)3月16日(土)。平成最後のダイヤ改正となる。

5回目はJR四国とした。

もくじ

★今まで”汽車ダイヤ”だった牟岐線にいきなり「パターンダイヤ」を導入!代わりに客数が少ない阿南~海部は列車本数を減らして、並走する高速バスに輸送モードを転換?!

「平成31年3月のダイヤ改正について」(JR四国)

徳島~阿南~海部を結ぶ牟岐線では、2019年3月のダイヤ改正で「パターンダイヤ」を導入。パターンダイヤとは毎時同時刻に列車が発車する事で、例えば1時間に2本の路線だと毎時10分発、40分発と言うように発車時刻を統一すれば、お客としては”時刻表要らず”で列車に乗れるので、お客の利便性が向上すると言うわけだ。

このパターンダイヤは国鉄末期のいわゆる「シティー電車構想」により、静岡や広島等で導入されたダイヤで、JRになってからは各地方都市でも拡大。今や地方の鉄道ではパターンダイヤが当たり前となっている。

しかし、非電化単線を多く抱えるJR四国では完全なパターンダイヤ作る事は難しい。なぜならば列車交換する事が出来る駅が限定されている事、配置車両数が最初から少ない事、路線全体で本数を統一させる必要がある事・・・などなど抜本的にダイヤを変えないといけない。

↑徳島駅の改札口前にある時刻表。特急でさえも発車時刻はバラバラ。運転間隔が長くなる事もあれば、短くなる事もある。

↑徳島地区の主力1500系。少しずつこれに置き換わっており、国鉄型のキハ47系は姿を消している。JR四国はJRグループで唯一国鉄からの車両形式名を継承していない。私鉄のように4ケタの数字で表現した形式名となっている。

2019年3月のダイヤ改正では、9~19時台にかけて徳島駅を発車する牟岐線列車は毎時00分(9時台を除く)、毎時30分(19時台を除く)に発車時刻を統一。全て普通列車となるため、特急「むろと」は廃止。徳島~阿南では普通列車を8本も増発する”大盤振る舞い”。

そんなにお客が増えているのか?私には疑問だが、列車本数を増やして増加チャンスを増やす=乗客数のアップと言うのは正しいやり方。これがJR北海道やJR西日本みたいに数年後には、「ご利用の少ない列車は廃止します」に牟岐線が該当しなければ良いが・・・。

細かい事は不明だが、阿南から先についてはパターンダイヤは導入されない見込み。特急が消えるのでそれを普通列車に格下げするのであろうが、現行ダイヤでも本数が少ないので、阿南~海部の列車の本数がさらに減少するのではないか?

それを補うためか?高速バス事業者の「徳島バス(株)」に協力を要請。同社の大阪~徳島~阿南~海部の高速路線と牟岐線が接続する関係になった。

どういう事か?と言うと、徳島~阿南は牟岐線を利用。阿南で高速バスに乗り換えて、海部方面に向かってもらう。

牟岐線と高速バスの乗り換え駅、乗り換えバス停は阿南駅限定ではなく、複数設定する。但しいくつか注意点がある。

  1. 高速バスは全車指定席であるため、満席時は乗車出来ない
  2. 牟岐線から乗り換えたお客は座席指定が出来ず、空席に着席する
  3. 渋滞等でバスが遅延した場合、牟岐線列車と接続できない事がある
  4. 阿南~海部のバスは「JRの代行輸送」とか「JRの代替輸送」ではないため、JRの”通し運賃”が適用されない。徳島~阿南はJRの運賃、阿南~海部はバスの運賃が適用されるため、別途乗車券を購入する必要がある事、乗車区間によってはJRの”通し運賃”よりも高額になる可能性もある。

逆に言ってしまえば、阿南~海部は鉄道で輸送するには供給過剰、バスで輸送した方が適正需要と言える。その代わりこの区間の牟岐線は減便となるだろう。

画期的な取り組みであるが、それが裏にあると考えるとなんとも複雑だ。ある意味では「輸送モードの転換」で、このような事がJR四国全域で展開される可能性が今後ある。四国は高速バスが充実しているので、この事がやりやすい環境が整っている。「地方の公共交通」で考えればこれが妥当と言うのが現状だ。

★毎回恒例の特急と新幹線の接続向上により、所用時間の大幅短縮が今回も目白押し!

↑JR四国は特急が生命線とも言える会社。JRグループで唯一新幹線がないため、四国各地から特急で集客して、瀬戸大橋通り岡山駅で山陽新幹線に連絡する事が、最大の使命である。

JR四国は路線距離の90%以上が単線で、交換駅の増設や1線スルー等のハード面での設備を増強していても、予讃線の多度津~松山では線路容量がいっぱいに近い状態だ。これは逆に言えば、列車1本あたりの速度向上をしなくても、交換駅の変更、交換駅における進入速度の向上等を行えば、大幅な所要時間短縮も可能になる。

2019年3月のダイヤ改正では、新幹線側で速度向上が実施されるため、これがある意味直接的にJR四国でも所要時間短縮となる。松山~大阪では7分、松山~東京では12分前後短くなる。これは結構大きい。JR四国管内では極端な所要時間短縮は存在しな見込みだが、上記の事をやるだろうからわずかながらの短縮が期待出来るだろう。

基本的には四国の輸送実態は各県庁所在地間を結ぶ事を重視。運行系統もシンプルで、「しおかぜ」は岡山~松山、「南風」は岡山~高知、「うずしお」は高松~徳島、「いしづち」は高松~松山となっている。

県庁所在地を過ぎての運転、つまり他線との直通運転は少ない事も特徴。その先へのお客が少ない事を示している。

↑「南風」は一部列車に限り、高知を過ぎて土佐くろしお鉄道線の中村・宿毛までの直通運転が存在した。2019年3月のダイヤ改正では、系統分離を実施。「南風」は全て岡山~高知の運転。高知~中村・宿毛までは「あしずり」と言う特急に乗り換えることになる。

これと同じ事は「しおかぜ」「宇和海」でも実施済みで、昔は岡山~宇和島と言う列車があったが、伊予市~宇和島が非電化のため気動車を用意する必要がある事、電化区間では8000系電車と比べて加速性能が劣るため、”ダイヤの足かせ”となった。そのためこれも系統分離が図られ、松山乗り換えとなった。岡山~松山の特急は今やすべて電車で、一部は新型の8600系になっている。

恐らく2019年3月のダイヤ改正でも残ると思うが、「うずしお」が岡山~高松~徳島で2往復/日について、これも将来的には岡山~高松は廃止になる可能性があるだろう。この区間は「マリンライナー」で連絡と言う形にする。そうなってもなんらおかしくない。

★新型特急車両2700系の本格登場は2019年秋以降。2019年3月のダイヤ改正では2700系の性能に対応したダイヤにせず

ところで、JR四国は2000系を置き換える目的で新型の2700系特急車両が登場する事を明らかにしている。両数も多くて2両×20編成を2020年度までに土讃線と高徳線で営業開始する。

元々は2600系にする予定であったが、これを土讃線で試運転した所、車両傾斜装置や空気圧縮機の不良が判明しこの部分を作り変えた。2600系は試作車と言う位置付けで、2700系が量産車と言う位置付けである。

JR四国の台所事情が厳しいため、自腹で購入する事が出来ず、国から補助金をもらって購入している事も特徴。補助金次第で今後どれだけ勢力拡大するのか?カギを握るだろう。

2700系は車両増備の時期が2019年春には間に合わず、2019年秋以降になる見込み。単に車両変更なので2019年度はダイヤの変更を実施せず、2020年春のダイヤ改正で2700系の性能に応じたダイヤに直すのではないか?

JR四国の特急、特に気動車は”質素な作り”で個人的には好きではない。2700系もこうなるのではないか?それでもマクラ付き座席、フルカラー式の車内案内表示機等が搭載されるため、一応は”今風”の車両になっている。JR四国の特急は足回りが強い印象があるため、”走りっぷり”で言えば新型に期待したい所はある。

個人的には、四国に行く予定は今後全くないので、JR四国の写真が増えない所が頭の痛い点である。



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