【根室本線の森の中にある秘境駅古瀬へ】北海道維持困難線区を見る㉕
【訪問日】2018年9月19日(水)
【場所】根室本線の古瀬駅(K46)
★人の気配が全く感じられない森の中にある秘境駅古瀬へ!
直別(K43)まで来た時点で16:15頃。日没が17:30頃なので、それまでに根室本線でもう1駅訪問しておくことにした。
廃止となった上厚内は13時前に「スーパーおおぞら」で通過したら工事中。「廃駅を訪問して価値があるのか?」にも思った事、山深い所にあり行く事が大変であったため止める。
根室線で秘境駅として有名なのが古瀬(K46)。直別、尺別(K44)とは異なり普通列車でさえも半分程度が通過してしまう。日没ギリギリになりそうであったが、行ってみた。
国道38号を釧路方面へ17キロほど戻る。17キロと言っても北海道の地方では「近い」感覚で思ったよりも時間がかからない。古瀬駅に行くには「38ラーメン」と言うラーメン屋の角を左に入る。




↑「38ラーメン」を曲がった先の道は片側1車線の走りやすい道。札沼線の豊ヶ岡同様に「こんなところに秘境駅があるのか??」と思った次第。古瀬駅に入るためにはこの連絡道路から1本曲がった所を入るが、これはオフロード。クルマ1台が通れる事がやっと。

↑オフロードの道を400メートルほど走り古瀬に到着。特に古瀬駅を示す看板はなくて、スマホも4Gが普通に入る。古瀬駅周辺はクマ等の動物が出没しやすいと言うような事を聴いていたので、動物が近づかないようにradikoでラジオをつけたまま古瀬駅の中を歩く。そもそも誰も居ないのでラジオをつけながら歩いた所で迷惑になる事はない。すると列車接近の放送が聞こえてきた。放送と言っても業務用のものを旅客向けに多少発展させたもので、「ブーン!ブーン!」とけたたましい音がする。




↑入ったホームは板切れ。それも頼りなさそうなホーム。札幌行きの「スーパーおおぞら10号」が通過する事がわかっていたので、ホームの木製柱に体を寄せる。すでに警笛が連続して鳴らされる。それも仕方ない。こんな狭いホームに人が立っていて、列車は高速で通過するとなれば事故のリスクも高くなるためで安全上やむを得ない。「スーパーおおぞら」はあっという間に通過。再び何も聴こえてこない静かな雰囲気に包まれた。




↑駅舎?らしき建物があるが、ここにお客は入る事が出来ない。どうやら保線関係者が使う事務所らしい。この建物の前にあるホームを使う事が基本で、帯広方面行き、釧路方面行きとも共通のようだ。

↑駅前は完全なオフロード。うっそうとした木に覆われた地帯で、熱帯地域ではないのでジャングルとは言い難いが、そもそも人が誰もいない所に「駅」としての存在意義がよくわからない。古瀬も信号場で十分なのでは?と思った。古瀬は秘境駅としても有名であるが、とにかく人の気配を感じない。秘境駅の割には比較的行きやすく、駅出入口付近のオフロードの道さえクリアしてしまえば、大して大変な道とは言えない。







↑もう1本のホーム。相対式の交換可能駅であるが、反対側のホームとは離れているため少し歩く必要がある。特に通路も整備されているわけではなく、歩き難い。このホームはどうも副本線扱いで、線路を見るとマクラギの一部は木製のまま。時刻表を見てみると、通過する列車が圧倒的に多く、釧路が近い事もあってか釧路行きに乗車出来るチャンスが比較的高いが、帯広方面に対しては人の流れが薄いためか?14~18時台に1日に3本しかない。

↑使用済みのマクラギが積まれていた。

↑列車がやってきた。再び「ブーン!ブーン!」と言う音が響いてきた。



↑17:04発の2427D釧路行きが来た。古瀬からの乗降はゼロ。


↑車内をよく見てみると、数える程度しか乗っていない。単行でも十分なレベル。釧路に近づけば客数も少しは増えるだろうが、釧路周辺の普通列車は通学の高校生くらいしか乗らない。一般の人がJRに乗るならば「スーパーおおぞら」だけ・・・と言う事がわかった。これはあまりにも厳しい現実だ。こんな状況であればJR北海道の経営が成立しなくて当然。根室線だけではなくて北海道全域でこういう状況なのが、普通列車の利用実態なのである。
26回目に続く。続きは2019年1月4日(金)以降随時公開。
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