【留萌本線廃止区間瀬越、増毛】北海道の維持困難線区を見る⑥

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★一部廃止から2年。廃止後の様子を見る

【日付】2018年9月16日(日)

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【場所】留萌本線の2016年廃止区間、留萌~増毛のうち、瀬越駅と増毛駅へ訪問

留萌線列車は全て留萌止まりである。

14:21着の4927Dから下車したのは私を含めて2人だけ。折り返しは16:17発の4932D深川行きまで休憩となる。2016年12月4日までは増毛行きの列車で、増毛に14:51着→15:41発の列車であった。2018年現在の留萌線のダイヤは留萌~増毛があった当時のダイヤと全く同じで、同区間の運転を終了したので、このように深川での休憩時間が長い。

↑駅名表には元々「せごし」とあったが、今や消えてしまった。

↑駅の中が大きく変わったわけでもない。有人駅である事には変わりなく、昼間はしっかりと改札業務やきっぷ販売もある。早朝や夜間はそれらはやらないが、運転業務を行うため駅員自体は常駐で、JR北海道の直営である。

留萌駅と言えば、「にしんそば」が有名で私も1度食べた事があるが美味い。17時過ぎに戻ってくるので、その時に食べようと思ったのでその時刻に戻ってくるとすでに営業終了していた。どうも朝から夕方までらしい。14時過ぎとは言え、お客が絶えることがない。駅には列車に乗りに来るのではなく、「そばを食べに来る」地元の人が目立った。

↑北海道胆振東部地震の影響で留萌線も9月13日まで運休。私が乗った時には通常通り運転再開し、見た限り地震による大きな被害もなかった。

↑留萌駅の前にはクルマが大量に駐車。どうやら無料で止める事が出来るらしい。ここにクルマを止めて留萌線利用と言う人は多いように感じない。北海道では無料でクルマを止める事が可能な駅が多数あるが、札幌から遠くなれば遠くなるほどJR北海道の利用者も少なくなるため、一応「パーク&ライド」が整っていても、移動手段として鉄道を活用しない道民が少なくないため、実質的には機能していない。

↑増毛駅のバス停。バスは留萌駅のロータリーには入らず、駅から少し離れた(距離にして約200メートルほど)公道に設置されたバス停が留萌駅の扱い。ここには「沿岸バス」の待合所も設置。留萌駅から増毛駅方面には沿岸バスの大別苅行きに乗り換え。これが留萌線の代替輸送機関である。

しかし、必ずしも留萌線との接続が良好と言うわけではなく、14:21着の列車から接続可能なバスは15:55発となる。留萌線と沿岸バスの増毛・大別苅行きのバスはそれぞれ「別の交通機関。関係ない世界と相手はしない」と考えているためか?留萌線とジャストインタイムで接続しないのが、さらにお客を減らす要因になっているのではないか?

↑時間があったので、留萌駅の裏側にある公園へ。元々踏切があった所は線路の部分だけがコンクリートで塞がれ、パッと見では「踏切があった雰囲気」が全くしなかった。どこにでもある道路だ。線路があった部分を横から見れば一目瞭然で、廃止から2年が経過してもそのまま残っている。

↑踏切の手前で完全に線路は分断。しかし、実際にギリギリまで列車が入る事は出来ず、ホームからそんなに離れていない所に車止めがあって、そこまでしか列車が来れないのが現状だ。あくまでも車止めから先にも線路が残っているのは、撤去にコストがかかるため単にやっていないのか、それとも鉄道走っていた証拠を残すための”モニュメント”なのか?

★全てを完全に放棄した瀬越駅

留萌駅から瀬越駅には約2キロ徒歩30分である。国道231号線に出て、道なりに増毛駅方向へ進む。アップダウンが留萌市内ではそれなりにある。留萌税務署を越えて、サツドラ(サッポロドラッグストアー)がある信号機を右に曲がり、斜度14%もある急坂を下がると瀬越駅だ。

↑留萌線が廃止になっても、瀬越の絶景は変わりない。でも雰囲気が良くない。”覇気”がないと言うか、”元気”がないと言うか。元々線路や駅があった部分を中心に”破棄”されたためであった。

↑瀬越駅の入口は「立入禁止」。2年にわたり何も手入れされていないので草が生えまくる。

↑踏切があった部分は線路が剥がされて道路に。線路には立ち入れないように柵で仕切られているが、とくに線路が撤去されたわけではなく、そのまま残されていた。

↑柵があっても入ろうと思えば、ホームの中に入る事は可能。元々待合所がだった建物は塞がれていた。完全に全てを放棄し、2016年12月4日から時が止まった感じがした。瀬越駅の廃止後の様子を見に来る同業者(鉄道ファン)は少なく、地図にも表示されない。なぜかiPhoneで写真撮影すると表示された地名は「瀬越駅」であった。

★留萌線代替交通機関沿岸バスで増毛へ。バスもお客が少ないので今後が不安

【時刻】留萌税務署前16:03→旧増毛駅16:29

【車両】沿岸バスの日野ブルーリボンノンステップ(旭川230か105)

【運賃】420円(現金払いのみ)

↑バス停名は単に「税務署前」。国道231号線沿いである。4分ほど遅れて到着。車内に入ると10人ほどしかいない。ほとんどが高校生だ。基本的には留萌線に並走するように通る。礼受~阿分には留萌線側のみトンネルがあるが、ここにも人が入れないように柵があった。途中バス停からの乗降は皆無に等しく、ほぼ全てが留萌市内~増毛町内への”通し”。

沿岸バスの経路も多少変更があって、大別苅行きも留萌行きも増毛駅の駅舎近くにある同じバス停からの乗車となる。増毛駅は写真のようにキレイに残されている。これは増毛町が観光資源として、積極的に活用しているためだ。駅舎にも9:00~16:00(平日は17:00)ならば入る事も可能で、「タコザンギ」(500円)等の増毛特産の魚を使った食べる事が出来ると言う。今にも列車が来そうな雰囲気だ。線路を自由に歩く事が出来るのも、廃線後の特権なのであるが、増毛駅の外れは瀬越駅と同じく”破棄”された状態になっていた。増毛駅に訪れる観光客は多いが、ほとんどがクルマ。そもそも札幌からそんなに遠くない(それでも100キロ超えるが)事もあるだろう。私のように留萌線~沿岸バスを乗り継いで増毛へ来るのは、鉄道ファンか免許を持っていない人だけしかいないのではないか?!と思ったほど。

【時刻】旧増毛駅16:53→留萌駅17:25

【車両】沿岸バスの日野セレガ(旭川200か1118)

【運賃】420円(現金のみ)

わずか20分の滞在時間で増毛駅を出る。沿岸バスは路線距離が長く、お客も長時間長距離乗る事が多いため、一般路線であっても快適な座席を搭載した車両がそれなりにある。高速?観光?どちらか不明だが、ここからの転用車と思われ、座席リクライニングも可能。留萌線のキハ54よりも快適にも感じた。

車内に入るとラジオが流れていた。プロ野球日本ハムの中継で、よく聴いていると「STVファイターズLIVE」であった。以前この路線に乗った時にはHBCラジオの番組が流れていたので、どのラジオ局にするか?運転士次第との事か。

改めて廃止になった留萌線を見る。朱文別駅は駅が壊れた?ように。道路から線路上に容易に入る事が出来そうな場所には必ずと言って良いほど、柵がある。基本的にはそのまま残っており、撤去は進んでいない。礼受駅は車掌車の駅舎が残っていたが当然ホームに入れそうな感じではなかった。沿岸バスの車内は留萌駅までお客が増える事はない。完全な「貸切」であった。こんなに利用者が少なければ、バスも遠くないうちに減便や廃止になるのでは・・・と不安になるしかなかった。

↑18時過ぎの留萌駅。駅の中には待合室に列車に乗らない高校生が数人いるだけで、駅員もわかる所にはいない。完全に寂しい雰囲気だ。「この時間帯は改札を実施しないため、発車5分前になったらホームに入るように」との事。

↑18:18発の4934D深川行き。宗谷線北部で主に使用しているキハ54-509。お客は私を含めて2人だけ。途中の秩父別で1人乗車するのがやっとの利用状況。峠下で交換した留萌行きの4931Dも2人しか乗っていないありさま。

JR北海道の営業力不足とは思わない。現場に居る限りは。ちゃんと宣伝や集客はしているが、結果が伴っていない。結果がなければ宣伝や集客していないと言われても仕方がないが、超クルマ社会の北海道では鉄道に利用移転するのは非常に難しい。それに北海道の街の構造からして全て自分が住んでいる街で仕事、生活が完結。隣接する街や100キロ程度離れた街には、「用事がない限り移動しない」・・・と言うのは翌々日にクルマを走らせて気付いた事だ。これだとJR北海道の利用が期待出来ないのは、当然と言えば当然。北海道の社会構造がいわゆる「JR北海道問題」の根本の原因ではないか・・・。

陽が暮れて急に寒くなってきた。車内は非冷房のため最初は極端に暑かったが、窓を開けて列車風を浴びると、むしろ寒さで窓を閉めるほどであった。

7回目に続く。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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