「鉄道が好き」と言う事だけでは勤まらない・・・鉄道ジャーナル社のライター募集を見て思った事
もくじ
★鉄道ジャーナル社のライター・カメラマン募集記事を見て思った事。鉄道が好きでなくても、ライティング技術(作成や編集等)が高い人を歓迎
「鉄道ジャーナル2018年6月号」の最後のページに、編集者募集について書いてあった。この募集内容を見て、「そうだよなぁ~」と思った事。(以下当該の本文を抜粋)
「本誌では取材記事を中心に内容の充実を図るため、取材を含む記事の製作を担当していただけるスタッフ、ライターを募集しています。
”鉄道が好き”と言うだけでは難しく、鉄道に理解があり、取材や原稿作成の経験のある方、技術系の事柄に明るい方を歓迎します。意欲をお待ちの方は、最近実際に担当された記事(鉄道記事以外でも可)のコピー等を添えて電子メールでお申し出ください。
また、取材時の写真撮影をお願いできるカメラマンの方のご応募もお待ちしています。ある程度、時間的に自由に行動できる方、ふるってご応募ください。」
鉄道会社、鉄道を媒体にしている出版社等のマスコミ等の求人募集には、ほぼ毎回確実に「鉄道ファン」が入社試験の申し込みを行ってくる。
そこで、会社側が選考を行うのであるが、「鉄道が好き」「鉄道の事が詳しい」等の理由だけで、選考を通過→入社→憧れの職に就く・・・と言う事は限りなく難しい(と言うか、不可能)と言って良かろう。
今のJR東海の現業社員を見ていると、「この人、鉄道が詳しかったり、鉄道が好きな雰囲気しない。どういう動機でJR東海に就職したんだろうか?やっぱり出世とか安定とか?」とよく思う。
女性でよくあるのは、「接客の仕事をしたいから」。ただそれでも、接客だったら鉄道会社でなくても、ショップでも良いわけで、男性だと「地域社会に貢献したいから」ともあるが、それならば公務員とか他の地元の優良企業(静岡だったら、静銀とか鈴与とかスズキ等)でも良いじゃん!と思う今日この頃。
以前も、「なぜ鉄道ファンは鉄道会社に就職できないのか」と言う内容のブログを書いたが、ここに寄せられているみなさんのご意見で圧倒的に多い内容。
「鉄道が好きであっても、心身ともに健全でないと勤まらないから。24時間勤務、3~4日帰宅できない事は当たり前、お客から理不尽な苦情に対応する時にそれに耐える事が出来る人間性でないといけない。むしろ、鉄道が好き出来なくても、長時間勤務に耐えられる体力、精神的な強さが身に付いていない者が鉄道ファンには多い。
また、鉄道ファンは協調性がないので、組織力が特に求められる鉄道会社に合う人間かと言われると疑問だ。」
そう言われればその通りである。逆に言えば、鉄道は詳しくなくて良くて、心身ともにタフな人間が良いのだ。高卒入社の場合は、文化部や帰宅部出身よりは体育部出身の優秀な成績を収めた人が入社しやすく、その経験を基に今後の仕事に活かせているのは紛れもない事実である。
鉄道ジャーナル社のライター、カメラマン募集は中途採用であるが、ライター求められるのは、鉄道を知っている・知らないではなくて、ライティング技術(文章力、紙面にするための編集技術等)を重視する向きだ。
「ブログや私設ホームページの作成と編集をやっていたので、十分スキルがあります!」とPRしても、紙面で求められるもの、取材で求められるものは、また別のスキルなので、PRの材料としては弱い。
取材であれば、編集長が取材対象者に対して「○○についてハッキリと答えてもらえ」と言う指示が出る事も当たり前で、取材時に取材対象者に対して編集長が本当に求めている答えを”引き出す”必要がある。ストレートに質問取材する事もあるのだろうが、変に相手に不快に思わせてもいけないので、それは取材者(ライター)の「話術」とか「話芸」が絶対不可欠。変なしゃべりしか出来ない人は「戦力外」なのである。すなわち、コミュニケーション能力も高く求められるのだ。
そう言う事が出来ないと、不採用だろう。
これは知られた話だが、雑誌や本の編集者(専属の場合)は長時間労働が当たり前。朝早い時間の列車で通勤し、帰宅は終電・・・が毎日続くのだ。休日も少ないだろう。タテマエ上は休日が多いように見えても、実際には毎月の締め切りに追われる形で進めるので、休日返上もザラにある。
カメラマンも、一般的な撮り鉄やユーチューバ―程度のレベルでは不十分で、カメラの機械そのものが詳しくないと勤まらない。
鉄道ジャーナルで活躍するカメラマンの学歴を見ると、有名大学(有名専門学校)の写真学科卒業がザラ。むしろ、それ程度の学歴がないと雇ってもらえないだろう。
★鉄道ファンが「職業としての鉄道」にするには、宝くじで7億円当てるようなものか?
鉄道ファンが「職業として鉄道」とするのであれば、ブログやYoutubeで関連する記事等を投稿して広告収入で稼ぐか(これが最も現実的で誰でも出来る事なのであるが)、どこかの出版社等にスカウトされる事を待つか、評論家(大学教授等)になるか、タレント(芸能人)として活動するかしか選択肢化がないと言える。
いずれにせよ、狭き門である。鉄道好きを職業にする事は、極めて難しいと言える。むしろ職業に出来たら、それは宝くじで7億円当たるようなものと思って良いだろう。
みなさんはどう思うだろうか?
度々コメントします。
確かに鉄道好きだけでは、勤まらない仕事だと感じます。
特に鉄道ジャーナルは鉄道ファンと違い、鉄道を通じて社会と交通のあり方を問う内容になっており、
幅広い知識もですが、統計学など理系的な要素も必要になるんじゃないかと思います。
極論言えば鉄道なんか大都市だけでいい、地方なんて車やバスで充分、そもそも鉄道自体興味無しとの人の方が、
逆の観点から見ることができるのかもしれません。
いずれにせよ、趣味としての鉄道なら単に好きだけで充分ですが、
それを仕事にするには好きだけては無理ですね。
「鉄道ジャーナル」は理系的な内容も多いです。特に機械系のものが。よく車両整備工場の記事でも、結構専門的な言葉が出てきます。書く立場としても自らが専門的な機械的な事を知らないと書く事が出来ないはずです。
よく一般向けに車両整備工場の公開イベントでいろいろ見せてもらえますが、私も見た所で何がどういう事なのか?サッパリわかっていませんからね。
仕事=好きと言う人も中には居ますが、それは余程の信念があるんじゃないのかなと思います。入社しても理想と現実のギャップは絶対にあって、それに耐えられるかと言うと、そうではないですからね。