【定価主義の鉄道×割引主義のヒコーキ】JR・新幹線にはヒコーキのような多彩の割引がないのか?
もくじ
★なんでヒコーキは安くて割引運賃が充実しているのか?
私が2018年9月16日に東京(羽田)→札幌(新千歳)をヒコーキ利用した際、JAL(日本航空)の「ウルトラ先割」と称する割引運賃を適用して搭乗した所、運賃は12,800円であった。
9月6日に北海道胆振東部地震があったため、ヒコーキ利用者が減少したのも事実。私が搭乗する1週間くらい前に9月16日の運賃を確認してみると、私が使用した便では最安値が約25,000円であった。同じ時間帯のANA(全日本空輸)もだいたい同じくらいの金額。 東京→札幌のヒコーキの定価運賃は、JAL・ANAとも39,900円である。
これがJRだといくらするか?
東京(都区内)→札幌(市内)を東北・北海道新幹線→函館線・室蘭線・千歳線経由では、運賃が14,140円、特急料金(新幹線はやぶさ利用、通常期の普通車指定席料金)12,680円。合計すると26,820円である。
単に定価運賃だけで比較すればJRに軍配が上がると言って良い。

↑羽田~新千歳はヒコーキでは1時間30分で済む。実際には東京都心や札幌市内から空港までのアクセス、保安検査等の各手続で時間がかかるので、実質的には両都市間は約4時間であろう。


↑それに対してJRだと約8時間かかる。内訳は東京~新函館北斗の新幹線が4時間~4時間30分程度、新函館北斗~札幌の特急が約3時間30分程度かかる。
一応は北海道まで新幹線が通るようになったものの、あと10年くらいは新函館北斗止まりになるので、札幌市内には特急で道内を3時間以上かけてさらに移動しないといけない。そのため、東京~札幌の旅客数の実に95%近くがヒコーキである。 私もJRで東京~札幌を移動した事があるが、感覚的には「丸1日かかる」。
運賃としては定価だったらJRが安いが、時間は実質的にヒコーキの2倍かかる。 JRの割引きっぷは「えきねっとトクだ値」がある。
最大限割引を効かせた場合、新幹線が約17,000円、特急が約6,000円なので、合計でも約23,000円となる。(時期や割引の種類により異なる。目安金額である。発売数は限定で、少ない数しか発売していない) JRでこれ以上安くなるきっぷは存在しない。但し「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」を使えばもっと安く出来るが、東京~札幌をこのきっぷだけでは2日かかるので、今回は対象としない。
一方で、ヒコーキではもっと運賃が安くなる事がある! 前述のJALの「ウルトラ先割」では搭乗日によっては、1万円を切る事がある。冬のお客が少ない時だと、搭乗する1か月前の段階でも9,000円台で行ける事もある! 2018年10月現在は、「北海道ふっこう割」の関係で最安値は6,400円(きっぷの名称は違うがANAも同額)である。
さらにLCC(格安航空会社)を使うもっと安くする事が出来て、東京の場合は成田発となるが、成田~新千歳のバニラエアー(VNL)は最安値が4,300円から。高くても20,000円程度まで。 つまり、東京~札幌へ最安値で速く移動出来るのは、成田発のVNL等のLCCである。東京駅~成田空港まではJRバス関東等が運行する「ザ・アクセス成田」と称するリムジンバスでだとたったの1,000円で乗り口まで連れて行ってくれる。
私が思う疑問。なんでヒコーキはこんなに安いのか??
私がわかる答えはこういう事だ。
「ヒコーキは搭乗率(どれくらいの座席が埋まっているか)がJR以上にシビア。少なくても6割乗っていないと赤字で、8割以上ないと満足に黒字を確保出来ない。少しでも多くの座席を埋めるために割引運賃を充実している」
これは、JR・高速バスでも言える話だ。路線によっては乗車率6割以下とか8割以下なんて山のようにある。むしろ、これをクリアしているのは東京周辺の通勤電車や東海道新幹線くらいである。
★なぜJRは”お得意様”割引が少ないのか?「新幹線版JGC修行」は死んでも出来ないか??


↑東海道・山陽新幹線には「スマートEX」とか「エクスプレス予約」と称する、ネットやスマホから容易に新幹線のきっぷが購入出来る。
しかし、ヒコーキで言う「マイレージ」と言うものは、エクスプレス予約の一部にポイントがあって、貯まればポイントだけでグリーン車にアップグレードする事が可能である。 エクスプレス予約のポイントの貯め方がどうなっているか?不明であるが、入会するためには専用のクレジットカードが必要である。これはヒコーキの会員(JALで言うJGC、ANAで言うSFC)も同じである。 なお、エクスプレス予約であっても割引率は低く、どんなに安くても定価から1,000円程度までしか安くならない。スマートEXに至っては無割引(定価)に等しい。
なぜJR・新幹線は原則定価で乗せようとするのだろうか?ヒコーキのような多彩な割引運賃を導入するべきであると思う今日この頃だ。
特にJR東海は在来線であっても「無割引」が基本で、割引運賃導入は消極的。これは”お得意様”であっても同じ。JR東海の言い分としては「公平感を持たせるため」であろうが、そんなこと言い出したら他社で割引運賃導入しているのがおかしいのではないか?と言う批判になる。
ヒコーキの会員カード(クレジットカード)を持って搭乗すれば、基本的には非会員よりも安価でヒコーキに乗る事が出来る。 最近は「JGC修行」「SFC修行」と称する言葉出来ていて、要するに会員カードでたくさんヒコーキに乗ってポイントを貯めれば、将来的にはさらに安価でヒコーキに乗れる事、本来はVIPでないと使えない空港内高級ラウンジに無料で自由に使える等の特典が付いてくる。 こういうサービスは、JR東日本のグランクラスを除けば皆無である。
少なくても東海道新幹線の駅にラウンジと称する無料でドリンク飲み放題コーナーは存在しない。 少なくても、東海道新幹線ではエクスプレス予約ならば多少は優待されるが、スマートEXでは全く優待されない。
とか言ってJGC修行みたいに、「スマートEXで月に○回以上新幹線に乗れば、翌月は乗車1回につき○○○円割引」ものが出来れば良い。
今回は私の知っている範囲で書かせてもらった。誤りがあれば指摘されたい。私よりも知っている人が多いので、わかる人がいたらぜひコメントを頼む!
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