【国から2年で400億円支援を受けるのに】JR北海道お金がなくて新車購入できない?!

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★2020年度までの2年間で国から400億円の支援を受ける事が決定。その内訳は?

JR北海道は国に要求していた支援を受ける事が出来る事が決定。 当初は2030年度までを要求していたが、国が拒否したほか、同社内部で精査した結果、「長期的に支援してもらって経営改善するよりも、とりあえず2年間支援してもらってその間に赤字路線の収益向上に取り組む」と言う方向性に変わった。そのため、2019年度~2020年度の2年分だけ総額400億円を国から支援してもらう事になった。

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(主な内訳)

◆維持困難線区のうち、当分の間は廃止しない線区、すなわち宗谷線名寄以北、石北線、花咲線等について、赤字補てんを行う

◆札沼線(学園都市線)非電化区間、留萌線等の廃止する方針の線区については、今回の支援分から赤字補てん等は実施しない

◆函館線、室蘭線等の貨物列車走行線区に対する、新たな設備投資や修繕費に充てる

◆莫大な費用が発生している青函トンネルの維持管理費に充てる

(経営改善に向けた取り組み)

◆新千歳空港輸送の強化(快速エアポートの増便等)

◆観光列車の充実

◆宗谷線、石北線、花咲線等の赤字補てん対象線区について、利用促進活動の展開、二次交通(駅からのバス等)を含めた公共交通としての役割を果たしているか?詳細な利用状況の精査や把握を行い、現実に即した公共交通を提供できるように検討。具体的に数値目標を設定し、四半期ごと(3か月ごと)に利用状況を見極める

↑まさに「選択と集中」。赤字線区(不採算部門)については、利用促進や赤字補てんは行うが、利用状況の精査等を行い鉄道が「選ばれる交通手段でない」と判断された場合は、夕張みたいに積極的に廃止して他の交通に変更すると言う事もある内容だ。

★快速エアポートは増発!朝と夜には途中新札幌と南千歳のみ停車の「特別快速」を新設!

↑一方で黒字線区(採算部門)に対しては、積極的に設備投資を行い、新千歳空港駅に乗り入れる線路を増やして輸送力アップや函館・釧路方面行きの特急が入線出来るようにする大胆な構想も。

快速エアポートの増強について(JR北海道ホームページ)

↑2019年9月に公表した内容。外国人観光客の増加等により慢性的に混雑している快速エアポート。2020年3月のダイヤ改正で、1時間に4本から5本に本数を増やす。上記リンクには書いていないが、721系・733系3000番台は6両となっているが、これを7両に増結する方針だ。本数の増加+両数の増結により、約3割輸送力が向上すると言う。

さらに朝の札幌発、夜の新千歳空港発の一部列車は、途中新札幌と南千歳にしか停車しない「特別快速」を新設。現行では札幌~新千歳空港は約37分かかっているが、「特別快速」では約33分となる見込み。

2023年にはプロ野球日本ハムが北広島にメイン球場を移転。札幌市内への輸送の主体をJR北海道が担える見込み。球場直結の支線を建設する構想もあるが、そうなると千歳線全体の本数が増えるため、既存設備では限界がある。むしろ、今よりも本数を増やす事は難しい(不可能とは言わない)複々線化は現実的ではないので、増結(6両から9~12両程度に増やす)で対応する必要が出て来るだろう。

すなわち、千歳線では客数がアップする要素がタップリで、貨物列車や特急も通る路線でダイヤが過密になっている。そのため増発が難しくなっている。

千歳線がJR北海道を支える

と言ってもおかしくない状況だ。

★宗谷本線、花咲線などは利用者は少ないが、国防上残す事が必要!

しかし、北海道は国防上の理由や観光面で廃止が妥当ではない路線があるのも事実。「お客が少ないので、何が何でも廃止」と言うのは良くない。「観光に特化したJR線」があっても良くて、そこには一般的な車両ではなくて、「ミトーカデザイン」のような乗って楽しい車両だけ走って、季節や期間によって小刻みに内装やデザインを変える工夫があれば、恒常的に観光客(インバウンド)を呼び込めるのではないか?

なぜならば、「ミトーカデザイン」のような鉄道こそが「観光地」なのだ。だが、それをやるにはJR北海道や地元は相当の覚悟が必要になるのは言うまでもない。一過性で終わらせるのではなくて、長期にわたりその観光列車を育て、地元の魅力を発信し、地元を発展させてゆくグランドデザインとか、長期計画を組むには、まさに今が絶好のタイミングであり、絶好のチャンスであると言う事を、JR北海道や北海道のみなさんには認識されたいと思う。

★ローカル車両の新型気動車を買う予定だったが、お金がないので買えない?!

↑ところで、赤字線区の深刻な課題になっている事について、広くはクローズアップされていない。それは、ローカル車両(一般的な車両)が老朽化している事。

写真のキハ40は、北海道全域で見る事が出来る車両で、国鉄時代に登場してから今年(2018年)で35年以上の車両が大多数を占める。今や本州では国鉄型の引退が進む中、北海道では現役の主力車両だ。

しかし、最近は老朽化が進行し安全に運行出来ないレベルに達する車両が多数発生。2016年には特に深刻なレベルに達した10両を廃車。利用者の減少とセットになって、道内でローカル普通列車を1日あたり80本程度減便。今や北海道内を「18きっぷ」等を使って普通列車だけの乗継で旅行する事が、実質的に困難となった。(やろうと思えばできるが、体力的にはかなりしんどい旅行になる)

そこでJR北海道はJR東日本との共同開発で「H100形」と称する新車を開発。製造元の川崎重工から試作車が納車されて、道内各地で試運転中だ。2019年度から段階的にH100形を新車購入した上で、道内各地のローカル普通列車で営業に就く事にしていた。だが、これは「計画に終わってしまった」。

どういう事か?と言うと、一般的に新車購入は3年程度かかる。1年目に車両メーカーに発注、2年目に車両メーカーで製造、3年目に鉄道会社に納車し営業開始となる流れだ。

納車した時点で車両メーカーに対して、車両製造代金を一括で(分割払いは出来ないらしい)支払う事になっている。今回の国からの支援は2年分で、その中に新車購入金は含まれていない。

今からH100形の製造を発注しても、実際の納車は2021年度となるため、2021年度の段階で購入したH100形の代金が支払えるか?と言うと、「わからない」からだ。

場合によっては、車両は製造されたが代金が支払えない事もあり得る。そうなれば、JR北海道に車両が納車される事が出来ない。従って、今の所はH100形が納車される将来に、必要なお金があるのか?ないのか?わからないので、新車が買えないのだ。少なくても5~7年程度はまだまだ国鉄型のキハ40やキハ54に頑張ってもらわないといけないのだ・・・となっていたが、実際には全く逆の結果が待っていた!

★でも実際にはH100形は2020年から営業開始!

H100形電気式気動車(DECMO)投入線区について(JR北海道ホームページ)

↑2019年9月に公表。これによると、2020年3月以降に函館本線札幌~小樽~倶知安~長万部で、H100形を投入する事を決めた。当初は15両のみで、ワンマン列車を全てH100形に置き換える。

これだけでは終わらない。2020~2021年度には60両を追加投入。函館・苫小牧・釧路・旭川地区でも投入すると思われる。これにより各地にあるキハ40系を引退させる。2019年に入ってから、キハ40系の廃車が進行しており少しずつではあるが数が減っている。

北海道で一気に60両も気動車を入れるのは極めて珍しく、キハ40・キハ54等の古い車両で”しのぐ”事が出来なくなっているのだ。

★観光列車で客数・収益アップを狙う

北海道は観光資源の宝庫だ。それなのにJR九州のような魅力的な観光列車が存在しない。JR北海道の客数・収益アップのためには斬新な観光列車が必要だ。

THE ROYAL EXPRESS北海道クルーズの概要が決定(JR北海道ホームページ)

↑2020年8月に札幌発着で十勝・知床・富良野をめぐる豪華クルーズ列車の運行が決定。伊豆急行の2100系を改造した「THE ROYAL EXPRESS」である。車両や運行自体は東急が管理運営。JR東日本から不要になった電源車を譲渡してもらい、JR貨物が伊豆と北海道の間で甲種輸送の貨物列車として運んでもらう。

2019年9月現在、具体的な旅行プランは決まっていないが、概要としては、1日目に札幌を出発して石勝線→根室線経由で十勝に。2日目は釧路から釧網線で知床へ。3日目は石北線で旭川経由で富良野へ。4日目は旭川から函館線で札幌へ戻る。車内では宿泊が出来ないため、各目的地の豪華な宿で宿泊する事になっている。途中駅からはバスに乗り換えるため、ずっとTHE ROYAL EXPRESS に乗るわけではない。これはJR九州の「ななつ星in九州」と似ている。

道内では非電化区間を走行するため、車内照明や空調は電源車から供給。元々は8両編成であったが、電源車1両+ディーゼル機関車2両(重連の予定)も連結するため、ホームの長さの関係で客車にあたるTHE ROYAL EXPRESS の部分は5両に短縮される。

2020年8月に4回運行される予定だ。旅行金額は2019年9月現在不明であるが、決して安くはないはずだ。JR北海道にとっては他社からの”借り物”ではあるが、「ミトーカデザイン」の車両が初登場する。

他にも2019年7~9月には、宗谷本線でJR東日本から車両を借りた上で、「風っこそうや」を運行した。前半と後半では運行場所が異なり、前半の7月28日~8月12日は音威子府~稚内、8月17日~9月8日は旭川~音威子府であった。元々は7月27日からの予定であったが、悪天候のため同日は中止された。極めて盛況で満員続出!音威子府駅では村をあげた大歓迎で、Twitter上では「見たことがないほどの人が音威子府に居た」とツイートされる程だった。

「風っこそうや」は2020年以降の運転は未定だが、JR北海道や宗谷の沿線では、宗谷本線の利用活性化のためにそれなりの手ごたえを感じたと言う。全国から訪れた人も多かったが、「珍しい列車が走る」事を知った地元の人も多かった。普段鉄道を使おうともしないので、これを機会に少しでも鉄道を使ってもらいたいと言う雰囲気が作り出せたのであろう。

★まとめ

JR北海道はまさに「選択と集中」の経営が求められている。

すなわち客数・収益アップが期待できる路線は、徹底的に投資するが、そうではない赤字ローカル線は特に投資する事もなく、早いうちに廃止すると言うまさに”アメとムチ”。だがそれがJR北海道の身の丈にあった状況で、留萌本線の途中駅(恵比島や峠下等)に行ってみると、「人の気配を感じない」。ここに鉄道を残す事自体が難しいのだ。国鉄の時は全国統一と言うある意味で行政サービス的な事があったが、今やそれは薄れて「赤字が多い路線は積極的に廃止する」と言う方針になっている。これは本州のJR各社も例外ではない。

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KH8000

普段当たり前のように乗っている鉄道、バス、クルマは、意外と深い所まで知らない人が多いのではなかろうか? 例えば「何で大雨が降ると電車が止まってしまうのか?JRは簡単に止まるのに、私鉄が止まらない!その差は何か?」と素朴に感じるみなさんが知りたい”今話題のネタ”を、テレビ・新聞・SNSよりも詳しく、わかりやすく、深くしゃべり倒す!

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3件のフィードバック

  1. KH8000000000000 より:

    >受ける事が出来る事

    笑わせてもらいました。

  2. 匿名 より:

    鉄道社会が基本になってる東京の考え方に洗脳されてるだけでしょ。
    アメリカの地方都市を見てると車社会で何が悪いの?って思います。

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